クルマの見学ネタがずっと続いてますが,あともうちょっと(笑).
「富士モータースポーツミュージアム」で見たかったクルマの1つとして,タイトル画像の「ランチア デルタS4」がありました.コチラのクルマは「四国自動車博物館」に展示されていたもので,両者のコラボ企画として海を渡ってやって来たそうです.「四国自動車博物館」には他にも面白そうなクルマが多数展示されているので,是非とも一度行ってみたいのですが,なかなかその機会がないですね・・・.
さて,それでは「悲運のグループBカー」とも呼ばれる,この「S4」を見てみます.
「S4」の"S"は「Sovralimentata」.イタリア語で「オーバーチャージド」という意味だそうで,1759ccの直列4気筒エンジンに,スーパーチャージャー(低回転域を担当)とターボチャージャー(高回転域を担当)を組み合わせて456PSを発揮したという,その名の通り過給し過ぎなエンジンです(なお,その後の改良により最終的には600PSに達したとの事).
残る"4"は当然「4WD」で,縦置きの直4をミッドシップとして搭載して駆動してるとの事.排気量1759ccという中途半端な数字は,ターボ係数1.4を掛けても2500cc未満となるようにしたためで,これにより重量区分を1つ落として最低重量890kgを実現したのだとか.
コンパクトカーの車重でスーパーカー並みの出力を出すんですから,「ピーキーな挙動だった」と言われるのも頷けます.グループCカーが400km/hに迫る"最高速"のモンスターだとすれば,このグループBカーは"加速力"のモンスター.その佇まいからも,ただものではない感がヒシヒシと伝わってきます.
ベース車の車重は1170kg.そこから1tを切るまでに軽量化するためには,かなりバッサリと切り取らないといけなかったのが良く分かります(↓).
放熱目的かもしれませんが,フロントのボンネット上部は切り取られており(↓),
砂塵が舞うラリーで,こんなスカスカで大丈夫だったのか?と思いたくなります.
"過給し過ぎ"を実現するために必要な空気は,ボディ側面の大型のエアインテークが設けられていて(↓),
その後ろに「なんじゃコリャ?」と思うくらいの超大型のサージタンク(?)で折り返してエンジンに取り込まれるようです(↓).
こんなに大きかったらパラシュート効果も強いんじゃないかと思いますが,むしろそれがあった方が車体が安定するくらいのピーキーさだったんですかね・・・.
ボディ上部には,ちょうどBピラーの上辺りに吸気口があり(↓),
その奥には,この年代のラリーカー特有の衝立のようなウイング(↓)もあります.
そのままサイドに目を移すと,ミラー(↓)の形状はシンプルですが,下側にステーが伸びており,
ホイール(↓)は前後でINSETが違うのか? デザインが異なっていました.
(フロントはホイールカバーが付いているだけ??)
以上,四国からやって来たラリーカーの見学でした.
外観を見ているだけでも想定以上にモンスターな感じで,大迫力なクルマでした.
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博物館見学 | 日記
Posted at
2024/09/29 00:00:51