1日中楽しんで,翌日ぶっ倒れて気がつけば夜になっているほど遊び切った
先日のTC1000 でしたが,こもりん.さんとのハンデ戦は完敗に終わりました.
最終的なリザルトは以下(↓)となっており,仮に1.4秒ハンデでも勝てなかったようです.
私 ・・・ 41.467
こもりん.さん ・・・ 42.790 (+1.323)
当日はとにかくフロントが入らなくて,慢性的なアンダーステアに1日中苦しまされたのですが,過去の実績値ベースで当日のコンディション下における想定タイムをタイムマップで確認してみたところ(↓),
朝一の1本目で全力を出し切れていれば,ギリ41.1秒は出たようです.一方,2本目(当日ベストを出したセッション)は想定値でも「41.4秒」となっており,こちらは実力通りといった感じ.1本目の方は濃霧の件もあったので,後からどうこう言っても仕方がない事から2本目の方でもう少し縮められなかったのか?を今回は探ってみたいと思います.
まず,2本目は計4回アタックしており(↓),
1回目 ・・・ 42.009
2回目 ・・・ 41.731 ※当日のセカンドベスト
3回目 ・・・ 41.467 ※当日のベストラップ
4回目 ・・・ 41.882
1回目・2回目の感触をフィードバックして纏めた3回目でようやくベストが出せた感じです(4回目はタイヤのピークを過ぎてる).前後のスプリングをレートアップして以降,計測1でタイヤの性能を完全に引き出す事が出来ず,ベストタイムが計測2 or 計測3となる事が増えているのですが,これはタイヤの温め方が悪いんですかね? 狙った通りにドライビングが出来ず,タイヤのピークを上手く引き出せていない状況が続いているので,新品タイヤを投入する前に何とか解決策を見出したいところです.
話を戻して,当日ベストと比較した場合,縮め代を見出すヒントは当日のセカンドベストのラップ(41.731)にありそうだったので(↓),
VIDEO
こちらを使って分析してみたいと思います(赤:ベストラップ 青:セカンドベスト).
ざっくりロガーデータを見ると,前半1/3(スタート~ヘアピン進入)はセカンドベスト(青)の方が速く,残り2/3(ヘアピン立ち上がり~ゴール)はベストラップ(赤)の方が速かったようです.セカンドベストの方は前半1/3で0.08秒速いのでベスト-ベストで繋げれば「41.3秒」には届いた皮算用ですかね・・・.
(=しょこさんのER34に何とか肩を並べられた感じ)
では,細かく見ていきましょう.まずは最高速.
TC1000ではホームストレートエンドが最高速のポイントとなるのですが,セカンドベスト(青)の方が今回走った全ての周で最高となる「132.83km/h」をマークしていました.これはベストラップ(赤)に対しても約1km/h高く,頭抜けて最高速が高いのですが,この要因は何なのか?と調べてみると,アタックラップの入り方にポイントがありました.
アタックラップに入る前の周を見ると,アクセルを踏み始めるポイントはほぼ同等なのですが,セカンドベスト(青)の方がコース幅を目一杯使っている事が分かります.これを車載で見比べてみるとこんな感じ(↓).
【ベストラップ時】
【セカンドベスト時】
コースの白線に対して,セカンドベスト(下)の方が大分左側に行っている事が分かります.ここまで行くと左側のタイヤはコースの縁から落ちており,こんな感じ(↓)になっているはず.
これだとトラクションが掛からなくて,結果的に最高速が伸びないんじゃないのかなぁ~?と思って片輪を落とさない程度に抑えていたのですが,そんな事はなかったようです.
そういえば以前「コース幅はどこまで使うべきか?」みたいな話をどこかでしたなぁ~?と思ってブログを見返してみたところ,
2年前にサーキットアドバイザーに質問 していました(↓).
当時の回答は「アクセル全開の状態であれば,片輪を落としてようがトラクションに違いはない.極論を言うと片輪が宙に浮いていても同じ」との事だったのですが,今回の結果がこれを示していますね.片輪を落としてもトラクションは変わっておらず,コース幅を目一杯使うセカンドラップ(青)の方がボトムスピードを上げられるので,その分だけ最高速が伸びる・・・と.
今回,コース幅を目一杯使ったのは狙ってやった事ではなく,実はここもアンダーステアを出してしまっただけで,クルマをコース内に留めておけず,止む無くコース幅を目一杯使わざるを得なかっただけなのです.乗っている時は「失敗したぁ~」と思っていて,次の周(=ベストラップ)では最終コーナーへの進入角度を修正したくらいなのですが,怪我の功名と言うべきか,よく言われている「例え,失敗したと思ってもアタックは最後まで続けろ!」というのはこういう事なんだろうなぁ~と思いました.思わぬところで1つヒントが得られました.
またも1個目から長くなってしまいましたが,ロガーデータに戻して1~2コーナー間.
ここは乗っている時,セカンドベスト(青)の方が完全に失敗したと思っていました.理由は単純で,セカンドベスト(青)の方は2コーナーでINにつけなかったからです.車載を見てもらうとよく分かりますが,セカンドベストの方は1コーナーを立ち上がったらステアリングを右に切りっ放し(↓).
アンダーステアを出して外に膨らんでいるのは分かっているのですが,「何とか戻って来てくれぇ~」と祈りながらステアリングを右に切ってました.こんなに膨らんだら距離的にもロスが大きいですし,ステアリングをずっと右に切っているので操舵抵抗で車速が伸びないだろうと思ってました.なので,次の周(=ベストラップ)では少しボトムを落として,アンダーステアを出さないようにドライビングを修正したくらいです.
しかし,実際はロガーデータを見ると「ボトムスピードは4km/h上がり,コーナリングスピードもそこまで落ちてない」という結果で,タイムもセカンドベスト(青)の方が0.08秒速い結果となっていました.ここもやはり「失敗したと思っても最後までアタックは続けろ!」ですね.
さて,そんな0.08秒速かったセカンドベスト(青)ですが,なぜその後伸びなかったのか?というと,1つはヘアピンでのミス(↓).
車載で見ると分かるのですが,ターンイン時に右リアをインリフトさせ過ぎてしまい,想定よりも早いタイミングでクルマがIN側に切り込んで行ってしまったため,ほんの僅かですがカウンターを当ててラインを修正しています(↓).
ロガーデータで見ると,ラインの違いはこれくらいの僅かな差(↓)なのですが,
これでボトムの位置が奥になり過ぎてしまい,その分だけアクセルを開けるタイミングも遅れてしまい,ヘアピンの立ち上がり~インフィールド進入までの区間で加速が鈍ってセカンドベスト(青)の方が0.1秒遅くなってしまいました・・・.ギリギリを狙って走らせているので仕方がないとはいえ,やはりもうちょっとインリフトは穏やかにしたいなぁ~という感じでした.
そうそう,仕方ないと言えばインフィールドの方も.
ベストラップの時,インフィールドの手前で前を走るGK5に追いついてしまい,GK5が外側に逃げて譲ってくれたのですが(↓),
「この位置関係だと,私がブレーキングをミスったらGK5の横っ腹を刺すなぁ・・・」と思い,ほんの少しだけブレーキングを早めに開始して,マージンを取りました(↓の左側の緑丸).
乗っている時は「あ~,ここからブレーキを踏むとフロント荷重が不足するから,向きが変わらず,インフィールドの2個目でIN側の縁石に寄せられないだろうなぁ~.このラップ失敗だなぁ~」と思っていたのですが,結果は逆で,
(↑IN側の縁石を踏めているので,車体が傾いている)
ベストラップ(赤)の方がボトムをそれほど落とさず,逆に小回りに成功して0.09秒タイムを稼げていました.こうなった原因はロガーデータで確認してみると,実は私がベストだと思っていたタイミングのブレーキは"突っ込み過ぎ"で,フロントタイヤが荷重に耐え切れず,アンダーステアを引き起こしている事が分かりました(右側の緑丸).これも怪我の功名というか,やはり「失敗しても最後までアタックは続けろ!」ですね.
以上,失敗しても最後までアタックは続けて得られたヒントでした.纏めると,
・最終コーナー立ち上がり,外側に片輪を落とすくらい膨らんでもアクセルを踏み抜いた方が車速は伸びる
・LSDの仕様変更のおかげで,1~2コーナー間で膨らんでも旋回速度はそれほど落ちない
・ヘアピンでのインリフト量をもっとコントロールすべき(=それを見越した進入のラインをとる)
・アンダーステアが強い時は,インフィールドのブレーキングを遅らせ過ぎない
という感じ.これらが当日出来ていれば「41.3秒」を出して,しょこさんに追いつけたはずなので,もうチョイ頑張りましょう!という反省の弁でした(負けたのは決してタービンのせいではない).
あと,こもりん.さん,こんだけ頑張っても「41.3秒」が限界なので,「ハンデ1.6秒」はやはりキツいッス.
次回以降「1.4秒」への修正をお願いします.<(_ _)>