
なぜタイムが出なくて,なぜタイムが出たのかさっぱり分からなかった先日の日光ですが,ヒトもクルマも何も変えてないのに勝手にタイムが縮まっていく要因の1つとして,ドリフト走行後の路面というのが考えられます.
なぜドリフト走行後の路面だとコンディション変化が大きいのか? これは完全に私の勝手な想像になりますが,こういうメカニズムなんじゃないのかと思っています.
通常タイヤのグリップというのは,路面のデコボコにタイヤのゴムが喰い込んで発生しています(↓).
従って,路面とタイヤの間には一定の隙間(図の白い部分)がないと(喰い込む余地がないと)グリップしない訳なのですが,ドリフトというのはタイヤのゴムを路面に擦りつける走行なので,この隙間がゴムで埋まってしまいます(↓).
こうなると,水の上を走っているのと一緒で,タイヤが路面に食い込まないので全くグリップしません.しかし,走行しているタイヤ側もゴムなので熱が入って粘着性が出てくると,路面の隙間を埋めていたゴムに張り付いて,そのゴムを少しずつ路面から引き剥がします(↓).
こうなるとタイヤが路面に食い込んでグリップするようになるので,更にタイヤのゴムが過熱し,隙間を埋めていたゴムにくっついてこれを更に引き剥がし・・・と続き,どんどんグリップするようになるのではないかと思っています.
その証拠にこのパターンの時は,コース上を走っているとどんどんタイヤカスが増えていきます.グリップ走行しかしていないのに,コース上にどんどんカスが溜まって来るパターンの時は,埋まっていたゴムが掘り起こされた証なんじゃないかと思っています.なので,最初路面が喰わなくても辛抱強く走り続けて,路面に付着したゴムが剥がれるのをジッと待つしかない訳なのですが,路面からゴムが剥がれて喰うようになってグリップが上がった分と, その剥がれたゴムがタイヤに付着してダウンした分が相殺されるケースもあるので,単純に走り続ければ良い訳でもないのが難しいところです・・・.
さて,そんな妄想チックなウンチクはともかく,仮に先日の日光で路面が途中から回復したとして,それは一体どのコーナーだったのか? ロガーデータから読み解いてみたいと思います.
まず,1本目ベスト(青)と2本目ベスト(赤)を比較してみると,
この時は1~2コーナー間での改善代が大きかったようで,ここで0.15秒程度のゲインが見られます.
次に,2本目ベスト(青)と3本目ベスト(赤)を比較してみると,今度は6コーナーで0.4秒もゲインしていました(↓).
つまり,日光の路面回復は最初1~2コーナー間で始まり,次いで6コーナーで起こっているようです.という事は,これらのコーナーでタイムを稼ぐ走らせ方をしている場合は,最初タイムが伸びずに苦しむようになる,という事のようですね.
σ(゜・゜*) …ン??
アレ? そういえば
プロが私のEF8で一番難しいのは「6コーナー」と仰っていなかったか?
ま・さ・か・・・.
うわぁ~,やっぱりそうだ.3本目の走行中に計測1(青:41.5秒)→計測2(赤:41.1秒)で0.4秒縮めたのですが,如何に「気合」と「努力」と「根性」とはいえ,どうやって0.4秒削り取ったのか?と思ったら,この6コーナーでイチかバチかのアタックで,ボトムスピードを7km/h上げて削り取っていたんですね・・・.
そうか.私のEF8の場合,日光ではこの6コーナーが肝なんだ.ここが上手くいけば自然とベストに近いタイムが出るし,逆にここが上手くいかない時は簡単にコンマ数秒タイムが落ちる.しかも,私のEF8自体はこの6コーナーが苦手な特性なので,上手くいくかどうかはドライバーの腕次第.ドライバーが完璧にアジャストしてクルマが苦手な部分を補ってやらないとタイムは出ない,という訳だったんですね.
うわぁ~,日光を10年近く走っていて初めて気づきましたよ.気づかせてくれたプロ様様だなぁ~.
いやはや,本当に有難う御座いました.<(_ _)>
以上,日光苦戦の理由とその答えでした.
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日光サーキット | 日記
Posted at
2024/04/20 22:39:09