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2022年09月14日

バランスアクセルって速いの?

バランスアクセルって速いの? 多分「バランス・アクセル」ではなく,「バランス・スロットル」の事だと思いますが,ちょっと見かけたもので・・・.

その話に入る前に,前回のスリッピーな路面の原因,カワイさん説が正しい気がしてきました.走行後,リアタイヤにカスがベットリと付いていたので除去作業をしていたのですが,「フロントは履きっ放しで帰って来たし,大丈夫でしょ~」と思って外して見たら,タイトル画像のような有様でした.

リアタイヤほどではないですが,フロントにも結構長めのタイヤカスがベットリ付いていて珍しい状況.FFのフロントはカスは付いても,すぐに剥がれるものなのですが,ドリフト走行後に似たような平べったくて長いカスが付いているので,路面がゴムで埋まっていた説の可能性が高そうです(AdP●werのせいでなくて良かった・・・笑).


さて,アンダーパネルを付けて以降,前後バランスが後ろ寄りになってアンダーステアが強くなったため,リアの限界を下げる試みを色々とトライしていたのですが,スリッピーな路面に翻弄されて,今後は逆にオーバーステアに悩まされるようになりました(コントロールに失敗してスピンする事↓もしばしば・・・).



オーバーステアの中でスピンしないギリギリを見極めて走らせてみたのですが,向きの変わりこそ良いものの,変わった後のトラクションの掛かりが悪いため,ロスの方が大きく,結局リアが滑り易い中で最もアンダーステア寄りにセットしたものが一番タイムが良かったです(ようは,何も変えない元の状態が一番速かった).

予想通りの結果だなぁ~と思いつつ,その一方で,向きの変わりを私が上手く活かせていないのでは? ドライビングに問題があるのでは?とも思い始めていました.そんな最中で「バランススロットル」の単語を久し振りに聞いたので,ちょっと復習してみようと思います.


「バランススロットル」というのは,言葉の通り,スロットルでバランスを取るテクニックの事です.
何のバランスを取るのか?というと,人によって色んな解釈があるようですが,大別すると,

  ①コーナリング中の車体の姿勢
  ②速度

・・・の2つのようです.


①の車体の姿勢の方は,ブレーキング→ターンインする際に車体が前傾姿勢にならないよう,水平に保つというものです(姿勢の前後バランスをフラットに保つ).


(AUTOSPORT No.1349:日本と世界はどう違う?[特集]スポーツドライビングより)

最近ではめっきり聞かなくなりましたが,一昔前は「日本式」と「欧州式」の違いとしてよく話題に挙がり,これを実現するためにブレーキングで「残す」だ,「残さない」だ,でよく議論になってました.「バランススロットル」はこれの「欧州式」を実現するためのテクニックで,「日本式」よりもリアタイヤが接地し続ける分,4輪合計のグリップが高くなり,より速いコーナリングが出来るというものでした(この話は以前も触れたのでコチラをご覧下さい).


ここで,「リアタイヤが接地し続けたら曲がんねーじゃん!」「曲がんなかったら遅せーじゃん!」という突っ込みを入れる方もいるかと思いますが,それは「日本式」のリアが安定していて,フロントタイヤのグリップで曲げる事を前提にセッティングされたクルマ(アンダーステア寄りのクルマ)でやるからだと思います.

「欧州式」の4輪全てが接地していないと,どこにすっ飛んでいくか分からないようなバランスにセッティングされたクルマ(オーバーステア寄りのクルマ)を前提にして「バランススロットル」使わないと,そりゃ速くならないと思います.




個人的には,オーバーステア寄りにセッティングした状態で「バランススロットル」を使って姿勢を保とうとすると,FFの場合,フロントが浮いて荷重が逃げてトラクションを失うため,FFには不向きなテクニックなんじゃないのかなー?と思っているのですが,バキバキの2Way LSDを入れてフロントを絶対逃がさない!とか,逃げようとするフロントをエンジンパワーで無理やり引っ張る!とか,そういう仕様にすればFFでも使えなくはないので,これはあくまで個人的な意見に留めておきます.

なお,「バランススロットル」を使った場合の副次的な利点として,姿勢をフラットに保つため,最適な空力効果を得られるとか,スロットルを積極的に開けるのでエンジン回転数を高く保ち易い(=高回転NAは向いている)という点もあるようです(詳細はコチラ).


続けて,②(車速).

こちらは「コーナリング中ボトムスピードを可能な限り上げる」という考え方で,最も車速の落ちるエイペックス付近で減速し過ぎないように,アクセルを開けて車速を保つというものです(加速も減速もしないレベルで車速を保つ).


(AUTOSPORT No.1349:日本と世界はどう違う?[特集]スポーツドライビングより)

こう言うと,「そりゃ,一番速度が下がるところでアクセル開ければ速度は維持出来るでしょうよ.でも,一番曲がって欲しいところでアクセル開けたら,アンダーステアが出て曲がんねーじゃん!」と思われるかもしれませんが,これも前提条件がやはり違うのだと思います.

車速維持の観点で「バランススロットル」を使う場合,ステアを切って,アクセルOFFにしたら,そのエンジンブレーキだけで勝手に曲がっていくようなクルマが前提として必要なんだと思います.アクセルOFFだけで勝手に曲がるようなクルマであるからこそ,ちょっとアクセル入れたくらいじゃ,せいぜいニュートラルステア止まりで,だからこそ「コーナリング中にアクセルを開けて速度維持!」なんて考え方が出来るんだと思います.


なお,私はTC1000だと,最終の複合でこの「バランススロットル」を使っていますが,



残念ながら「アクセルOFFだけで勝手に曲がっていくようなクルマ」にまだ仕上げられていないため,アンダーステアが若干残ってます.これを解消するのが直近の命題なのですが,なかなか解決策が見出せませんね・・・.
(勝手に曲がるようにセットしても,その場の向きが変わるだけで,全然曲がんないので・・・泣)


ちなみに,最近追加で調べてみたところ,以前も紹介した事があるドライビング・コーチの中納徹氏がこんな事を仰っているのを見つけました.



「スポーツドライビングとしてサーキットを走ることを考えた場合,『バランススロットル』以外にも考慮しなければならない要素が数多く存在する.基本的にサーキットではストレートを速く走った方がタイムを縮められる.そうするとコーナー出口で速くする必要があり,ステアリングを真っ直ぐに戻し始めるポイントが,コーナー出口のアウト側の目一杯の地点なってしまうのでは遅い.多少入口からクリッピングまでをタイトに曲げてでも,クリッピングからの脱出でタイヤを縦に使えた方が良い.それを実現するためには,クリッピングまでは多少遅くなってもいいから,ラインなり,操舵角なりを変えて,クリッピングから先を浅くした状態で立ち上がる事が大事」

「バランススロットル」だからと言って必ずしも定常円旋回でなければならない事でもないようですね.
加えて,コーナー毎にバランススロットルの使い方も以下のように解説されていました.

  【高速コーナー】
   ・バランススロットルが必要な場合が多い.
   ・なぜならアクセルをOFFにしている間は減速をしてしまうため. 
   ・コーナー毎に性格が違うし,走ってる速度の差もある.
   ・高速コーナーの場合はアクセルを少しでも入れていないとクルマをフラットに保てない.
   ・上記を理由に,アクセルを踏んでいった方が速い場合が多い.


  【中速コーナー】
    ・少しフロントが入りずらいコーナーが多い.
    ・このため,アクセルを踏み始めるポイントと,踏む量を調節しなければならない.


  【低速コーナー】
    ・ターンインからアクセルを踏むと都合が悪い場合が多い.
    ・低速では直線でブレーキを終わらせる.
    ・曲がれる速度まで落としたら,アクセルを入れて速度を維持してコーナーに入る.
    ・それでも上手く曲がれない場合は,いきなりバランススロットルを止めるのではなく,バランス量を変える. 
    ・アクセルをOFFにして減速する時間を作ってあげる. 
    ・量を調節する事で,アクセル踏んでいても減速している状態を作れる.
    ・減速させれば前荷重が増え,フロントが入り易くなる.
    ・それを試してもダメなら,アクセルを踏む量を減らす. 
    ・それでもダメなら,ターンインからアクセルを踏まずに入っていく. 
    ・更にダメなら,ここでやっとブレーキを少し残して入っていく. 
    ・それでもダメなら,ここで初めてブレーキを踏む時間を長くしてクリップに近づけていく.


「バランスをアンダーステア傾向にしたクルマは,ブレーキを残してコーナーに入れば,速く走れる方向に行く.いきなりそれが出来て,その方が速く走れる,という環境が日本では多い.しかし,それをやると手前の走り方という基本がないと,ブレーキを戻そうという発想に至りにくい.ブレーキを残して入るという方法を基本としている人だと,バランススロットルの概念が根幹にない.ブレーキを戻して進入する事が怖いと感じてしまう.『ブレーキをリリースしてステアリングを切る,というのはとても怖いことだと思うので出来ない』という話をよく聞く」


低速コーナーのこれでもか!これでもか!という「バランススロットル」の使い方が興味深いですね.1度やってみてダメだから諦める・・・ではなく,ダメだったらやり方をちょっとずつ変えてみて,「バランススロットル」を使う事自体は諦めない,というのは非常に興味深かったです.

私も「オーバーセッティングをやってみたが遅かった・・・」で終わらせず,これでもか!これでもか!と,ドライビングの面からもっと色々試行錯誤をしてみないとダメですね.勉強になりました.


あ~,ちなみに元の「バランスアクセル」と言っていた件は,恐らくカートの話なんじゃないかと思うのですが,四輪はともかく,カートの場合はオーバー寄り・アンダー寄りってどうやってセッティングするのでしょう? 私はレンタルカートしか知らないので,もし ご存じの方がいたら参考までに教えて頂けると有難いです.
ブログ一覧 | ドライビング理論 | 日記
Posted at 2022/09/15 01:24:49

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この記事へのコメント

2022年9月15日 6:38
おはようございます♪
興味深い話ですね。
仰る通り、たしかに以前は
よく雑誌にも掲載されてました。
ブレーキ残す、残さない 論争も含めて。
クルマがアンダー寄りかオーバー寄りかも
もちろん、
エンジン特性やギア比にも影響される気がしますね。
サーキットだとタイムが全てですが
そうでなければ、あるいはグリップの高くない路面なら
バランススロットルの方がコーナリングスピードあげられて楽しいように思います。
つまらないコメントで失礼しました😓
コメントへの返答
2022年9月15日 16:19
こんばんは.
最近はめっきり聞かなくなりましたよね.
これも国際化が進んだ結果なのでしょうか?(笑)

バランススロットルの速度維持の方は,言いかえればエンブレのコントロールだと思います.仰られる通り,エンジン特性やギヤ比に合わせてアジャストする必要があると思われます.

このテクニックは滑り易い路面でこそ真骨頂を発揮するので,サーキットよりはラリー競技の方が適しているんじゃないでしょうか.コントロールしている感はあるので,純粋に楽しいのも間違いありません!
2022年9月15日 10:57
そう言えばありましたね
この議論
すっかり忘れてました
復習、復習
コメントへの返答
2022年9月15日 16:21
復習のための予習になったのなら幸いです(笑).

ちなみに,最近のフォーミュラドライバーに聞くと「なんですか,それ・・・?」って反応を返されるそうですよ.
2022年9月15日 12:43
右足の...スロットルの開け方にもよるかな~と最近感じます。また過敏なデンスロ選択モードや、ECUチューンされたアクセルレスポンス&トルク増量などの影響は難しく。。様々な車のソコを同乗ちょい乗りで合わせ混んでいくプロ&プロ級の方々はやはり凄いです。
コメントへの返答
2022年9月15日 16:26
ペダルワークにおいて,タイミングのコントロールはともかく,量のコントロールって難しいですよね.クルマの挙動は遅れもあるので,合わせるのはホント難しいです.

繊細なアクセルワークで戦ってきたドライバー達にとって,昨今の電スロのダルな応答を嫌でしょうね(GRヤリスは特に酷いらしい・・・).

それでも,どんな特性のクルマだろうが,僅か半周かそこらでアジャストして合わせ込んでくるプロの技量には毎回脱帽してます.

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「[整備] #CR-X ヘッドライト上部の隙間埋め https://minkara.carview.co.jp/userid/1684331/car/1250119/8207459/note.aspx
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