前回の「最高速タイムレシオ」に関して調べていたら,もう1つ興味深いネタを見つけました.
曰く,「
(TC2000の)最終コーナーのボトムスピードは,1周の中で最も計算値と実測値に差が出にくい」のだそうです.確かに最終コーナーは,車速が高く,横Gも発生し,アクセルもブレーキも踏まない瞬間があるので,理論値が導き出し易いかなぁ~と.
じゃあ,そこから何が分かるの?というと,クルマの「ダウンフォース量」だそうです.
遠心力は以下の公式で求められます.
[遠心力] = [車重] × [車速] × [車速] / [回転半径]
コーナリング中のクルマは,この遠心力に抗うように摩擦力を発生していますので,
[摩擦力] = [摩擦係数] × ([車重] × [重力加速度] × [ダウンフォース量])
そして,アクセルもブレーキも踏んでない状態では,この両者が等価となるので,
[車重] × [車速] × [車速] / [回転半径] = [摩擦係数] × ([車重] × [重力加速度] × [ダウンフォース量])
となります.よって,この式を整理すると以下となる訳です.
[ダウンフォース量] = [車重] × [車速] × [車速] / ([回転半径] × [摩擦係数] ) - [車重] × [重力加速度]
じゃあ,試しに計算してみましょう.今回は各パラメータの値を以下と仮定してみました.
[車重] = 981 + 60 = 1041kg
[重力加速度] = 9.81m/s^2
[車速] = 117km/h = 32.5m/s
[回転半径] = 85m
[摩擦係数] = 不明 ≒ 1.0
これらを代入して求めると,
[ダウンフォース量] = 1041 × 32.5 × 32.5 / (85 × 1.0) - 1041 × 9.81 = 2723N
ニュートンだと感覚的に分からないのでキロに直すと,2773 ÷ 9.81 = 282kgf
つまり,1tちょっとの私のEF8で発生しているダウンフォースは,車重の約1/4程度って事ですね.フロントのアンダーパネルとリアのGTウイングでしかダウンフォースは発生していないので,案外こんなもんかもしれませんね.
300km/hまで到達すれば重力に逆らって天井すら走れる言われるF1とは,大違いである事がまざまざと分かる数値でした(笑).
Posted at 2021/12/08 17:15:23 | |
セッティング(空力) | 日記