
私はラップタイムの計測にDigSpiceを使っているのですが,EF8の先輩を始め古くからサーキットを走っている方は「サーキットアタックカウンター」を使われています.古い製品なので壊れて正しく表示されないとか,液晶が見えないとか,トラブルを抱えつつ使っているそうですが,先日,HKSから「
CIRCUIT ATTACK COUNTER Cute(CAC Cute)」という新製品が発売されたそうです.計測方法は変わらず磁気式で,CAC Cute本体とiPhoneを連携させてスマホ表示も出来るのだそうです(なので配線不要).ただ本体の電源がボタン電池だそうで10時間しかもたないというのはどうなんだ・・・?と思ったOXです.
さて,ようやく
エンジンの出力が安定したので,1月に投入したCR-Sの225/45R15サイズの評価が出来ました.スプリングとタイヤの要因を切り分けるためにフロントタイヤをA052に履き替えて比較も行ったので,纏めておこうとおもいます.
ちなみに,サイズを筆頭に諸々条件が以下のように異なるので,あくまで参考です.
【コンディション】
CR-S ・・・ 気温:16.8℃ 路面温度:23.1℃ 気圧:1016.8hPa
A052 ・・・ 気温:18.0℃ 路面温度:24.4℃ 気圧:1015.5hPa
【タイヤサイズ】
CR-S ・・・ 225/45R15(外径:583mm タイヤ幅:225mm 重量:?.?kg)
A052 ・・・ 195/50R16(外径:602mm タイヤ幅:201mm 重量:8.4kg)
【ホイールサイズ】
CR-S ・・・ ADVAN RZⅡ(リム幅:7.5J INSET:+40 重量:約5.0kg)
A052 ・・・ RAYS CE28N(リム幅:7.0J INSET:+48 重量:約5.0kg)
【タイヤ製造週】
CR-S ・・・ 22年18週
A052 ・・・ 21年35週
コンディション的には全てCR-Sの方が有利です.タイヤサイズはCR-Sの方が外径が20mm小さく,幅も24mm太く,おまけに扁平率まで小さいのでかなり有利です.ホイールはどちらも適正リム幅という感じですが,INSETが片側8mmも違うので,CR-Sの方がトレッド面で相当有利です.なお,A052の方は16インチサイズのホイールですが鍛造なので重量はほぼ同等です(CR-Sの方は鋳造).最後タイヤの鮮度はこちらもCR-Sの方が新しく,A052の方はショルダー部分がこんな感じの状態なので(↓),
まだ溝がくっきり見えるCR-Sの方が相当有利だと思います.
早速,比較に入ります.まずは公式のラップタイム.
【CR-S】
計測1 ・・・ 41.663
計測2 ・・・ 41.803
計測3 ・・・ 41.737
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平均 ・・・ 41.734
【A052】
計測1 ・・・ 41.872
計測2 ・・・ 41.958
計測3 ・・・ 42.034
-----------
平均 ・・・ 41.954
平均値通り,大体0.2秒CR-Sの方が速い感じですが,「太さが2ランク(タイヤ幅で24mm)も違って,たったの0.2秒かよ・・・」っていうのが個人的な感想です.
続けてロガーデータの比較ですが,タイム差があるものを比較してもあまり面白みがないので,ここでは両者共に41.8秒のデータをサンプルとして比較してみます.
赤線がCR-S,青線がA052,黒線がタイム差です.順番に見ていきます.
スタートライン~1コーナー進入
CR-S(赤)の方が車速が2km/h低いですが,これはこのラップの助走をミスっただけでタイヤのせいではありません.1コーナーのブレーキングはCR-S(赤)の方が太い分,詰められるので約6mほど奥でブレーキングを開始しています.
1~2コーナー
A052(青)の方が若干手前からブレーキングしたせいもありますが,ボトムは5km/hくらいA052(青)の方が高いです.確かにCR-SはA052に比べて斜めのグリップがないのですが,タイヤ幅がこれだけ違うのに悲しいですね・・・.1コーナーを抜けた後のコーナリングはほぼ同等.タイム差もついていません(これまた悲しい).
ヘアピン
ここもCR-S(赤)の方が太さを活かしてブレーキングを奥まで我慢出来ます(よく止まる).但し,減速Gは両者共にほとんど変わらないのがこれまた悲しい.そして,前回のブログでも触れたコーナーのミドル部分.ご覧の通りA052(青)の方がボトムも高いですし,立ち上がりのアクセルONも早いです.
インフィールド
インフィールド進入の時点でA052(青)の方が0.17秒リードしており,前半区間はA052(青)の圧勝です.しかし,ここからCR-S(赤)が反撃を開始.技を封じられて「曲がらねぇ~」と思っていたインフィールドですが,こういう領域は力で捻じ伏せて走る方が速いようで,CR-S(赤)の方が車速をさほど落とさなくてもコーナリング出来ています(ボトムが3km/h高い).
バックストレッチ~左高速コーナー
インフィールド立ち上がり後の車速の伸びは,CR-S(赤)とA052(青)でほぼ互角なのですが,ボトムが高い分,CR-S(赤)の方が絶対値が高いので,バックストレッチで2→3速に上げる頃には,前半区間で失った0.17秒の差を取り返しています.
洗濯板~最終複合
洗濯板進入のブレーキングでも,やはりCR-S(赤)の方が遅らせる事が出来ますが,特段これで有利になる事もなく,最終複合で帳尻を合わせているので,ここは両者互角といった感じです.
纏めると,225幅のCR-Sが有利な点はインフィールド(タイヤのグリップで力任せに曲げる領域)だけで,他は195幅のA052と同レベルという事のようです.乗っていた時に感じた通り,
ちゃんと荷重を掛けて曲げる,コーナーのミドル部分では20mm以上細くてもA052の方がグリップで上回っているのは間違いないようです.
以上,A052 vs CR-Sの異サイズ格闘戦でした.
タイヤのグリップで曲げるか? クルマの姿勢を作って曲げるか? ドライバーのスタイルによってタイム差は変わると思いますが,「喰わなくても(安くても)太けりゃ何とかなるかなぁ~?」と思った作戦は,「細くても喰う方(高い方)がやっぱり速い!」という正論の前に敗れました.今回の経験を活かし,次回タイヤがなかった時はサイズを落として探す方向にしようと思います.
ちなみに,CR-Sがここまで勝てなかった要因の1つとして,「タイヤ重量」というのがあるんじゃないかな?と思いました.実物を測っていないので正確な重量は分かりませんが,タイヤ交換で持ち上げた際「CR-Sはホント重いなぁ~」と思います.「これだけ重いとパワー喰われるよなぁ~」と思った瞬間,こもりん.さんが折に触れて「ローパワー車はタイヤの重量で差が出る!」と仰っていたのを思い出した,そんな分析結果でした.
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セッティング(タイヤ) | 日記
Posted at
2023/03/25 12:11:19