
ブレーキブースターを変更してから出るようになったオーバーステア挙動.現状TC1000しか走っていないので,ヘアピンでしか起きないのですが時折顔を覗かせます.
それも毎回顔を出してくるのではなく,特定の条件下で,特定の操作を行うと突如として顔を出すようです.その「条件」と「操作」がまだ完全に解明出来ていないのですが,ロガーデータを解析したところ,どうやら要因の1つに「ヘアピンで突っ込み過ぎた時(ブレーキングを遅らせた時)」というのがあるようです.
前回のTC1000では,(大)@みやう軍団さんを追い掛けてブレーキングで詰めようとしたシーンだったので(↓),
やっぱり突っ込み過ぎだったんだろうなぁ~と思っていました.
ただ,今回のスピンは
これまで起きていたオーバーステア挙動とは何かが違う気がしたんですよねぇ・・・.これまでのオーバーステア挙動では,ブレーキングを終えてステアを少し右に切った瞬間に,リアがズバッ!っと流れる感じでした(↓).
強めのブレーキングでリアタイヤの荷重が抜けて,フラフラしている時にステアを入れて,ヨーが発生し始めた瞬間にリアが破綻する・・・という一連のメカニズムは理解出来るのですが,今回の場合は,ステアを全く切っていない時に突然リアが流れ出したような気がしたんですよねぇ・・・.

(↑スローで見ても舵を入れたかどうか微妙な感じ)
多分,ステアを切ろうとしてリアが流れ出したら,身体が勝手にカウンターを当てにいくと思うのですが,今回はまだステアを切っていないのに滑り出したので,それこそ「リアが突然爆発した!」と思うくらいの唐突な動き(笑).実際乗っている時は一瞬何が起きたのか理解出来ず,カウンターも当てられませんでした(↓).
このスピンを外から見ていた,こもりん.さん曰く「リアタイヤから煙は上がっていない」との事で,よくあるリアの荷重抜け→インリフト→スピンという構図ではないような気がします・・・.
なので,そういう目線で再びロガーデータと睨めっこしていたのですが,
なんと! 驚くべき事にセッションベストを出したラップ(赤)とスピンしたラップ(青)とでは,ブレーキングの開始タイミングも,減速の過程もほぼ一緒である事が判明しました・・・.
(゚Д゚)ハァ?
なんじゃこりゃ? 全然突っ込み過ぎじゃないじゃん! なんだこれでスピンしたんだ??
ワケが分からないのでスピンの動画を繰り返し再生して見ていてところ,1つ気づきました.
アレッ? リアが滑り出したタイミングって,
シフトダウンしてクラッチを繋いだタイミングじゃね・・・?
ま,まさかー!と思い,LINK ECUのデータを引っ張り出してみると・・・.
まずは,セッションベストのラップ.
図は上から,車速,エンジン回転数,スロットル開度です.ブレーキングを開始するためにスロットルを全閉し,車速が低下,合わせて回転数も下がってくるので,途中で3→2速に落とすためにヒール&トゥ.アクセルを煽ってスロットルを開き,これに連動して回転数も上昇,回転数が上昇している間にクラッチミートを済ませ,スロットルは再び閉じる~というのが一連の流れです.
ベストラップでは当然の如くヒール&トゥもきれいに決まり,4700rpmまで下がった回転数がアクセルの煽りで6400rpmまで上昇,クラッチミート時の回転数も6300rpmとほぼほぼ合ってます.そして,この際のアクセルの煽り量は,スロットル開度にしてMAX:64%で,時間にして0.3秒でした.
一方,スピン時のラップでは,
5100rpmでヒール&トゥを開始し,アクセルの煽り後の回転数も5700rpmと上がり幅が少ないです.クラッチミート後の回転数は5100rpmまで下がっているので,こちらは回転数が全く合っていませんね・・・.当然の事ながらこの際のアクセル煽り量は少なく,スロットル開度にしてMAX:48%,時間にして0.2秒でした.
この両者のデータから何が言いたいか?というと,
「スピンの原因はシフトロック」 という事ですね(汗).
想像するに,スピンしたラップでは,ブレーキングで差を詰めようとガツン!と踏んだ後に少しだけ踏力を緩めてしまい,速度を殺し切らないままヘアピンへ進入しようとしてしまったため,回転数が落ち切らず,回転数が落ち切ってないけど,もう操作を開始しないと間に合わないから~とヒール&トゥを開始し,操作に使える時間が短いのでアクセルの煽り量が足りず,結果,回転数が合わないままクラッチを繋ぐ羽目になり,シフトロック→スピン!という構図だったのでしょう・・・.
ふむ.シフトロックが原因であれば,あの唐突な滑り出しも理解出来ますね(滝汗).
以上,スピンの理由でした.
突っ込み過ぎず,余裕をもって丁寧にヒール&トゥを行えば,あんなスピンをする事はないと分かって一安心です.TC1000だからスピンしても大した事はありませんでしたが,あれがTC2000の1ヘアとか2ヘアだとエライ事になりますからね.例え追いかける事に夢中になった(熱くなった)としても,丁寧で確実な操作を続けられるように心身共に鍛え直したいと思います.
ちなみに今回のスピンの原因は分かりましたが,オーバーステアの原因はまた別な気がしています.
そちらはそちらで,引続き原因究明を続けたいと思います.
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筑波サーキット・コース1000 | 日記
Posted at
2023/09/25 00:55:06