
「Honda Racing 2024 SEASON FINALE」の話のラストは,「ARX-06」のショーカー.
ショーカーなので真面目に見ても意味がないのですが(苦笑),LMH(Le Mans Hypercar)ならともかく,LMDh(Le Mans Daytona h)のクルマを見る機会なんて今後そうないんだろうなぁ~と思ったので,ジロジロと見てました(前者は欧州のプロトタイプカー,後者はアメリカのプロトタイプカーという感じです).
まず,そもそも「LMDh」ってどういうレギュレーションなんだっけ?と調べてみると以下のような感じ.
・エンジンの最高出力は630HP,最低重量は180kg
・ハイブリッドの場合は,BOSCH製の50kW(67HP)の電気モーターを搭載(トータル680HP)
・モーターの回生能力は最大200kW
・バッテリーはWilliams Advanced Engineeringのワンメイク
・ハイブリッドシステム全体に30万€のプライスキャップ
・ハイブリッドシステムのソフトウェアは主催者によってロックされる
・L/D比(DownForce/Drag)は4:1
・全長:5100mm以下,全幅:2000mm以下,ホイールベースは全車共通で3150mm,最低重量は1030kg
・シャシーコンストラクターは認可を受けた4社のみ(ORECA,Ligier,Multimatic,Dallara)
・シャシー関係のコストは最大34万5000€(ギヤボックス除く)
・ギアボックスはXtracが一括供給
・タイヤ幅はフロント:29インチ,リア:34インチ
要約すると,エンジンとボディワークには一定の自由度がありますが,ハイブリッドシステムを含む駆動系はワンメイク,シャシーは昔のF3000/F3のように一定のレギュレーション下でコンストラクターが争い,チームはそこから優秀なものを購入するような感じでしょうか.各メーカーが技術力を競うというより,参戦チーム数を増やす事の方が主眼に置かれている感じですね.
そんなLMDhの,更にショーカーなんで益々細かく見ても仕方ない感じですが(苦笑),まぁ,見てみます.
正面から見て気になるのは,左右に付いているカナード.
傾斜角を付けるでもなく,ボディに沿った形にするでもなく,こうして前に突き出すかのように,宙に浮かせて下からステーで支えるというのは独特ですね.
フロントフェンダーは上部は剥き出しでタイヤが露出.ミラーはボディワークの一番外側に付けているようです.
その後,ボディ上部,側面と見てみますが,やはりショーカーのせいかピンと来るものがなく「ああ,そうですか」という感じ.展示位置の都合上,後ろ側が見えなくて残念でした.
・・・という事で,そんな残念な気持ちが残った事もあり,翌々日,出張ついでに再びウェルカムプラザ青山へ.
展示位置が変わったので,今度は後ろ側も見れます.
どうやらこのショーカー,ベースは先代の「ARX-05」ではないか?との事で,ディフューザーは(最新型ではないが)ちゃんとした形状.
ディフューザ―左右の平坦な部分に「Acura(ホンダのアメリカブランド)」のマークが付いています.よーく見るとブランドロゴが付いているプレートはボルト留めされているので,メーカーが変わったらこのロゴも差し替えられるようになっているのかな?(笑)
面白いなぁ~と思ったのがこのプレートの裏側.リアタイヤからの空気が抜けるように作ってあるのですが,トレイ状になっており,更に空力を意識して平滑化もされています.あまりこういう処理の仕方を見た事がなかったので,興味深かったです.
そのまま後ろから眺めているとカウルの間に空間が.本来この部分にはエキゾーストパイプが顔を出しているのだそうで,ここが空っぽなのがショーカーの証だとか(=エンジンを搭載していない).
リアウイングは薄く,ガーニーフラップもホント小さい.
前々日より近くで見れるので,剥き出しのタイヤもマジマジと見てみると,タイヤ成型時の切れ端が残ってる・・・.ショーカー的には見た目が悪いなぁ~と思いつつ(笑),だとすると新品タイヤ?
どうやらショーカーと言いつつ,タイヤ・ブレーキは本戦仕様らしいそうです.ただ,ブレーキキャリパーが前後で違うらしく,リアには「AP RACING」と入っているのですが,フロントには入っておらず,この辺りはやはりショーカーといった感じです.
以上,ショーカーなんで真面目に見なくても・・・と思いつつ,じっくりと見た「ARX-06」でした.
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Posted at
2024/12/20 12:34:24