
当初の予定では,ショップに入庫して今週は走れないはずだったのですが,トラブルが発覚してEF8が手元に戻って来たので,TC1000に行って来ました.
今週は平日でも大混雑だったようなので,今日も混んでるのかなぁ~?と思ったら,いつもの時間に着いても門前GPは4位.余裕でピットを確保して準備を進めていると,コース上では軽バンがヘッドライトON!にして,後続を抑えながら先頭を駆け抜けています(タイトル画像).
しかも,どうやら4乗しているようで,中の人はアシストグリップを力を込めて握り,真剣な面持ちで前を睨んでいました・・・(という先導走行のシーンですw).
さて,話を戻して,発覚したトラブルというのはコレ(↓).
GTウイングの後端部分が割れました・・・.
1年前の富士で
デッカいガーニーフラップを付けて走ったのが負担になったのか? それとも,
2014年の事件で負った古傷がこれを招いたのか? 真相は分かりませんが,とにかくGTウイングを失ってしまいました.
失ったものは仕方ないので,「ウイングがないなら,ないなりに確認してみるか!」と気持ちを切替え,GTウイングレス状態のEF8をテストしてみる事にしました.
GTウイングレス状態は
6年半振り.当時,日光で走った時はブレーキング時のスタビリティが若干減った程度で,ほとんど差を感じませんでしたが,果たして今回は??
・・・という事で早速コースイン.
ウォームアップランレベルの速度域ですが,もう分かりました.
「リアの動きが軽い!!」
GTウイングが付いていない状態でリアのハッチを開け閉めしただけでも,その重量差は明らかに分かるのですが,そういった重量的な意味合いに加えて,旋回中のリアの動きも物凄く軽やかです.「これはちゃんとリアタイヤを温めてからでないと危ないぞ・・・」と思い,念入りに3周ウォームアップさせて,そこからアタック開始!
1コーナーのブレーキングからして,いきなりリアのスタビリティがない! どこかにすっとんでいきそうになるのをステアリングでねじ伏せて,2コーナーにアプローチすると,
「リアが流れていくぅ~!」
アクセル全開だとリアが「ツツツ・・・」とスライドしていくので,「こりゃヤバい!」とステアリングをニュートラルに戻してスライドを止めつつ,アクセルを少しだけ戻して姿勢を安定させます.
いつぞやの86 Racingも2コーナーは怖かったですが,それとは全く別物の怖さでした.
1ヘアのブレーキングもスタビリティがないので,気持ち手前から初期入力を若干抑え気味にブレーキング.おかげで減ったタイヤでもロックしなくて良かったですが,ブレーキング時の挙動がどこかに吹っ飛んでいきそうでホント怖い!!
続くインフィールドもリアが流れますが,これは空力云々というよりリアの重量的な軽さによるものかなぁ~?と思いました(最終コーナーでも同様に感じたので).
一番ヤバかったのが,バックストレッチ明けの高速左コーナーを抜けて,右の洗濯板に進入する時.動画を見てもらえばよく分かりますが,
「おい! 右コーナーなんだよ! 左に曲がろうとするな!!」
という感じでコントロールを失いかけました・・・.
そうやって纏めたラップは 42.071.そりゃ,アクセルも,ブレーキも,まともに踏めなけりゃ,こんな体たらくでしょうね.
その後もアタックを続けますが,とにかく挙動が不安定でリアの接地感が薄い.無理すると危なそうなので一旦ピットに戻り,リアの内圧を10kPa下げ.これで多少無茶が効く感じになりましたが,どう考えても,恐怖心を抑え込んで走るダメな方の根性ドライビング.「こりゃダメだ.このラップで終わりにしよう」と最後1ラップに集中します.
結果は 42.104.41秒台にすら入れる事も出来ずに終わりました・・・.それにしても,1コーナーなんてブレーキ踏んだら勝手にクルマが右に曲がっていくし,おかげでステアリングを切らなくて良いとか,ホント笑えますね.
(上記の動画でも,最後にブツクサ文句言ってます・・・苦笑)
さて,そんな感じで明らかにダメなので「GTウイングレス」の選択肢は既になくなっているのですが,一応,LAP+で比較してみます(緑:ウイング付 青:ウイングレス).
生憎と風が非常に強くて,空力のテストをするには完全に不向きな日でしたが,ホームストレートに対して真横に吹き付けていたので,全開区間ではそんなに影響しなかったと思ってます.
ガーニーフラップは結構な差を生んでいたので,GTウイングならTC1000でも最高速が1km/hくらい変わるかなぁ~?と思っていたのですが,ホームストレートエンドでは全く差がないですね・・・(1つ目の赤丸).1ヘアの進入は1.7km/hウイングレス(青)の方が高いですが,アクセルを若干戻しているにも関わらず,これだけの伸びているんですから,ここはアクセルの踏みっぷりより,操舵抵抗の少なさの方が支配的という事なんでしょう.1ヘア・インフィールド・最終の複合はボトムが上がったり/下がったりと不安定ですが,これはリアの軽さを活かして上手く振り回せている部分とそうでない部分の違いかと思われます.一番ヤバかった洗濯板手前(3つ目の赤丸)は,ウイングレス(青)の方が挙動の乱れが如実に出ていますね.左→右の切返しでヨーが反転する瞬間ですから,この区間ではリアの安定性が如何に重要であるかがよく分かります.
以上,テスト結果でした.
ウイングを外した事によってコーナリング時のスタビリティが大幅に低下しているにも関わらず,最高速が全く上がらないのですから,「GTウイングレスはNG」という結論は明らかですが,これって見方を変えると「ドラッグ(空気抵抗)を全く増やさずにダウンフォースを得ている」とも言えるので,
VOLTEX製GTウイングの優秀さを改めて認識しました.
また,GTウイングを使う事によって,EF8の弱点を上手く消せていた事も確認出来ましたし,空力がない状態の足回りのバランスを体感する事で,私のEF8が本来持っている特性も理解する事が出来ました.タイム的に見れば,今回は全く得るモノがなかったように見えるかもしれませんが,テストを通じて「クルマの理解度」は上がった気がしており,そういう意味では今回得たものは非常に大きかったと思っています.
今回学んだ事を活かして,次の一手をまた考えていきたいと思います.
Posted at 2020/11/21 22:50:42 | |
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セッティング(空力) | 日記