それでは後編です.
前回はヘアピンまでプロ(蘇武さん)との比較を行い,蘇武さんが求める『正解』に対してクルマ側が応えていない部分を2点確認する事が出来ました.
コースはまだ半分なのですが,さてここから先どれだけ出てくるのか? ある意味楽しみです(苦笑).
インフィールド
ヘアピンの立ち上がりで私(青)の方が先行したものの,そこからの加速で蘇武さん(緑)に追いつかれ,進入のブレーキングとなります(左側の赤丸).ここで蘇武さん(緑)の方が私(青)よりもブレーキングの開始が約5mほど遅い点に驚かされます.ほぼクルマ1車身分ですが,「どうやったらそこまで詰められるんだ??」と見てみると,このインフィールドの攻略法が蘇武さんと私で全く異なる事が分かりました.
色が変わって申し訳ないですが,赤が蘇武さん,青が私です.ヘアピンを立ち上がり,6コーナー(26R)の縁石に右側のタイヤを乗せて,インフィールド1つ目の7コーナー(30R)に向かっていく訳なのですが,ココの寄せ方が蘇武さん(赤)は非常にタイト.
6コーナーのこの時点(↓)でもうステアリングを切り始め,
(蘇武さんの方が切り始めるタイミングは早いのに,左下のボールが真ん中から動いてない点が興味深い・・・)
8コーナー(13R)の白線位置で見てもらうと分かり易いかと思いますが,ここまで(↓)クルマを寄せています.
インフィールドの進入で徹底的に最短距離を行っている感じですね.そして,ここからブレーキングとなる訳なのですが,ロガーデータを見ると,私の方が一気に車速を落として,車速を落とす事でクルマの向きを変えようとしている(フロントで向きを変えようとしている)のに対し,蘇武さんの方はタイトなライン取りの中でリアを動かして向きを変えようとしているのが見てとれます.
結果的に,この日のコンディションでは私のEF8のリアは粘ってしまい,蘇武さんのイメージほどリアが動かなかったのだと思われます.これが走行後に蘇武さんが仰った「リアの滑りが途中で止まってしまう」「ボトムのトコまで届かない」というコメントに繋がっていると思われます.つまり,ココでも蘇武さんが描く『正解』にクルマが応えてないという事なのでしょうね・・・.
バックストレッチ~左高速コーナー
インフィールドで蘇武さんが思い描く通りにクルマが動かなかった事が原因だと思いますが,ヘアピンとは異なり,ここからの加速は私(青)の方が良かったようで,0.15秒ほどリードしています.
洗濯板
バックストレッチでの加速で私の方が伸びた分,洗濯板への進入速度も高い訳なのですが,それ以外は取り立てて大きな違いはない・・・と思いきや,洗濯板の縁石の上にいる時の舵角は大きく異なりました.
蘇武さん(上)の方が舵角が少なく,少ない分だけ車速の落ちも緩やかです.つまり,旋回速度は蘇武さんの方が高い事になるので,これで先程の0.15秒のリードも消し飛んでしまいました・・・.
最終複合コーナー
洗濯板の上であれだけ舵角が違うのですから,その先の12コーナー(20R)に対し,インに向かって行く私と,アウトに向かって行く蘇武さんという違いが生まれます.どちらが正解か?と言えば,そりゃアウトに向かって行く方向ですよねぇ・・・.
旋回半径を大きくとれるのでボトムも上げられますし,クルマのロールも使えますし,最終の13コーナー(17R)に対しても浅い角度で進入出来ます.その結果,蘇武さん(緑)のロガーデータはキレイにV字を描いており(↓),
対する私(青)はフロントタイヤのグリップと相談しながらコーナリングしているので,W字になってしまっていますね・・・.ここはクルマの癖云々ではなく,純粋にドライバーの腕の差かな?と思います.蘇武さんに走行前に言われた「アタックラインの時は良い姿勢なんだけれど,計測ラップ中の姿勢が~」というご指摘を思い出してしまいました.
_| ̄|○lll ガクッ
以上,『正解』を知っているプロとの比較結果でした.
今回炙り出されたクルマ側の癖を纏めると,以下の3点のようです.
①高速コーナーで旋回中に失速する(VTECから外れる)
②低速コーナーでフロントの接地感が一定でない
③旋回ブレーキを使った際に,リアの滑りが足りない
それぞれ対策案を薄ぼんやりと見えているので,次の冬に向けてセットアップの変更を進めて行こうと思います.手っ取り早いのは,蘇武さんからアドバイス頂いた「リアタイヤの内圧」ですかね.引続きTC1000を走り込んで最適解を探っていきたいと思います.
改めて,今回『正解』を示してくれた蘇武さんには感謝致します.<(_ _)>
たった9分/4回のアタックラップでしたが,勉強になる事が盛沢山でした.
現状のEF8は蘇武さんの要求に応えられないクルマとなってしまっていますが,これから尖らせていきたいと思いますので,仕上がった際は,また乗って試して頂けると幸いです.本当に有難う御座いました!
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ドライビング研究 | 日記
Posted at
2022/06/22 07:48:40