
先日のTC1000,
こもりん.さんとのハンデ戦で辛くも勝利を挙げた訳ですが,勝ったご褒美として景品の紅茶と一緒に,なぜかロガーデータも手渡されました(笑).
負けたと言っても,壊れかけのタイヤだったんだから気にしなくて良いんじゃないか?と思うのですが,どんな条件であっても負けるのは納得いかないようで,どこでどう差がついたのか分析せよ,という事のようです.
まぁ,私としても,今回こもりん.さんが履かれていたタイヤは,どう考えてもグリップの下限品なので,旋回性能でこれより下回っている部分があるとすれば,私の改善代にも繋がる・・・という事で分析してみたいと思います.
まずはお約束のLAP+比較(青:こもりん.さん 緑:私).
上段が車速,下段がタイム差ですが,最高速が私(緑)の方が上回っているは当たり前の話として,一番波形が異なるはインフィールドですかね? ライン取りで見ると,そんなに大きな違いはないのですが,コーナーのどこで一番車速を落とすか?の考え方が根本的に違うようです.他にも最終コーナー付近が異なりますが,こちらはタイヤのグリップの差だと思うので気にしても仕方がないでしょう.
それより,EF8より車重が100kg重く,フロントタイヤが13mm細いZF1で,1コーナーのボトムスピードがほぼ同等な上に,1ヘアにいたっては4.3km/hもZF1の方が高い速度で曲がっているというのは驚異ですね・・・.今回は,特にこの2点に関して詳しく見ていきたいと思います.
1コーナー
上段は車速,下段は縦Gです.下段(縦G)の方の1つ目の赤丸で,下側に振れているのがブレーキングの開始ポイントになるのですが,全く同じタイミングですね.よって,両者の違いはこの後のブレーキング区間にあるようです.
下段の2つ目の赤丸がブレーキをリリースするポイントになるのですが,こもりん.さん(青)の方は105km/h付近からもう緩めていますね.105km/hというと,この辺りなのですが(↓),
私の感覚からしたら,まだ1コーナーに入ってもいない(=フロントのグリップを感じ取れていない)タイミングに思えるので,こんなとこからブレーキを緩める事なんて出来ません・・・.更にこの後,こもりん.さんがブレーキを完全にリリースするポイントが93km/h付近なのですが,車載で見るとこの辺り(↓).
少しクルマの向きが変わったかなぁ~?くらいのポイントなのですが,こもりん.さんからすると,ここでブレーキングは終わりだそうです・・・.その後,ここからブレーキを完全に抜いてアクセルペダルに足を踏み替えていく訳なのですが(グラフ下段の3つ目の赤丸で急激に青線が上に跳ね上がってる),車載の音を確認すると,僅かにブレーキもアクセルも踏んでない領域があるようですね.このどちらも踏んでない領域で,こもりん.さんはステアリングを切り足しているようなので,これで減速Gの帳尻を合わせているのでしょうか?
残念ながら,タイヤのグリップが足りなかったようで,今回はステアリングを切り足した時に,僅かに失速しています(上段のグラフの赤丸の部分).もし,もう少しだけタイヤのグリップがあれば,ステアリングの切り足し→即アクセルON→それでも曲がる!という構図になって,ボトムを更に2km/hくらい上げられたかもしれませんね.あと2km/h上げられたら,EF8とボトムは完全な互角になりますから,このボトムを上げる走らせ方は見習いたいところです.
ちなみに,左右Gの方を見ると,
私(緑)に比べて,こもりん.さん(青)のG変化が緩やかで,手前から少しずつクルマをロールさせて,姿勢を作りつつコーナーにアプローチしている様子が読み取れます.これもボトム重視の走らせ方の特徴ですね.
1ヘア
先程と同様に,上段が車速,下段が縦Gです.1つ目の赤丸がブレーキング開始ポイントですが,またも一緒ですね.その後,減速度の立ち上がり方(グラフ上は立下り方)も一緒ですが,こもりん.さん(青)の方がほんの少しだけ減速度が大きいです.これは恐らく1ヘア進入時のアプローチの違いにあると思われます.
私(赤)は1ヘアに対してV字状に斜めに進入するので,ブレーキングの距離が短く,必然的に早くブレーキを戻す必要があります.一方のこもりん.さん(青)はU字状のラインを描いているので,止める時間を少し長く出来るのでしょう.アプローチの違いなので,この差が云々という事はないですね.
問題はその先,減速度のピーク値を過ぎてからです.減速度のグラフに戻って2つ目の赤丸のポイントを見てみると,こもりん.さん(青)はピークを過ぎた後,スムースに減速度が減っていきますが(=加速体勢に移っている),私(緑)の方は0.8G付近で少し停滞しています.なんで停滞しているのかな?と横Gのグラフを見てみると,
ちょうど横Gが立ち上がった部分,すなわちステアリングを切り込んでいる部分でした.ようは,ブレーキを戻した分だけステアリングを切り込み,結果として減速度が停滞している(減速度が一定になっている)という事のようですね・・・.
( ´・д・)ン?
これって,
アドバイザーから教えてもらったアレが出来ているという事になるのかな? あんまり意識していなかったんですが,最近1ヘアで苦労しなくなったなぁ~と思ったら,コレが無意識のうちに出来るようになっていたおかげなのだろうか・・・??
おっと! 話が逸れました.今回はボトムの話でしたね.
話を戻して,私の方がボトムが低かった直接の原因は,ココ(↓)でしょう.
こもりん.さん(青)がスムースに減速度が減っていくのに対し,私(緑)の方は0.4G付近でまたも停滞しています.左右Gのグラフを見ると,このポイントはGのピーク値,すなわち最大舵角になっている部分のようです.車載でも確認してみましたが,やはりそうですね(↓).
体感的に,この最大舵角部分が曲がらない!曲がらない!と思っていましたが,車重が100kg重くて,フロントタイヤが13mm細いクルマよりも曲がらないレベルだったんですねぇ・・・.
_| ̄|○ ガクッ
いくらなんでもこれは酷過ぎるので,いい加減真面目に対策を考えたいと思います.このままだと,次回こもりん.さんのタイヤのグリップが元に戻ったら勝負になりませんからね・・・.
以上,ZF1-CVTとの比較結果でした.
さすがTC1000を1万周した周回王は,タイヤの限界をきっちり引き出して走らせますね.今回勝てたのは,間違いなくタイヤの差のおかげであった事がデータからも再確認出来ました.
やはり真向勝負でこもりん.さんのZF1に勝つには,今の私の腕だと苦しいので,足回りのセットアップを見直して,1コーナーはリアのスタビリティを上げてボトムスピードの向上,1ヘアは最大舵角時の回頭性を上げて失速時間の減少を図り,次回のハンデ戦に臨みたいと思います.
こもりん.さん,今回はデータの提供有難う御座いました! <(_ _)>
Posted at 2021/09/22 19:38:08 | |
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XXX vs EF8 | 日記