クロスミッション換装後,初のTC2000はダンロップ出口~2ヘア進入まで(≒80R)のライン取りで苦労しました.
従来のライン(ダンロップを抜けた後,80Rで徐々にOUT側に膨らむ)では,3速キープで届かず,かと言って,4速に上げるには距離が短い・・・.ならば,距離優先で80Rをインベタで走ったところ,ギリギリ3速キープで届きました.
しかし,データロガーで
換装前と比較してみたところ,やはりインベタだとタイヤを横に使い過ぎてクルマが全然前に進まない事が分かりました.
「さて,どうするか・・・?」 「(´へ`;ウーム
と思案する中で,「もう一度,クロスミッション×従来ラインの時の車載を見てみるか・・・」と見返していたら,
「アレッ? このラップ,1ヘアの立ち上がりでシフトミスしてる・・・」 (・ ・;)
セクター2の公式タイムだと,
インベタライン ・・・ 28.267
従来ライン ・・・ 28.528 (+0.261)
と言う感じで,従来ラインで4速にシフトアップした方が遅かったので,「こっちのラインはダメかぁ~」と思っていたのですが,もしかして,0.26秒の遅れはシフトミスのせい??
・・・と思ったので,LAP+でインベタライン(緑)と従来ライン(青)の比較してみる事にしました.
上が車速,下がタイム差(上に行くほどインベタラインの方が速い)なのですが・・・,
「ゲッ! ほとんど差がないじゃん・・・」 Σ(゚口゚;
厳密には0.1秒,従来ライン(青)の方が遅いのですが,その0.1秒はブレーキング後に生まれており,80Rだけで見れば逆に0.05秒,従来ライン(青)の方が速い.
「やっぱり,感覚だけで判断しちゃダメだぁ~.ちゃんとデータと照らし合わせなければ・・・」
○| ̄|_
と反省しつつ,細かく見てみます.
ダンロップ出口
従来ライン(青)の方が車速が高かった要因の1つとして,ダンロップ出口のボトムが低い事が考えられます(タイヤを横に使い切っておらず,クルマを前に進められている).では,なぜダンロップ出口のボトムが低かったのか?というと,ダンロップの進入速度が遅かったため.なら,進入速度が遅かったのは?というと1ヘアの立ち上がりでシフトミスしたから・・・.従って,従来ライン(青)であってもシフトミスしていなければ,同じ結果になった可能性があるのですが,そこの裏取りが出来るデータはなかったので,ここの判断は保留にします.
ちなみに,両者のアクセルONのタイミングはこんな感じでした(↓).
【シフトミスなし】
【シフトミスあり】
ダンロップアーチの位置でよく分かりますが,シフトミスしている方(下)はかなり手前ですね.ステアリングもまだ戻していないので,操舵抵抗が結構ありそうな気がしますが,ボトムが3km/h低ければ,これでもクルマは前に進むんですねぇ・・・.やっぱりタイヤの縦・横のバランスを見切るって,難しいなぁ~と実感させられました.
80R進入
順調に車速が伸びていた従来ライン(青)ですが,途中で一瞬インベタライン(緑)に追いつかれますね(赤丸の箇所).ここで何が起きているのか?と思って車載を確認してみると,
【インベタライン】
【従来ライン】
インベタライン(上)の方が横Gがキツいのか,身体を傾けて耐えているのが分かります.ウインドウの位置を見るとロール量も僅かに多いようです.対する従来ライン(下)の方は,特にコレといった点は見当たりませんね・・・.旋回速度も同等ですし,失速するならインベタライン(上)の方な気もしますが,よく分かりません.
80R中間
横Gに耐えながらも車速を伸ばしてきた従来ライン(青)が,インベタラインに逆転されるのが4速にシフトアップするポイントになります.ここも車載を見てみましょう.
【インベタライン】
【従来ライン】
従来ライン(下)の方は,80R外側の縁石の,更にその中間くらいの位置ですかね? この時は「これ以上引っ張ると,4速に入れてる時間が短過ぎる」と思って7500rpmくらいでシフトしてしまったのですが,この位置だったらもう少し引っ張った方が良かったですね・・・.という事は,4速に入れている時間が短ければ短い程タイムは縮まる理屈からすると,従来ライン(下)の方はまだ縮め代が残っているとも言えそうですね.
ただ,4速に入れると回転数が下がるので,エンブレの効果が弱まり,ブレーキングがどうしてもヌルくなってしまいます.結局,これで0.1秒失っている訳なのですが,ブレーキングのヌルさは7500rpmシフトによって回転数がドロップしている事と因果関係があるので,ちゃんと8000rpmまで引っ張った状態で,もう一度試してみる価値はありそうですね.
更に,冬場のエンジンの吹け上がりであれば3速の吹け切る時間もより短くなりますから,トータルで考えると,やはり3速キープでインベタのラインを取るよりも,4速に上げても良いから従来ラインを取る方がベターなのかな?と思いました.
以上,80Rのライン取り研究でした.
こうやってデータを改めて見てみても,やっぱりタイヤの性能を100%引き出すって本当に難しいですね.タイヤの横の限界に達しているかどうかは,ステアリングの手応えやスキール音なんかで察知出来るのですが,クルマが前に進んでいるかどうか(タイヤの縦の限界に達しているかどうか)は,ローパワーFFの場合,ホイールスピンする訳でもなく,テールスライドする訳でもないので,察知するのがホントに難しいですね・・・.
ステアリング操作では,余計な抵抗を生まないように「舵角は少なく,手前からゆっくり,丁寧に!」を心がけていますが,今回のダンロップのように舵角が大きかろうが,構わず踏んだ方が速いというシーンもあるようですし,タイヤの縦・横のバランスを見切る力は,もっと鍛えていかないとダメですね.
これから暑くなってタイムも出なくなりますし,タイヤの縦のグリップをもっと感じ取れるように,自身のセンサーを鍛えるメニューも考えていきたいと思います.
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筑波サーキット・コース2000 | 日記
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2021/05/19 18:12:53