
「
プリメーラGT」「
R390GT1」と20世紀の終わり頃のレーシングカーを観てきましたが,ここで時代を一気に昭和に戻し,1979~84年に行われていた「スーパーシルエット」のお話.
「スーパーシルエット」とは,当時のFIAが定めた「Group 5(シルエットフォーミュラ)」規定の車両で行われたレースで,「シルエットフォーミュラ」の由来は"フォーミュラ"のような構造に,市販車の"シルエット"だけ被せた事から来ているのだそうです.断じてガンダム(F91)ではありません!って,このネタ分かる人いるのか??
昭和の時代のレースなので,さすがにこの「スーパーシルエット」が走っている姿を観た事はありませんが,コチラのクルマだけはさすがに知ってました(↓).
「スカイライン スーパーシルエット」.「TOMICA」のロゴがデカデカと書かれている通り,このクルマのミニカーでたくさん遊びました.100台近く持っていたミニカーの中でも最上位クラスのお気に入りの1台でしたね.
ちなみに,この「スーパーシルエット」で当時日産は3台体制だったそうで,このスカイラインの他に,「シルビア スーパーシルエット(↓)」と,
「ブルーバード スーパーシルエット(↓)」があったそうです.
先程述べた通り,フォーミュラの素体に3種類の皮を被せたクルマ達なので,3台ともほぼ同じ構造だったそうですが,車両規則で「サスペンション形式の変更は不可」となっていたため,シルビアのみリアがリジットアクスル方式で異なるそうです(他の2台はセミトレーリングアーム方式).
では詳しく見て行きましょうか.
昭和の時代なので,この頃のカスタムと言えば「タケヤリ」「デッパ」.それを彷彿とさせるかのように,横から見ると物凄く歯が出っ張っています.
その「デッパ」の端には翼端板・・・と言えば聞こえは良いですが,これはもはや「チリトリ」ですね(↓).
その「チリトリ」の中央部に吸気口がある訳ですが(↓),下側がラジエター用で,上側の細いスリットがインタークーラー用だそうです.
空気を取り込んだ後は,即,排気!という感じでインタークーラー後方に穴が空いてますが(↓),
角度が急ですね・・・.これでちゃんと抜けるのかな?? エンジンは直4の2.1Lターボで570PSオーバーだったそうですが,かなりのドッカンターボだったそうで,ボディ剛性が足りず,アンダーステアが強くて非常に乗りにくいクルマだったそうです.
そのまま見ていくと,ボンネットとフェンダーの境界にフェンスが(↓).
実はAピラーのところにも黒いフェンスがあり(↓),
最初の「チリトリ」含めて,正面からの空気を真っ直ぐ後ろに持って行こうという意志を感じますね.
じゃあ,その後ろに何があるのか?というと,リアウイング(↓),
これだけ限られた幅であれば,効率良く空気を後ろに流したくなるので,先程のフェンスも理解出来ます.
ただ,リアのダウンフォースが欲しいなら,なんでもっとウイングの幅を広げないの?という当然の疑問が湧くので調べてみたところ,レギュレーションで「空力付加物は車両の前面投影面積からはみ出してはならない」というものがあったらしく,正面から見てキャビンからはみ出た位置にウイングを置けないので,こんな幅の狭いウイングとなったようです.
そんなモンスターマシンの横には,レースに出場していないスペシャルカ―ではありますが,マーチ(K10型)のスーパーシルエット仕様も展示されていました(↓).
あくまで外装をそれっぽくしたカスタムカーの範疇らしいのですが,個人的には結構惹かれました.
(今回初めて見て,初めて知った)
こういう,ちっちゃくてヤンチャな感じのクルマが私は好きですね!
エンジンは1.5Lのキャブ仕様で160PSだそうで,先述の570PSのスカイラインと比べればかわいいもんですが,
それでもこんなシートだと怖そう・・・.ミラーも全然見えなさそうですし(↓),
そういう意味でも刺激的な1台でした(笑).
以上,Heritage Collectionのスーパーシルエット編でした.
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博物館見学 | 日記
Posted at
2025/04/27 18:56:11