
ここのところブレーキ関係が気になっている訳なのですが,フィーリング向上策をショップに相談したところ「キャリパー変更よりパッド変更」と言われてしまったので,キャリパーに関しては一時棚上げし,それ以外にフィーリングを上げる策がないか?と調べ物をしていました.
私のEF8のマスターシリンダー&マスターバックは,
NSX(NA1)用を使っているので,NSXのブレーキ方面を調べてみたところ,興味深いネタを1つ見つけました.
NSXでマスターシリンダーを交換する時は,マスターバックとセットで
後期型のNSX-R(NA2)用に変更するのだとか.
「ふ~ん,NSX-Rだし,何か性能が向上しているのかなぁ~?」と思い調べてみると,形状が微妙に違う.
具体的に何が違うのか?というと,マスターシリンダーのリザーバーの形状が違う(NA1用はこんな感じ↓).
これだけだと,ただのマイナーチェンジなのかな?と思いたくなるのですが,リザーバーの足元を見ると,2系統になっています(↓).
【NA1用】
【NA2R用】
「これはもしや,タンデムマスターシリンダーか?」と思い調べてみると(↓),
【シングルマスターシリンダー】

(自動車工業会:
自動車用液圧ブレーキシステムより)
【タンデムマスターシリンダー】

(自動車工業会:
自動車用液圧ブレーキシステムより)
う~む,絵的にはそれっぽい.
「タンデム化」によって何が変わるんだろう?と思い調べてみると,「"タンデム"はプライマリ側のスプリング力をセカンダリ側よりも強く出来るため,プライマリピストンが動くとセカンダリピストンも同時に動く.このため,ペダルを踏んだ時に反応しない無効ストロークを"シングル"に比べて半分にする事が出来る」との事.
おおっ,フィーリング向上に繋がりそうな話ですね.
ならば本当に「タンデムマスターシリンダー」なのか?とホンダ公式の資料を漁ってみたのですが,謳っている部分はなく,代わりにこんな文面を見つけました(↓).

(NSX-R:
プレスインフォメーションより)
ほぅ,バルブ径が大きくなっているのか! この点に関して触れている資料が何かないかな?と更に調べてみたのですが,これくらい(↓)でした.
じゃあ,バルブ径が大きくなるとどうなるんだ?と調べてみると,「パスカルの原理」というヤツで(↓),

(今野製作所:
油圧技術基礎知識 パスカルの原理より)
同じ力で押す場合にはストローク量が減ります.反対にストローク量が同じであれば,より大きな力が生じるので,ブレーキペダルで言えば反力が増える事になります.つまり,ペダルのストローク量が減って,タッチも固くなるって事ですね.
おおっ! イイ事ずくめじゃないですか.なるほど,だからNSX定番の純正チューンメニューなんですね.
以上,NSXのブレーキマスターに関するお勉強でした.
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Posted at
2024/05/02 00:18:22