
まだまだ悩む足回り.仕様を考える中でスプリングの銘柄が再び気になってきました.
サーキット走行を始めて一番最初に使っていたのが「
merwede」.購入した車高調に付いていたものでした.その後,バネレートを上げようと「
Swift」を購入.スプリング特性なんて概念も知らず,何だか良く分からないが薦められるまま使っていました.その後,タイムを追うようになると「どうやら『
HYPERCO』というのが良いらしい・・・」と聞き,「レートの立ち上がりが速い」という部分だけ認識したものの,それがクルマの動きにどういう影響を及ぼすのか理解しないまま使い始めました.
そして現在.アレコレ考えながら走る事で,ようやく走行シーンによって必要な特性を理解し始めたところです.
そんな中で,各社のスプリング特性を調べる中で見つけたのがこの図(↓).

(Øutlawなモータースポーツ:
スプリングメーカーごとの挙動についてより)
結局,サスペンションとして考えた場合,スプリングは単独で使うものではなく,ダンパーと組合せて使うものなので,減衰特性を好みの設定に出来さえすれば,スプリングの低反発・高反発という概念はさほど重要なファクターではないのかもしれませんが,自分のドライビングスタイルからすると低反発の方が色々と都合が良い気がしています.
・・・で,その低反発スプリングの代表格となるのが「HYPERCO」.
使用実績もあるので,これを中心に考えるのが一番良いのですが,最近品薄なようで,廃番されるものも増えてきていますし,入手性という点で少し引っ掛かるようになってきました.「欲しいけど,すぐに手に入らない」というのは結構なストレスなので,これを機に他に目を向けてみようかと思います.
まず最初に気になったのが「SUSPENSION PLUS」.
こちらはUC-01~04というラインナップがありますが,これらの違いは,
UC-01 ・・・ 低反発スプリング
UC-02 ・・・ ローダウンスプリング
UC-03 ・・・ 高反発スプリング
UC-04 ・・・ 精度管理スプリング
だそうです.一番良いのは「UC-04」ですが,これはレース用のオーダースプリングなので値段も相応という事から,現実的な選択肢は「UC-01」となります.
その「UC-01」.
先程の概念図を見ると,「HYPERCO」よりも低反発という事で期待がもてるのですが,他のスプリングと横並びした写真で見るとゴツいんですよね・・・.線径が太い感じ.そのせいかID(内径)も「66」設定でした.私のEF8だとスプリングとタイヤのクリアランスはそんなにシビアではないので,IDが1増えたところで実害はないと思うのですが,このゴツさがちょっと引っ掛かります.
「IDが大きくなる」という事は「(同じレート・同じ自由長で)許容荷重が大きい」という事になるのですが,例えば,6インチ・8キロで比べてみると,
HYPERCO ・・・ 782kg (許容ストローク:97mm)
UC-01 ・・・ 685kg (許容ストローク:85mm)
Swift ・・・ 672kg (許容ストローク:84mm)
( ´・д・)ン?
となるんですよねぇ・・・.同じ低反発に属する「HYPERCO」よりも約100kg許容荷重が少なく,むしろ高反発に属する「Swift」と同じレベル.ならばと,参考までに同じ「SUSPENSION PLUS」の高反発スプリングである「UC-03」も調べてみると,
UC-01 ・・・ 685kg (許容ストローク:85mm)
UC-03 ・・・ 678kg (許容ストローク:85mm)
Swift ・・・ 672kg (許容ストローク:84mm)
・・・と,ほとんど差がない事が分かりました.ただ,「UC-03」の外観を見ると,
「UC-01」に比べて明らかに巻き数が少ないので,「UC-03」が「Swift」に近い特性なのは間違いないのですが,本当に「UC-01」が「HYPERCO」よりも低反発なのか?というと疑問が生じてきました・・・.結局のところは使って・試してみなければ分からないのですが,何とか情報を得ようと「UC-01」のユーザーコメントを漁ってみたものの,「HYPERCO」⇔「UC-01」を比較したコメントはほとんど見つからず,反対に「比較したコメントが見つからない」という事実から,「この両者は求めるものが違うのではないか?」という印象を受けました(UC-01,安くていいんだけどなぁ~).
次は「HAL」.
こちらは,低反発・中反発・高反発の3種類を揃えているようです.自社の中で低反発と高反発があるのだから,この両者は「HYPERCO」と「Swift」くらいの差があるんだろうなぁ~と勝手に思い込んで調べてみると,
「HALの高反発はHYPERCOよりも低反発」
と書かれているブログを見つけました….
(゚∇゚ ;)エッ!?
「何かの間違いかなぁ~?」と思い,この方のブログを色々読んでみると,かなり信憑性が高そうな雰囲気.念のため他も当たってみたところ,「HALの高反発はHYPERCOに近い」という似たコメントも見つかったので,どうやら事実のようです(繰返しになりますが,最終的には自分で試してみないと,これが合っているかどうかなんて分かりませんよ?).
じゃあ,「HYPERCO」よりも低反発な領域で,更に低・中・高があるの?という事で,この3種類の違いを調べてみると,
①低反発・中反発に比べて,高反発は1巻き少ない
写真で見ているだけなので間違っているかもしれませんが,同じ自由長で,どうも高反発の方(写真左)が1巻き~半巻きくらい少ない感じ.巻き数が少ない=高反発の図式は合っているので,この1巻きの差で反発の違いを表現しているんだろうなぁ~と納得.
②低反発⇔中反発の違いは?
じゃあ,高反発は明らかに違うとして,低反発⇔中反発の違いは?というと見た目からは分からないので,スペック情報から抜き取ってみると,
低反発の方は,オープンエンドなので初期のレートが低そうですね.加えてバレル形状なのでプログレッシブスプリングという事なのでしょうか? かなり特殊なスプリングのようですね.これに比べると中反発の方はクローズドエンドかつストレート形状でよりスタンダードなタイプに見えます.履歴を追ってみると,先に低反発が出た後に中反発が開発されたようなので,低反発⇔高反発で振った後に,低反発の独特な癖を抜いて,よりオーソドックスにしたものが中反発という事なのでしょうか・・・?
先述のブログの中には「初期の当たりは,HALの低反発12キロでHYPERCOの9.8キロ相当」というコメントもあったので,オープンエンドの特徴を裏付けていますし,中反発の方が新製品のせいか(HAL自体が勧めているのか?),低反発→中反発へ切り替える人もチラホラいたりと,今だったら中反発が良いのかなぁ~?と思いました.
ただ,こちらも6インチ・8キロの許容ストロークを調べてみると(HALは許容荷重未記載),
HYPERCO ・・・ 97mm
HAL低反発 ・・・ 93mm
HAL中反発 ・・・ 77mm
HAL高反発 ・・・ 81mm
Swift ・・・ 84mm
中反発は頭抜けて短いので,これはこれでちょっと引っ掛かるなぁ~という感じです(許容ストロークなんてメーカーが独自に決めている値でしょうから,会社間で比較してもあまり意味はないんでしょうけれど・・・).
最後に,この「HAL」の低反発・高反発を比較した記事がREVSPEEDにあったので,そちらも参照.

(REVSPEED 2018年4月号より)
プロのコメントを読むと「ああ,やっぱりそうなるのね」という感じでした.このテストの車載も見つけたので一応そちらも見てみたのですが(↓),
ワカンネェ ┓(´Д`)┏
・・・って感じでした(笑).富士ショートの起伏で足回りのテストになるのかな?と思いつつ,どのみちFFとFRでは重視すべきポイントが違うので参考程度にしかならないなぁ~と思って終わりました.
以上,スプリングのお勉強でした.
なんだかんだで色々調べてみると,やっぱり「HYPERCO」が一番隙がない感じですね.「SUSPENSION PLUS」も「HAL」も良さげに思えるのですが,「HYPERCO」の代替で投入すると外しそうな気もします.一番無難なのは「HYPERCO」の継続なんでしょうが,あの在庫状況のリストを見ると,先々困りそうな気もするしなぁ~.う~ん・・・前後のレートも決まらないのに,銘柄も決まらないと悩みが尽きない今日この頃です.