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OX3832のブログ一覧

2024年12月14日 イイね!

OXを見に(前編)

OXを見に(前編)では,静岡行って見て来た「コミュニケーションプラザ」のお話です.

こちらの施設には,ヤマハ発動機グループが世に生み出したモーターサイクル,自転車,ボート,船外機用のマリン機器,発電機,四輪バギー等々の多種多様な製品を展示されています.中心となるのはやはりバイクとなりますが,数こそ少ないものの4輪も何台か展示されており,これらが非常に興味深いのですが,東京からだとクルマで数時間掛かるため,足が遠のいていてなかなか来れませんでした.

さて,では早速最初の1台は「OX99-11」.



ヤマハがF1参戦を通じて得た技術を投入して「ロードゴーイングF1」として市販を試みたクルマです.



車体後部には,F1用の3.5L V12「OX99」を公道向けにデチューンし,450PS程度に抑えたものを搭載しています.



2輪メーカーらしく(?),座席は前後にタンデムに座るようになっていて,片上げ式のキャノピーと相まっても戦闘機のコクピットを彷彿とさせますね.



「ロードゴーイングF1」の名の通り,前後サスペンションはダブルウィッシュボーンなのでノーズ周辺には何もなく,大きく開いた開口部となっています.左右のフェンダーを橋渡ししたようなボディーワークはフロントウイングのように見えなくもないですね.この辺りは近年のLMPマシンとは全く違うスタイルで新鮮です.



車体後方のガーニッシュ部分はメッシュ状になっており,冷却を考えたものになっています.
これを見て私は何となく日産の「R390 GT1」を思い浮かべました.



そのまま車体後部を眺めていると,ディフューザー部分にひょこりパイプが顔を出していて,何だろう?と追ってみるとその先には,



窮屈そうに置かれたマフラーが.この当時はブロウンディフューザーなんて概念はなかったんでしょうが,こんな真下に向けて排気するのは勿体ない気がしてしまいますね.まぁ,もっともベースがF1用エンジンともなると爆音なのは間違いなく,もしかしたら音量的に下向きにする必要があったのかもしれませんが・・・.


お次は,1997年用のF1エンジン「OX11A」.



当時のF1は資金力の差による格差が広がりつつある時代で,大手メーカーのエンジンに対して真っ向からパワー勝負を挑んでも勝てないと判断したヤマハは,自社のDNAである「軽量・コンパクト」にコンセプトを振って作り上げたエンジンだそうです.このコンセプトに振った経緯としては,

  ・F1は1つのコースを1年に1回しか走らない
  ・1回しか走らないので,その日/その瞬間に合わせたセッティングが重要となる
  ・セッティングの自由度を広げるためには,エンジンは小さく軽い方が良い
  ・「パワー勝負で全戦勝つ!」ではなく,「セッティングがハマった時に勝つ!」を狙う!

ここで言うセッティングとは,例えばバラストの事を指していて,「車体重量が規定よりも軽ければ,バラストを積んで前後バランスを向上させる事が出来る」という意味合いだったようです(=ハンドリングマシンを狙った).そして,まさしくこの狙いがハマったのが,1997年のハンガリーGPで優勝まであと一歩と迫りました.



あと1周,いや半周,たった数百円の部品がもってくれさえすれば優勝出来たはずで,優勝していればヤマハも,チームも,ドライバーもその後の運命がガラリと変わっていたんだろうなぁ~と思うと本当に残念です(ファイナルラップでヴィルヌーブに抜かれる瞬間,最後の抵抗として幅寄せしたヒルの姿が今でも脳裏に焼き付いています).

そんな記憶に残るエンジンですが,



実物を見ると本当に 小さい! 100kgを切るというのも頷ける小ささです.
画像だとなかなか伝わらないと思いますが,例えば,このクランク位置の低さを見て下さい(↓).



フライホイール下部が覆われておらず,切り取られているレベルの低さです.オイルパンは一体どうなっているんだ?と思いたくなりました.この頃には全長を切り詰めるためにビッグボアではなくロングストローク化したためパワーが出ず,ドライバーのデーモン・ヒルからも「ラバーバンドフィール(アクセルペダルを踏んでも回転数だけが上がってなかなか加速しない現象)」なんて言われて苦労したそうですが,実物はヤマハの技術の粋が集められたというのがヒシヒシと伝わってきて,見れて本当に良かったです♪


以上,OXシリーズを見に行ったコミュニケーションプラザ見学の前編でした(後編に続く).
Posted at 2024/12/15 14:33:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2024年12月13日 イイね!

掛川~磐田~浜松の旅

掛川~磐田~浜松の旅先週,「昔,EGに乗って3回転した(触れるとマズイ気がしたので,縦なのか? 横なのか?は聞いてません・・・苦笑)」という方から厄介な宿題を課せられたので,その対応策を相談しに静岡県磐田市へ行って来ました.

少々気が重い話でもあるので,モチベーションを上げるために「どうせ行くなら,前々から行きたかったコミュニケーションプラザにも行ってみよー!」という事で,早めに東京を出発して向かう事にしました.

最初はEF8で向かう事も頭を過ぎったのですが,大分寒くなってきたので道中どこかで雪に遭遇すると面倒かも・・・という事で,移動手段は新幹線(&在来線)を選択.「どうせ新幹線で行くなら,来た事ない駅で降りてみるか~」という事で,掛川駅で下車してみました.

ここで昼食を取ってから磐田に向かおうと,時計を見ところ若干余裕があったので駅の近くだという掛川城へ.



中に入ってみたいところですが,さすがにそこまで時間はないので外から眺めただけで駅に戻り昼食.「ふじの坊 喜膳」というお店で「掛川深蒸し茶そば」を頂きました(↓).




そうして腹ごしらえも済んだところで,東海道本線に乗って磐田へ移動.御厨(みくりや)駅で降りて,コミュニケーションプラザへ向かいます.随分と駅前がキレイだなぁ~と思ったらJリーグチームのホームスタジアムがあるからなんですね.工業地域らしい油っぽい空気を懐かしく思いつつ(昔,川崎に居たのでそれを思い出した),約1.3kmの道のりをひたすら歩いて到着(↓).



早速,中に入って見学.平日の真昼間なので人はいないかと思いきや,そこそこの人数がいました.とはいえ,混雑しているとまでは行かないので目的のクルマをじっくりと見る事は出来たのですが,この辺りは後日別のブログで触れるとして,今回はダイジェスト版でご容赦を.








なお,展示の中で一番面白かったのは,ベルサイユ宮殿の噴水に見立てたというヤマハのパワートレイン技術の歴史図(↓).



こんな感じで(↓),歴代のカートが表現されていたりして興味深かったです.




見学が終わった後は,3Fのカフェスペースで面会時間までの時間調整.



ここから富士山が見えるらしいです(↓).




その後,初対面の相談先と面会したら「ああ,EGの人には昨日サーキットで会いましたよ」と先制パンチを見舞われ,裏の事情を既に知っていそうな人に,知らないフリをして説明をするという苦行に遭いましたが(直近3日間で練った交渉戦略の時間を返してくれ・・・汗),何とか無事落とし所を見つける事が出来ました.

予想外にスムースに事が運んだので,来た時よりも足取り軽く駅に戻った後,再び東海道本線に乗って今度は浜松へ(↓).



電車から降りて駅の構内を歩いている時に,「アレ? なんかこの景色見覚えがあるような・・・」と記憶を辿るも思い出せず,ENKEIの本社前まで来て(↓),



あ~! 思い出した.5年くらい前に仕事で一度来たんだった.確か当時,案内されてこの回転扉を何気なく通った時に,中にPF05が展示されているのに気づいて「なんだこりゃ!?」とびっくりしたんだった.
(ここにENKEIが入っていると知らないで,会議室で打合せをしていた)

この時点まで初めて浜松に来たと思っていたので(汗),周辺を散策して時間調整をしようと思っていたのですが,5年前に散策済みであった事を思い出し,「あと1時間どうやって潰そうか・・・」と思案した結果,浜松城へ.



既に営業時間は過ぎていたので,ライトアップした外観を眺めただけだったのですが,天守門(↓)までの道のりが印象的で,



今度は明るい時間にちゃんと見たいなぁ~と思いました.


その後,仕事を終えた浜松在住のEF8の先輩が駅に到着し,7ヵ月振り(?)の面会.忘年会シーズンという事で,店が混んでたり,貸切だったりで落ち着ける場所がなかなか見つからず,結局,「ザザシティ浜松」のフードコートで妥協.折角浜松に来たという事で「浜松弐輪舎餃子」の「浜松餃子定食」を頂きました(↓).



先輩と会うのは久し振りなので,赤と白のCR-Xの近況を伺いつつ,ショップの現状やAoisanがFL5のパーツを買いまくっている話,エンジン載せ替えやタイヤの減らし方等,小一時間ほど話をした後,「来年はコース上で会いましょう!」と別れて,新幹線に乗って帰京しました.




以上,掛川~磐田~浜松の小旅行でした.色々とネタを詰め込んだので,家に着いた頃には大分ヘトヘトでしたが,充実した1日でした♪
Posted at 2024/12/14 10:57:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2024年09月30日 イイね!

ホイール・シュラウド調査

ホイール・シュラウド調査酷暑の夏も終わって朝・晩は気温が下がり,アタックシーズンの気配が漂ってきた訳なのですが,気温が下がってくると苦しむのがリアタイヤのウォームアップ.

真冬のアタックを始めた最初の数年間は,熱がなかなか入れらず,かなーり苦しまされましたが,ここ数年はその原因も大分掴めてきたので,以前ほど苦労はしなくなりました.とはいえ,フロントに熱は入れ過ぎないように注意しつつ,リアを素早く温めるのはそれなりに苦労する訳で,少しでも温まりが早い方が嬉しいのは変わりません.

また,コロナ禍が空けて以降,1枠の走行台数が増えてきた事もあり,かつてのように意図的にテールスライドさせて,リアを強引に温める技も使いにくくなりました(私が走るのはタイムアタックイベントではなく普通のフリー走行枠なので,台数が多いと車両同士の間隔も狭くなる).そんな訳で更なる改善策が何かないかなぁ~?と考えていた時に,「タイヤの温度管理にホイールを使う」という話を思い出しました.



タイヤから最も近い位置にあるブレーキという熱源から,フィンを使ってホイールに素早く吸収させ,ホイールを素早く温める事でタイヤのウォームアップを促す,というヤツです.

レーシングカーじゃないので,こんな機能特化のホイールなんて一般人には入手出来ませんが,そこまで行かなくてもホイールをフィンタイプ→ディッシュタイプにすれば放熱性が下がって温まりそうだなぁ~?→それならホイールカバーの方が手っ取り早いか?→けど,カバー付けてサーキット走行なんて外れそうで怖いなぁ~と思考が進み,「なら,現物を1度見てみるか!」という事で「富士モータースポーツミュージアム」へと向かいました.


本当はJTCCのもの(↓)が一番見たかったのですが,



コレクションホールに保管されているアコードはいずれも付けておらず,ヘリテージコレクションに保管されているであろうプリメーラは見学のハードルが高過ぎて見れず,コロナ/チェイサーは海外に流れて国内には現存していないのでは・・・?という事で,「富士モータースポーツミュージアム」にあるCカー「マツダ 787B(↓)」を見に行く事にしました.



ただ,この「マツダ 787B」の場合はリアではなく,フロントにカバーが付いていますし,タイヤの温度管理ではなく,ブレーキの放熱性向上が目的だと思うので用途は少し異なりますが・・・.


ちなみに,専門家に言わせるとリアのホイールカバーの事を「Wheel Shrouds」と言い,フロントの特にF1で使われていた回転しないタイプのカバーの事を「Static Wheel Fairing」と言うのだそうです.余談の更に余談になりますが,この回転しないタイプのカバーに関して調べていたところ,「ワイエス・グラフィックス」という会社が「無回転ホイールキャップ(↓)」という製品を販売しているそうです.


(ワイエス・グラフィックス:無回転ホイールキャップより)

恐らく広報用途なのでサーキットユースは無理でしょうが,低速時には内部に設けられたウエイトによって静止状態を作り出し,高速走行時にはキャップ内部に流入した気流を後方の穴から排出する事で静止状態を作り出しているそうです.面白いですね.


おっと話が逸れた.元に戻して本題.



今回「マツダ 787B」を見直して初めて知りましたが,RAYS(VOLK RACINGブランド)製のホイールを履いていたのですね.この時代らしく鍛造の3ピースなんだとか.



カバー(というよりフィン?)の狙いは空力とブレーキ冷却性能の向上だそうです.



取付けは,ホイールナットの外側に5本の細いボルト(というよりビスかな?)でホイール本体に締結されているようです.こんな細いビスなんだ・・・と思いつつ,やっぱりちゃんとハード的に固定してるよなぁ~と思いました.



リアはカバーが付いていないのですが,よーく見てみると,



先程のビス相当の穴が空いているので,リアにも付けようと思えば付けられたんでしょうね.


ふむふむ,なるほど~と思いつつ,そう言えばラリー車も用途が異なる(砂利等からブレーキを守る)けどカバーっぽいデザインだったよなぁ~と思い,先述のスタリオンを見に行くと,



おおっ,結構似ていますね(↓).




ついでに他のラリーカーも見ておくか~と目を移すとこんな感じ(↓).









「OZのホイール,やっぱりカッコいいなぁ~」と途中から主旨がズレてきましたが,形状は大変よく分かりました(笑).


これで終わり・・・と思ったところで,「そういえば,ここにもF1があったなぁ~」と思い出し,「TF109」のところへ.



この年代のF1ともなると,常人には全く分からない構造をしているので,外から見ているだけでは理解出来ませんが,一先ず写真に収めておきました.






以上,ホイール・シュラウド調査でした.

やはりカバーを付けるのは非現実的かなぁ~と思いましたが,ラリー車のようなディッシュタイプならアリかな? ファッション重視のホイールならもっと覆ったモノもありそうな気もしますが,今度は剛性面で不安になるのでメーカーはよく考えないとダメですね.

あと,放熱ではなく,吸熱を重視するなら,ホイールのインチダウン(ブレーキにホイールを近づける)という手もあると思うので,そこら辺も踏まえつつ色々と調べてみようと思います.
Posted at 2024/09/29 18:35:37 | コメント(0) | 博物館見学 | 日記
2024年09月28日 イイね!

四国からやって来たラリーカー

四国からやって来たラリーカークルマの見学ネタがずっと続いてますが,あともうちょっと(笑).

「富士モータースポーツミュージアム」で見たかったクルマの1つとして,タイトル画像の「ランチア デルタS4」がありました.コチラのクルマは「四国自動車博物館」に展示されていたもので,両者のコラボ企画として海を渡ってやって来たそうです.「四国自動車博物館」には他にも面白そうなクルマが多数展示されているので,是非とも一度行ってみたいのですが,なかなかその機会がないですね・・・.

さて,それでは「悲運のグループBカー」とも呼ばれる,この「S4」を見てみます.



「S4」の"S"は「Sovralimentata」.イタリア語で「オーバーチャージド」という意味だそうで,1759ccの直列4気筒エンジンに,スーパーチャージャー(低回転域を担当)とターボチャージャー(高回転域を担当)を組み合わせて456PSを発揮したという,その名の通り過給し過ぎなエンジンです(なお,その後の改良により最終的には600PSに達したとの事).



残る"4"は当然「4WD」で,縦置きの直4をミッドシップとして搭載して駆動してるとの事.排気量1759ccという中途半端な数字は,ターボ係数1.4を掛けても2500cc未満となるようにしたためで,これにより重量区分を1つ落として最低重量890kgを実現したのだとか.



コンパクトカーの車重でスーパーカー並みの出力を出すんですから,「ピーキーな挙動だった」と言われるのも頷けます.グループCカーが400km/hに迫る"最高速"のモンスターだとすれば,このグループBカーは"加速力"のモンスター.その佇まいからも,ただものではない感がヒシヒシと伝わってきます.


ベース車の車重は1170kg.そこから1tを切るまでに軽量化するためには,かなりバッサリと切り取らないといけなかったのが良く分かります(↓).



放熱目的かもしれませんが,フロントのボンネット上部は切り取られており(↓),



砂塵が舞うラリーで,こんなスカスカで大丈夫だったのか?と思いたくなります.


"過給し過ぎ"を実現するために必要な空気は,ボディ側面の大型のエアインテークが設けられていて(↓),



その後ろに「なんじゃコリャ?」と思うくらいの超大型のサージタンク(?)で折り返してエンジンに取り込まれるようです(↓).



こんなに大きかったらパラシュート効果も強いんじゃないかと思いますが,むしろそれがあった方が車体が安定するくらいのピーキーさだったんですかね・・・.


ボディ上部には,ちょうどBピラーの上辺りに吸気口があり(↓),



その奥には,この年代のラリーカー特有の衝立のようなウイング(↓)もあります.



そのままサイドに目を移すと,ミラー(↓)の形状はシンプルですが,下側にステーが伸びており,



ホイール(↓)は前後でINSETが違うのか? デザインが異なっていました.
(フロントはホイールカバーが付いているだけ??)






以上,四国からやって来たラリーカーの見学でした.
外観を見ているだけでも想定以上にモンスターな感じで,大迫力なクルマでした.
Posted at 2024/09/29 00:00:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2024年09月27日 イイね!

ル・マンカーの内部を覗く

ル・マンカーの内部を覗く引続き「富士モータースポーツミュージアム」の話.

今回こちらに行った理由はいくつかあるのですが,その中の1つに「トヨタ GT-One TS020」のエンジンルームを期間限定で公開しているというものがありました.中を覗いたからといって,どうこう~という訳でもないのですが,頻繁に見れるものでもないのですし,折角見れるチャンスがあるなら逃したくない!という事で足を運びました.


という事で,早速1999年仕様の「TS020」とご対面.



カウルは取り除くのではなく後ろに開く感じですか・・・.これだとちょっと見にくいですが,覗き込んでみると(↓),



勿論,エンジン本体が見えるのですが,何だか周囲が凄いパイピングです.
手前にある,このカーボン製のチャンバー(↓)はなんだろう?と追いかけてみると,



その先にはターボチャージャー(↓)があるようでした.



という事は,チャンバー付近にあったのはインタークーラーか? ならばその空気はどこから取り込んでいるんだ?と思い戻って見てみると,ココ(↓)から吸っているっぽい.



アレ? そうすると,ルーフに付いているこのエアスクープ(↓)は何なんだ?と思い,



背部に回って見てみると(↓),



右側のチャンバーが背面に繋がっているので,ココと内部で繋がっているのかな・・・? 2本伸びている黒い棒はストレスメンバーっぽく見えますけど,どうもその内部を何かが通っているっぽい. あと,真ん中のオレンジ色の蛇腹チューブは何だ?と思い追いかけてみると,



オルタネータの真上に出ていました.柔らかいチューブなので最初は水か油かを抜くためのものなのかな?と思いましたが,電気部品にかける訳がないので,これはオルタネータの冷却用ですかね??

折角「TS020」の内部が見れるのであれば,反則技と言われたトランクスペースを是非とも見たかったのですが,後で調べてみたらそれはコクピット後方にあるのだそうで,こちらはドアを開けてくれないと見れなさそうですね・・・(残念).


さて,これで目的の1つは終わりとなったのですが,その隣に最近展示が開始された「トヨタ スープラ LM-GT(↓)」があったので,そちらもついでに見てみます.



こちらは1995年のル・マンに参戦した車両で,JGTC仕様のスープラを改良して仕立てたクルマとの事.ターボとリストリクターの変更により,420PS→600PSまでパワーアップさせたそうです.



その一方で,レギュレーション上,床下がフルフラットでなければならず,JGTC仕様のクルマにそのままアンダーパネルを装着した結果,熱の逃げ場がなくなり,冷却面が苦しくなって無数のアウトレットが設けられたのだとか.



ふ~ん・・・と思いつつ眺めていると,何だかボディサイドにやたらと吸入口がある事に気づきました.







・・・で,この先がどこへ向かっているのか?と見てみると,なぜだか全てボディ後方に向かっています(↓).







熱で苦しいなら,発熱源であるエンジンルーム(=前方)を冷やすんじゃないのか?と思いつつ,この位置より後方にあるものって言ったら,燃料タンクくらいしかないよなぁ・・・と考えていたら,

「あっ! 燃料のべーパー対策なのか!!」

「べーパー」とは燃料が熱で気化した状態の事で,給油する時にガソリンの蓋を開けるとシュ~と音がするアレです(最近のクルマは密閉式になっているので音を聞いた事がないかもですが・・・汗).液体で詰まっている配管内で燃料が気化すると,その気体が蓋となってエンジンは燃料を吸えなくなるため,瞬間的な失火が起こったりします.その対策としてポンプで加圧したり,エキマニを避けて燃料配管を通したりするのですが,あまりにも高温だとどうしても「べーパー」が発生してしまいます.なので燃料自体を冷やす事が効果的なのですが,そのための後方へのダクトだったとは.予想外でしたがこちらも面白かったです.


以上,ル・マンカーの内部を覗いてみた結果でした.
Posted at 2024/09/28 06:19:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記

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