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OX3832のブログ一覧

2025年02月25日 イイね!

CR-Sのv1⇔v2比較

CR-Sのv1⇔v2比較TC3000ネタのラスト.CR-Sのv1⇔v2比較です.

約3年越しの比較となるので足回りその他色々違っていますが,まぁその辺りは大目に見て頂いて,興味半分のネタと思って頂ければと思います.まず,v1⇔v2の違いですが,ざっくり纏めると以下の通り.

  ・v2のコンパウンドは熱耐性が強化され,熱ダレが少なくなっている
  ・v2は「wearing(摩耗)」が向上している
  ・v2は「tread hardness(トレッド面の硬さ)」が向上している

端的に言えば,「v2はハード化している」といった感じでしょうか.


お次はサンプルデータ.

【v1(41.533)】


  気圧:1016.5hPa  気温:13.7℃

【v2(41.800)】


  気圧:1019.4hPa  気温:6.9℃

コンディション的には今回の方が完全に上回っているのに,タイムが・・・(泣).


では,前回と同様フリクションサークルによる比較です(赤:v1 青:v2).



今回の比較はあまり正確性がないので,ざっくりで見ていくと,加速領域(図の下半分)はv2(青)の方が上回っていますが,これはコンディションの差の影響かと.最高速も1.6km/h,v2(青)の方が高くそれを裏付けています.このため,このデータから「v2はトラクション性能が上がっている!」とは言いづらいかなぁ~.


左右の旋回領域(図の左右端)は,v1(赤)の方が高く,v2(青)で性能が低下したかのような印象を与えますが,



乗っていた時の印象としては「フロントはまだまだグリップするんだけど,リアの限界が低いので,これ以上は横Gを掛けられない・・・」という感じでした.なのでタイヤがどうこうというより,3年前に比べてこれだけクルマの限界が下がっているという事なんじゃないか?と思いました.orz


減速領域(図の上半分)に関しては,v2(青)の方が上回っているようです.ここも何かしらの言い訳があるかなぁ~?と思いましたが,斜めのグリップの部分は明確にv2(青)の方が秀でており,これはTC2000の分析結果と一致する傾向なので,ここは素直に受け入れようと思います.ただ,そう考えると,



v1(赤)に比べてv2(青)は「高い速度でコーナーに進入するのが得意」とも言えて,乗っていた時は「TC2000を走った直後で恐怖心が薄れているため,オーバースピード気味にコーナーに飛び込めたんだろう~」と思っていましたが,実はv2の強化された構造が,フロントタイヤの限界を掴み取るのに良い影響を与えていて,「タイヤの手応えがしっかりと掴めた(=安心感があった)ため,オーバースピード気味に飛び込めた」という可能性もありそうだなぁ~と思いました.


なお,熱ダレの部分に関しては,v2でベストタイム(41.8秒)をマークした後,5分近くピットの日陰で止まって,タイヤの温度が下がるのを待ってみたのですが(↓),



路面温度が16℃程度だった割には,ほとんどフィーリングは変わらず(恐らくさほど冷えてない),41.9~42.0秒とほぼ変わらないタイムとなりました.この結果から,v2は熱ダレに対して強くなっているのかもしれませんが,逆に一度熱が入ると抜けにくくもなっていて,1発のタイムは狙いにくいタイヤなのかなぁ~とも思いました.


以上,CR-Sのv1⇔v2比較でした.纏めると,

  ・v1⇔v2で横のグリップは同等
  ・縦のグリップは,v2の方が良い(コンディション差の可能性もアリ)
  ・特に横と縦が合わさった斜めのグリップは明確にv2の方が高い
  ・これはv2でタイヤの剛性が高くなっており,そのおかげで限界を掴み取り易いからかも?
  ・熱ダレに関しては,v1の頃も私は不満はなかったのでさほど違いは感じない
  ・ただ,v2はタイヤが冷えにくい特性はあるかも?
  ・その特性から,連続周回してひたすらアタックを続けるスタイルの方が向いてそう
  ・そういう意味でv2はやはりレースタイヤ.1発のタイムを狙う予選タイヤ的な使い方は向いてないかも?

といった感じでした.TC2000に続き,TC1000でも大きな不満は感じなかったので,CR-Sはv2になってより良いタイヤになった気がします.TC2000の時にも言いましたが「もうこれで十分なんじゃないかな?」という感じです.ウォームアップの部分だけ目を瞑れば,値段を考えてもホント素晴らしいタイヤだと思います.
Posted at 2025/02/26 05:14:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年02月24日 イイね!

A052 vs CR-S(TC2000編)

A052 vs CR-S(TC2000編)ドライビングの反省も終わったので,お次はタイヤのお話.

今回はA052が間に合わなかったので,代わりにCR-Sを履いて走りました.前回CR-Sを使ったのが2023年の2月なので約2年振りとなります.当時もA052が入手出来ず,その代替としてCR-Sを使ったのですが,225/45R15というトリッキーなサイズを使ったものの,失火のトラブルで苦しまされていた時期なので,良し悪しは判断出来ませんでした.

そこから時は流れてCR-Sもv1→v2へと進化し,色々と調べた結果「今の状態だと205/50R15の方が良いだろう」という判断で今回はこちらのサイズを選びました.ちなみに205/50R15の方も2022年の4月に使っています.

長々と回想から入ってしまいましたが,今回はTC2000でのCR-Sの感触を振り返ってみます.なお,久方振りのタイヤ比較なので,今回は以前から一度やってみたかったフリクションサークルを使った分析にトライしてみようと思います.


まずはサンプルデータ.

【A052(1'07.839)】


  気圧:1021.9hPa  気温:14.6℃  路面温度:16.3℃

【CR-S(1'07.672)】


  気圧:1018.9hPa  気温: 6.0℃  路面温度:15.0℃


これらのロガーデータからフリクションサークルを描き,その外周部分を繋いでみるとこんな感じ(↓).
(青:A052 赤:CR-S)



今回,久方振りにCR-Sを履いて走ってみた訳なのですが,A052と比べて特に違和感はありませんでした(内圧が高い時に最終コーナーでアンダーステア強かった事くらい).このため,フリクションサークルもほぼ同じ形になるのかなぁ~?と思っていたのですが,比べてみると意外と違いますね.なお,厳密にはタイヤ以外の要素として,フロントのスプリングが中反発(A052)⇔低反発(CR-S)という点があるのですが,レート・長さは一緒なので今回は同等と見なして分析します.


まず,加速G.



両者共に概ね0.3G出ているので,ほぼ違いはありませんね.エンジン出力・ギヤ比が同じなので当たり前と言えば当たり前の話です.厳密にはCR-S(赤)の方が若干加速力が良い(サークルの下型に行っている)気もしますが,有意と呼べるほどの差ではない気がします.ただ,A052(青)の方が瞬間・瞬間では大きな加速Gを出している部分もあるので,ギャップの吸収力(≒コンパウンドの柔らかさ)という意味では,A052(青)の方が良いのかもしれません.


続けて,左右G.



ここは笑っちゃうくらい同じ旋回Gが出ていますね.多少前後の加減速とオーバーラップしている領域でも両者の絶対値に大きな差は生まれていないので,横のグリップという意味では同等と見なせるんじゃないでしょうか.


最後に,減速G.



ここは大きく異なるので状況別に細かく見てみようと思います.まずはタイヤのグリップを完全に縦に振り分けた時のMAX値(↓).



多少横Gでブレた状況を加えてもMAX値はCR-S(赤)の方が高かったようです.CR-S(赤)で最大減速Gを記録したポイントを調べてみたところ,最終コーナーの進入でした(↓).



車載と照らし合わせてみると,ちょうど4→3速へのシフトダウンが完了した辺りでこの減速Gが出ていたのですが,これは恐らくラフにクラッチを繋いだせいですね(汗).高車速域からのブレーキングで減速Gが高い状況下で,操作が間に合わずクラッチをバン!と繋いでしまい,その際の姿勢変化分が乗っかってMAX値になったのだと思われます・・・.

なので,正しく見るべきはその次に減速Gが大きかったポイントで,1コーナーのブレーキング or 2ヘアのブレーキングだったようです.A052(青)のMAX値は2ヘアのブレーキングだったので,こちらを取り上げて見てみると(↓),



やはり絶対値的にはCR-S(赤)の方が高い=CR-Sの方がブレーキングで良く止まる,と言えそうです.「ブレーキングで良くとまる」というと,以前内圧の勉強をした際に(↓),


(BRIDGESTONE:タイヤの接地面を”見る”技術「ULTIMAT EYE」より)

  ・制動力に関しては,内圧を下げれば下げるほど良くなる
  ・タイヤの前後方向の変形は横方向の変形よりも少なく,接地面積は維持される
  ・故に,前後方向のグリップを稼ぐために内圧を下げる
  ・そもそも,前後方向に掛かる力の方が,横方向の力よりも大きい
  ・従って,コーナリング性能を多少犠牲にしても,前後方向のグリップを稼ぐという選択肢はある


という事を学びました.今回「CR-S v2の温間推奨値は2キロ」という情報を事前に得ていたのでこの値で走ったのですが,A052で走った時はこれよりも高い値に設定していたので,その差が出ている可能性はあります.逆に言うと,内圧を下げてグリップが大幅に増えるのは,やはりブレーキング領域のみで,加速領域もコーナリング領域も大して差はないという,勉強した事の裏付けが今回取れたのかもしれません.


次いで左コーナーの領域(↓).



ここは明らかにCR-S(赤)の方が上回っていますね.減速しつつ抜けていく左コーナーはどこだ?と調べてみたところ1ヘアでした.そこで1ヘアの車速のグラフを確認してみると(↓),



確かに120km/hを下回った領域ではCR-S(赤)の方が減速量が少なく,高い速度のまま1ヘアに進入出来ています.ブレーキングしつつコーナリングもする,両者をオーバーラップさせたような領域ではCR-S(赤)の方が秀でているという事なんでしょう.v1の頃の印象だと,こういった俗に言う「斜めのグリップ」を使う領域はCR-SはA052と比べて明確に落ちる印象があったのですが,今回乗った時は確かにそういった印象は受けませんでしたし,v2で改良された部分なのかもしれませんね.


では今度は右コーナー(↓).



ここも左コーナーと同様にCR-S(赤)の方が上回っていますが,前→右へ移る最後の部分はA052(青)の方が上回っています.左右で特性が違うなんて事はないはずなので,どういう事かなぁ~?と車速のデータを見てみると,



1コーナーと最終コーナーのドライビングミスのせいのようですね・・・.早めに縦で止めてしまって,ブレーキングとコーナリングをオーバーラップさせるような領域が少なかった結果,フリクションサークルのデータに出て来なかったという事なんでしょう.逆に言うと,ここは「ドライバーがタイヤを使い切れていない部分」という事で,「タイヤの性能を考えたら,もっとコーナリングスピードは上げられる(=伸び代)」という事になるんだと思われます.


最後に内圧の違いの話が出たので,1本目の内圧が高かった時(青)と2本目の推奨内圧まで下げた時(赤)の最終コーナーのフリクションサークルを比較してみるとこんな感じでした(↓).



調整したのはフロントの内圧だけなので,正真正銘内圧の差です.ご覧の通り,内圧が高い時(青:約2.4キロ)は加速する事が出来ず,タイヤのグリップは全て真横に使っているのが分かります.一方,内圧を下げた時(赤:約2.0キロ)はそれよりも僅かに下側に行っていて,同じくらい横のグリップを出しつつも,クルマを前に進める余力が出てきているのが読み取れます.やはり内圧を下げて増えるのは,横のグリップではなく,縦のグリップである事を示している結果かと思われます.


以上,A052 vs CR-SのTC2000編でした.纏めると,

  ・A052⇔CR-S(v2)で横のグリップは完全に互角
  ・縦のグリップは,加速領域ではほぼ互角 もしくは 僅かにA052の方が上
  ・減速領域は,明確にCR-Sの方が上
  ・特に減速と旋回をオーバーラップさせた「斜めのグリップ」はCR-Sの方が上
  ・但し,今回A052が斜めのグリップで劣ったのは,内圧の差である可能性は残る
  ・ドライビングミスによって,CR-Sの斜めのグリップを引き出せなかった領域もある
  ・CR-Sの内圧は,0.4キロ違えば明確にグリップの差が出る
  ・内圧を下げる事によって増えたのは,縦のグリップである

という感じでしょうか.「斜めのグリップはCR-Sの方が上」というのはかなり予想外の結果でした.v1の頃はここが足りていない印象だったのですが,v2の構造変更でここが改良されたという事なんですかね? また,内圧を0.4キロ下げてもタイヤの剛性が下がった(荷重を掛けた時に腰砕けになる)感触はなかったので,軽量級のCR-Xで使う場合には,まだまだ剛性に余裕がありそうです.1発のタイム狙いであれば,もう少し温間内圧を下げてみても良いのかもしれません.



今回CR-Sのv2を使ってみて,正直A052より劣る部分は見出せませんでした.この性能でA052の6割程度の値段なんですから,「これで十分でしょ」と思った程です.確かにCR-Sの作動温度域がA052よりも高いため,冬場の低い路面温度ではかなり辛いですが,逆に言えば一度温まってくれさえすればCR-Sの方が安定してドライビングに集中出来るんじゃないかな?とも思いました.低コストの練習用タイヤとして,CR-Sはかなり魅力的なタイヤだと思いました.
Posted at 2025/02/25 00:17:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年02月16日 イイね!

CR-Sも再び

CR-Sも再び先日のTC1000でフロントタイヤ用のA052を使い切ってしまい,新品の205/50R15もオーダー済なのですが,入荷が未定で現時点で使えるタイヤがなくなってしまいました・・・.

その一方で次の走行も刻一刻と近づいており,マズイなぁ~という事で「困った時のCR-S!」を再び発動する事となりました.A052欠品→RE-71RSも欠品→CR-Sに頼るというパターンはこれで3回目になるのですが,RE-71RSとはホント巡り合わせがないんだなぁ~と思いました.

CR-Sを注文する前に,どうせアジアン履くならシバタイヤを試してみようかな?とも一瞬思ったのですが,205/50R15サイズはトレッドウェアの数値が大きいモノしかないようで,それだったら明確に劣るのでCR-Sにしようという事でサイトに行ってみると,



アレ? サイズが増えてないか・・・?? 確か前回オーダーした時はリアに履けるサイズがなかったのですが,いつの間にやら55扁平のサイズも設定されており,これなら前後CR-Sという作戦も取れそうですね.


とはいえ,今はフロントタイヤが優先なので205/50R15にするか? 225/45R15にするか?で暫し考えたのですが,どっちのサイズが良いのかなぁ~?と過去のブログを読み返してみると,いつもの通りTC1000だと差が出ない様子.当時の結論としては「差が出ないなら安い方が良い」となっていたようです.それ以外にも「225/45R15は重量が重い」という見解も残っていて,ここのところストレートスピードで苦しんでいる事もあり,205/50R15の方が良いかなぁ~?とA052とCR-Sの二重支払いで「安い方が良い」というのがチラつき始めていたところ,



「そういえば今回はv2になるから,そこも振返っておくか」といつさんのブログへ.勝手に要約させてもらうとこんな感じ(↓).

  ・v2のコンパウンドは熱耐性が強化され,熱ダレが少なくなっている
  ・v2は「wearing(私は"摩耗"と解釈)」が向上している
  ・v2は「tread hardness(私は"トレッド面の硬さ"と解釈)」が向上している


ふむ.これだけ読むと全体的にハード方向(≒1発のタイムよりロングラン重視)に行っている気がするなぁ・・・.だとすると,寒さのピークは過ぎたとはいえ,まだそこそこ路面温度が低い現状では,225幅より細い205幅にして面圧を稼いだ方が良さそう~という事で「205/50R15」をオーダーしました.


その後,「もしv2でハードタイヤ化が進んでいるのだとしたら,内圧は落とすべきかなぁ~?」と調べていると,こんな情報を見つけました(↓).


Lotus Cup Europeより)

  ・2023年のLotus Cup Europeでは,Nangkang製の「CR-S」のみを使用する
  ・このタイヤは2023年春に欧州で導入される
  ・「CR-S」は「AR-1」よりも速いタイヤになるよう設計されているが,同時により安定したタイヤにもなっている
  ・「AR-1」よりもコンフォート性能,騒音性能,ウェットコンディションでの性能が向上している
  ・これらの点から,「CR-S」は一般公道での使用にも適している
  ・コース上でクルマを速くしつつ,公道での性能を全体的に引き上げるのは大きな課題だった
  ・しかし,多くのトライ&エラーを通じて,2023年に欧州で販売する準備が整った



これを見て,「へぇ~,CR-Sってワンメイクレースの指定タイヤなんだ」と思ったところで,

(‥ )ン?

あれ? 確かCR-Sがv1→v2に切り替わったのって2023年じゃなかったか?と再びいつさんのブログを見ると,「製造週が1023以降」と書かれている・・・.

(・o・;)アッ!

なるほど! v1をベースにワンメイクレース用に仕立て直したのがv2で,十分なテストを経て量産化したという事なのかな? だとすると,ワンメイクレースのワンメイクタイヤなんだから,1発のタイムよりロングラン重視のハードタイヤになるのは道理だわなぁ~と思いました.


ムムム・・・となると,v2はこのレースの車両に適した設計になっている可能性があるなぁ~と思い,この「Lotus Cup Europe」に関して詳しく調べてみると,ロータスだからエキシージのワンメイクなのか?と思いきや,意外と幅広い車種で行われているようでした(↓).



タイヤサイズ的にはそれほど種類はないですが,車重は結構違いそうなのでレギュレーションを調べてみたところ,こんな感じ(↓),

  ・S1/S2 ELISE(ローバーエンジン)  ⇒ 790kg
  ・S2 ELISE/EXIGE(トヨタエンジン)  ⇒ 885kg
  ・S3 ELISE(トヨタS/C)         ⇒ 975kg
  ・2-ELEVEN                ⇒ 815kg
  ・EVORA                 ⇒ 1250kg
  ・EMIRA                  ⇒ 1415kg
  ・V6 EXIGE                ⇒ 1110kg

ロータスなので軽量級ばかりかと思いきや,そこそこ重量級のクルマもいるようですね.となると,必ずしも軽量級を前提にしたタイヤ設計とはなっている訳ではなさそう.


そのまま前述のサイトを見てみると,「ユーザーへのアドバイス」として以下が書かれていました.


Lotus Cup Europeより)

  ・全ての競技者に,新品タイヤの「スクラブ」を強く推奨する
  ・これにより,タイヤの寿命が延び,長距離走行時の安定性も向上する
  ・本タイヤの作動温度域は 70~100℃
  ・これはニードル式の温度計測器において測った場合である
  ・表面温度の場合は,上記より30℃低くなる
  ・内側⇔外側の最大温度差は20℃以内にすること
  ・これがハンドリングのバランスを取る上での指標となる
  ・温度測定は,内側/中央/外側の3点で行う事を推奨する
  ・その際,内側の温度が外側の温度よりも高くなるべきである


おっと! これは結構オイシイ情報が記載されていますね.なるほど,CR-Sの最低作動温度は(表面計測で)40℃か.個人的にA052だと25℃くらいだと思っているので,それと比べるとやはり作動温度域が高いですね.「内側⇔外側で20℃以内」「内側>外側」というのも頭に入れておこうと思います.

また,ここには合わせて「推奨内圧」も記載されていました.

  ・冷間時 ・・・ フロント:1.45キロ  リア:1.45キロ
  ・温間時 ・・・ フロント:2.00キロ  リア:2.00キロ

これはMRを前提とした数値なので,FFで使う場合は若干異なると思いますが,「温間2キロが適切」というのは頭に入れておこうと思います.


最後に「ユーザーへのアドバイス」に出てきた「スクラブ」に関して.こちらは具体的なやり方が別ページで詳細に記載されていました.


Lotus Cup Europeより)

  ・使用前に「スクラブ(皮むき)」を行わないと,使用時にいくつか問題が生じる
  ・最も一般的なのは「グレイニング」である
  ・「グレイニング」とは,路面と接しているコンパウンド部分が下の層から剥離するもの
  ・これが起きているかどうかは,タイヤ表面に波紋状の跡があるかで判断出来る
  ・新品タイヤが油っぽかったり,濡れた状態で使用すると起きる


  ・標準的な「スクラブ」のやり方は以下の通り
  ・タイヤを1回穏やかな熱サイクルにかける
  ・これはドリフトを避けて,徐々に負荷をかけるというもの
  ・内圧はクルマの重量に対して適切なものを設定すること
  ・コース上では,最初の3~4周は徐々に速度を上げる形をとる
  ・最初のラップは50~60%くらいのペース
  ・セッション終了までにクールダウンラップを1回は行い,85%以上のペースは出さないこと
  ・これらを行えば,タイヤ寿命が大幅に延び,コース上でのパフォーマンスも向上する



以上,ヘルパースプリングに続いて再び登場となったCR-Sのお話でした.


(Lotus Cup Europe:more information on CR-Sより)
Posted at 2025/02/17 00:59:57 | コメント(4) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2024年12月01日 イイね!

タイヤを潰すテストの結果

タイヤを潰すテストの結果先日のTC1000は,今のタイヤを潰すために走り回ったのですが,「どうせ潰すなら~」という事で,今までやった事ない低内圧を試してタイヤを積極的に潰してみたらどうだろう?というテストをやってみました.

これは,フロントダンパーの縮み側の問題(減衰力は弱めて,荷重をのせ易くしたい)を,ダンパーではなくタイヤのバネ成分で解消出来ないか?という狙いと,伸び側の問題(減衰力は強めて,荷重を抜けにくくしたい)もタイヤの変形代で時間を稼いで遅らせられないか?という試みでもあります.

内圧を下げた際の効果に関しては以前調べたので,おさらいするとこんな感じになります(↓).

  ①タイヤのウォームアップが遅くなる  ← 面圧が下がり,タイヤの表面温度が上がらない
  ②OUT側のタイヤの剛性が下がる   ← サイドウォールが柔らかくなるので,タイヤが変形し易くなる
  ③ストレート区間でタイムが遅くなる  ← タイヤの接地面積が増えて,走行抵抗が増える
  ④ブレーキング区間でタイムが縮まる ← タイヤの接地面積が増えて,グリップが上がる

この中で今回の狙いは②(↓)になりますかね.


(横浜ゴム:タイヤの点検・整備 空気圧管理より)


では,いつもの通りロガーデータを使って効果を確認してみます.
まずはフロントタイヤの内圧を0.1キロ(10kPa)下げた場合(赤:基準値 青:0.1キロ下げ).



最高速(1つ目の緑丸)に関しては,予想に反して0.1キロ下げた方(青)が1km/h伸びていました.これはどちらかというと「基準値(赤)の方が最後に車速が一伸びしていない結果生まれた差」という感じなので,内圧を下げて接地面積を稼いだ結果,例の箇所(↓)でトラクションを失わずに済んだという事なのかもしれません.



更に,1コーナーのボトムスピード(2つ目の緑丸)を見ると,こちらも1km/h上げられているのですが,乗っていた時のフィーリングを思い返すとブレーキングで荷重掛け易く・キープし易かった印象があるので,狙い通りの効果が得られたのかな?と思います.また,これはヘアピン(3つ目の緑丸)でも同様の事が言えて,基準値(赤)よりもV字のラインを描き易くなっていました.

ただ,前述の②(タイヤの剛性が下がる)のネガがインフィールドの立ち上がり(4つ目の緑丸)で強く出ていて,60km/h付近で0.1キロ下げ(青)の方が加速が停滞しているのが見てとれます.ラップタイム的には0.1キロ下げ(青)の方が0.09秒遅かったのですが,遅れの原因がまさしくこの部分でした.

なお,最終の複合(最後の緑丸)に関しては,0.1キロ下げ(青)の方が高めのボトムスピードで旋回出来ていますが,これも荷重を掛け易くなった効果かな?と思います.


0.1キロ下げ(青)で結果は出ませんでしたが,走行枠が違うのでコンディション変化(気温:+4℃,路面温度:+10℃)の影響を受けている可能性もあり,今度は同じ走行枠の中(=同一条件下)で更に0.1キロ下げてみます(トータル0.2キロ下げ:赤).



ラップタイム的には,この0.2キロ下げ(赤)の時が基準値を0.05秒上回ってこの日のベストタイムとなった訳なのですが,ロガーデータを見ると0.1キロ下げ(青)の特徴そのままに,ドライビングを合わせ込んで稼いだ0.05秒だったのかな?という気がします.

最高速(1つ目の緑丸)は制動力の高さ(前述の④)を活かしてブレーキングの開始をギリギリまで遅らせていますし,ヘアピン(2つ目の緑丸)も制動力の高さを活かしてよりV字のラインで攻めています.最終複合(最後の緑丸)も曲げ易い事から逆算して進入の速度を上げる走らせ方をしてロスを最小限にしているのが見てとれます.これらを言い替えると「タイヤのピークを上手く引き出せた(=ドライビングの難易度を下げられた)からこそ削り取れたタイム」とも言えるので,やはりダンパーの問題は早く解消しないとダメなんだろうなぁ~と改めて思いました.


次に,ここまでの結果から0.2キロ下げ(赤)の方がバランスが良い事が分かったので,この状態でタイヤを冷やしたらどうなるか?と試したのが3本目.



温間時のターゲット内圧は一緒で,タイヤが温まった状態が赤,冷えた状態が青です.コンディション差は気温で+3℃,路面温度で+7℃.加えて左フロントタイヤが摩耗限界に達したので左右ローテーションして臨みました.

結果は温まった状態(赤)に対して0.26秒後れ.ロガーデータを見ると全体的にボトムが下がっているので,タイヤが限界だったのかなぁ~?という気がします.ここではタイム云々よりも,0.2キロ下げた状態の,更に冷間時のフィーリングはどうなるか?という事を確認したかったのですが,路面温度が高かったせいか意外とフィーリングは変わりませんでした.内圧が低過ぎて,荷重を掛けていった時に腰砕けにならないか?という事を一番懸念していたのですが,そんな事もありませんでした.これはタイヤが摩耗してハイトが下がり,相対的にブロック剛性が上がった事が起因しているのかもしれません.


最後に仕上げとして,同じ枠内で更に0.1キロ下げ(トータル0.3キロ下げ:青)もテスト.



ロガーデータ的には,この日のベストだった0.2キロ下げ(赤)と大差ない感じですが,全体的に満遍なく遅く0.23秒後れで終わりました.さすがにここまで下げるとフィーリング的にも違和感があり,



例えば1コーナーの進入では,右リアがインリフトしているのに加えて,右フロントも接地感が薄かったです.1コーナーは右フロントを縁石にのせてクリアしているのですが,縁石にのっても「のったなぁ~」という手応えがなく,「アレ? もしかして浮いてる??」と思うほどでした.



また,最終の複合でも,ブレーキング後の抵抗感が物凄く「前に進まない~(転がせない~)」といった感じで,さすがにここまで下げるとやり過ぎだったようです


以上,タイヤを潰すテストでした.纏めると,

  ①タイヤのウォームアップが遅くなる  ⇒ ○(前後バランスが取り易い)
  ②OUT側のタイヤの剛性が下がる   ⇒ ×(インフィールドの立ち上がりでロスが大きい)
  ③ストレート区間でタイムが遅くなる  ⇒ ○(むしろトラクションが良くなる)
  ④ブレーキング区間でタイムが縮まる ⇒ △(0.2キロ下げまで○,0.3キロ下げで×)

・・・といった感じでした.コントロールのし易さで言うと「基準値の0.2キロ下げ」くらいが良いですが,タイム的にはやはり基準値の方が出るかなぁ~という感じ(新品タイヤだとハイトが高いので特に).付け焼刃で0.2キロ下げくらいまでは現地セッティングとしてアリな気もしますが,やはり根本的にはダンパーの問題だと思うので,そっちを何とかしないとダメですね.「考えていた方向性は間違っていない」という裏取りが取れたのを収穫としたいと思います.



さて,次回は新品タイヤの投入.新品の一撃を上手く決めて結果を残したいところですが,12月からファミ走は8時のタイムアタック枠がなくなるため,狙ったタイミングでクリアがとれるかどうかが勝負のカギ.運要素が強くなる点だけが気掛かりですね・・・.
Posted at 2024/12/04 07:02:07 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2024年11月01日 イイね!

タイヤの黄点・赤点のお勉強

タイヤの黄点・赤点のお勉強スローパンクチャーが発生している事が判明し,エアバルブの交換を行ったADVAN Racingの「RZⅡ」ですが,その後,経過観察をしたところバルブ交換後もエアが微妙に漏れている事が判明しました.

漏れ量は,1G状態で7日間放置すると内圧が0.1キロ低下する感じ.本当にビミョ~に漏れているみたいですね(泣).漏れの原因がタイヤ側である可能性もゼロではないですが,それを検証するのに新しいタイヤを買って,工賃払って付け替えるのもバカらしいので,今履いているタイヤが摩耗し切ったら処分かなぁ~と思っています.

このホイールは2019年に新品で購入したもので,恐らく走行中のダメージでリムのどこかにヒビが入り,漏れているのだと思われますが「僅か5年で寿命かぁ~」と落胆し掛かった瞬間,昔オレさまが「ホイールは消耗品!」と言い放ち,走る度にホイールを壊していた事を思い出し,「アレよりはマシだな・・・」と思い直しました(笑).

さて,そんな感じで次のホイールを探さないとなぁ~と,何気なく先述の「RZⅡ」を眺めていたら,タイヤの側面に「黄点」が付いているのが何となく目に留まりました(↓).



そういえば3年前,taka@黒インテ(元)さんとTC2000のパドックにいた時に,見知らぬ外国人から突然声を掛けられ,自分のクルマ(GRヤリス)のタイヤを指差し「タイヤに赤い点が出ている.コレは問題なのか? もう走れないのか!?」と心配した様子で聞かれた事を思い出しました.



その時はtakaさんが「これは工場で付けられるマークだ.問題ない」と流暢な英語で返してくれて,その外国人は安心した様子でコースに向かって行ったのを覚えているのですが(走り去る後ろ姿に「筑波のライセンスを持っとるんかい!」と突っ込みを入れたのでよく覚えてる・・・笑),アレ? なんで私のタイヤにはその赤点がないんだろ?と思い,そもそもこの黄点・赤点ってどういう意味なんだっけ?と気になったので調べてみる事にしました.


まず,「黄点」は「軽点(=そのタイヤで最も軽い点)マーク」だそうです.

タイヤは回転する物体なので,重量に偏りがあると振動の原因となるため,なるべく全周が同じ重さになるように設計・製造される訳なのですが,そうは言っても工場で大量生産される量産品なので,製造バラつきによって多少の偏りは生じます.このためタイヤをホイールに組み付ける際,ホイール側でも偏りが生じる部分(≒エアバルブがあって若干重たくなる部分)とタイヤの「軽点」の位置を合わせ易くするために,マーキングする事でバランス取り時の作業性を向上させているのだそうです.


(↑確かにエアバルブの位置に黄点が来ていますね・・・)

これを読んで,よく私はサーキットで内圧調整をする際,エアバルブがホイールと同色で見つけれず,エアゲージを握った手がバルブを探して空中でクルクルと孤を描いたりするのですが(苦笑),バルブを探す時はこの黄色いマークを目印にすれば良かったんですね! 1つ勉強になりました.

なお,少し話が逸れますが,人によってはこの「黄点」でなく,スポークに貼るデカール(↓)をエアバルブの左右に貼って目印にしたりもするそうです.


(ああ,そういう使い方もあるのか・・・とこれまた勉強になりました)


話を戻して,「赤点」の方は「ユニフォミティ(均一性)マーク」というのだそうで,こちらは「そのタイヤで最も外径が大きい部分」を示しているのだそうです.この「ユニフォミティマーク」をホイール側で最も外径が小さい部分(RRO:Radial Run Out マーク)に組み合わせて,真円度を高めるられるようするのだそうです.これを聞いて「RROマーク? そんなのホイールに付いてたか??」と思ったのですが,この「RROマーク」は社外のアルミホイールには付いておらず,純正ホイールや鉄チン等に付いているのだとか.私は20年近く純正ホイールをマジマジと見た事がないので,そりゃ記憶にないのも当然かなぁ~と思いました.

なお,この「黄点」と「赤点」のどちらを優先してタイヤを組むべきか?というと,「赤点」の方だそうで,理由は「重量のズレはバラストで打消せるが,真円度のズレを打ち消す方法は他にないから」だそうです(そりゃそうだ).ただ,サーキットユーザーは大半が社外のホイールに交換してしまうため,「赤点」の対になる「RROマーク」がそもそもなく,合わせられない事から,結果的に「黄点」で合わせる事が常識となっているのだそうです.


なお,この「黄点」「赤点」は大半のタイヤでに付いていて,マークが付いていないのは,これを付けるコストすら削った安いアジアンタイヤか,ミシュランタイヤのみだそうです.ミシュランタイヤが付けていない理由は「真円度に自信があるから」だそうで,「自信があるからそんなマーキングも不要!」という思想なんだとか(なるほど.だからあんなに高いのね・・・).

( ‥) ン?

だとすると,先述の「RZⅡ」に履かせてあるA052に赤いマーキングが付いてないのはおかしくないか? モータースポーツ用のホビータイヤだから社外のホイールと組み合わせる事が前提で,「赤点」は無意味だから最初から付いていないのか・・・?と思い,新品の時の画像を漁ってみたら(↓),



ちゃんと両方あるや~ん! 単に「赤点」の方は消えちゃっただけですね(笑).


以上,タイヤの黄点・赤点のお勉強でした.
Posted at 2024/11/01 19:28:04 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記

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