
先日,
スプリング交換をしにショップへ行ったら,オレさまFD2に「
TC2000の話,ダンロップコーナーだけ分析しても意味ねぇよ.重要なのは1ヘア~2ヘアの区間タイムだろ!」と言われたので・・・,
「ええ,そうですよ」
と答えておきました(笑).アレはタイム云々というより,ドライビングスタイルやタイヤの違いを確認するのに分析してみただけで,実際オレさまも,あの分析結果から「4秒台の姿が見えた」とか言ってるじゃないですか(笑).
真面目な話,1ヘア~2ヘアの区間はプロと同等のタイムが出せている(厳密にはタイヤの分だけ≒ダンロップを頑張った分だけ,私の方が速い)ので,特に困っていなくて,どちらかと言えば,TC2000での問題はバックストレート&ホームストレートが遅い事(
ストレートが下手な事)の方なんですよねぇ・・・.ホームストレートは最終コーナーで私がチキンな可能性もあるので,一先ず横に置いておいて,とにかく「
バックストレートでのプロとの0.7秒差」を何とかしないとお話になりません.
一応,
先日走った時は,ガーニーフラップを外して空気抵抗を減らしてみたり,夏に行われた2ヘアの改修(↓)にも期待してみたりもしたのですが,

(写真は,タイトル画像と合わせて筑波公式からお借りしました)
いずれも劇的な改善効果は得られないだろうと思い,走行前には「何か他に手がないか!?」と藁にもすがる思いで,ヒントを探して色々調べたりもしてました.
そんな中で,この動画(↓)を見つけました.
毎年恒例の「REVSPEED 筑波スーパーバトル」でTM-SQUAREのZC33Sが2秒台のタイムを出した時の車載です.
「ひょえ~,2秒台ですか!」と驚くと共に,「そういえば,1ヵ月前にテストしていた時は4秒台だったような? 何か走らせ方を変えた部分があるのかなぁ~??」と思い,こちら(↓)の動画と見比べていました.
・・・で,ふと気づきました.
「アレッ? 1ヘアの走らせ方が変わってないか??」
画像を横に並べて見比べてみます(左:2秒時 右:4秒時).
【進入】
タイヤ2~3個分くらい,2秒時(左)の方がアウトから進入しています(舵角が少ない).
【中盤】
コーナーの中盤まで来ても,2秒時(左)はステアリングを切り込まず,イン側を空けたまま・・・.
【出口】
そこから2秒時(左)はステアリングを切り込んでいきますが,4秒時(右)に比べると舵角が少ない・・・.なのに,縁石に乗るくらいイン側に切り込めている.
イメージ的には2秒時(左)の方は,「レ点コーナリング」みたいな感じですね.4秒時(右)とクルマの仕様が異なるのかもしれませんし,タイヤのグリップも2秒時(左)の方が高い気もしますが,単純にタイヤのグリップが高いんだったら,それを使って距離を詰めても(手前からインに寄せても)良いような・・・? 「何か意味(狙い)があるに違いない」と思い,繰返し見ているうちに,
「1ヘア・・・外から進入・・・クルマが傾く・・・バンク・・・
バンク!?」
Σ( ゚д゚)ハッ!
「日光で見たアレか!」
『アレ』というのは,先月
日光を走った時に,11コーナーの外から走っているクルマを見ていたら,とあるFD2が10~11コーナーの間をドリフトで繋げる場面に出くわしました.
勿論,FFですので意図的にドリフトさせた訳ではなく,ドライビングミスでたまたまそうなっただけだと思うのですが,その時に「何であんな挙動になるんだろう・・・?」と不思議に思い,10コーナーを覗いてみたら,
あんまり意識した事がなかったのですが,10コーナーのイン側には,軽くバンクがついているんですね・・・.
(厳密にはバンクというより,「イン側が窪んでいる」という表現の方が適切ですが)
ここでの走り方としては,バックストレートを左寄せ(10コーナーに対してOUT側)で走ってきて,10コーナーに向かってブレーキングをしながら右に切り込んでいく形になります.この際,バンクの上→下に落ちるような形になるため,ブレーキングで前傾姿勢になっているのが,バンクによって更に助長されるような形となります.先述のFD2の場合は,この過度な前傾姿勢によって,自身が思っているよりもイン側に切れ込み,リアが浮いてテールスライドした結果,ドリフト状態なってしまったようです.
これって見方を変えると,
「コーナーの出口でバンクを下るようなラインを取れば,平面時よりも向きを変えられる」という事を意味しています.イメージとしては,こんな感じでしょうか(↓).
【バンクを使わないセオリー通りのライン】
【バンクを使ったライン】
このラインのポイントは,コーナーの出口でバンクを下るために,コーナー入口~中盤ではバンクの上段を走る事です.一見すると,コーナーの進入でインに付けないのは遠回りしていて遅いように思えるのですが,実は大回りする分,Rが緩いため,「コーナリングスピード(ボトム)を引き上げられる」「進入のブレーキを緩められる」というメリットがあるようです.
そういえば,キツいバンクがついているオーバルコースでタイムアタックするクルマは,1km/hでも車速を伸ばすために,皆,バンクの上段を走っているんですよね・・・(↓).
従って,バンクを上手く使えば,コーナーの入口により高い速度で進入し,中盤では高い速度を維持しつつ,出口ではより向きを変えられる,という魔法のような効果が得られるようです.
「これがプロの秘技か!」
と思い,当日そのラインを2ヘアで試してみました.
結果は,確かにバンクから下る際に向きの変わり方が良くなって,曲げやすくなっている事は感じ取れたのですが,バンクから下りるタイミングが若干早過ぎたのか? コーナーの出口で再びバンクを駆け上がるような角度となってしまい,タイヤが悲鳴を上げてしまいました(向きが変わっているのでアクセルを早く踏めるのだが,抵抗に打ち勝てず,結果的に失速している).更に,この時はタイヤの摩耗状態が気になって,コーナー進入時も思い切った飛び込みが出来ず,バンクの進入~中盤での効果を得られませんでした.ようは,バンクを活かした走りをするには経験不足だったという事ですね・・・.
フラットなTC1000で練習していると,こういったテクニックは身につけられないので,TC2000でも走り込まないとダメか?と思いつつ,一見オーソドックスに見えて,一癖も二癖もあるTC2000はやっぱり苦手だなぁ~と感じる走行でした.