当日の模様,
クルマの状態チェックと振り返りも終わったので,お次は毎度お馴染みドライビング面でプロ(蘇武喜和さん)との比較を行いたいと思います.
蘇武さんには,過去3回(TC1000:2回,日光:1回)私のEF8に乗って頂いているので,ドライビング面での違い(狙っている事の違い)は何となく想像出来るようになってきた(?)気もするので,今回は「ボトムスピード」に焦点を当てて比較をしてみたいと思います.
1コーナー
いきなりですが,ここは進入のアプローチの仕方(考え方)が全く異なります.
蘇武さん(左)は,ブレーキングを開始しつつ,ほんの少しだけ右にステアリングを切り,1コーナーにアプローチする手前からヨーを立ち上げている感じ.(↓).
対する私(右)の方は,120km/h台後半からのハードブレーキングなので,ステアリングを真っ直ぐ保持しています.蘇武さん(左)のようにクルマを斜めにするような感じで1コーナーに飛び込んだ場合,ホイールベースの短いEF8は当然インリフトしてリアが流れ出す訳なのですが,蘇武さん(左)はそれをカウンターを当ててコントロールし(↓),
狙いの姿勢となったところでステアリングを再度切込み,1コーナーへ進入していきます(↓).
ご覧の通り最終的な舵角は両者ほぼ一緒なので,ここから先のコーナリングは大差ない訳なのですが,この1コーナーのエイペックス手前でクルマの向きを変える操作(意図的にオーバーステア状態に持ち込む操作)が,6km/h以上高いボトムスピードを生み出している事が分かります.
この時の両者のフリクションサークルを見るとこんな感じで(↓),
私(青)の方が真っ直ぐ上(減速方向)に進んでいるのに対し,蘇武さん(赤)の方はは正真正銘クルマを斜めに進めている様子が読み取れます.タイヤのグリップは縦と横の総和と言うので,Gの縦と横の合成値を求めてみると,
蘇武さん ・・・ 縦G:0.5 横G:0.7 ⇒ 0.86G
私 ・・・ 縦G:1.1 横G:0.2 ⇒ 1.11G
となり,私の方が約0.25Gも大きい(=タイヤの限界を使い切ってグリップが下がる)ので,ボトムスピードが低いのは当然の結果ですかね.こうして見ると,1コーナーに限れば,私はBSのような縦と横をはっきりと分けて使うタイヤの方が向いているのかもしれないなぁ~と思いつつ,今使っているYHは,縦にも横にも(所謂ところの斜めに)使っても応えてくれるタイヤなので,蘇武さんの走らせ方の方が正しいんだろうなぁ~とは思いました.
ただ,根本的に私はオーバーステアなクルマが好みではない(オーバーステアをコントロールするのが下手くそな)のと,蘇武さんのようにクルマの姿勢を斜めにしてコーナーに進入しようとすると,私の技量ではフロントの荷重が抜けて,クルマを前に進められない事が多いんですよね・・・(それでタイムを失うので,オーバーステアを出さない走らせた方の方が結果的に速い).
この辺り,蘇武さんにご指摘頂いた
LSDの問題が悪さしている可能性もあるので,対策が完了したらもう1回チャレンジしてみようかなぁ~?と思いました.

(1コーナーを抜けた先で,蘇武さんが首を傾げている点が何なのか? 気になりますけど・・・)
ヘアピン
ここは今回,結構ショッキングな差がつきました.
車載を見た時は,蘇武さんはヘアピンの立ち上がりでタイヤをコース外に若干落っことしたような様子で,その後「ああ,なるほど~」とコメントしていた事から,私のEF8が蘇武さんのドライビングに応えていないんだろうなぁ~と思ったのですが,ここのロガーデータを比較してみたところ(赤:蘇武さん 青:私),
なんと! 蘇武さん(赤)に6km/hも差をつけられていました!!
1コーナーのような高速コーナーであれば,クルマの姿勢の作り方で6km/hの差をつけられるのは理解出来るのですが,50km/hを切ろうかという低速コーナーで,しかも立ち上がりとかでなくコーナー全域で,6km/hも差をつけられるのはかなりショックです・・・.orz
これは一体どういうこっちゃ?と思い,車載をコマ送りで見てみると,ヘアピン進入で,蘇武さん(左)の方は速度を落とし切らず,私(右)よりもかなり高めの速度でアプローチし(↓),
また,この際の舵角は,蘇武さん(左)の方が若干多いように見えます.ここからヘアピンのIN側の縁石に向かってアプローチしていく訳なのですが(↓),
この辺りでは切り込み量は同じ・・・.しかし,ここから先が違いました(↓).
蘇武さん(左)の方は,ほぼ先程の舵角をキープしたまま(約180°)ですが,私(右)の方はそれでは曲がらないと判断しているので,更に切り足しています(約225°).私(右)の方は切り足したおかげで小さく立ち上がり,ラインが膨らむ事もないのでステアリングを早めに戻せていますが(↓),
蘇武さん(左)の方はクルマが応えてくれないので,なかなかステアリングを戻せず,若干コース外にタイヤを落としているようです.この応えていない部分が先述の「ああ,なるほど(そういう動きをするのか・・・)」なのだと思いますが,だとすると,クルマが応えていればもっと速かったという事!?
蘇武さん(左)の方がタイヤを外に落とし掛けるくらいコース幅を目一杯使っているのに対し,私(右)の方が使い切れていないという事なのかもしれませんが,それでもボトムを6km/h上げてヘアピンを曲がれるイメージが,私の頭の中では全く描けないので,かなーりショックを受けてます・・・.
( ゚д゚) … (つд⊂)ゴシゴシ (;゚д゚) !?
最終複合
ここはそれほど大きな違いはないのですが,
前回のブログで述べた通り,現状一番問題を抱えているセクションだと思うので蘇武さんの操作を見習わせて頂きます.
この中で最も注目したいのが,アウトクリップから最終コーナーにアプローチする部分(↓).
ここで蘇武さん(赤)は,最後にボトムを一瞬だけ下げて,それを使って向きを変えてスムースに立ち上がっているように見えるのですよ(私[青]の方は最終コーナーの加速がワンテンポ遅れ,その分だけゴールラインまでの到達速度が劣っています).
ここの操作を確認すべく再びコマ送りで車載を見てみたところ,アウトクリップ手前では若干私(右)の方が舵角が多いようなのですが(↓),
そこから私(右)はほぼ舵角が一定であるのに対し,蘇武さん(左)の方は曲げる直前でもう一切り(↓).
この操舵抵抗で,クルマを減速させて(=フロント荷重を作って)向きを変えているように見えます.なるほど! 我慢の状態から抜け出すためには,この一切りが大事だったのか・・・.
立ち上がりではご覧の通り,蘇武さん(左)の方が早くステアリングを戻し始めているのに対し,私(右)の方は同じ舵角をまだ維持しています.ちょうど先程のヘアピンと真逆の構図で,ボトムスピードが同等であるならば,そりゃ,蘇武さん(左)の方が速いわなぁ~といった感じです.
一連の私の操作は定常円旋回と言えば聞こえは良いですが,その実は「ボトムが高過ぎて何も出来ない我慢のコーナリング」になっているだけなので,意図的にその定常円旋回を崩して,メリハリを生み出す操作が必要だったという事なんでしょう.この辺り,引き出しが少なかったなぁ~と痛感しました.
以上,ボトム付近の走らせ方をプロから学ぶでした.
やっぱりプロに乗って頂くと,自分では思ってみなかった事・想像すらしなかった事を現実に見せてくれるので,世界が広がって楽しいですね♪ 仮に知ったとて,私の技量では真似出来る・真似出来ないといった問題が当然出てくる訳なのですが,それはそれで暑い時期でも走る意味(チャレンジのしがい)が生まれる事になるので,また走りたくなってきました.
蘇武さん,またまた貴重なお手本を見せて頂き,本当に有難う御座いました!<(_ _)>
ブログ一覧 |
プロの感想 | 日記
Posted at
2024/07/10 23:23:24