私⇔プロ間の比較で0.2秒差がどこでついたのか? は分かったのですが,どうにもS3で生じた0.17秒差の原因が分からないので,見方を変えて,プロが41.1秒→40.9秒に上げるのにどこで・何を変えたのか?を探ってみたいと思います(これで日光ネタは最後です).
比較するのはプロの5周目(41.199)と9周目(40.914).
41.199 ・・・ S1:9.366 S2:18.288 S3:13.545
40.914 ・・・ S1:9.256 S2:18.185 S3:13.473
概ね各セクターから0.1秒を見つけ出してきてますね.41.1秒を出した後,その後2周はタイムダウンしているので,この間で何かを掴んで次のLAPで纏めたんでしょうね.さすがです!
今回は動画を中心に見てみます.まずはS1から.
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違いが出ているのは2コーナーのアプローチ.41.1秒(左)の方はインに巻き込み過ぎたのか? カウンターを当てています(↓).
このロスを削って0.1秒を拾って来たようですね.カウンターを当てているという事は「そっちの方が良く曲がっている」とも言える訳ですが,曲がり過ぎを抑えるのに,どういう風にドライビングを変えたのか?をロガーデータから探ってみると(青:41.1秒 赤:40.9秒),
1コーナーの進入で少しだけ突っ込みを抑えて(1つ目の緑丸),その分1~2コーナー間のブレーキは緩めて(2つ目の緑丸),帳尻を合わせつつ前傾姿勢も起きにくいようにコントロールして,カウンターを当てなくて済むようにしているみたいですね.これがプロならでは引き出し(技量)といった感じでしょうか.
続けてS2.
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6コーナーでカウンターを当てる動作は両者変わらないのですが,当てるタイミングが違いますね.40.9秒(右)の方が早く当てて(↓),
戻し→再度切込みのタイミングも40.9秒(右)の方が早いです(↓).
つまり,「リアが流れるポイントがより手前に来るように修正する」事で,6コーナーへより早く切込めるようにし,ヨーを逃がさず,旋回する力に変えているという事なんだと思います.ただ,ロガーデータを見るとブレーキングを開始したポイントは全く変わらないので,これで一体どうやってリアの流れるポイントを手前に持ってきたんだ?と思い,フリクションサークルを見てみると(↓),
41.1秒(青)のボールはほぼ真っ直ぐ上に向かっているのに対し,40.9秒(赤)のボールは若干左斜めに向かっているのが分かります.つまり,横Gが弱い状態でブレーキングを開始するのではなく,更にステアリングを切った or アクセルを踏んだ,より大きな横Gが生じている状態でブレーキングを開始する事で,リアが流れるポイントを手前に持ってきたようです.
これがプロが言う「ステアリングを入れていくタイミングとか,ブレーキを入れていくタイミングとか」なんでしょうね.なるほど,なるほど・・・.
最後にS3.
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ここは40.9秒(右)の方の10コーナーのカウンター量の少なさが目につきますね(↓).
このロスを生じさせないために,敢えて10コーナーのブレーキングで突っ込む量を抑えたようです.その結果,車体挙動の乱れが少なく→修正舵の量も少なく→ロスも少ない,という図式のようです.この辺りの「突っ込むべきところ」「引くべきところ」の見極めがプロならではといったところでしょうか.
たった7周(7回)のトライで,これら全てをタイムが速い方にアジャストし切るんですから,やっぱり
プロって凄ぇー! (゚ロ゚*) (゚ロ゚*)
・・・ってなりますね.
以上,プロはどこから0.2秒を拾って来たか?でした.
私はどちらかというと「抑え過ぎ」な性格なので,「突っ込むべきところ」は走ってて割と気づくのですが,「引くべきところ」は自分で気づかないんですよね.S3の遅れもその辺りにヒントがある気がするので,この辺りが判断出来るように鍛錬を積みたいと思います.
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Posted at
2023/04/20 00:04:31