前回の続き.
ヒューズを新品にしたら体感出来るけど,新品→社外品じゃ大して体感出来ないでしょ?と言った予想を裏切られたのが前回のお話.
さて,真面目に調べ始めてみたものの,そうは言っても(自分を含めて)人の感覚なんてアテにならないので,やっぱり効果が疑わしいなぁ~という気持ちがまだ残っています.
他人の言う事を鵜呑みにするほど素直な人間には育っていないので(笑),もう少し実証実験的な事をやっている方がいないかな?と調べてみると,面白い動画に出会いました.
この電凸編の前に,前振り編・実験編とあるのですが,それらも全部見て「体感で変わるのは学習値が変わったせいだ」とか,「学習値の消去には1~2分掛かる」とか,「補正を全部カットしてやらないと比較にならない」とか,比較する際の阻害要因をよく考えて実験されているのが良く分かったので,個人的にかなり納得出来る内容でした.
このレベルで比較実験をやった方が,結論として「アイドルの回転数が上がる」と仰るのであれば,それはヒューズによって何かが起きているという事は間違いなく,ヒューズの効果自体には確信が持てたので,更に原理的な部分を調べてみる事にしました.
・・・という事で,小難しい「放電防止」の考察です.
この「放電防止」に使われている「絶縁材」は,読んで字の如く「絶縁する(=電気を通しにくい or 電気を通さない)素材」の事です.従って,狙いは簡単でヒューズの外に電気を流したくない(放電したくない)と至極単純なのですが,「ヒューズから空中に向かって放電」って意味が分かりません.
なので,まずは「空中放電」に関して調べてみたところ,

(Electrical Information:
火花放電・コロナ放電・グロー放電・アーク放電の違い!より)
「放電」とは,「電極間にかかる電位差を高くすると,電極間に存在する気体(空気等)が絶縁破壊されて,電流が流れる現象」の事なのだそうです.これの一番イメージし易いのは,溶接作業でしょうか.確かに空気の絶縁層が破壊されて電流が流れてますね.
「なるほど,なるほど~」と思いつつ,「いやいや,溶接の時に掛けてる電圧って相当高いよね? 自動車のたかだか12~14Vレベルの電圧で放電なんて起きるのか?」とも思いました.仮に起きているとすれば,この中で一番電圧が低そうな「コロナ放電」なのかな?と思い調べてみましたが,

(アドフォックス:
コロナ放電 パワースイッチング回路に潜む故障の原因より)
最低電圧が500Vの世界っぽいので,15V以下で起きるとは思えない・・・.
そもそも放電は,露出した電極間で起きるのだと思いますが,ヒューズ単体で電流を流すのであればともかく,ヒューズボックスに挿した状態では,それほど金属面は空気に露出しないはず.
「放電がない」とは言いませんが,これで有意な差異が生まれるとも思えない・・・.
視点を変えて,EMC(Electro Magnetic Compatibility:電磁ノイズ)的な目線で考えてみると,
端子を被膜する事で「エミッション(ノイズの放出)」が抑制され,ヒューズから発生される電界の影響を抑えられるというのは有りそうですが,ヒューズボックスの付いている位置とEACV等の電子デバイスとの距離,また12Vレベルの電界の大きさを考えると,やっぱり有意な差が生まれるか疑問(オーディオはクリアになりそうですが).一方で,ヒューズ自体の「イミュニティ(ノイズに対する耐性)」は絶縁材によって確実に向上するでしょうから,これの効果は有り得そう.
これはノイズの乗った乱れた電流よりは,整流されたかのようなキレイな電流の方が,各電子デバイスが本来持っている性能を正しく発揮出来るよね?といったイメージ的なもの.
これで納得出来なくもないですが,ただなぁ~,これで「アイドルの回転数が上がる」まで起こるかなぁ~?と引っ掛かるので,もうちょっとだけ考えてみます(
次回へ続く).
Posted at 2022/07/24 12:37:41 | |
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