
リアの足回りのセッティングをアレコレ考えつつ,
イメージを固めている最中なのですが,もてぎでの走行終了後,
想定外の空力テストでリアのダウンフォースを削れる事が分かり,いよいよやるべき事が定まってきたなぁ~と思っていました.
「ならば,一度実物を見ておかねばなるまい」と,走行会終了後にその足でコレクションホールへ.COVID-19の影響で特別展示もなく,売店も飲食物は一切売っていない寂しい状況でしたが,目的はそこではないのでさっさと3Fへ.
はい.目的はグループAのシビックです.
緊急事態宣言下での自粛期間中に
グループAに関して色々調べていた訳なのですが,
当代随一のFF使いの話を読んで,一体どんなセッティングをしていたのか気になりました.保管されている車両が当時のセッティングそのままという保証は何もありませんが,ホイールハウスやボディとのクリアランスからセッティングの可能範囲を類推する事は出来るので,現物を見ておこうと思いました.
まずはフロント.
キャンバーは2~3°くらいでしょうか.トーはゼロか若干アウトという感じですね.
続けてリア.
展示配置の都合上,よく見えない・・・.
立ったり・座ったりしながらキョロキョロ覗いてみましたが,フロントに対してキャンバーは少な目,トーは少なくともアウトに振っていないように思えます.
位置を変えて後ろから.
この角度から見ると,キャンバーはしっかりついていますね(1.5°くらい?).トーは分からないですが気持ちアウト寄りにも見えます.もっと近寄って正確に確認したいですが,これ以上は近寄れないのでもどかしいですね・・・.
まぁでも,目で見てすぐ分かるくらい,極端なキャンバーがついていたり,露骨にアウトに振っていない事は確認出来ました.これだけでも収穫です.
さて,ついでなので,こちらの車両も見てみます(JTCC アコード).
同じくフロント.
アレッ? トーが大分アウトに振れてる??
「そんなに振るの?」と思ったので,反対側のタイヤも見てみると左右で角度が合わない.「ああ,これは・・・」と思って中を覗いたらステアリングが右に切られていました.┐( ´Д`)┌
仕方ないので,リアに視線を移すと,
ん? リアの方がトレッドが広くないか??
JTCCの規定では,前後タイヤは同サイズだったはずなので,幅の違いはありません.レギュレーション上,トレッドの変更が許可されていたかどうかは記憶にないのですが,ジオメトリーを大幅に変更出来るのにトレッドだけ制約があるのもおかしな話なので,これは意図した設計に思えます.
念のため,スマホで
Honda Racing Galleryのサイトを開いて確認してみると,
ああ,やっぱりリアの方がトレッドが広い・・・.
このクラスのマシンでは,FFでもリアをワイドトレッドにするんですね.それだけリアの安定性が欲しいという事なのか?と思い,上から覗いてみると.
微妙にトーインなような・・・.
まぁ,トップ争いをしていた当時のセッティングそのままとは限りませんし,参考程度のつもりでコレクションホールを後にしたのですが,頭の中で少し引っ掛かったので,家に帰ってから1997年型の方のJTCC アコードを調べてみると,こんな記述がありました.
Honda Racing Gallery:Castrol 無限 ACCORD
つまり,最初フロントのトレッドを1600mmを広げた後(リアに対して+65mm),これではバランスが良くなかったのか? リアのトレッドを1590mmに広げて,両者の差を縮めたという事です.JTCCのアコードともなると車速域が全く異なりますが,それほど派手な空力デバイスが使えなかった点を踏まえると,リアの安定性に結構気を遣っていたというのは少々意外でした.
もっとも,ドライバーの着座位置すら変えてあるようなクルマなので,前後バランスは市販車と全く異なると思いますが,それでも露骨にリアのグリップを減らすような仕様ではないというのは勉強になりました.
Posted at 2020/10/25 11:16:30 | |
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