
最低限のタイムは出したものの,
最高速の伸び悩みに見舞われたTC2000.
最高速に絡む要因は色々あって紐解くのは簡単ではないので,まずは基本的なデータを整理・おさらいしておこうと思います.本当は2本目に色々ドライビングを変えた結果の良し悪しを細かく検証したいところなのですが,そちらは二の次という事で・・・.
まずはサンプルデータ.
【前回(1'07.454)】
【今回(1'07.839)】
次にセクタータイム.
前回 ・・・ Sec1:27.606 Sec2:27.719 Sec3:12.129
今回 ・・・ Sec1:27.834 Sec2:28.020 Sec3:11.983
今回テーマにしていたSec3攻略が成功したのか? 0.14秒削り取れているのは嬉しい結果ですが,代わりにSec1で0.23秒,Sec3で0.30秒後れているのは悲しいですね.
そして,当日のコンディション.
前回 ・・・ 気圧:1025.2hPa 気温:12.4℃ 路面温度:21.9℃
今回 ・・・ 気圧:1021.9hPa 気温:14.6℃ 路面温度:16.3℃
気圧・気温共に今回の方が不利ですが,差は3.3hPa,2.2℃と僅か.両者合わせても1%も出力は変わらないと思われます.また,路面温度は今回の方が4.4℃低いので周回面では有利.走行の終盤タイヤのスキール音が大きくなった気がしましたが,アレはタイヤがタレた訳ではなく,追い込み量が増えたせいでしょうね(汗).
ここからは,いつもの通りロガーデータの比較(赤:前回 青:今回).
前回と比べてタイムを失っているポイントを纏めると以下の通り.
①ホームストレート~1コーナー進入 ・・・ +0.06秒
②1コーナー立ち上がり~1ヘア進入 ・・・ +0.03秒
③1ヘアのブレーキング ・・・ +0.07秒
④1ヘアの立ち上がり(2速区間) ・・・ +0.02秒
⑤ダンロップ手前のシフトミス ・・・ +0.09秒
⑥80R~2ヘア進入(4速区間) ・・・ +0.03秒
⑦バックストレート ・・・ +0.30秒
⑧最終コーナー進入のブレーキング ・・・ +0.10秒
逆にタイムを稼いだポイントを纏めると以下の通り.
⑨2ヘアの進入~立ち上がり ・・・ -0.04秒
⑩最終コーナー立ち上がり~ホームストレート ・・・ -0.29秒
タイムを失った①~⑦を大別すると,⑤はドライビングミスなので除外するとして,ブレーキング領域(①・②・③・⑧)と加速領域(④・⑥・⑦)に分けられます.
ブレーキング領域(①・②・③・⑧)に関してデータを見返してみると,
ブレーキングそのものの問題というより,進入速度の差で違いが生まれているといった感じですね(軒並み今回:青の方が速度が低い).となると,これらも加速領域の影響と見なす事ができ,やはり今回タイムが出なかった要因は「加速性能が低かったため」と言えそうです.
但し,②の1コーナー立ち上がり(+0.03秒)に関しては,進入でほんの少しだけオーバーステアが出て,拳1個分くらいのカウンターステアを当てており(↓),
これがアクセルONのタイミング遅れに繋がっているので,除外しても良いかもしれません.
また,「加速性能が低い」というならば,今回タイムを稼いだ⑨・⑩はどうなんだ?という事になるので,こちらも詳しく見てみると,⑨(2ヘア)の方は今回(青)距離重視のライン取りをしたおかげ(↓),
⑩(最終コーナー立ち上がり)は前回(赤)ライン取りをミスってアクセルを戻してしまったせい(↓),
・・・と言えそうなので「加速性能」とは無関係なようです.
という事で話を戻して,その「加速性能が低い」話.これが一番顕著に出ているのが⑦(バックストレート:+0.3秒)なので,ここにフォーカスして見てみると,こんな感じ(↓).
これを2速領域・3速領域・4速領域の3つに分けて,更に詳しく見てみます.
最初に2速領域.
ライン取りの違いから加速し始めるポイントにズレがありますが,両者ほぼ同等の車速の伸びを見せており,ここでは差ほど違いなさそうです.
次に3速領域.
ここはまず,2速→3速への引っ張りが若干足りなかったようで,インジケータが「赤」ではなく「緑」の状態でシフトアップしています(↓).
回転数にして300rpm程度でしょうか.これで約6km/hの差がずーっとついているので,痛いドライビングミスですね・・・(泣).
という事は,今回最高速が伸びなかったのはドライビングミスが原因で,クルマ側には問題はなかったのか?と思いたくなる,最後の4速領域.
初っ端から気になるのが3速→4速へのシフトアップ時にある停滞域.「うわっ! こっちもドライビングミスか!?」と思い,車載を再確認してみると,
確かに3速領域と同様に,またインジケータが「緑」の時にシフトアップしているため車速の伸びは悪そうですが,シフトチェンジの操作自体は短時間で済ませており,0.6秒も加速が停滞するようなミスは起きていない・・・.
( ・◇・) ナンダコリャ??
最初はロガーデータが飛んだのかな?とも思いましたが,別のラップでも同様の停滞が起きているので計測の問題ではなさそう.あと他に考えられるのは,
クラッチが滑った? ⇒ いやいや,もっとトルク差の大きい2速・3速では起きてないじゃん
タイヤが滑った? ⇒ 130km/hオーバーの領域で? 加速Gも0.2→0.1Gに減っているのに? 有り得ない
走行抵抗が増えた? ⇒ ステアリングは真っ直ぐです!
空気抵抗が増えた? ⇒ 車高もエアロパッケージも何も変えてないよ~
となると,残るはやっぱりエンジンしかないよなぁ・・・.問題が起きている回転数は,LINK ECUによると6100~6200rpmの領域のようなので,ここで何か起きているようですね.

(確かにそこは,私のB16Aで最もパワーが伸び悩む領域ではあるのですが・・・)
以上,やっぱりエンジンしかないよなぁ・・・と思える比較結果でした.