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2023年07月30日 イイね!

続・POTENZAを履くS耐車両

続・POTENZAを履くS耐車両スーパー耐久(S耐)の第2戦からST-Q/ST-4/ST-5クラスで急追使用される事になったBRIDGESTONE(BS)のラジアルタイヤですが,今シーズンいっぱいはこのままラジアルを使用する事が決まったそうです(当初は「スリックタイヤが用意出来るまで」となっていた).

「スリック前提のS耐車両がラジアルタイヤを履いて走る」という事で,スリック⇔市販ラジアルでどれくらい違いがあるのか興味深く見ていました.

第2戦(富士スピードウェイ)の予選タイムを見てみると,RE-71RSを履いたST-5クラスのタイムは(↓),



クラスレコードの約3秒落ちといったところで,さすがに差があったようですね.ただ,ドライバーのコメントとしては「RE-71RSはタイムの落ち方がフラットで,フィーリングがとても良く,発熱も良いのでスリックタイヤと比べると扱い易い」そうで,ライフも2スティント(80周≒360km)もたせたクルマもあったそうですから,巷で聞いていた「RE-71RSは半分使うと崖がある(タイムが途中からガクンと落ちる)」という印象とは大分違ったようです.


一方,RE-12Dを履いたST-4クラスの方は,



Hankookのスリックタイヤとほぼ同じタイムが出ていて,ドライバーのコメントも「予め言われてないと気づかないくらい,フィーリングに大きな違いはなかった」そうです.厳密には「溝がある分,"支え"が少し足りない感触がある」「温度が上がった時にタイヤが動く」といった声もあり,スプリングレートを落としたクルマもあるそうですが(↓),


(REV SPEED 2023年9月号 付録DVDより)

トーやキャンバーのセットは最終的にスリック時と変わらない値に落ち着いたそうなので,本当に差は小さいんでしょうね.


スプリントレース(86/BRZ Race)用とも言えるRE-12Dを耐久レースで使うという事で,気になる摩耗に関しては,1スティント(40周≒180km)もったそうです.ドライバーのコメントとしても「冷えているところから熱が入った辺りで多少のグリップダウンはあるが,そこから先はタイムは一定でドロップしない」のだそうで,個人的にはこれがかなり意外な情報でした.

この要因に関して調べてみたところ,どうやら86/BRZ RaceとS耐のレギュレーションの違いが影響を及ぼしているとの事でした.

違いの1つ目が「車両重量」.

  86/BRZ Race(ZN6) ・・・ 1240kg
  S耐 ST-4   (ZN8) ・・・ 1150kg

その差90kgと,タイヤへの負担という意味では無視出来ない差ですね.


2つ目が「タイヤサイズ」.

  86/BRZ Race(ZN6) ・・・ 205/55R16 (外径:630mm 幅:212mm)
  S耐 ST-4   (ZN8) ・・・ 235/40R17 (外径:622mm 幅:243mm)

幅で約30mm,S耐車両の方が太く,車重の軽さも相まってタイヤへの負担軽減に繋がっていそうです.


以上,POTENZAを履くS耐車両の続報でした.

スプリントレースと耐久レースという違いがあるので,勿論ドライバーも走らせ方を変えているとは思いますが,10周もてば良いとして作られたRE-12Dであっても,30mm太くして・90kg軽くすれば,40周走れるというのは面白いデータですね.また,スリックと比較して違和感がないくらいグリップすると言われると,改めてRE-12Dが驚異的な性能を持っている事を実感させられます.

それに対しRE-71RSの方は,さすがにスリックと比べると1~2ランク落ちるようで,特に剛性面でその差が顕著だったようです.例えば,同じNDロードスターで比較してみると,235/40R17のRE-12Dを履いたST-4仕様(車重:980kg)が温間:2.1キロで済むのに対し,195/50R15のRE-71RSを履いたST-5仕様(車重:1010kg)は温間:2.3キロと少し高めにする必要があったそうで,この辺りのデータも非常に興味深かった点ですね.
Posted at 2023/07/31 18:08:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2023年06月05日 イイね!

タイヤの縦剛性のお勉強

タイヤの縦剛性のお勉強前回タイヤの横剛性に関して勉強し直しましたので,今度は縦剛性のお話.

「低扁平率は実は横剛性が低い」という事でしたが,「じゃあ,扁平率を下げるメリットってないじゃん!」とも思いました.ベルトで補強すれば同じくらいの横剛性は出せるにしてもトレッド面が固くなるので,それによって乗り心地は確実に悪くなりますし,重くもなります.


「じゃあ,低扁平率にするメリットって何なの?」と調べてみたところ,「縦剛性(リング剛性)は低扁平率の方が高い」のだそうです.

「リング剛性」とは,読んで字の如く「リング(輪っか)」の剛性です(↓).



「輪っか」の形状を維持する力とでも言えば良いでしょうか? 円の形から変わりにくい(変形しにくい)度合みたいなものですかね.タイヤは車体の重量を支えているので,縦方向には常に力が加わっており,少し潰れています.



「リング剛性」が高いという事はこの潰れの量が少なく,円の形を維持し易いという事なんだと思います(↓).



円の形を維持し易いという事は,そのままだと接地面積が減るのでグリップも下がってしまう訳なのですが,元々の潰れ量が少ないのであれば,その分空気圧を下げて接地面積を稼げばいいじゃん!という考え方も出来ます.

しかし,空気圧を下げて縦剛性を下げる(縦のグリップを上げる)場合,同時に横剛性も下がってしまう(横のグリップは下がる)ので,低い空気圧で使いたいタイヤは横剛性を上げる必要があり,必然的に扁平率を上げる必要性が出てくるようです.


以上を踏まえつつ話を一番最初に戻すと,A052とA050で縦のグリップが違うと言われる所以の1つは,この「低い空気圧で走れる」という点が大きいんじゃないかと思いました.A052に比べて横剛性が高いA050は,同じ扁平率でも低い内圧で走らせる事ができ,それが縦のグリップ増加に繋がっているのではないか?と.

従って,A050の過大な縦のグリップによってエンジンパワーを喰われる状況を生むのであれば,内圧を上げて意図的に接地面積を減らし,帳尻を合わせ込むのが良いのでは?と思いました.

勿論,接地面積を減らすという事は横のグリップも減る事を意味するので,前後・左右のバランスを見つつ最適な点を見出す必要があるとは思いますが・・・.
Posted at 2023/06/07 12:33:42 | コメント(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2023年06月04日 イイね!

タイヤの横剛性のお勉強

タイヤの横剛性のお勉強「A052はA050のMコンパウンド(以下,Mコン)相当」と言われて久しいですが,比較した人達は「いや,やっぱりMコンの方が上」と言い,最近は「横のグリップは同等だけど,縦のグリップはMコンの方が明らかに上」と情報の解像度が上がってきました.

A052とA050でサイドウォールの固さは全く違うので,アレで横のグリップが同等になる原理がイマイチよく分からず,気になったのでタイヤの勉強をし直してみる事にしました.

以前勉強した「タイヤ構造」の話だと,A052もA050は「ラジアルタイヤ(≒カーカスの角度は真横を向く)」の分類なのですが,厳密にはA052もA050もカーカスの角度は真横を向いておらず,少し斜めになっているとの事でした.



このカーカス角度は「A050 > A052」となっており,角度がついている方が捻じれにくくなるので剛性が高いのは何となく理解出来ます.


ただ,そもそもの話として「剛性のあるタイヤとないタイヤ,どちらがグリップするの?」という事があると疑問に思ったのですが,これは間違いなく「剛性のあるタイヤ」なんだそうです.

これを説明する概念として「緩和長」というものがあります.



「緩和長」とは,ステアリングを切ってタイヤに角度がついた時に,安定して曲がる力が発生するまでのタイムラグみたいなもので,このタイムラグの間にタイヤが転がる距離(空走するイメージ?)の事を指します.

この距離が短ければ短いほど,空走距離が少ない=力を発揮するまでの時間が短いという事になります.「力を発揮するまでの時間が短い」という事は,ステアリングレスポンスが良い=少ない舵角で曲がれるという事で,ステアリングレスポンスが良い状態で大きく切れば,レスポンスが悪いものよりも,より大きな曲がる力が得られるという理屈になります.従って,良好なレスポンスを得るためにはタイヤの横剛性が高い方が良い,という事のようです.


ところで,タイヤの横剛性の事を厳密には「張力剛性」と呼ぶのだそうです.
「張力」とは,物体を長さ方向に引き伸ばす力の事で(↓),


(建築学生が学ぶ構造力学:張力とは?1分でわかる意味,向き,単位,応力,求め方,問題より)

この「張力」はサイドウォールの形状が関係していて,垂直に切り立っていると剛性が高いが,丸くたわんでいると剛性は低くなるのだそうです(↓).



左の図のように垂直に切り立っていれば,2本の柱が立っているような状態になるので2本分の張力で高い剛性を発揮します.一方,右の図のようにたわんでいると,外側は強く引っ張られますが,内側はたるんでしまって張力が発揮出来ません.つまり,2本の柱→1本の柱に減ってしまうので,これが「たわんでいると剛性が落ちる」という理屈なんだそうです.


更に,この「たわみ」は「扁平率が下がれば下がるほど大きくなる」のだそうで(↓),



タイヤを風船に見立ててみると分かり易いのですが,空気が入っていない時は凹形状になると思います(↓の左側).


(Hankook:タイヤの空気圧より)

これに空気をどんどん入れていくと力は均等に掛かるので真ん中が膨らんでいき,凸形状になります(↑の右側).

この風船のような膨らみ方の理屈に従うと,低扁率のタイヤはサイドウォール部分が短いので変形しにくい一方,トレッド面は長いので変形し易くなり,高扁平のタイヤより低扁平率のタイヤの方が自然と凸型形状になり易い(=たわみやすい),という事になるとの事.

でも,実際は低扁率タイヤの方が固い印象があるんだけどなぁ~?と疑問に思ったので調べてみたところ,タイヤメーカーは低扁平率タイヤのトレッド面に強いベルト(↓)を入れて,凸型にならないように無理やり矯正しているのだそうです.


(横浜ゴム:タイヤの構造より)

つまり,本来は以下(↓)の関係性であるところ,

  高扁平率の張力剛性 > 低扁平率の張力剛性

高扁平率はベルトを強化する事でイーブンに持ち込んでいる(↓),

  高扁平率の張力剛性 ≒ 低扁平率の張力剛性 + ベルトによる剛性補強

という事のようです.このため,人の手で触った印象だと「低扁平率タイヤの方が固い!」となるのですが,本来は逆なんだそうです.そして,ベルトによる矯正はあくまでトレッド面にしか施せない事から,サイドウォール部分は変形し易いままとなり,結果的に「低扁平率タイヤの方がたわんでいる」となるのだそうです.


故に,同じ構造のままタイヤの横剛性を上げたければ,扁平率は「上げる」のが正しく,これがとてつもない負荷がタイヤに加わるドラッグレースで高扁平率のタイヤが使われている理由なのだそうです(↓).


(確かに,重量物を運ぶトラック用のタイヤ等も高扁平率ですね・・・)


以上,タイヤの横剛性のお勉強でした.纏めると,

  ・タイヤの横剛性(張力剛性)は高い方がグリップも高くなる
  ・サイドウォールがたわむと張力剛性は落ちる
  ・扁平率を下げるとサイドウォールはたわむ
  ・以上から,タイヤの横剛性を上げたければ扁平率を上げると良い

という事のようです.タイヤの横のグリップに扁平率が強く影響しているのであれば,同サイズのA052もA050を比較した場合,横グリップが同レベルになるのは理屈として合っていそうです.ただ,タイヤのグリップは構造だけでなく,コンパウンドも影響しているので,それらを踏まえると,

  A052の「構造」による横グリップ      < A050の「構造」による横グリップ
  A052の「コンパウンド」による横グリップ > A050の「コンパウンド」による横グリップ

上記のトータルで,A052の横のグリップ ≒ A050の横のグリップ という事なのかなぁ~?と思いました.
Posted at 2023/06/05 01:27:32 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2023年05月25日 イイね!

エアボリュームとホイールマッチング

エアボリュームとホイールマッチングTC1000だとリアホイールの重量はあんまり影響しなさそうなので,デザイン重視で重いホイールにしちゃっても良いかも?と考えていたら,ホイールを軽くする事によって,ジャイロ効果を低減出来る事を知り,振り出しに戻りました..

勿論,重いよりは軽い方が単純に良いので,気に入ったホイールがあるなら即決なのですが,なかなか私が望むリアホイールは見つかりません・・・.やっぱりINSET優先で16インチに戻すかなぁ~?と考えていて,ふとエアボリュームが気になりました.

一般的に「インチアップするとエアボリュームが減る」と言われていて,乗り心地が悪化したり,コントロール性が低下したりします.その反面,ヨレが少なくなるのでステアリングレスポンスは良くなり,内圧も上がりにくくなるのですが,実際インチアップするとエアボリュームってどれくらい減るの?と疑問に思ったので,試算してみる事にしました.



「エアボリューム」はタイヤの中の空気の量ですから,タイヤとホイールで囲まれた部分の体積(サイドウォールの面積 × タイヤ幅)を計算すれば導き出せます.今回はインチアップによるエアボリュームの変化を見たいので,以下の2サイズで比較してみる事にしました.

 195/55R15 ・・・ 外径:595mm  タイヤ幅:201mm
 195/50R16 ・・・ 外径:602mm  タイヤ幅:201mm

「サイドウォールの面積」は,タイヤの外周を計算して,ホイールの内周を抜けば導き出せるので,

 195/55R15 ・・・ (595/2 × 595/2 × π) - (381/2 × 381/2 × π) = 277909 - 113951 = 163958 [mm2]
 195/50R16 ・・・ (602/2 × 602/2 × π) - (406/2 × 406/2 × π) = 284487 - 129396 = 155091 [mm2]

これに「タイヤ幅」を掛けると,

 225/50R15 ・・・ 163958 × 201 = 32955558 [mm3] ≒ 32.9 [L]
 225/45R16 ・・・ 155091 × 201 = 31173291 [mm3] ≒ 31.1 [L] (94.5%)

つまり,15インチ→16インチにインチアップすると約5%エアボリュームが減るという計算になりそうです.5%を「大きい!」と考えるか,「大した差ではない」と考えるか難しいところですが,フロントと違って積極的に潰さないFFのリアと考えると「大した差ではない」という気がしました.


エアボリュームは16インチのネガとならない事が確認出来たので,やっぱりこれでいっか~と思っていたら,「ホイールはこういうトコにこだわれ!」なんて動画を見つけました(↓).


(CARPRIME:カリスマレーサー谷口信輝がホイールについてレクチャーより)


へぇ~,そういう観点はなかったなぁ~と思い,手持ちのホイールを調べてみたところ,

【CR-S 225/45R15 + RZⅡ 15×7.5J】


【A052 195/50R16 + CE28 16×7.0J】


【A052 195/55R15 + CE28 15×6.5J】


【RE-71RS 185/55R15 + RZⅡ 15×7.0J】


標準リム幅通りの195/55R15(3つ目)が一番密着している感じがしますが,ややホイールに覆い被さっているような印象を受けます.225/45R15(1つ目)も標準リム幅なのですが,こちらはRZⅡのデザインなのか195/55R15(3つ目)ほどホイールに覆い被さるような印象がなく,タイヤとホイールが横の面同士でピタッ!と接触しているような感じです.

同じRZⅡでも,+1インチ引っ張った185/55R15(4つ目)だと,RE-71RSの形状もあってかやや隙間が空いている感じ.きっとこれは引っ張り過ぎなんでしょうね.同じ+1インチ引っ張りでもCE28である195/50R16(2つ目)は225/45R15(1つ目)に近い感じで,タイヤとホイールが横の面同士でピタッ!と接触しているような感じですね.

へぇ~,こんなにも違うのか.こういう観点のマッチングも面白いですね.


ちなみに隙間をなくす事で剛性を上げるのが上記のマッチングの意図ですが,他にも,「なるべくサイドウォール形状は垂直に切り立っていた方が剛性が高い」なんて情報もありました.



サイドウォールが丸みを帯びてしまうと,たわむので上下方向にスムースに力が伝わらず,サイドウォールが垂直に切り立っていると真っ直ぐ路面に力が伝わるので剛性感が増すのだそうです.また,上図を見てもらえば分かりますが,サイドウォールを垂直にするためには,扁平率はなるべく高い方が良いのだそうです.

これは低扁平率のタイヤがトレッド面が平らになるように,強度の強いベルトを張ってトレッド面の形状を固定しているため,固定の弱いサイドウォール部分で変形してしまい,丸みを帯びた形状となるためなんだそうです.


(横浜ゴム:タイヤの構造より)

引っ張らずに丸みを帯びた形状だと当然剛性は出ず,かといって引っ張り過ぎるとホイールとの接点が弱くなり,サイドウォールがちょうど垂直になるような引っ張り具合と,それでいてタイヤとホイールで隙間のないデザインがベスト・・・って,考える事が多過ぎです(苦笑).


以上,エアボリュームとホイールマッチングのお話でした.
Posted at 2023/05/25 23:58:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2023年04月24日 イイね!

POTENZAを履くS耐車両

POTENZAを履くS耐車両先月発生したHANKOOKタイヤの工場火災で21万本のタイヤが焼失し,その中にはレース用タイヤが含まれているという話でした.

そのレース用タイヤには日本向けのものもあり,富士24時間を控える(=タイヤをいっぱい使う)スーパー耐久(S耐)に影響が出るのではないか?と噂されていましたが,予想通りHANKOOK供給困難→サプライヤ変更→BRIDGESTONE(BS)供給という流れになりました.


既に2024年からはBSがS耐にタイヤを供給する事は発表されていましたが,「これはきっと布石だろうなぁ~」と思っていたら案の定な結果となりました.

とはいえ,準備期間はたったの1ヵ月.この少ない時間でGT3車両~コンパクトカーまで履ける多種多様なスリックタイヤをBSはよくも揃えられたな・・・と思ったら,なんとST-4(排気量1501~2400ccの2輪駆動車クラス)・ST-5(排気量1500cc以下のクラス)は「(スリックタイヤの供給目途がつくまで)POTENZAの市販ラジアル(RE-12D or RE-71RS?)を使う」のだそうです(それ以外のクラスはスリックタイヤを供給).



つまり,「スリック前提のS耐車両がラジアルタイヤを履いて走る」という事で,これはちょっと面白そうな話です.


何が面白いか?というと,スリック⇔ラジアルでどれくらいのタイム差があるのか?という点と,RE-12DやRE-71RSが果たして国際サーキットの耐久レースでもつのか?という点が窺い知れるからです.

1点目の「タイム差」に関しては,例えば富士スピードウェイにおけるST5クラスのコースレコードはこれくらいで(↓),



いかにレース専用車両とはいえ,排気量1500ccのクルマが2分5秒切りってとんでもないタイムな訳ですが,これがスリックタイヤによるものなのか? クルマのポテンシャルによるものなのか?がラジアルタイヤを履く事で窺い知れそうです.


2点目の「耐久レースでもつのか?」に関しては,「RE-71RSは摩耗が半分を超えるとガクッとタイムが落ちる」というガケのあるタイヤだそうなので,その辺りが本当なのか?を窺い知れそうです(RE-12Dはスプリントレース用のタイヤであり,ST4クラスの主力はGR86であるものの,現在のGR86/BRZ Cupの指定タイヤからRE-12Dが外れている事もあって使わないんじゃないかなぁ~?と個人的には思っています).




さて,そのST-4・ST-5ですが,どんなクルマが出ているのか?と調べてみると,

 【ST-4】
  ・GR86
  ・ロードスターRF

 【ST-5】
  ・フィット
  ・デミオ
  ・ロードスター
  ・ヤリス

といった車種のようです.個人的にはEF8に近いのでST5車両がやはり気になりますが,これらの車種が履いているタイヤ&ホイールのサイズは?と調べてみると,

 【ST-4】
  タイヤ   ・・・ 235/620-17
  ホイール ・・・ 9.0J-17

 【ST-5】
  タイヤ   ・・・ 190/570-15
  ホイール ・・・ 7.0J-15

との事でした.スリックタイヤのサイズ表記は「タイヤ幅/直径-ホイールサイズ」なので,これに該当しそうなRE-71RSを調べてみると,





この2サイズですかね? 値上げ直後なのでオーダーは落ち着いているとは思いますが,恐らくこの2サイズは今BSが全国からタイヤを搔き集めている気がするので,このサイズを使われている方は急いで確保に動いた方が良いかもしれませんね(笑).


最後に,タイヤサイズを調べるのにS耐の技術規則を探したのですが公式のサイトでは見当たらず,GAZOOのサイトから情報を得ました.ここでは丁寧に規則が纏められていたので,改めて読み返してみたのですが,へぇ~と思う部分があって新鮮でした.

例えば,車両重量は型式毎に定められていたり(↓),


(GAZOO:スーパー耐久ルール解説Vol.3 レース車両のパーツや車体の規定、タイヤ、燃料、車検などを解説より)


マニュアルミッションを搭載するために、同一車種のオートマチック車両の車体を使用することが許され、当該車体を最小限の範囲で改造してもよい
 → 同一車種なら輸出設定のみのマニュアルミッションを持ってきても可なのかな?

燃料ポンプは電動への変更が可能。エンジン稼働中のみに作動すること
 → キーONでポンプ回して与圧掛けちゃダメって事?

ピットレーン制限速度を自動的かつ電気的に制御するリミッター機能を備えていなければならない
 → 市販車ベースでこれってなかなかハードル高くない?(クルーズコントロール使うの?)

ホイールのオフセットは自由。スペーサーは禁止
 → FF車は前後でオフセット変えてるのかな?

・・・等々,レギュレーションをどう解釈し,どう改造しているのか?が結構気になりました.
あと中でも,これどうやって車検すんだ?と思ったのが,この規定(↓).

最低地上高として、車両の前後、または左右 1つの側面のタイヤの空気が抜けた際にも、車両のいかなる部分も地表に接してはならない

耐久レースで起こり易いパンクを想定した規定なんでしょうが,何mmじゃなく,「1本パンクしても路面と擦れない事」という考え方が面白いですね.


以上,S耐車両がPOTENZAを履くと聞いて,ふと思った事でした.

【2023.04.27追記】
ST-Q/ST-4クラスには,235/40R17のRE-12Dが供給されたようです.
Posted at 2023/04/25 19:32:01 | コメント(2) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記

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