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2021年08月07日 イイね!

サーキットアドバイザーの特別講義

サーキットアドバイザーの特別講義オリンピック開幕によるCOVID-19の感染拡大の影響を避けるため,テレワークを活用して3週間ほど東京を離れていたのですが(緊急事態宣言が一時解除された隙に都外へ逃げました),そのオリンピックも閉幕に向かい,感染者数もそろそろピークアウトした頃合いだろうと再び戻ってきました.

この間,TC1000のファミ走の機会が結構あり,走りに行けないのは正直かなり辛かったのですが,そろそろ我慢も限界という事で,戻ってきて早々,筑波へ行ってきました.

さて,週末のファミ走という事はサーキットアドバイザーの日!という事で,お馴染みの蘇武喜和アドバイザーのお話を伺っていたのですが,今回はピット2Fからの特別講義も受ける事が出来たので,備忘録がてら,お聞きした事を纏めておきたいと思います.


まず,今回の講義はTC1000の最終複合攻略.



複合コーナーなので,これ自体が難しいコーナーでもあるのですが,次のホームストレートに繋がる(=タイムを稼げる)ポイントでもあるため,全体をどうとらえるか?によって,最適解を導き出すのが難しいコーナーでもあります.

まず,アドバイザーが仰っていたのは「アウトクリップ」.



最終複合で最も外側に膨らむポイントですね.ここで外側に寄せられれば寄せられる程,最終コーナーの進入のラインが緩くなり,アクセルを早く踏める,というお話です.アウト-イン-アウトのセオリー通りのお話なので,当たり前と言えば当たり前の話なのですが,ピット2Fから走行している車両を見つつ,「あのクルマは良い」「このクルマはもうちょっと・・・」と話をしていたところ,私の良い・悪いの判断と,アドバイザーの良い・悪いの判断に微妙にズレがある事に気づきました.

私はどちらかというと,「アウトクリップ」の位置よりも,最終コーナーのこの位置(↓),



・・・におけるクルマの向きを重視して判断していたのですが(最終コーナーの立ち上がりで膨らんでいった時にどこの位置に達するか?から逆算して判断),アドバイザーの判断は少し違うようで,「最終コーナーに向かってクルマを曲げつつも,どれだけ車速をのせられるか?」に重きを置いており,それ故に「アウトクリップが重要」という話のようです.このため,前述の最終コーナーの位置で見た時に,私は「悪い(向きが変わってない)」と判断したものでも,アドバイザーは「良い(向きは関係ない)」という判断の違いが生まれたようです.

そこで,アドバイザーの判断を正として考え直した時に,アドバイザーが「ココにいるべき」と仰る位置(アウトクリップ)にクルマを持っていこうとした場合のシミュレーションを頭の中でやってみたところ,「洗濯板を通過した後にアクセルを踏んで,意図的にアンダーを出さないと無理だ」という判断に至りました.そこで,

「アクセル踏んでアンダー出すくらいなら,踏まずに小回りした方が良いのでは?」

と聞くと,アドバイザーは「洗濯板通過後に,アンダーを出さず戻ってこれるクルマと,戻ってこれないクルマがある」と仰られました.それ聞いて,86 Racingに乗った時の事を思い出しました.



「そういえば,あのクルマの時は洗濯板通過後に,アクセル踏んでないのに戻ってこれなかったな・・・」と思い出し,隣にいた,おだてのまつさんに「まつさんは洗濯板通過後にアクセル踏んでる?」と聞いたところ,「なるべく踏まないようにしている.車速を維持するために必要最小限だけ踏んでる感じ」との事.それを聞いたアドバイザーが,

「アクセルを少しだけ踏んでいる時に,クルマが曲がる感触あります?」

と質問され,それに対してまつさんは「いや,結構厳しい・・・(曲がる感じがしない)」と答えていました.
するとアドバイザーが,

「だったら,減衰が強過ぎなのかもしれない」

と仰られ,「えっ? どういう事??」と思い,以下のやりとりが始まりました.

 アドバイザー :減衰って,自分が作りたいクルマの姿勢から判断して決めるじゃないですか?
 アドバイザー :じゃあ,その姿勢って,どこ(どのシチュエーション)を基準にして決めています?
 私        :それは姿勢変化が一番大きいポイントですね.
 私        :TC1000であれば,1ヘアでしょうか.
 アドバイザー :僕だったら,逆で,一番姿勢変化をさせにくいポイントに合わせますね.
 私        :えっ!?
 アドバイザー :例えば,1ヘアだったら,姿勢は別な方法でもコントロール出来るじゃないですか?
 私        :ああ,ブレーキですか?
 アドバイザー :そう.踏み方を変えればコントロール出来る.
 私        :踏み始めを弱くして,徐々に強くしていくとか?
 アドバイザー :踏み始めるポイントを手前に持ってきてもいい.
 私        :なるほど.
 アドバイザー :そうやってペダルの操作量が大きいところはドライバーがなんとか出来る.
 アドバイザー :一方で,最終の複合みたいに操作量が小さいところはドライバーは何も出来ない.
 アドバイザー :だからクルマが少ない操作量でも動くようにしてあげないといけない.
 アドバイザー :そのためには減衰を弱める!
 私        :ああ,そういう事か! 減衰の合わせ方ってそっちなんだ!!
 私        :ドライバーが頑張るのはそっちの方だったのか・・・.考え方を間違えてた.
 アドバイザー :こういう,操作に対してクルマの反応が良い事を「ドライバビリティが高い」と言います.
 アドバイザー :例えば,セッティングを変えてもタイムが同じだった場合,変更が無意味だったとは考えない.
 アドバイザー :ドライバビリティが高い方を取る.あるいはクルマの負担が少ない方とか.
 アドバイザー :そういった小さな違いを搔き集めていくと,クルマのレベルが一段上がる.

「むむむ,なるほど・・・」と思わず唸ってしまいました.
その後,場所をピットへ移し・・・,



減衰を弱める意図は理解出来たので,今度は強める意図を以下のように質問.

 私        :例えば,減衰を強めれば強めるほど,タイムが0.1秒ずつ縮まっていく場合があったとします.
 私        :この場合,バネレートが足りていないと判断すれば良いでしょうか?
 アドバイザー :今のバネレートはいくつなんですか?
 私        :フロントが14キロで,リアが8キロです.
 アドバイザー :それはまた随分とオーバーステアな・・・.
 私        :あ! すみません.間違えました.フロントは12キロです.
 アドバイザー :ですよね.前後差は大体2~4キロくらいまでかと.
 アドバイザー :A052の特性を考えると,バネレートは足りてないかもしれませんね.


「ああ・・・やっぱりか」と思ったので,これ幸いとここ数ヵ月懸案だった点を質問してみます.

 私        :先程,姿勢の話をしていましたが,TC1000だと1コーナーも姿勢変化が大きいです.
 私        :どうしても右リアがインリフトしてオーバーステアが出ます.
 私        :これを防ぐ方法として,フロントを縮ませない or リアを伸ばす,どちらにすべきでしょう?
 アドバイザー :良い質問ですね.
 アドバイザー :リアを伸ばす方だと思います.その方がドライバビリティが高い.


「うわっ,やっぱりそっちか・・・」と思いつつ,現在,私はフロントを縮ませない方向でセッティングを進めているので,もうちょっと食い下がります(笑).

 私        :例えば,フロントを縮ませない方法としてバンプラバーがありますよね?
 私        :でも,バンプラバーで姿勢変化を止めると,グリップがすっぽ抜けるイメージがあります.
 私        :バンプラバーで変化を止めるような事はしない方が良いんですよね?
 アドバイザー :そんな事はない.今使っている車高調はどこの?
 私        :アラゴスタです.
 アドバイザー :アラゴスタだと,バンプラバーは固いか・・・.
 アドバイザー :○○○○○○のバンプラバーってあるじゃないですか?
 アドバイザー :長くて,柔らかいヤツ.アレがいい.
 アドバイザー :バンプラバーが柔らかければ,すっぽ抜けるような事はないです.
 私        :あ~,柔らかいのを使えばいいんですか!
 アドバイザー :そう.あれも固さが途中で変わるけど,なるべく固い方から先に切るのがポイント.
 アドバイザー :柔らかい部分をなるべく残したいですね.
 私        :ふむふむ.ちなみにリアは当てる事を考えないですよね?
 アドバイザー :いや,そうでもない.例えばS耐車両なんかでは使います.
 アドバイザー :燃料タンクが100Lくらいあるので,重量変化が大きいですから.
 アドバイザー :軽い時にバランスが良くなるように,重い時はバンプラバーで支える,なんて考え方もあります.

お,奥が深い・・・.ちなみに,こういった耐久車両の動きの変化と,それに合わせたドライビングは,先日のスーパー耐久 第4戦の蘇武さんの車載から分かるらしいですので,ご参考下さい(↓の5:12:46辺りです).





さて,座学はこんな感じで終了したのですが,この後,午後の先導走行の機会があったので,折角なのでアドバイザーの真後ろについてラインをガッツリ勉強させて頂きました.




先導走行自体は過去に何回か走った事があるのですが,いつも10台近く間に挟んだ後について行ったので,伝言ゲームに失敗しているケースが多く,今回は真後ろについて正確にラインをトレースする事に専念しました.その結果,分かったのが・・・,

①最終複合のアウトクリップが,本当に外だった!
「コース幅を使い切るとはこういう事だ!」と言わんばかりに,正真正銘の外側でした・・・.
こんな位置(↓)なんて,甘ぇ!甘ぇ!



感覚的には,ほぼアタックラインそのもの.左リアを落っことしそうになるくらい外側でした.


②高速左コーナーも目一杯外!
インフィールド明け,洗濯板手前の左高速コーナーの進入もギリギリまで外からアプローチしていました.
こんなに残してちゃ,ダメよ!(↓)って感じです.



いやぁ~,私にとっては,かなりショッキングなライン取りで,先導走行後にそれを伝えにいくと,「高速の左をあのラインにするのは,洗濯板のためで~」「洗濯板をそうするためには,ブレーキが~」「そして,それは最終複合からの逆算の結果で~」と補足説明までして頂き,最後に,

「だから,全て繋がってるんですよ!」(^^)ニコッ

と締めて頂きました.


以上,サーキットアドバイザーの特別講義でした.いやぁ~,自分の走行自体は天候に振り回されて,かなり消化不良に終わったのですが,今回の講義は「そんな事はどうでもいい」と思っちゃうくらい盛沢山でした.全部合わせても時間は30分に満たないと思いますが,この講義だけで1日分の価値がありました.

蘇武さん,今回は色々とお話頂き有難う御座いました.<(_ _)>
教えて頂いた事を是非ともコース上で反映し,結果に繋げたいと思います.

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