前回のテスト結果から今抱えている問題を解消するためには,足回りのセッティングをやり直さないとダメな事が見えてきました.
何を・どの順番で変えて試していくか? 薄ぼんやりと計画を立てながら考える中で,ふと「そもそも,今の状態を引き起こした原因だと思っているアンダーパネルは,本当に原因なのか?」と疑問に思いました.原因を見誤って勘違いすると,迷路に迷い込む可能性もあるので,1つ確認してみる事にしました.
一番良いのはアンダーパネルを脱着して,その前後を比較する事ですが,コレの脱着はそこそこ大変なので,空力の代わりは空力で行うべく,GTウイングの脱着で模擬してみる事にしました.
アンダーパネルの装着で増えてしまったリア寄りのダウンフォースを減らすには(↓),
同じくリアでダウンフォースを発生させているGTウイングを外す事で相殺する(↓),
という考え方です.仮にこれで上手くバランスが取る事が出来るのであれば,ウイングレスはドラッグ(空気抵抗)の低減という恩恵も得られるので,モノは試しとやってみました.
(ちなみに,私のGTウイングは現状ほぼ水平なので,角度変更では差異は小さいと思い,丸ごと外しました)
なお,GTウイングレスの状態は
2年前に一度テストした事があり,その時はリアがフラフラになってマトモに走れませんでした(冬なのに42秒を切れなかった・・・).従って,TC1000レベルの車速でもウイングの有無は影響が大きい事は確認済みで,当時のブログを読み返しつつ,感触を思い出してみると,「もしかしたら,これでちょうど良いバランスになるかも!?」とまで思うほどでした.
・・・と前振りが長くなりましたが,ここから当日の模様です.
酷暑もようやく抜けたのか? この日は曇り予報で最高気温でも30℃ちょうどくらいとの事でしたが,8時過ぎには明るい陽射しが注ぎ,結局普通の夏日でした.今回のサーキットアドバイザーは井尻薫さんで,朝一はいつものアドバイザーシャツだけでしたが,午後は完全防備のこんなお姿に(↓).
勿論,格好と話の中身は関係なく.足回りの煮詰める順番・考え方のアドバイスは,私にとってタイムリーなお話で大変参考になりました.また,突如提案された「先導走行の同乗イベント」にも快諾されて,申込みが殺到してました.選から漏れて悔しがる人も多かったので,次回から定番化するのかな??
さて,私の方は,
ステアリングと
グローブを新調したのをすっかり忘れて「先導走行でフィーリングを確認しとけば良かった・・・」と後悔するも時既に遅し.ぶっつけ本番のT2枠(8:15~)でコースへと向かいます.
街乗りレベルでは新調したステアリングにようやく慣れてきた感じですが,サーキットレベルではどうかな?と試してみると,やはりポジションが微妙にしっくりこない.いつものシート位置だとステアリングが若干遠い感じで,ヘアピンで手アンダーを出してしまいました・・・.
街乗りでも最初違和感を感じたので,スペーサーの実測値を測ってみたのですが,20mm→21mmとむしろ微妙に手前に来ているので,遠く感じる要因は別にありそう(ステアリングの個体差?).その後はシートをワンノッチ前に出したり,チルトで高さを調整したりして,何とか妥協点を見出しました.
一方,GTウイングレスの影響ですが,やはり大きい!
ほぼ全てのコーナーでリアが出て,今までのアンダーステアは何だったんだ・・・と思うほど.1本目は手アンダーでクルマの向きを合わせ込めず,タイムは 42.308 と酷い有様でしたが,「これでバランスをとっていけば,かなり良いかも!」と期待がもてました.
続けてで2本目(A3枠:9:40~).
GTウイングレスのオーバーステアをニュートラル寄りに戻さないと42秒は切れそうにないので,リアタイヤの内圧を2.6キロ→2.5キロに落として微調整.これで1本目よりは走り易くなりましたが,それでも1コーナーの進入はブレーキングしたらクルマが勝手に曲がっていくような状態.最小限のカウンターで姿勢を保ちつつ,アクセルONでフロントが逃げないギリギリのタイミングを見極めようとトライしていたところ,
1コーナーでスピン!
なんとか持ちこたえられるかなぁ~?と思ったのですが,久方振りに回ってしまいました・・・.まぁでも,ようやくCR-Xっぽい動きが戻ってきてイイ感じ.その後,内圧を更に2.5キロ→2.4キロに落としたり,ドライビングを調整したりして,タイムは 42.119 まで短縮.
ただ,クルマの向きは良く変わりますし,コントロールもし易いのですが,全体的にクルマが横に流れるばかりで前に進まない・・・.確かにGTウイングレスだと,こういう動きになった記憶もあるのですが,アンダーパネルが付いた状態で,ここまで変化するのは極端過ぎる.バランス的には,GTウイングが付いた状態と外した状態のちょうど中間くらいが良いイメージに思えるのですが,
「いや,それは変だ.なんかおかしいぞ・・・」
( ˘•ω•˘ ) ウ~ム…
と引っ掛かりを感じるも,要因が思い当たらず・・・.考えてもダメなら聞くしかないと思い,ピットへ出向いて常連の皆さんに聞いて回ると,「コーナーの立ち上がりでタイヤが喰わない」というコメントがチラホラ.「これはもしや・・・」と思い,時計を見て午前中最後の枠のチケットを購入しに受付へ向かいました.
3本目(A9枠:11:40~).
聞いて回った情報と,後輪駆動のクルマがことごとく立ち上がりで苦戦している様から,2日前の走行会のドリフトが影響していると判断(=路面のμが低い).GTウイングを再装着し,これでアンダーステアに戻るなら「ウイングの影響」と判断出来ますし,オーバーステアのままなら「路面の影響」と判断出来る,とコースインしてみると,
なんと,お昼直前の気温が上がった状況なのに,この日のベストタイムとなる
41.970 をマークし,アンダーどころかちょうど良いバランス.
「なんだよー,オーバー挙動は路面のせいじゃないかよ!」 _| ̄|○ ガクッ
と確信.いつもだったらリアが勝ってアンダーステアの強いセットなのに,これでニュートラルという事は,間違いなく路面のμが低い.つまり,この日の路面は比較テストに不向きなコンディションである事にここでようやく気づきました・・・.
これ以上はもはや走っても仕方がなかったのですが,「路面が悪い事」を認識した上で,そのまま各コーナーに探りを入れてみると,いやはや,滑る,滑る(苦笑).それもコーナーの入口とか,中間とか,コーナリング中に向きを変えたいポイントではなく,コーナリングの終わり際みたいな変なポイントから滑り出すので,そりゃ,後輪駆動の人達が挙動を乱すのも理解出来ます・・・.
まぁ,これはこれでコントロールの練習にはなるので,そのままギリギリを狙って色々試していたら,
急にリアがロックしたかのように,ヘアピンでスピンしてしまいました・・・.
予兆もなく突然吹っ飛んだので,一瞬ビックリ.これ以上は本当に無意味と思い,走行を終了しました.
以上,変えて,試して,結局元の状態が一番速いという振り出しに戻ったTC1000でした.
フィーリングチェックという意味では,ドライビングポジションの適正化以外あまり得るものがありませんでしたが,一応GTウイングの有無の比較データは入手出来たので,これを分析して路面が通常の状態だった時をシミュレートしてみたいと思います.
当日お会いした皆様,情報提供有難う御座いました! & お疲れ様でした!