
「
ZEV-Tokyo Festival」で見学した「Formula E」の話の続き.
前回はイベントの様子を中心に書きましたが,今回は会場で展示されていた「Formula E GEN2」を見た印象を纏めておこうと思います.
「Formula E」の車両はダラーラのワンメイクなので,外観的上の違いはカラーリングしかなく,この車両は「Nissan e.dams」のものになっています(お馴染みの赤と黒のNISMOカラーですね).
「Formula E」の最高速は280km/hだそうですが,市街地レースが中心な上にタイヤもローグリップなせいか,ダウンフォースの獲得を重視しておらず,EVの先進性を訴えるための未来的なスタイリングを主眼に,可能な限り空気抵抗を減らすデザインが採用されているそうです.
このため,空力的に調整出来る範囲はフロントウイングのフラップくらいだそうです(↓).

(ガーニーフラップが付いているのも確認出来ます)
リア側はF1のような大きなウイングは付いておらず,左右に分割された小型のスプリッターみたいなものが付いています(↓).

(こちらはガーニーフラップは付いてないですね・・・)
このため,ダウンフォースの獲得はウイングではなく,フロアで稼ぐコンセプトで,後部に大型のディフューザーが付いています(↓).
実物をこの目で見て,「90年代のF1か!?」と思うくらいの高さである事に驚いたのですが,「これならダウンフォースはきっちり出ているんだろうなぁ~」と思って調べてみると,実はそんな事はなく「ボディ上面がロードラッグで流速が速いため,このディフューザーの効果は薄い」との事でした.実際「GEN3」のデイフューザーはここまで大きくないですし,こんなところも見た目重視のようですね・・・.
とはいえ,フロアの面積自体は大きく,ドライバーの真横まで来てますし(↓).
奥にはTトレイも見えます(↓).
前側に戻って細部に目を走らせてみると,フロントノーズは非常に鋭角的(↓).
よ~く見ると,「INTELLIGENT MOBILITY」の文字の上くらいの辺りが僅かに窪んでおり,"エ"の字ような断面になっているようでした.
そして,「Formula E」の特徴とも言えるフロントタイヤのフェアリング(↓),
タイヤとフェンダーのクリアランスが,このままサスペンションストロークなんですかね?
なお,タイヤ後方はフェアリングがなく(↓),ここら辺だけ見てるとプロトタイプカーっぽく見えますね.
そのまま横を見ていくと,サイドポンツーンの一番外側にはフェアリングが付いており(↓),
ディフューザーを吊っているようなステーもありました(↓).
コクピットはお馴染みのヘイローで覆われているですが(↓),
以前見たF1よりも狭そうなコクピットに感じるのは気のせいでしょうか・・・?
ブレーキは,18インチのホイールという事もあってか,「ちっちゃいなぁ~」という感じ(↓).
そんな事を思いつつ見ていたら・・・(↓),
バランスウェイトがこんなに! 市販車ベースならともかく,フォーミュラでこんなに付いているのはあまり見た記憶がないのですが,コレ展示用だからですかね?
そう思い,「タイヤが違うのか??」と確認してみましたが(↓),
パターンは本番用と一緒に見えました.ちなみにスペックは以下の通り(↓).
あ! そう言えば,デモ走行した方の車両は,この公式タイヤを履いてなかったみたいです(↓).
「Formula E」のタイヤはドライ・ウェット兼用なので,先述の通り溝が彫ってあるのですが,デモ走行車のタイヤはスリックでした.そして,ボディをよく見ると「HANKOOK」って書いてあるし,S耐のタイヤでも持ってきたんですかね?
こちらのデモ走行車両,翌日のお台場ではクラッシュしてしまったそうですが,スリックタイヤだと溝のあるウェット兼用タイヤよりもハイトが低くなるはずなので,駐車場みたいなバンピーな路面だと,もしかしたら底突きして亀の子状態になり,そのせいでコントロールを失ったのかもしれませんね・・・.
以上,「Formula E GEN2」の見学でした.
こうして見ると,全体的にはルマンカーに近い感じでフォーミュラっぽくないですね.他に類を見ないデザインである事は間違いなく,素直にカッコイイと思うのですが,これが「GEN3」であのデザインになってしまうのかと思うと非常に残念ですね・・・.
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イベント見学 | 日記
Posted at
2022/11/21 20:51:11