
9月に入ったので,そろそろEF8 vs EF8 第5戦の準備をしないといけないのですが,そこまでに何をどう変えるか?が決まりません・・・.
この間のTC1000でリアウイングを外してチェックしてみた結果,やはりアンダーパネルで発生しているダウンフォースのせいで前後バランスがリア寄りになっている事が確認出来たのですが,その状態から単純にリアのダウンフォースを削るとクルマが前に進まず,逆に遅くなってしまったので,今のダウンフォースありきで足回りのセッティングをし直した方が良さそうです.
じゃあ,どうしようかな?と考えた時に
日光のバウンシングの件もあったので,フロントのバネレートを落とそうかなぁ~と思い,HYPERCOの新しいスプリングを注文しようと思ったら,
こんな状態(↑)で欲しいレートを全く買う事が出来ません・・・.
う~ん.スプリングが買えないなら他の方法で前後バランスを変えるか?と考えた時に,そう言えば「
レーキをもっと付けても良いかも」とアドバイス頂いていた事を思い出しました.
「レーキ」というのは,クルマの前傾姿勢の度合の事で,

(pitTalk:
La Red Bull tra segreti ed illazioniより)
地面に対して車体が水平に近い状態(絵の上側)だと「レーキがついてない(レーキ角が小さい)」と言い,車体が前傾姿勢をとっている状態(絵の下側)だと「レーキがついてる(レーキ角が大きい)」と言います.
レーキを付けるメリットは,速度域によって空力性能を変えられる事です.
低速域(絵の下側)では,ボディ全体が前方に向かって傾斜した形をとる事でアンダーフロア全体がディフューザーの役目を果たし,特に車体中心より前側でダウンフォースが増えます.一方,高速域(絵の上側)では,ウイングによってリア側は下に押されるため,リアの車高が下がり,車体が水平になって前面投影面積が減り,空気抵抗が小さくなってストレートスピードが伸びる,というメカニズムになります.
この手法(所謂ところの「ハイレーキコンセプト」)は,近年F1でよく使われているものですが,フラットな路面で,広大なフロアをもつフォーミュラだからこそ使われる手法・・・だと思っていたのですが,なんとWRCマシンでも採用されているそうです.
それが今年からRally1規定に変わったGRヤリス.

(MotorFan:
WRCマシンのトヨタGRヤリス新旧比較より)
上が昨年のモデル,下が今年のモデルですが,今年の方がサイドステップ部分が傾斜しているのが良く分かります.WRCでも確かにターマック(舗装路)はありますが,当然の事ながら荒れた路面のダートもあります.ダートだと多少レーキ角も小さくなるようですが,それでも「ハイレーキコンセプト」を採用している点が興味深いです.
ダートも走るクルマで,なんで「ハイレーキコンセプト」を採用したの?と思って調べてみると,先述のRally1規定が関連しているようです.この新しいRally1規定では,フロントにカナードを付けられず(↓),

(MotorFan:
WRCマシンのトヨタGRヤリス新旧比較より)
リアも大型のディフューザーが付けらないため(↓),

(MotorFan:
WRCマシンのトヨタGRヤリス新旧比較より)
ダウンフォースの総量が減り,これを補うために「ハイレーキコンセプト」を採用したそうです.
これを読んで,「へぇ~,ラリーカーのような車体形状でもハイレーキって効果があるんだ・・・」と思ったところで,
( ‥) ン?
フロントにカナードがなくて,リアにディフューザーもない・・・それって,
私のEF8も同じじゃん!
これは是非とも
パクる インスパイアされるべきだな!と思い(笑),今のEF8のレーキ角を確認.
ありゃ? アクセルOFF状態でも,水平どころかリア下がりになっちゃってる・・・.
(フロントフェンダーとタイヤの隙間より,リアフェンダーとタイヤの隙間の方が小さい)
これじゃ,加速領域でアンダーが強くなる訳だ.ハイレーキ云々以前にまずはリアの車高を上げて,最低限ストレートではフラットな姿勢になるようにしないとダメですね.
以上,レーキを付けてみる?でした.
スプリングが手に入らない以上,日程を踏まえて最優先でやるべきなのはリアの車高アップのようですね.ただなぁ~,昔,
リアの車高を10mm上げて日光走ったら,高速コーナーでリアがフラフラになって攻め切れなかった嫌な思い出があるんですよねぇ・・・.ダウンフォースが効いてる今の状態なら大丈夫なのかもしれないけれど,レーキ付けて他にデメリットがないか?も合わせて考えないとダメですね.
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セッティング(空力) | 日記
Posted at
2022/09/02 19:49:03