夏の練習用タイヤとして導入した
RS SPORT S-SPECの2017年コンパウンド .まだ溝は残っていましたが,アタックシーズンはRE-71Rに戻りますので,今月でお役御免となりました.
RS SPORT S-SPECを
投入したのが6月 ですので,そこから,日光(20分×2),三河(15分×3+10分×2),TC1000(15分×6),TC1000(15分×3),もてぎ[WET](30分×2),三河(50分×1),TC2000(20分×3)の計410分(6.8H)を走りきり,グリップが落ちたような感触もなく,溝もしっかり残っていましたので,素晴らしい耐久性です.むしろ,あっという間に溝がなくなるRE-71Rに慣れてくると「えっ!? まだ減らないの?」と思うくらいでした(苦笑).
タイムの方も最初に走った日光では,「RE-71Rに比べて0.2~0.3秒くらいは落ちる感じかなぁ~」と思いましたが,乗り方を変えて使いこなせるようになると,両者にそれほどの違いは感じず,むしろサイズの違い(RE-71R:215/45R16 RS-SPORT:205/50R16)の方が影響が大きいように思えました.
・・・という事で,RS SPORT S-SPECの最後のデータと,その2週間後に走行したRE-71Rの比較を行ってみたいと思います(青:RS SPORT S-SPEC 緑:RE-71R).
ホームストレートエンド(1つ目の赤丸)
終端速度で1.1km/h,71R(緑)の方がスピードが伸びています.71Rで走った時の方がエンジンパワー的に有利(気温が低い)という事もありますが,それよりも外径の差(RS SPORT:612mm 71R:600mm)の方が大きく影響していると思われます.また,71Rの方が完全にダンパーの減衰が抜け切って,安定してトラクションを得るのが難しい状況であるにも関わらず,構わず加速させていくのはソフトコンパウンドの成せる業でしょう.ちなみに,この僅かな差だけで0.25秒も71Rは稼ぎ出しています.話が少し逸れますが,Expertクラスの方々の走りを見ていると,48秒台に入れるためには,このホームストレートエンドで120km/hを超える必要があるので,今後,外気温ブースト以外の何かしらの策を考える必要がありそうです.
1コーナー
RS SPORT(青)の方は1コーナー出口でGPSをロストし,おかしな波形になっているので参考程度です.データ上は,ここでRS SPORTに逆転され,71Rは0.15秒のビハインドとなります.
高速の左コーナー(2つ目の赤丸)
2速の領域,3速の領域(93km/h以上)共に71R(緑)の方が上です.波形的にはRS SPORTの方が滑らかで上下変動も少ないのですが,71Rの方は多少暴れようが,構わずクルマを前に進ませているようです.これによってアクセルを緩め始めるポイントは変わらないのに,終端速度は3.7km/hも71Rの方が上回ります.これによって遅れは0.05秒まで縮まります.
ブラインドの右コーナー(3つ目の赤丸)
車速が4km/h近く高いので,体感的には,やはりブレーキングが早く・強くなってしまいます.まして,71R(緑)で走行した時はリアタイヤが暖まりづらいコンディションでしたので,ここ71Rは0.05秒失うのですが,やむなしと思っています.ちなみに,このコーナーの攻略の仕方として,「進入速度は高いがブレーキが強い(ボトムが低い)」と「進入速度を抑えてブレーキは弱い(ボトムを高める)」の2通りの走らせ方をしてみましたが,前者の方が僅かながら速いようでした.ただ,当然の事ながらリスクも前者の方が高いので,スリッピーな路面だと,なかなか悩ましいところです.
ログハウス前の右コーナー~1ヘア(4つ目の赤丸)
71R(緑)で走った時は,ここでリアが滑って困りました.小径化によってデフが効くようになったのか? 扁平率が下がってフロントの腰砕けがなくなったのか? 理由はまだ判明していないのですが,過去3回走った時には経験した事のない挙動だったので,どうしても少しアクセルを緩めざるを得ませんでした(これでトータル0.2秒の遅れ).最終的に,
ここでスピンする 訳ですが,この0.2秒の遅れがなければ,48秒台がいよいよ見えてくるので別途再検証したいと思います.
1ヘア~2ヘア(5つ目の赤丸)
2速で45km/hを切ってますので,完全にV-TECは外れています(約3900rpm).この状態から2ヘアまでの全開加速で,71R(緑)は圧勝しています.これによって遅れも0.1秒まで短縮している訳ですが,V-TECが外れている点から考えて,やはり小径化の効果が大きいと思われます.
2ヘア(6つ目の赤丸)
加速力が大きいという事は,それだけ後傾→前傾へ姿勢が一気に変わる(=荷重変動が大きい)という事もあると思いますが,ヘルパー付の私のEF8をもってしてもリアがナーバスで挙動を抑え込む必要があります(これで差は再び0.15秒遅れまで拡大).ただ,単純に私がこのコーナーを下手という点もあり,もっと車幅感覚を磨く練習をしないとダメだと思っています.下の動画を見てもらえば分かりますが,
件のEF9は リアタイヤが浮くくらい,大胆にイン側の縁石に乗せてクリアしていたので,アレを見習わないといけませんね.
A/Bコース合流の上り(7つ目の赤丸)
RS SPORT(青)で走った時には,フロントが滑って全開で踏み切れない感じだったのですが,71R(緑)では一切遠慮する事なく,踏み抜く事が出来ました.タイヤ自体のグリップ力もあるかもしれませんが,それよりも扁平率が低い(RS SPORT:50 71R:45)事による剛性の違い(=ステアリングレスポンス)もあるのではないかと思っています.これによって,71Rが一気に逆転,0.4秒のリードを築きます.
最終コーナー手前(8つ目の赤丸)
71R(緑)の方がステアリングレスポンスが良かったので,上りの左コーナーの立ち上がりはアウトに膨らまず,インベタで回って最終コーナーに向けて真っ直ぐ加速するような姿勢作りをしたのですが,その結果,アクセルONのタイミングがワンテンポ遅れてしまい,RS SPORT(青)に0.1秒詰められます(トータル0.3秒リード).
ホームストレート(最後の赤丸)
2速で立ち上がって,V-TECが作動する70km/h(約5700rpm)からグングン差が開きます.ここは外気温ブーストの効果でしょう.これでリードは0.5秒となり,そのままゴールです.
VIDEO
以上,纏めると,ポイント・ポイントで差が開いたり/縮んだりする要因は様々ですが,全体的に見て,RS SPORTが71Rに遅れをとっているようには見えないのが分かると思います.RS SPORTが遅れをとっている部分に絞って見ても,その部分は外径の影響が否めず,三河のような荒れた路面では71Rのソフトコンパウンドの方が食いつきが良いという可能性は残りますが,絶対的な差にはならないと思われます.
71Rに対して明確な遅れをとらず,それでいて耐久性は圧倒的に上回るRS SPORT S-SPEC 2017年コンパウンド.今後も非常に魅力的な存在ですが,やはり欲しいサイズがないのが一番の難点です.215/45R16というマイナーなサイズがないのは致し方ないとして,テンロククラス御用達の205/50R15がないのは本当に残念です.205/50R15であれば,ロードスター勢の需要があるでしょうし,ヴィッツでも履けるでしょうし,何より三河にぴったり合うと思うので(笑),是非とも今後ラインナップに加えて頂きたいところです.
さて,冬の間は履き替えた71Rと過ごしますが,来年の夏タイヤは何にしますかねぇ~.
三河のCコースセクションは,まだまだドライバー側の詰め代が残っているので練習したいと思っているのですが,そのためにはRE-71Rに大きく劣らず,それでいてライフがそこそこ長いタイヤを選びたいところです.その点でHankook R-S4なんか非常に魅力的なタイヤなのですが,専売でRS SPORT以上にサイズが絞られているため,結局選べないんだろうなぁ~と思っていたりします.
Posted at 2017/11/25 21:20:56 | |
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