
4月にA052の代用品として購入したNAKNGKANG CR-Sですが,3ヵ月/7回の走行で使い切ったので結果を纏めておこうと思います.
雑感としては,
最初に述べた通りTC1000だとA052の0.2秒落ちといった感じで,斜めのグリップが微妙に足りない感はありますが,全体的なグリップは,ほぼ互角でなかなか良いタイヤでした.耐久性やデグラデーション(性能劣化)もA052と遜色なく,変な癖もないのでA052相当だけど値段は少しでも安い方がいい,という方には良いんじゃないでしょうか.
さて,それでは結果を見てみてみたいと思いますが,その前に今回の結果はCR-Sの205/50R15をFFのフロントに履いたものです.耐久性に関してはサイズで変わりますので(当然1周の距離が長い方がもつ),その辺は悪しからず・・・.
まずは,走行距離-タイムです.
横軸は走行距離(km),縦軸は公式のラップタイムです.クーリングラップを表示すると読みずらいので,それは除外してあります.青線がアタックラップ,赤線がそのアタックラップの平均値です.途中40~80kmの領域は日光のものですが,TC1000と同じ1kmコースなので一緒に載せてしまいます(厳密には日光+0.5秒=TC1000くらいの差があると思います).
途中でコースが変わった事もありますが,タイヤの特性を理解して完全に合わせ込むのに私は80周くらい掛かるようですね(TC1000のベストタイムは 41.533/93周目).80kmを過ぎて以降はタイヤのグリップが徐々に落ち始め,ざっくり見積もるとデグラデーションは「40kmで0.2秒(0.005秒/LAP)」という感じでしょうか.ただ,200km以降の「明らかに減ったなぁ~」という状態以降は,タイムの落ち幅も少なく42~42.4秒の幅に収まっているのが面白いですね.アタックラップのみ抜粋して計280km分を平均したタイムは「42.176」で,最後にアタックした時のタイムも「42.151」ですから,私のEF8だとこのくらいのタイムはコンスタントに出るタイヤのようです.
ライフは,285kmで左右入替えながら使って,こんな摩耗状態です(↓).
同じようにA052も左右入替えながら使って6~7回という感じなので,ライフ的には互角に思えます.OUT側よりIN側の摩耗が大きいのがA052と異なる点ですが,これはタイヤ以外の要因もあるので「CR-Sだから」とは言えないと思います.
次は,気圧-タイムです.
当日のベストタイムを気圧毎に整理したものです.TC1000で筑波公式のコンディション計測結果を入手出来たものだけに絞ってあります.右上の1点は初めて使った時なので,これは「タイヤに慣れていない」として除外して考えると,赤線のような特性でしょうか.
1010hPaより気圧が上がると,それに合わせてタイムも縮まっていますね.私のEF8の場合だと1010hPa以上が「タイヤ<エンジン」がタイムに寄与する領域で,逆に1010hPa未満は「タイヤ>エンジン」がタイムに寄与するようです.サンプル数が少ないので精度は低いかもしれませんが,なかなか面白い結果です.
続けて,気温-タイム.
同様に左上が「慣れてない時」なので,これを除外すると赤線のような特性に.気圧変化より気温変化の方が影響が大きそうですね.私のEF8の場合,10℃違うと0.4秒くらいの差のようです.また,こちらも24℃以降はタイムが変わらず,ここが「タイヤ>エンジン」の境界線なんでしょうね.
最後に,路温-タイムの結果.
気温と似た傾向になるのかと思いましたが,ちょっと違いますね.30℃より低ければ低いほどタイムは縮まりますが,逆に30℃以上はタイムに影響しないようです.経験則的にハイグリップラジアルが機能するタイヤの表面温度は最低25℃以上だと思っているので,路面温度が25℃未満であれば,走行中にタイヤが冷やされて最もグリップする温度レンジを外す事なく,安定して一発のタイムを狙えるという事なのでしょうか.また,20⇔30℃を比較すると0.4秒の差が出ているのに対し,30℃⇔40℃で比較してもタイムは変わらず,「高温域に強いタイヤ」とも言えるのかもしれません.レースのような連続周回がしたい人にはA052より向いているのかもしれませんね.
以上,CR-Sの振返りでした.
やはり「ピークグリップはA052に一歩及ばない」という印象通りの結果となっているようです.ただ,そこより少し落ちた領域では安定して性能を発揮するタイヤのようで,表面温度を80℃オーバーまで追い込んでも(↓),
過剰に減る事はなく,そういう意味ではタイムー耐久性のバランスはかなり良いんじゃないでしょうか(レース向きなのかな?).以前も述べましたが「A052があるならA052を選ぶ」が私の考え方ですが,225/45R15みたいな特殊サイズを狙っていくのであれば,CR-Sは今後も選択肢としてアリかもしれないなぁ~と思いました.
Posted at 2022/06/14 07:52:35 | |
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