
リアに続き,
フロントのスプリングも元の仕様に戻したので,TC1000に行ってテストしてきました.
スプリングの交換に合わせてフロントタイヤも新品にしたので,いつもの通り新品の一撃を狙うべく,ドライ&空いている環境を望んで向かったのですが,残念ながら前夜から雨が降り続いており,路面が乾くのを待ってからのスタートになるだろうなぁ~と思いつつ向かいました.
筑波サーキットに到着すると,ウェット路面を嬉々としている方,ウェットだろうが気にしない方,ウェットならウェットでやれる事があるという方と常連さん達も三者三様でしたが,8時になった瞬間,皆さんコースへ飛び出して行かれていました(路面を乾かしてくれて感謝・・・笑).
私の方は,路面が乾くのを待ちつつ,9時から再び降るかもしれないという予報も出ていたので雨雲レーダーと睨めっこ.気温は16℃の曇り空なので,もう1回雨が降ったら今日は路面が乾かないだろうと「待ち」の姿勢を続けました.
幸いにしてその後,雨が再び降るような事もなく,走行台数が少ないため路面もなかなか乾きませんでしたが,10時前には完全なドライとなったので走行の準備をして,空いてそうな枠を窺った結果,A8枠(11:20~)のチケットを購入しました.
ウェット後なので路面温度も22℃と低く,リアのウォームアップが若干心配だったので,フロントタイヤの皮むきと前後のスペース作り等の条件を揃えるのに3周を使った後,いざアタック!
結果は
41.747.このコンディションなら41.6秒には入って欲しかった気もしますが, 気圧が1000hPaをギリギリ超える程度だったので,こんなもんですかね・・・? 続く計測2は 41.929 と新品の一撃は早くも終了.以降は二度と41秒台を出す事が出来ませんでした・・・.ただ,計測1でベストラップを出せているので,タイヤのウォームアップという点ではやはり今の仕様の方が良さそう.
乗った時のフィーリングとしてはどうだったか?というと,以下のような感じです.
1コーナー
ターンイン時の動きにしっかり感があって,フロントタイヤの感触が掴み易く,姿勢も安定しているので挙動が予測し易い.若干リアがフラフラしている気もしましたがコントロール出来る範囲内ですし,フラフラの収束も早いので立ち上がりでアクセルを開けるのも思い切って出来ます.やはり中反発の方が良さそうですね.
ただ,レートが2キロ下がった分,フロント外輪側の限界が下がっているので,負荷に耐え切れず,グリップの限界を超え易い状況でもありました.ブレーキペダルを使った前後の荷重移動を,より繊細に行わないとアンダーステアに転じ易い傾向はありました(LSDの効きが緩いのでアンダーステアを出しても戻っては来れますが).
2コーナー
レートを下げた事で高速コーナーは遅くなるだろうなぁ~と思っていたのですが,乗っている時は2コーナーでアンダーステアを感じず,良さそうなバランス.詳細は後程ロガーでチェックですね.
ヘアピン
このレート+「SC6.5」のブレーキパッドは初の組合せなので,フロントのブレーキがロックするかなぁ~?と危惧していたのですが,そんな兆候は一切ありませんでした.フロントが沈み込み易いという事でリアのリフト量が多くなるか?と心配していましたが,こちらも姿勢は安定していて問題なし.もしかすると,インリフト後にスピン挙動が出易かったのは,低反発のヒョコヒョコ挙動のせいだったのかなぁ~?とすら思えてきました.
という事でブレーキング領域では不満なし! ただ,続く進入の領域では,リアがインリフトしている事もあってフロントが切れ込み過ぎる・・・.これを抑制するためにトー角を5分開いたのですが,感覚的にはあまり変わってないですね.その一方で,立ち上がりはアンダーステアが出易く,こちらもトー角を開いた効果が得られていない.
これらを纏めると,
入口 ・・・ オーバーステア
中間 ・・・ ニュートラルステア
出口 ・・・ アンダーステア
といった感じでした.FFなので,入口がオーバーステアなのはむしろ好都合ではありますが,それがタイムに繋がっているか?というと微妙な感じ(切れ込み過ぎるのを抑えた結果,ボトムスピードが下がっている印象).それよりも出口側のアンダーステアの方が顕著にロスしている気がしていて,アクセルを開けてもクルマが前に進みませんし,入口⇔出口のグリップバランスをもうちょっと出口側に寄せたいかなぁ~?と思いました.
現状のこのクルマのバランスを踏まえると,U字コーナリングよりはV字コーナリングの方がトータルでは速い気がするので,一先ずはドライビングでアジャストしつつ,出口側の改善策を再検討ですかね・・・.
インフィールド
ここは圧倒的に今の仕様の方が良いですね! クルマが小さくクルッと回ってくれるし,クルッと回ってくれるからアクセルを開けるタイミングも早められる.乗ってて感動するくらい(笑)良く曲がりました.ただ,2段ブレーキを使った曲げ方が出来るのは,タイヤが新品の時だけで,それ以降は右フロントタイヤが負荷に耐え切れず,ロック気味になっていたので,フロントのグリップ状況に合わせてラインを徐々にIN側に寄せ,負荷の量(ロール角)を適正化しないとダメでした.
左高速コーナー
ここは特に違いを感じませんでしたが,周回を続けてリアタイヤのカスの付着量が増えてくると,テールスライドし易い印象でした(右リアに結構な負荷が掛かっている).
洗濯板
左→右と切り返してブレーキングするまでの間,若干ステアリングレスポンスが落ちた気もしますが,レートが2キロ落ちているんだから当たり前かなぁ~? そのレスポンスの鈍さが何か悪さをしている訳でもないので,多分何回か走れば忘れますね.
最終複合
ここも素晴らしかった! 洗濯板を下りてアクセルペダルに足を載せると,自然と外側にクルマが膨らんでいき,そこからアクセルペダルをON→OFFとすると,クルマが急激にIN側に切れ込んで行く.まさに理想の挙動!!
・・・と思ったのですが,どうもこの挙動は路面が原因っぽい気がしました.走行終了後,他の方の走行を外から眺めていた時に,皆さん洗濯板を下りてから右に切った時に挙動を乱しているんですよね.ブレーキロックしたり,外側に膨らんで崖(ピットエントリー)に落ちたり,この後,午後も走行したのですが,その時にはIN側に切れ込んで行く挙動は出なくなっていたので,恐らく路面が完全に乾き切っていなかったか,あるいはこの部分だけ若干オイリーだったか(前日は2輪が走行)したのかもしれません.
最終コーナー
路面の影響があったにせよ,ターンインでクルマがIN側に勝手に切れ込んでいってくれる挙動(オーバーステア)は有難く,ここでもアクセルを開けるタイミングが前回と比べると遥かに早かったです.
また,乗っている時に気づいたのですが,レートを2キロ下げた事で縁石の走破性が上がっていますね.最終コーナーIN側の縁石に右フロントを乗せた際,はじき飛ばされる事なく,ストン!と乗り越えてくれるのでアクセルを一瞬戻す操作が不要でした(縁石にはじき飛ばされると,外輪側に荷重が載り過ぎてアンダーステアに転じるため,一瞬だけトラクションを抜いてやる必要があった).今更ながらにこんな事にすら感動してしまいました(苦笑).
以上を纏めると,やはり低レート+中反発仕様の方が圧倒的に良い!
クルマが暴れず,こちらの狙い通りに動いてくれますし,挙動も安定しているので先読みし易くマージンも削れる.コーナーへの進入では曲がり過ぎなくらい,クルマがよく曲がりますし,縁石の走破性も良いので最短距離を走れます.ドライビングを変えてもクルマがちゃんと反応してくれるので,タイヤの限界も引き出せますし,良い事ずくめでホント素晴らしいのですが,唯一,
タイムだけが出ない・・・(泣).
こんなにクルマは曲がっているのに,こんなに早くアクセルを開けられているのに,なんでタイムが出ないんだ?
(;-ω-) ウーン…
やっぱり低め安定なのか? クルマの限界は引き出している感触があるのに,結果だけが出ない.こうなると見えない・感じ取れない部分(ボディ or エンジンのヤレ)とかを疑いたくなってきますね・・・.