
ホイールナット座面の荒れ対策として,KYO-EIの「Racing Composite R40」という製品を手配して覚書がてら,みんカラの
パーツレビューに上げておいたのですが,これを見た坊愚さんから「こんな情報があるのでご注意を・・・」とメッセージを頂きました.
はてなんだろう?と思いリンクを開いてみると,「
ヒューズのお勉強」の時に拝見させて頂いたYouTubeチャンネルでした(↓).
割とシリアス気味な内容だったので,事象編・解析編の動画も合わせて内容を見させて頂き,何が起きているのか理解した後,裏取りのためにKYO-EIのサイトも確認してみたところ,確かにこんな注意喚起のページがありました(↓).

(KYO-EI:
Racing Composite R40 フローティングカラーについてより)
このページ(↑)は'23/4月にアップされており,件の動画と時系列が一致するので,どうやら事実のようだ・・・という事で真面目に読み返してみます.
この「Racing Composite R40」という製品は,ホイールと接触するボルトの座面(カラー)とボルト本体が別体のパーツとなっており,カラー部分は本体から浮いてクルクルと回るようなフローティング構造となっています(↓).

(KYO-EI:
Racing Composite R40より)
ボルトを締め込んでいっても,カラー部分は前後方向には動かないのでワッシャーを間に噛ませたような効果を発揮してボルトの緩みを防ぐ効果があるのだそうです.
ボルト本体は「SCM435」というクロムモリブデン鋼(スチール)で出来ており,固く熱膨張率が低いため,高温にさらされても変形しにくいという特性を持っています.これに対し,カラー部分は「A7075-T6」という超々ジュラルミン(アルミ)で出来ています.「A7075-T6」はアルミホイールにも使われている素材だそうで,ホイールにナットが直接接触する部分を同じ素材にする事によって,ホイールへの攻撃性を低減しているのが特長だと思われます.
(実際,私もその利点からこの製品をチョイスしました)
ところが,当たり前な話ですがアルミなのでスチールよりは変形し易く,これにホイール側の特異なテーパーサイズが組み合わさると,あまり宜しくない変形が起きるとの事です(↓).

(KYO-EI:
Racing Composite R40 フローティングカラーについてより)
右の図(図2)のようにカラーのテーパー部分が全て密着するようなホイールであれば何も問題ないのですが,左の図(図1)のように,ホイール側のテーパー部分が短い(浅い)ホイールの場合,カラーが途中までしか嵌らず,カラーのテーパー部分の途中に力が加わって変形してしまうそうです(↓).

(KYO-EI:
Racing Composite R40 フローティングカラーについてより)
本来ホイールとナットは面 vs 面で接触して締結力を発揮しているのに,上記のようにテーパーが「く」の字状に変形してしまうと,「く」の中央部分はホイールに接触せず,その上下の2点しか接触しない事になります.当然この状態では設計通りの締結力を発揮せず,結果ホイールにガタが出てしまう!という事のようです.
なるほど,これは怖いですね・・・.(||゚Д゚)ヒィィィ!
とはいえ,ホイールのテーパー部分の長さなんてカタログには載っていないので,自分が使っているホイールがOKか? NGか?なんてどうやって判断すれば良いんだ・・・?と思ったところ,「ホイールのテーパー座が外径Φ21mm以上」であれば問題ないとの事でした(↓).

(KYO-EI:
Racing Composite R40 フローティングカラーについてより)
なるほど! テーパーの角度(60°)は決まっているので,ボルトを通す穴径(M14)を基準に計算すれば,必要な接触面積を得るための直径が分かりますね.
・・・という事で,早速手持ちのホイールのテーパー座を調べてみました.
【RAYS CE28】
【ADVAN Racing RZⅡ】
いずれも「21mm以上」で問題なしでした! ε=(^。^;) ホッ
現状これらのホイールに「Racing Composite R40」を組み合わせて使う予定はないですが,一先ず安心ですね.
以上,「Racing Composite R40」の注意点でした.
次のホイールを選ぶ時は,ホイールのテーパー面の深さにまで気を配らないといけないようですね(やれやれ・・・).
ま,それはともかく,坊愚さん,重要な情報提供,有難う御座いました! <(_ _)>
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Posted at
2023/06/19 00:19:08