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2023年11月10日

ZF1 TC2000分析

ZF1 TC2000分析 渾身の一撃が決まって何とかハンデ戦を制したのですが,決着後に「ハンデ設定が間違いでした.データでそれを確認して下さい」と不満そうに(笑)こもりん.さんから車載とロガーデータを渡されたので,0.3秒は本当に詰められなかったのか?を確認してみたいと思います.

まずはコンディションの確認.

 1本目 ・・・ 気温:14.4℃ 路面温度:16.8℃ 気圧:1027.0hPa
 2本目 ・・・ 気温:18.4℃ 路面温度:22.8℃ 気圧:1026.7hPa

1本目の方が良い条件となっており,タイムもそれに準じています.

続けて,LAP+によるセクター解析結果.セクターの区切り方は以下の通りです.



筑波公式のセクターに対して,Sec1が3分割(ホームストレート+第1コーナー,S字コーナー,第1ヘアピン),Sec2が2分割(ダンロップコーナー+80Rコーナー,第2ヘアピン+バックストレート)となっています.

【1本目のLAP+セクター結果】


【2本目のLAP+セクター結果】


ロガー上の当日ベストは,1'09.889.
LAP+のセクターベストを足したタイム(タラレバベスト)は,1'09.507.

チリツモで搔き集めれば,あと0.3秒縮め代はあるようです.


では,細かく見ていきます.最初はSCT.1(ホームストレート+第1コーナー).

  当日ベスト   ・・・ 12.874
  タラレバベスト ・・・ 12.871 (-0.003)

0.003秒差なので一見すると誤差に思えますが,ロガーデータで見るとそうでもないです.



赤が当日ベスト,青がタラレバベストですが,タラレバ(青)の方が第1コーナーの進入速度が1.7km/h高かったのが分かります(左側の緑丸).これで実は0.02秒タラレバ(青)の方が速かったのですが,その後のブレーキングで強く止め過ぎてしまい,ボトムの位置が12mも手前になっています(右側の緑丸).この結果,タラレバ(青)の方は第1コーナーの後半でフロント荷重を残し切れず,クルマが曲がるまでの待ち時間が増えて,立ち上がりで車速が伸びなかったようです.

ブレーキングが強くなった要因を車載から紐解いてみると(左:当日ベスト 右:タラレバベスト),



タラレバ(右)の方が車速が高いにも関わらず,舵角が多かったのが分かります(=操舵抵抗が多かった).進入速度が1.7km/h高かった分,手前から切り始めて帳尻を合わせ込む必要があったと思いますが,これをいつもと同じタイミングで切り始めた結果,切り遅れ状態となり,舵角を増やすしかなかったのだと思われます.体感でこの1.7km/hの差を掴むのは,かなり難しいとは思いますが,ボトムの位置が手前に来過ぎないよう,車速が伸びた場合はもう少し手前・手前で切り始める事を心掛けると良さそうです(多分0.07秒くらい稼げます).


次はSCT.2(S字コーナー).

  当日ベスト   ・・・ 6.083
  タラレバベスト ・・・ 6.015 (-0.068)

この差が生じた要因をロガーデータで見てみると(↓),



タラレバ(青)の方が2.8km/h車速が伸びたためのようです.
車載で見る限りドライビングに違いはないので,車速が伸びた要因としては以下ではないかと思われます.

  推測① ・・・ 当日ベストの4周前のラップなのでタイヤのグリップが良かった
  推測② ・・・ モーターアシストの量が多かった

個人的には,モーターアシストはパワーが必要な登りで効いた方が良いのかなぁ~?と思っていましたが,実は下りの方が効果的にアシストを活かせるのかもしれませんね.下り坂だとそもそもの抵抗が少ないので,僅かなアシストの差でも車速の伸びが大きく変化するのかもしれません・・・.


次はSCT.3(第1ヘアピン).

  当日ベスト   ・・・ 9.118
  タラレバベスト ・・・ 9.022 (-0.096)

ここは結構大きな差ですね.同じくロガーで見てみると(↓),



タラレバ(青)の方が速度低下が緩かった(≒ブレーキングが弱かった)事が要因のようです.ブレーキングを開始した時の車速は同じなので,同じ速度・同じ位置からブレーキングを開始したのに,タラレバ(青)の方が緩く止められたのは面白いですね.

どうしてタラレバ(青)のブレーキングは弱く出来たのかなぁ~?と思い,ライン取りを見てみると(↓),



タラレバ(青)の方がアウト側に位置していたためのようです.これを車載で見てみるとこんな感じ(↓)で,



外側の白線に対して平行な向きになっているのが当日ベスト(左),白線から離れる方向(第1ヘアピンのイン側)を向いているのがタラレバベスト(右)となっていました.タラレバ(右)の方がより外側からアプローチしているので,イン側を向くのは理解出来るのですが,じゃあ,当日ベスト(左)の方が何でそっちを向いていないのか?まではちょっと分かりませんでした.その手前でステアリングを右に切っている素振りはありませんし,リアタイヤが滑っている感じもしない.う~ん・・・なんでなんでしょう??


次のSCT.4(ダンロップコーナー+80Rコーナー)は,当日ベスト=タラレババストだったので割愛し,SCT.5(第2ヘアピン+バックストレート)を見てみると,

  当日ベスト   ・・・ 18.380
  タラレバベスト ・・・ 18.288 (-0.092)

ここもそこそこ大きいですね.ロガーデータで見てみると(↓),



タラレバ(青)の方が第2ヘアピンの立ち上がりをキレイに決めていたようです.この際の車載を見てみると(↓),



タラレバ(右)の時は前走車がいたようです.察するに,第2ヘアピンに進入する際,前走車に引っ掛かりそうだと判断して少し早めにブレーキングを開始し,前走車を避けられるタイミングまでアクセルを開ける事を我慢した結果,それが立ち上がりでベストのタイミングとなってキレイに立ち上がれたのではないでしょうか? 偶然の産物かもしれませんが,逆に考えると当日ベスト時は少し突っ込み過ぎ & 早くアクセル開け過ぎという事なのかもしれません.


最後,SCT.5(最終コーナー).

  当日ベスト   ・・・ 11.016
  タラレバベスト ・・・ 10.894 (-0.022)

これはもう最終コーナーのブレーキングをひたすら遅らせただけですね(↓).



タラレバ(青)は当日最後の計測周なので,多分気合で稼いだ0.02秒だったんじゃないかと思います(笑).


以上,TC2000の分析結果でした.纏めると以下です.

  ・当日ベスト(1'09.919)に対して,0.3秒程度詰め代がある.
  ・詰め代の内訳は,Sec1で0.18秒,Sec2で0.1秒,Sec3で0.02秒.
  ・Sec1の詰め代は,第1コーナー立ち上がりのモーターアシストと,第1ヘアピンを外側からアプローチする事.
  ・Sec2の詰め代は,第2ヘアピンの立ち上がりでワンテンポアクセルを開けるのを我慢する事.
  ・Sec3の詰め代は,気合!

という事で,理論上は0.3秒は詰められたと思うのですが(笑),まぁ,それはあまりにも屁理屈過ぎるので,1.6秒のハンデ設定は間違いだったと認めましょう.今回の結果を踏まえて次回は1.9秒でお願いします.<(_ _)>

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Posted at 2023/11/10 17:46:25

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