恐らく今年唯一のアップデートになると思いますが,日光で効果確認をしてきたので纏めておきます.
今回の変更箇所は2箇所.
①
リアバンパー・アンダーパネル ・・・ 空気抵抗削減
②
トレーリングアームのピロ化 ・・・ トー変化の削減
①の方は,バンパー下部にアンダーパネルを張りマフラー後方の整流効果を上げるのが狙い.加えて,バンパー本体にも穴を開けてパラシュート効果の低減をはかりました.
②の方は,リアのトーを今後はアウトに振っていきたいため,まずは精度向上の意味合いでトレーリングアームブッシュをピロ化しました.
こちらは街乗りレベルでも上下方向の変化は体感出来ていて,これまでブッシュのたわみで曖昧な動きをしていた部分がダイレクトに伝わり,サスペンションが正確に動いてる印象を受けました(その分,乗り心地は悪くなりましたが).一方,左右方向(トー変化)に関しては正直違いを感じとれず,TC1000で走った印象だと限界域付近で若干動きがピーキーになったかな?という感じでした(多分ブッシュで吸収していた動きが吸収しなくなったせい).
TC1000で走った印象では①・②共に効果はほとんど感じられず,逆に重量増によって0.1秒くらい遅くなったかなぁ~?という気がしていたのですが,TC1000よりもコーナリング時間が長く,最高速も高い日光ではどうか?という感じです.
では早速ですがロガーデータで比較してみましょう.まず①(リアバンパー)の方から(緑:前回 青:今回).
一番分かり易い最高速(赤丸の部分)を見てみると,今回(青)の方が1.8km/hアップしています.日光の最高速は10コーナーの手前で計測されますので,9コーナーの立ち上がりの影響も受ける事から判断が難しいところではありますが,他のラップで見ても平均的に上がっているため,一定の効果はありそうです.
全体的に上がっているとなるとコンディションの影響も考えられるため,そちらを確認してみると,
前回 ・・・ 気圧:1001.8hPa 気温:16.8℃
今回 ・・・ 気圧:1006.7hPa 気温:19.4℃
今回の方が気圧が高く,気温も高いので,出力の補正係数で考えてみると,
+ 0.49%(気圧差)- 0.52%(気温差)= -0.03%
となり,ほぼイーブンだったのでこの要因は考えなくて良さそうです.
ちなみに,乗っている時は特に違いは感じませんでしたが,唯一気になったのが「気流音」.概ね105km/hを超えた辺りの領域(8コーナーの入口~10コーナーのブレーキング)で,後方からシュルシュルとした音が聞こえるのですよね・・・(↓).
130km/hオーバーからブレーキングすると音はパッタリと消えるので加速中(後傾姿勢の時)にしか聞こえず,また,105km/hを超えるまでは加速中でも音が聞こえない事から,回転系の"何か"が音が発している可能性は低そうです.そうなると,もしかしたらリアバンパーに開けた穴(↓)から気流が抜ける際の音がこの「気流音」なのかなぁ~?とも思いました.
今回バンパーに使ったメッシュは,穴がかなり小さいので笛のように音が鳴る可能性は有りそうです.TC1000でテストした時にはこんな音は聞こえなかったのですが,日光の車載を見ると8コーナーにアプローチする辺り(ここでちょうど105km/hを超える)から音が聞こえ始めるので,もしかしたら高速域でクルマに角度がついた時だけ穴から空気が抜けているのかもしれません・・・.
次に②(ブッシュのピロ化).こちらはハンドリング面では特に違いは感じませんでしたが,前回と今回で一番違ったのが6コーナーでの動き.
進入のブレーキングしてリアが滑り出すと,激しくバウシングするようになりました・・・.
前々回('22年10月)もバウンシングに苦しみましたが,前回('23年4月)はそんなに苦しまず,足回りのセッティングが上手くいったかなぁ~?と思っていたのですが,ピロボール化によって上下動の吸収量が減ったため,再び顕在化してしまったようです.バウシングのメカニズムは
以前の調査で大体掴めていますが,最近思っているのがリアの高反発スプリング(↓)が悪さしてるんじゃないかなぁ~?と.
このスプリングをフロントに使ってフルストロークさせた時の弊害は既に確認しているので,リアでフルストロークした時にも同じ事が起きていそうだなぁ~と思いました.この跳ねの対策として高反発→中反発に変更する手もあるのですが,そうするとS字の切返しでまたレスポンスが下がるでしょうし,一番良いのはダンパーの仕様を変更する事かなぁ~?と思っています(お金が掛かる上に時間も掛かるので,近々でやるつもりはありませんが).
以上,アップデートの効果確認でした.
リアバンパーの気流音に関してはもう少し調べてみたいと思いますが,一先ずパラシュート効果の低減は機能していそうなので一先ずプラス評価でしょうか.更に速度域の高いコースだとより効果を発揮する気がするのでTC2000辺りで試してみたいところですね.ブッシュのピロ化に関しては,トーアウトにしてから本領発揮なので(現状はトーゼロ),今後に期待!としたいところですが,上下動が激しくなった(現状のダンパー&スプリングとのマッチングが悪くなった)点はマイナス評価でしょうか.
総じて見ると,ミニサーキットではやはり重量増の方が影響していそうで,タイム的には0.1秒くらい遅くなったかなぁ~?という印象ですが,もっと寒くなってエンジンパワーが増せばデメリットを帳消しに出来るかもしれませんし,このスペックに合わせて足回りのセットを見直せば伸び代が出てくるかもしれないので,今後に期待!としておきましょう.
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アップデート 20XX | 日記
Posted at
2023/10/13 23:33:27