先週のファミ走でTC1000を走った際,何もセットを変えてないのに突如としてクルマの特性がオーバーステア側に振れて,その原因が分からず,1週間悶々としてました.
左右の空力バランスが崩れた事も一因ではあるのですが,それだけでハーフスピンを喫する事は考えにくく,セットを何も変えていない点から原因はドライビング側にありそうです.
ドライビングが原因なら,0.003秒しか違わない先月の走行と比較して何か分からないか?とロガーデータと睨めっこしたところ(青:先月 赤:今月),
1コーナーとヘアピンで,今月(赤)の方が減速Gが大きい事が分かりました.
今月はそんなに強くブレーキングしたかなぁ~? いつもの通り走らせたつもりなんだけどな・・・,
Σ(*゚ロ゚) ハッ!!
違う! 今月が強いんじゃなくて,先月が弱いんだ!!
そういえば,先月の走行は
ブレーキブースターを新調して(↓),
初回の走行だったので,限界を探りながら走行していたんでした.
それに対して,今回は感触が掴めているので,いつもの通り思いっきりブレーキングしていたんでした・・・.
ブログを読み返してみると,そういえば自分でも
こんな事(↓)も言ってました.
(NA1仕様は)踏み代の80%を超えたような辺りでEF8仕様よりも前傾姿勢が強まる(=制動力が増す)印象でした
う~む.どうやら今回のオーバーステアはブレーキが原因っぽいですね.
ならばと,ヘアピンでハーフスピンを喫した周(青)とセッションベスト(赤)を比較してみると,
ハーフスピンをした周(青)は,かなり奥までブレーキングで突っ込んでいたようです.セッションベスト(赤)と比較してみるとブレーキングの開始ポイントを約10m遅らせており,更に約2km/hも高い速度から止めにいったようです.このシチュエーションだとブレーキをかなり強く踏んでますね・・・.
ならば,減速Gはどうなのか?と見てみると,
絶対値はセッションベスト(赤)の方が大きいですが,減速させている時間はハーフスピン時(青)の方が長かったようです.クルマの前傾姿勢は,ブレーキの強さよりも踏んでる時間の長さの方が強まりますから,ハーフスピン時(青)は前傾姿勢が強過ぎて,リアタイヤがリフトしてしまい,それによってスピンモードに入った可能性が考えられます.
この推測の裏取りをするために,もう一度車載を見返してみると,
ブレーキングを開始して,ヒール&トゥで3→2速と落としたところまでは何も起きていないのですが(↓),
そこからターンインを開始しようと,ほんの少しだけステアを右に切った瞬間(↓),
スピンモードに入ったようです(↓).
この動き方は間違いなくリアが浮いてますね.
つまり,今回のハーフスピンの原因は「ブレーキングで突っ込み過ぎて,前傾姿勢が強くなり過ぎたせい」という事なのですが,これ1つおかしな点があるんですよね・・・.
前傾姿勢が強くなったという事は,それだけ「制動力が増した」という事なんだと思いますが,ブレーキングの開始ポイントは10m遅らせて,2km/hも高い速度から止めにいき,その状態で「制動力を増した」ら,こんな感じ(↓)でブレーキがロックするはずなんですよ.
でも,今回は全くロックしてない(そんな素振りは微塵も感じなかった).
「ロックしないのに制動力が増す」という現象が非常に不可解です・・・.
(-"-;) ???
1つ考えられるのは,NA1用のブレーキブースターの特性が,想像していたこういう(↓)特性なのではなく,
実はこういう特性(↓)だったんじゃないかと.
つまり,EF8用のブレーキブースターに対して,NA1用は全体的に効きが弱くなっていて,同じペダル踏力でもEF8仕様と比べると油圧が低くロックしにくい.ロックしにくいので,その分ペダルの踏み代が増えてコントロールの幅が広がった.そのコントロールが広がった幅の分だけブレーキを更に追い込めるようになり,結果,今までだったらロックするような踏力でもロックさせずに制動力を発揮させる事が出来るようになった・・・そんな理屈だと,今回の現象が説明出来るかな?と思いました.
以上,オーバーステア挙動の考察でした.
タンデムブースターの特性が分からないので,感覚的なタラレバでしか推察出来ませんが,いずれにせよ,ブレーキロックしにくくなったのは良い方向ですし,路面温度が高過ぎてリアタイヤがベッタリとへばりつくこの時期に,ドライビングの仕方次第でオーバーステア挙動を出せるのは武器にもなります.
あとはこのオーバーを私が自由自在に引き出せるか? 練習メニューがまた1つ増えてしまったようです(苦笑).
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筑波サーキット・コース1000 | 日記
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2023/08/15 03:51:19