久方振りにタイヤの銘柄を変更したので,日光サーキットでテストして来ました.
これまで,発売直後からBSのRE-71Rに飛びつき,使い続けてきましたが,走行会2回(日光:12分×5本,TC1000:15分×7本)でスリックタイヤと化したフロントを見て心変わりしました.
初回ロット時の,あの圧倒的なグリップ力であれば,この摩耗量でも割り切れるのですが,第2ロット以降は摩耗量とのバランスをとったのかロット毎にグリップが変わるように感じていたので,一度止めてみる事にしました.
「さて,次のタイヤは何にしよう?」と色々調べ始めた訳ですが,普通に考えたらRE-71Rに近しいタイヤと考えて,思いつくのはZⅢでしょう.しかし,ダンロップは
ZⅡ時代の印象が良くなく,サイドウォールの剛性が高いせいかコーナリング時の限界は非常に高いのものの,そこを超えた瞬間いきなりグリップを失うので,扱いづらかった記憶が・・・.そこから2世代進んでいるので,多少は違うだろうとは思いますが,使った人の印象を聞く限り,「根本的な特性は変わらなそうだ・・・」と思ったので,今回はパス.
続けて,「ダンロップに近いのはゼスティノか?」とサイトを見てみたのですが,15~16インチのラインナップがほとんどない.195/50R15では外径が小さ過ぎてフロントに16インチを履けず,かといって4輪195/50R15じゃ,フロントが細すぎる・・・という事で断念.
それなら,「ハンコックのR-S4はどうだろう?」と調べてみると,RE-71RやZⅢに迫るタイムが出る上,ハードコンパウンドで耐摩耗性も高い.先代のR-S3の実力は某FD2のおかげて良く分かっているので「これだ!」と思いましたが,残念ながら,こちらもサイズがない・・・.
「残るは,ヨコハマか?」と思いましたが,AD08Rは耐摩耗性はピカイチなものの,さすがにRE-71Rの1秒落ちは覚悟しなければならず,かといってA052では,摩耗が厳し過ぎて,夏の練習タイヤとしては使いたくない・・・.
という事で,ダンロップに近そうで遠い(?),グッドイヤーの
RS SPORT S-SPECを選んでみました.構造的には一世代前の設計だと思いますが,2017年に入ってからコンパウンドの変更を明確に謳ってきたので,そこに期待.
では,さっそくテスト結果から(青:RS SPORT 緑:RE-71R).
①3~4コーナー(1つ目の赤丸)
「低速コーナーのグリップが良い」という評判は聞いていましたが,確かにステアリングレスポンスが良い.ご覧の通りチョコチョコ旋回中にアクセルを入れているのが分かりますが,これは予想よりも曲がるので,その分踏みたくなっているせいです.ライン的にも速度的にも,そんなに71Rと変わらないのにレスポンスが良いので積極的に踏んでいけます.乗っている時の印象としては,4コーナーのエイペックスまで全開にするのを我慢しなければならないRE-71Rに対し,RS SPORTは3コーナーを抜けた辺りから全開に出来ました.
②5コーナー
先程も述べた通り,4コーナーをアクセル全開で突っ込めるので,必然的に5コーナーも全開です.4コーナーを全開で立ち上がるとタイヤを縦に使うので,横のグリップが不足して5コーナーはアンダーが強く出るのですが,RS SPORTはそんな感触が全くありませんでした.かといって失速している訳でもありません.この辺りが「縦と横のグリップバランスが良い」と評される所以なのでしょうか.
③6コーナー(2つ目の赤丸)
アクセル全開のまま6コーナーに進入→ブレーキング.現状のキャンバーセッティングだとリアが出る事は全くなかったのですが,巻き込む挙動が出ました.この要因は,当初,同じ195/55R15でもタイヤ幅が少し狭い(RE-71R:200mm RS SPORT:196mm)ので限界が低いのかと思っていましたが,このグラフを見る限り,減速GがRS SPORTの方が大きいので,その分リアの荷重が抜けただけですね.ここでリアが流れてくれたおかげでV字状にターンする事ができ,RE-71Rよりもアクセルを早く踏めます.ただ,踏んだ先(6コーナー出口)では,舵角の量に対して思った程タイヤが踏ん張ってくれず,全開には出来ません.加速の途中で少し車速の伸びが鈍っているのは,これが原因で,それがなければもっと大差がついていたでしょう.
④8~9コーナー(3つ目の赤丸)
6コーナー出口の速度が高いので,必然的に車速が伸び,8コーナーの進入速度も高いです.ここでもRS SPORTはステアリング切り始めのレスポンスが良く,飛び込んでいけるのですが,そこから先で踏ん張り(横のグリップ)が足りません.結果,グリップが回復するまでアクセルをなかなか入れられず,71Rに逆転されます.
⑤バックストレートエンド(4つ目の赤丸)
RS SPORTは9コーナー出口でのロスが響いて,ストレートエンドで3km/h近く遅いです.これじゃ,新型ECUでレブを引き上げても意味がないですね・・・.
⑥10~12コーナー(5つ目の赤丸)
RS SPORTの方が減速Gが大きいですが,正直乗っている時は感じませんでした.少しタイヤがロックしていたようなのでタイヤのグリップというより,暑さでブレーキの温度が高かったせいかもしれません.ただ問題なのは,そこから先でタイヤが鳴りっ放しな点.途中「タイヤがよれているのかな?」と内圧を0.2kgf/cm2上げてみましたが,大差なく,ライントレースが結構難しかったです.
総評としては,ステアリングの切り始め(舵の入れ始め)のレスポンスが凄く良い.舵を残しつつ,少しづつアクセルを入れていくようなシーンでは,RE-71Rよりも曲がる印象です.その一方で,ロールしきって外側のタイヤに最大荷重が掛かるようなシーンでは踏ん張り具合(横のグリップ)が今一つでRE-71Rより明確に劣ります.ターンインのレスポンスが良いだけに,そこから先でアクセルを踏めないのは,かなり勿体無いです.
従って,あまり荷重を掛け過ぎず,タイヤをこじらず,丁寧な乗り方をすると応えてくれそうなタイヤに思えました.
・・・で,終わりたいところなのですが,別な問題に直面しました.
端的に言ってタイムが出ないです.動画に記載の通り,タイムは
1年前の1秒落ち.
確かにRS SPORTはRE-71Rよりはグリップが低いとは思いますが,一応,ハイグリップタイヤに分類されますし,値段もそれなりですし,さすがに1秒も差がつく程だとは思えません.上記比較データの71R走行時は,確かに
タイヤがボロボロだし,マージンとって走ってるし,気温も上がって5月より暑いし,「こんなモンなのかな・・・」と思っていたのですが,新品タイヤでも43秒を切れないとなると,実はその時から何かおかしかった??
変わらずECUのトラブルは直ってませんが,TC1000で42秒入った仕様ですからシロでしょうし,エンジンは今回最高速が落ちてますが,それは9コーナーの出口速度が低いせいだろうし,他に悪くなったと感じるのはコーナー出口の踏ん張り具合が足りないくらい.
デフか? 足回りか? ボディか? 何か見えないところにトラブルを抱えている気がしてきました・・・.
ブログ一覧 |
セッティング(タイヤ編) | 日記
Posted at
2017/07/09 11:21:07