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OX3832のブログ一覧

2025年08月11日 イイね!

なぜか色々抜けた一日

なぜか色々抜けた一日ショップに依頼していた作業がようやく終わったので,慣らし&テストがてらTC1000へ行って来ました.

お店が繁盛しているようで,部品をオーダーしてから1ヵ月以上待たされた事もあり,TC1000に来るのは2ヵ月半振り.前回の走行が5月末なので暑くなりかけの頃合いでしたが,その後,連日夏日が続いていたので,家に籠ってひたすらForza Motorsportをやってました(あと1レースで全イベント消化).

当日は三連休の最終日なので混むかなーと思いつつ,午前中は雨予報だったので逆にピットが取れるレベルで空いてるかなーと思いながら筑波サーキットへ到着.結果は,残念ながらピットは満杯でパドックの方に行くとガッキー∴6度8分さんのZN6が1台止まっているだけでした(2台差だったか・・・).



予報を見るとザーザーの雨というよりはポツポツ降るレベルだったので,まぁ,なんとかなるでしょ~と荷物を降ろして準備を開始.2ヵ月半振りなのでなんか色々段取りを忘れていて無駄な動きが多かった気もしますが,タイヤ交換をしようと思うと色々障害が.


1つ目はジャッキのバー.

私はミナト電機工業の「ローダウンジャッキ」を使っているのですが,2分割されているバーを連結させようと思ったら連結部分が何だかユルユルで挿さらない.「ん? なんだ??」と思ってよく見ると画像の位置のボルトが抜けてました(↓).



「えっ? こんなトコのボルトが抜けるの??」と思いつつ,トランクを覗くと中に落ちていたので「ああ,良かった~」と拾い上げ,穴に差し込んで仮止めした後,六角で締め込もうとしたら4mmでハマらず,3mmでスカスカ・・・.

「インチかい!(怒)」

しょうがないので,手締め止まりでしたが一応外れなかったので,今回はこれでやり過ごし.2ヵ月使っていなかったとはいえ,車載の振動ごときで緩むもんかなぁ~?


その後,作業に戻りフロントタイヤの交換を済ませ,空気圧を測ったら冷間想定値よりも10kPa以上低い.「前回は暑くなる前だったし,しゃあないかー」と筑波サーキットのエアを使わせてもらいにガレージ前へ移動し,エアゲージを取り出して挿そうと思ったらホースに挿さらない.「ん? なんだ??」と思ってよく見てみると,エアゲージとホースを連結するためのアタッチメント(↓)がない・・・.



「お前もかい!(怒)」

と荷物置き場に戻って,エアゲージを入れていたバッグを漁ってみるとアタッチメントが落ちてました.「ああ,良かったぁ~」と思いつつ,確かに買ってから10年間増し締めはしていないですが,ネジにシール材が撒かれているのに車載の振動ごときで抜けるか?? 先程のジャッキといい,なんかネジを逆に回す磁力でもクルマに働いているんかい!?と思いたくなるような有様でした.


そんなゴタゴタもあって,この日はサーキットアドバイザーのミーティングがあったのですが,その時間に準備が間に合わず・・・.ミーティングが終わった頃合いを見計らってピットへ行き,こもりん.さんに新しいチケットの買い方を教えてもらいました.



新しい券売機は「これぞDX(digital transformation)!」って感じで素晴らしいですね.毎回印刷するのが面倒だった念書が要らなくなるのは助かりますし,画面をポチポチ押すだけなので簡単で手早く,スマホがあれば会員証を忘れても大丈夫.枠の台数表示もあるので混雑具合も一目瞭然で大変素晴らしいです! 唯一難点があるとすれば枠の台数が「残り○台」という表記なので,現在の参加予定台数を逆算して求める必要があり(15台から引き算),見た瞬間パッと分からない事くらいですかね(私の頭の回転が鈍いだけ・・・苦笑).


そんなこんなでT2枠(8:15~)でコースイン.雨がポツポツと降っていますが,コースを濡らす程ではないので,ドライと変わりません.2ヵ月振りなのでまずは感触を思い出すつもりで走り出したのですが,タイヤのグリップも良く,エンジンの吹け上がりも良好.この感じなら8月でもマズマズのタイムが出るのでは?と計測1をやってみると,



42.8秒・・・.「ハァ~?」と思わず言葉が漏れてしまいました.確かにブレーキングで余力は残してありますが,こんだけクルマの感触が良いのに,なんでこんなタイム?? 体感1秒くらい遅いですが,2ヵ月振りだし勘が鈍っているのかも?と前回反省した「ブレーキングの詰めが足りない」を思い出して再度アタック.



しかし,結果は42.369・・・.確かに曇り空とはいえ,気温は既に29℃.雨もポツポツ降っているので湿度も高くパワーは出ません,おまけに向かい風で最高速も抑えられているので41秒台は厳しいかもしれませんが,それでも42秒フラットくらいまでは届くだろ? 相変わらず0.3秒遅い症状が改善しなくてガックリしますが,「きっとブレーキングの詰めが足りないだけだ!」と自分を奮い立たせて,可能な限りブレーキングを遅らせてみるも,42.323と0.04秒削り取るだけ・・・.

エンジンもタイヤも感触は素晴らしいのに,なんでこんなに遅いんだ?とその後も躍起になってブレーキングを詰めてみますが,さすがにそろそろフロントタイヤがタレてロックするようになりました.枠の参加台数は計5台と少ないので2周クーリングラップを入れてタイヤを冷やしつつ,ブレーキングの開始ポイントを詰めつつも,詰め過ぎない(クリップにちゃんとつける)ギリギリのポイントをイメージして,計測5にチャレンジ.



結果は,計測3を0.008秒削り取った42.318.これでも「42.3秒かよ・・・」ガックリ来ますが,これ以上はどう足掻いても出せる気がしないので,今日はこれが限界.「想定より0.3秒遅い」という私の感覚の方がおかしいのかなぁ~?と思いつつ,過去のデータと見比べてみると(↓),

【気圧】


【気温】


【路面温度】


【最高速】


どの指標で見ても,今回のコンディションに照らし合わせると,やっぱり0.3秒遅い.ブレーキングでこれ以上詰められる気はしないし,あと考えられるのはブレーキングの過渡特性くらいか・・・?

そんな中で唯一善戦しているのは最高速.こちらは0.1秒後れに留めています.しかもこの日は,南南西の方角から風速10m/sの結構強い風が吹いていて(↓),



最高速を記録するホームストレートでは向かい風でした.約36km/hに相当する向かい風の中でも最高速がを1km/h伸びている計算になるので,今回のアップデートは効果があったのか?



細かい検証は後日するとして,速報レベルのテスト結果を書いておくと,

  ・スロットルに対してインマニの温度は6℃低い
  ・蛇腹の黒いホースに対して,エアクリの陶器部分は2℃低い

と一応数値上は差が出ていました.


さて,タイム的にはかなり不発でしたが,一応テストデータは得られたので,ピットへ行って常連さん達と会話すると,5月に6年振りくらいにお会いした団長が今回も来られていて「筑千職人にはエントリーしましたか?」と聞かれました.

なんでもFWDクラスの夏ノ陣のエントリー台数が現在6台なのだそうですが(↓),



1位のikuji-さんは職人クラスの間違いだそうで1台減って5台になるとの事.そうすると5台以下でクラス不成立となり,表彰は1位のみで2位と3位はハンデだけ背負って景品なしとなる事から,「上位を脅かさず,エントリー台数だけ増やす都合の良いヤツがいないか」と探していたとの事(笑).

「ええ,勿論エントリーしましたよ」と返すと,「ありがとー!」と現在4位(繰り上がって3位予定)のkame@103kgさんから冷たい飲み物を頂きました(↓).



kameさん,有難う御座います(苦笑).


その後も団長と会話していたら,「筑波に行かなくなった後,心配してくれていたのはOXさんだけだったよー」と仰るので,何の事か?と思ったら,コチラの方(↓)経由で私が気にしていたのが伝わった様子.



そういえば,団長が来なくなってから1年が経過した頃,ファミ走でコチラの方にお会いした際に「この方なら団長の事をご存知かも?」とお聞きしたのでした.

あ,そういえば,コチラの方がお持ちだった滅茶苦茶速いオレンジ色のロードスター(↓)は,



風の噂で他の方に譲られたという話を聞き,NSXも売りに出ているというのを某SNSで見かけたので「最近どうされているんですか?」と今度は団長にお聞きしたら,「いや,NSXは結局手放さなかったみたいだよ」との事.筑波はもう来られないみたいですが,またSUGOとかで走られているんですかね・・・.


そんな昔話をしばしして,もう1本走ろうかなーと雨雲の様子を見ていたら,しょこさんがA8枠(11:20~)で走るというので,同じ枠のチケットを購入.しょこさんのER34は,ZⅢを履くとちょうど私のEF8と同じくらいのタイムなので(勝手に)比較材料にさせてもらう事にしました.

チケットを買って出ようとしたら,コントロールタワーの中にこの日のアドバイザーである蘇武さんがいらっしゃって,券売機の横に置いてあった蘇武さんの紹介ボードをしょこさんが見て(↓),



「TT1600に出てたの知らなかった!」と言い出し,なぜだかTT1600の話に.付き合い長いくせに酷いなぁ~と横からチャチャを入れつつ蘇武さんのエントリー履歴を聞いたら「同じレースの現場に私もいたかも!」と盛り上がり,最後は「私,レースのキャンギャルやった事があるんだよ」と衝撃の事実を告げられました(笑).


その後,話が膨らみ過ぎてA8枠の開始時間が迫り,私は暖機が間に合わず,タイヤに無駄に熱を入れるのも嫌だったので,しばしピット後ろで待機.



5分遅れでコースに入り,アタックしてみますが43秒も切れない・・・.T2枠より日射しが強く路面温度が上がっているとはいえ,情けない事この上ないですが,出ないもんは出ない.ターゲットタイムとなるしょこさんのタイムはいくつだ?とタイムボードを見ると「42.77」.

ぐぬぬ・・・.せめて42秒台には入れねば!と気合を入れてアタックするも 「42.93」が限界(0.16秒差).あと0.2秒削れる策がないか?とアレコレ試してみますが,「43.00」とフロントタイヤの熱ダレが始まってブレーキングでこれ以上詰めるのは無理.「なんだ? 何がおかしいんだ??」とクルマの挙動に意識を向けると,1~2コーナー間でリアタイヤの限界が低い(リアのスライドが止まらず,クルマが前に進まない).

これか!?とパドックに戻り,急いで内圧を調整.



温間の値は狙い通りの数値だったので,これで滑るのはおかしいと思いつつ,4月にリアタイヤを新品にしてからどうもフィーリングが良くない(以前のタイヤと比べると明らかに固い)ので,もしかしたらサイレント仕様変更か?と思いつつ,内圧を10kPa下げて再びコースへ.



残り時間5分を切っているのでそのままアタックして,タイムは 42.930 でこのセッションのベストタイムを更新.結局,しょこさんのタイムには届いてないので悔しい事は悔しいのですが,ま,やれる事はやり切りましたし,問題の片鱗を見つけられたので満足です.


その後,私がしょこさんのアタックを邪魔した・邪魔してない問題でワーワーやりしつつ(苦笑),敗北の慰めにしょこさんから塩タブレットを頂きました(↓).



有難う御座います!(アタック邪魔してスミマセンでしたね)


あともう1本走っても良かったのですが,やる事はやり切った感もあり,本日はこれにて終了.急いで片付ければまだサロンに間に合いそうだったので,チャッチャと片付けを始めるも,またも問題が.

助手席の前にあるグローブボックスを開けたら落ちました・・・.



「うわっ,またヒンジが折れたか!?」と中を覗くと,車体側とグローブボックスを繋ぐヒンジのトコについているピンが抜けてました(↓).



狭くて作業しにくい中,助手席の裏に潜り込んでよく見るとブラケット側も横に曲がっており,一度取り外さないと無理.お昼で日射しも強くなって汗だくになりながら,なんとかピンを通して固定出来ました.これで本日3ヵ所目の抜け.何か車体にネジが外れやすい振動周期のものが出ているのか・・・?


そんな事をやりつつ,既に13時半を過ぎていたので急いでサロンに向かいましたが,残念ながら受付終了・・・.汗をたっぷりかいたのでモツ定食べて回復させたかったのですが,連休前ですし,仕方ありませんね.

なお,戻りの地下道で気づきましたが,ココ(↓)に燕の巣が出来たそうです.



長年,TC1000のトイレに巣が作られていましたが,今年対策されてしまったので(↓),



TC2000に移動したみたいですね(笑).ちなみに,燕の巣は鳥獣保護管理法で中に卵やヒナがいる場合は,撤去が禁止されているそうです.なので一度巣を作られると巣立ちの日まで触れないので,大工さんとか困るそうです.


さて,お昼ご飯を食べ損なってしまったので,どうしようかなー?と思案して,前々から「サロンのモツ定を喰い損ねたら一度行ってみよう」と思っていた山田うどん食堂 石下バイパス店へ.



こちらにもつ煮込み定食ならぬ「パンチ定食」というのがあるそうなので,一度来てみたかったのですが,今回は土日限定という「超得山田セット」が安かったので,こちらをオーダー.かき揚げ丼+ミニパンチ(モツ煮)+たぬきそば/うどんのセットなのですが,ギリギリ食べ切れました(胃が小さくなったなぁ・・・).モツ煮は普通といった感じでしたが,かき揚げ丼が結構美味しかったです♪


以上,色々盛り沢山でありつつ,なぜか色々抜けた一日でした.
2025年08月03日 イイね!

インマニガスケットのお勉強

インマニガスケットのお勉強先日,マツダの論文でエンジンの吸気ポートに3mmの厚さの断熱材を巻くと吸気温が2℃下がるという事を学びました.

しかし,実際の吸気ポートはシリンダーヘッドと一体となった鋳物なので,周りに断熱材を巻く隙間などなく,「ヘッドの中に異物を埋め込むなんて,メーカーじゃないと無理だなー」と思っていたら,ヘッドとインテークマニホールド(インマニ)の間に挟まっているインマニガスケットで似た効果を得られそうな事に気づきました.

調べてみると,吸気温にシビアなS2000(AP1)では定番メニューなのだそうで,CSOから「インマニ断熱ガスケット」として製品が出ていました(↓).



「エンジン熱によるインテークマニホールドの温度上昇を抑える断熱ガスケットです.吸気温度低下に伴い,酸素密度向上によるパワーアップが期待出来ます.サージタンクに吸気温度センサーが存在するAP1には特に効果的です」


AP1の吸気温センサはサージタンクに付いているため,サージタンク内の空気ではなくサージタンク本体の熱(温度)を拾ってしまい,センサ読み値が真冬でも60~70℃となるそうです.これだけ吸気温が高いと,ECUはノッキングを避けるために点火時期を遅らせる(リタードさせる)ため,顕著にパワーダウンするそうです.

後期型のAP2では,吸気温センサがサージタンクではなく,スロットル上流に取り付けられているため,こういった事象は起きない事からセンサの移設を行ったりもするそうなのですが,移設ではなく,サージタンクそのものの温度を下げる手法として,ヘッドとインマニの間にあるガスケットを断熱性のある素材のものに交換するのがコレだそうです.曰く「N1レースではレギュレーションで改造範囲に縛りがあるため,それに抵触しない部品としてこういったものを用いる事もある.ストレートの長いサーキットであれば,スリップを使わずとも抜けてしまうくらいパワー差が出る」との事.


私のEF8は,既に吸気温センサを移設してあり,エアクリ後方に付いています(↓).





なので,AP1と同じ事は起きないのですが,先述のマツダの論文では「吸気温を下げるのにサージタンクを冷やすのは効果的」といった情報も載っていたので,S2000以外でも使っている人いるのかなぁ~?と調べてみたところ,ありました(↓).



オートスタッフという会社が出している「インシュレーションガスケット」.
狙いはCSOと同じ,エンジン本体からの熱がインマニ(サージタンク)に伝わるのを防ぐためです(↓).



おっ! いいじゃん.B16A用はあるのかな~?と調べてみると(↓),



なぜか記載が「B16C」・・・.EG/EKと書いてあるので,多分「B16A」の誤記だと思うのですが,微妙~.ガスケットなので穴が埋まっている分には加工して穴を開ければ済みますが,穴が余計に開いている場合は間に水が通るだけに都合が悪い.輸出用含めて「B16C」なんて型式はホンダにないはずなので,ほぼほぼリスクはないと思うのですが,微妙だなぁ~と更に調べてみると,M&M HONDAにも似た製品がありました(↓).



こちらの製品名は「Heat Shield Gasket」.ちゃんとB16A用/B16B用と書かれており安心.解説文(↓)には「耐熱樹脂のベークライト素材で厚さは3mm」との事で,リスクを冒さないならコッチですかね.

「エンジン本体のインテークポートとインテークマニホールドの間に,耐熱樹脂の3mm厚のベークライト素材を使用したインテークガスケットを装着する事で吸入温度の低下で3~5%のパワーの向上を期待出来ます! シリンダーヘッドからインテークマニホールドへと伝わってくる熱を遮断して,金属製のインテークマニホールドがヒートシンクとなってしまうのを防ぎます.その結果,吸入空気のシリンダーへの充填温度の上昇を防ぎ,充填効率を向上させる事が出来ます.吸気温度の低下によって3~5%のパワーアップに繋がります.取付けには純正ガスケット2枚必要です」


しかし,「3~5%のパワーアップ」ですか・・・.マツダの論文では中負荷の2000rpm相当で約2℃低下だったので,形式・運転領域が異なるとはいえ,このガスケットだけで3~5%も上がったりするかなぁ~? 以前調べた時は「吸気温5℃低下で出力1%向上」といった単位でしたし,この換算だと15℃近く下がる事になるのですが,ガスケット1枚でさすがにそれは・・・と思いつつ,更に調べてみたところ,こんなのを見つけました(↓).


(OPTION2 パーツテストバックナンバー:零1000 パワープレートより)

2006年5月にZERO-1000が「パワープレート」という名称で製品開発していたという記事.ZERO-1000と言えば「パワーチャンバー(↓)」で有名な会社ですので,ここが出しているなら信頼が置ける.



早速記事を読んでみると,テスト結果はこんな感じ(↓).


(OPTION2 パーツテストバックナンバー:零1000 パワープレートより)

エンジンはB18C,水温:84℃,油温:80℃,アイドリング状態で吸気温を50℃に合わせた状態から,4速で2500→8000rpmまで回した時の結果だそうです.

まず,絶対値的には最大出力が6.1PS上がっており約3.1%の向上.アレ? 3~5%アップって嘘じゃない?? 過渡応答も4000→7800rpmの到達時間が0.13秒短縮しており,グラフを見るとハイカムに切り替わってから差が出ているので,吸気流量が増えた領域で威力を発揮しているみたいですね.このクルマの吸気温センサが純正取付け位置だとすれば,レブリミット温度が2℃低下しているので,サージタンクの遮熱効果もきちんと出ているようです.

この結果を見ると「N1でスリップ使わなくとも追い抜ける」というのは,あながち嘘じゃなさそうな気もしますが,その一方で,ZERO-1000が「パワープレート」という製品を市販した痕跡を見つけれなかったんですよねぇ・・・.上記の記事はあくまで「開発中」の話なので,もし本当に市販に至らなかったのであれば,その理由を知りたいところです.


以上,インマニガスケットのお勉強でした.
2025年07月22日 イイね!

ラリー車のボンネット開口部

ラリー車のボンネット開口部先日,池袋に行ってラリー車を観てきた訳なのですが,その中で不思議に思ったのがボンネットの開口部でした.

エンジンルーム内のクーリングのために,ボンネットに開口部を設けるのはレーシングカーでもよくある事なのですが,大体のパターンはラジエターの後ろ辺りに開口部を設けて,ラジエターで熱せられた空気を抜く形にするのが一般的です.

実際,私のEF8もこの位置に開口部がある訳なのですが(↓),



今回見たラリー車は,3台が3台ともボンネットの中央部ではなく,両端に開口部を設けていました(↓).

GR YARIS Rally1


SKODA FABIA R5


SUBARU WRX S4


最後の「WRS S4」は,ボンネット中央部にインタークーラー用の取り込み口があるので(↓),



ラジエターの後ろに穴を開ける事が難しいのは理解出来るとしても,他の2台にはそういった制約がないので,なぜこの位置になるのか不可解でした.何かそこに設けないといけない理由(例えばレギュレーションで指定されている等)があるのかな?と思い調べてみたところ,理由はコレ(↓)でした.



ラリー車特有の室内クーリング用に設けられているシュノーケルダクト(ルーフベンチレーター).


仮にボンネットの中央に開口部があった場合,ラジエターを通って熱せられた空気がそのままボディに沿って流れ,ルーフの先端にあるこのシュノーケルダクトの中に入る事になります(↓).



室内を冷やすために設けたダクトなのに,そこに熱せられた空気が入ってしまっては本末転倒で,こういった事象を避けるためにボンネットの開口部を中央ではなく,左右両端に設けているのだそうです(↓).




コレを聞いてSUPER GTのランボルギーニの話を思い出しました(↓).

  autosport web:新ウラカンGT3エボ2。リヤ2本交換の“こだわり”を捨てて掴んだ完勝劇

GT3車両である「ウラカン」が「EVO」→「EVO2」へアップデートした際に,吸気の取り込み口(エアインテーク)をサイド→ルーフ後部へ移動したそうなのですが(↓),

【ウラカンGT3 EVO】


【ウラカンGT3 EVO2】


その結果,ラジエターの熱を拾って吸気温が上がり,パワーダウンしてしまったそうです.この対策としてボンネットの開口部にフィンを追加して,排熱した空気をエアインテークの左右両脇に避けるように流したら,先述の吸気温が20℃も下がったのだとか・・・.ミッドシップ車両がこういったチョンマゲを付けているのは珍しくないと思うのですが,中央に開口部があるとこんな問題が起きたりするのですね.



遠目に見ても,「ウラカン」のエアインテークはボンネットから大分遠い位置にあるように見えるのですが,この位置でも20℃変わるなら,ルーフの真上というボンネットからかなり近い位置にあるラリー車のシュノーケルダクトなんて,更に熱い空気を取り込んでしまうのでしょうね・・・.


以上,ラリー車のボンネット開口部がなぜ左右両端にあるのか?というお話でした.
Posted at 2025/07/22 22:46:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(空力) | 日記
2025年07月21日 イイね!

体感フェス in 池袋見学(JP4編)

体感フェス in 池袋見学(JP4編)池袋で開催されていた「体感フェス in 池袋」ネタのラストです.

前回同様,こちらも全日本ラリーの最上位クラス「JN1」に参戦している「JP4」車両.「JP4」というのは2023年から制定された車両規格で,簡単に言えば「JAF公認のRally2車両」ですね.Rally2自体はFIAの公認が必要ですが,FIAの公認が取れていなくとも「一般道路での使用を想定した量産車両」をベースにRally2準拠の改造車ならOKという事のようです.

という事で,そのJP4車両である「SUBARU WRX S4」.



現行のWRXにはSTIバージョンがないので,S4=トランスミッションはCVTという事のはずなのですが,コチラの車両は6速シーケンシャルを搭載.「JP4」は公認車両なので,その辺りは自由に出来る感じなんですかね?

ふ~ん・・・と思いつつ,フロントウインドウに目を移すと(↓),



アレッ? ワイパーが逆?? という事は左ハンドル仕様か~?と中を覗き込むとその通り.そういえば,WRXの輸出仕様にはマニュアルミッションの設定もあったはずなので,ベース車は輸出仕様なのか(後日調べてみたところ,元々は右ハンドル仕様だったが,ドライバーである新井敏弘選手の要望で途中から左ハンドル仕様に変更したとの事).

「という事は,正真正銘の最新型(2025年型)か!?」と思い,車両の後ろに回って下を覗き込みます(↓).







う~む・・・よく見えませんが,2025年仕様であればリアのサスペンション形式がマルチリンク→マクファーソン・ストラットに変更されているはずなんですよねぇ.こちらも新井選手の要望で変更したのだとか(↓).


(WEB CARTOP:2025年はサスの変更と軽量化で「世界のアライ」も納得の戦闘力アップより)

ちなみに,元のマルチリンク形式はこんな感じですが(↓),



素人にはよく分かりませんな・・・.ストラット形式というと「頑丈!」というイメージがありますが,形式変更はそういった理由によるものなのかな?と調べてみると,どうやらサスペンションストロークを稼ぐためらしい.

「マルチリンク→ストラットでストロークって増えるのか??」と思い調べてみると,まず「マルチリンク」はこんな感じ(↓).


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

ハブに対して複数本(マルチ)のアームが繋がって(リンクして)いるのが分かります.余談ですが,SUBARUは「マルチリンク」とは言わず,これを「ダブルウィッシュボーン」と呼んでいるそうなのですが,本来の「ダブルウィッシュボーン」はこんな感じで(↓),


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

ハブに対し,A形状のアームが上下2本繋がっているものを「ダブルウィッシュボーン」と言うので,ロアアームが2本リンクになっている構造からすると「マルチリンク」の方が正確な気もしますね.

話を戻して,今回変更となった「マクファーソン・ストラット」はこんな形(↓).


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

アッパーアームのないシンプルな形状となっています.このシンプルさがサスペンションストロークを稼ぐのに適しているのだそうで,アッパーアームがないためダンパーを隙間に通す必要がなく,取付点の自由度が高いため,ストロークが稼げるという理屈なんだそうです.



なんとなく「ストラット」より「マルチリンク」の方が良さげに思えてしまいますが,ラリー車にはラリー車の考え方がある訳で面白いなぁ~と思いました.


さて,このクルマの一番面白い部分はココなので,あとは正面に回ってザッと見て終わり.



ターボ車なので伝統のエアスクープがボンネット中央に鎮座していますね(↓).



当然,中は見れないのですが,伝統のEJ20ではなく後継となるFA24が搭載されているそうです(↓).


(Car Watch:スバルとSTI、「WRX S4」ベースの全日本ラリー参戦車より)

前回のR5(Rally2)車両もターボエンジンですが,あちらの排気量は1620ccであるのに対し,こちらの「WRX S4」は2380ccと大きいため,最低重量が70kgほど重く設定されているそうなのですが(1300kg),それ以前にそもそもベース車が1600kgとかなり重いため,アレコレ外してもこの最低重量に届いていないそうです.

そして,これまで観てきた2台と同様に,ボンネット後部の両端に穴が空いています(↓).



「FABIA R5」と同様に穴の前には衝立が付いていて,同じような思想である事が分かるのですが,それにしてもどうしてラリー車はこの位置に穴を開けるんでしょうね? レギュレーションで縛りでもあるのでしょうか??

そして,最後にお約束のエアスクープです(↓).




以上,体感フェス in 池袋見学の「JP4編」でした.

深掘りしないと言いつつ,結局今回も長くなってしまいました・・・.WRCはトヨタが参戦している限り,またどこかで見る機会があると思いますが,全日本ラリーの車両はなかなかお目に掛かれないので貴重な見学となりました.


【おまけ】
今回の「WRX S4」の2025年型を調べる過程で,エアクリボックスにヒートバリアが施工されているのを確認(↓).


(WEB CARTOP:2025年はサスの変更と軽量化で「世界のアライ」も納得の戦闘力アップより)

上で出てきた2023年仕様の時には施工されていなかったので,やはり効果があるんですね・・・.φ(´・ω・`) メモメモ
Posted at 2025/07/21 22:19:56 | コメント(3) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記
2025年07月20日 イイね!

体感フェス in 池袋見学(R5編)

体感フェス in 池袋見学(R5編)では池袋で開催された「体感フェス in 池袋」の続きです.

見学目的の3台のうち1台はRally1車両でしたが,残る2台は全日本ラリーのクラス1(最上位クラス)に参戦しているJN1車両です.ラリー車のクラス区分って,どうもすんなりと頭の中に入って来ないのですが,2025年の規定を要約すると「JN1」=「FIA・ASN・JAFいずれかの公認車両」≒「競技専用車両」という事になるようです.


「競技専用車両」ならばRally1も入るのか?というとそれは認められず(当たり前でしょうね),FIA公認車両の最上位は「Rally2」までとなっているようです.また,ASN(各国のモータースポーツ統括団体,日本のJAFに相当)の公認車両は「AP4」と呼ばれ,JAFの公認車両は「JP4」と呼ばれるそうです(「公認」の定義はややこしいので割愛).


という事で,そのJN1の1台目「SKODA FABIA R5」です.



「SKODA(シュコダ)」はチェコの自動車メーカーで,フォルクスワーゲンの傘下です.WRCに興味がある人であれば,ちょくちょく聞く名前ですが一般的には「どこのメーカー??」といった感じでしょうね.末尾の「R5」は「Rally2」の旧名で,旧名という事は古いの?というと,製造開始が2015年なので何と10年前のクルマです.

EF8に乗ってると10年落ちなんて「最新型!」と思えてしまいますが(苦笑),競技車両で10年落ちといったら相当古いので,なんでこんな古い車両が全日本の最上位クラスで走っているのか?というと「(競技専用車両の中では)安いから」でしょうね.


(SKODA Motorsport:A Rallying Bestseller: ŠKODA FABIA R5 Reaches 300 Salesより)

この「FABIA R5」は累計300台以上売れたベストセラーだそうで,2018年当時のマーケットシェアで34%を占める程だったそうです.それだけ売れていれば中古車も出回りますし,メンテナンスパーツも入手し易いという事で,全日本ラリーへの参戦が増えているようです.


さて,前振りはこれくらいにして肝心の車両を見て行くと,前回も述べましたが最近エンジンルーム内のクーリングが気になっているので,一番最初に見るのがボンネット(↓).



前回の「GR YARIS Rally1」と同様に,ボンネット後部の両脇に結構大きな開口部があります(↓).



コレ,よく見ると開口部の前に衝立があるんですよね(↓).



これでボンネット上部を流れてきた気流を上に弾いて負圧域を作り,エンジンルーム内の空気を引き抜いてやる設計なんでしょうか? そのまま正面に回るとこんな感じ(↓).



カストロールカラーという事で,往年のセリカを彷彿とさせるライトポッドが目立ちますが,個人的に気になるのはアチコチの開口部.吸気はフロントグリルの左側から取っているようですが(↓),



ラジエターの排熱はどうしているんだ? 上に導いて先程のボンネット左右から抜くのか?と見ていくと,フロントバンパー横に穴が(↓).



1990年代のレーシングカーでは,このバンパー横から抜く手法をよく見ましたが,ここから排熱すると気流がボディ左右に広がって,前面投影面積を増やしたかのような効果が出てドラッグ(空気抵抗)が増えるのだそうです.故に2000年代以降のレーシングカーでは見られなくなったのですが,この「FABIA R5」では採用しているんですね.

となると,ラジエター横にあるこの穴は何だ?と思い覗いてみると(↓),



アームが見えるので,ブレーキダクトのようですね(↓).


(SKODA Motorsport:Rally Turkey 2018: Latest News and Resultsより)

そのブレーキにはサーモシールが貼られていたので(↓),値を見てみると,



ダクトのないリアは240℃でしたが,フロントはそれよりも低い180℃だったので,やはり効くんですね.
温度と言えば,ラリー車に必須のシュノーケルダクトが天井にありました(↓).



サイドウインドウは当然アクリル製で,外部とのやりとりに使えるようにスライド式の穴が空いているのですが,これ面白い事に後端部分にガイドが付いているんですよね(↓).



これのおかげで開けている時は室内に結構な量の空気が入ってくるそうで,リエゾン(競技セクション間の途中移動)では重宝しそうですね.そのまま後ろに目を移すと吊り下げ式のリアウイングが(↓).



コレ,よく見ると翼端板が3D形状になっていました(↓).



そんな感じで一通り眺めて「なるほどなぁ~」という感じだったのですが,1点だけ不可解な部分が(↓).



フロントバンパーの両端部分がフェンダーまで届いておらず,正面から見るとタイヤが剥き出しだったんですよね.タイヤが露出していたら当然ドラッグが増える訳で,素直にフェンダーの位置までバンパーを延ばせばいいものを敢えてそうせず,意図的にくり抜いているかのように見えます.なんでこんな形状になっているんだろう?と調べてみたら(↓),


(WRCWings:The new Škoda Fabia RS Rally2 aerodynamics key pointsより)

先述のバンパー横の穴を使ってエアカーテンを貼るので,見た目ほどドラッグは増えないようです.気流で前面投影面積が増えるなら,それを逆手にとってボディを切り取って軽量化しちゃえ!って事なんですかね(ラリーなので破損部位が減るのは助かるでしょうし).メーカーがやるんだから,そこにはちゃんと理由(カラクリ)がある訳で,こういうのに気づけるからレーシングカーの見学って面白いんですよね♪


以上,体感フェス in 池袋見学の「R5編」でした.最後の1台はそれほど深掘りしたい訳でもないので,今回の見学ネタはこれで終わらそうと思ったのですが,予想外にボリュームが増えてしまったので次回に回します.
Posted at 2025/07/20 20:34:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記

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