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2022年07月24日

ヒューズのお勉強 その③

ヒューズのお勉強 その③ ヒューズのお話はこれで最後です(前回はコチラ).

ヒューズ交換によって「接触抵抗低減」は理解出来るけど,「放電防止」がの原理が今一つ理解出来ないというのが前回までのお話.

開発者含めて原理が100%理解出来ている訳ではないから「マジカル」なんだろうなぁ~と思いつつ,前回の電凸されてた方がタイトル画像のような話もされていました.



最初聞いた時,「アレッ? そうなのか??」と思いましたが,オームの法則で考えてみれば確かにそうなので,「ああ,そうか」と納得しました.


オームの法則というのは,電気回路に流れる電流とその両端の電位差の関係を示す法則で,以下のような式になっています.

 [電圧] = [電流] × [抵抗]

ヒューズの接触抵抗が減るという事は,上記式の[抵抗]がそのまま減る事になるので,流れる[電流]が同じであるならば,掛け算なんだから[電圧]も減るでしょ?という事なんだと思われます.


(電圧の差異が1%未満なので,計測誤差の範疇では?という話もありますが,それは一旦横に置いておきます)


・・・で,ふと思ったのが「[電流]って一定なんだっけ?」という部分.ヒューズの効果として「[抵抗]が減った分だけ[電流]が増えるんだろう」と勝手に思っていたのですが,どうやら違うようです.

考えてみれば,それもそうか.運転状態が同じであれば,各電子デバイスが動くために必要な[電流]も同じ訳ですし,[抵抗]が減ったくらいで[電流]が大きくなったり・小さくなったりしないよなぁ~と(突入電流は変わりそうですけど).そうするとやっぱりヒューズの効果は,「電気の質」的な効果なのかなぁ~?と思ったのですが,ちょっと引っ掛かったので[電流]に関して,もう少し深堀ってみます.


各種電子デバイスが駆動するのに必要な[電流]は,オルタネータが発電して生み出して供給している訳なのですが,オルタネータだけで全てを賄っている訳ではなくて,バッテリーからも供給されます.イメージにするとこんな感じ(↓)でしょうか.



オルタネータとバッテリーは同じ配線経路で繋がれているので,両方同時に電気を供給している訳なのですが,どっちが支配的なの?というと,電圧の高い方(電気を流す力の強い方)からより供給されます.

例えば,始動する時(0~1000rpm)は,オルタネータの発電電圧が低いので,ほぼ全てバッテリーから供給していますが,始動して以降(1000rpm~)はオルタネータの方が電圧が高くなるので,力関係が入れ替わってオルタネータの方から供給されます(オルタネータの力に押し切られて,バッテリーは電流を外に出す事が出来ず,逆に自分の中に電流を入れられてしまうため,充電されるようなイメージです).


じゃあ,仮に,オルタネータが発電した後もバッテリーが同じ電圧を出力していたらどうなるんでしょう?

そんな状態あるの?と思うかもしれませんが,オルタネータはレギュレータによって上限電圧が設定されているため,回転数をどんなに上げても14Vくらいで頭打ちします.一方,バッテリーはその14Vでずっと充電され続け,満充電状態(SOC:100%)になれば,自身も14Vを出力出来るようになるため,同じ電圧になる事は有り得ます.


(北海道でんき保安協会:電圧と起電力のおはなしより)

[電流]は,読んで字の如く「電気の流れ」=流体なので,水と同じで高い方から低い方へと流れます.ここで言っている「高さ」とは[電位]=[電圧]の事なので,両者の高さが同じになれば,その間でモノは流れないという事になります.


つまり,バッテリーがオルタネータよりも元気な状態(満充電)だと,オルタネータは電気を流しにくくなり(流す必要がなくなり),「発電という仕事をする量が減る」という事になります.


(カーセンサー:オルタネーターより)

オルタネータはエンジンの動力の一部を使って仕事をしている訳なのですから,オルタネータの仕事量が減れば,エンジン側から見た場合,負担(抵抗)が減る構図になるはずです.

エンジン自身の抵抗が減れば,同じ空気・燃料・点火でも回転数が高くなるのは当然な訳で,これが「アイドルの回転数が上がる」メカニズムなんじゃないかなー?と思いました.


「同じ条件でエンジンの負荷が減る」と考えれば,ヒューズの効果として示された以下の部分(↓)とも辻褄も合う気がします.

 ・アクセルレスポンスの向上 ・・・ 負荷が減ったんだから,そりゃレスポンスは良くなる
 ・アイドリング安定化      ・・・ 負荷が減ったんだから,そりゃ安定する
 ・ターボラグ改善        ・・・ 負荷が減ったんだから,そりゃラグは減る
 ・低速からのトルクアップ   ・・・ 負荷が減ったんだから,そりゃトルクが上がったように感じる
 ・燃費向上            ・・・ 負荷が減ったんだから,そりゃ燃費も良くなる

・・・という事で,私はこの理屈で納得する事にしました(笑).


以上,ヒューズのお勉強でした.

纏めると,ヒューズ交換によって得られる「接触抵抗低減」「放電防止」の効果のうち,「放電防止」は原理がマジカルで分かりませんでした.一方,「接触抵抗低減」の方は,バッテリーの充電効率向上から,オルタネータの仕事量低減へと繋がり,エンジン負荷が減って,出力向上のメリットを得られているんじゃないか?と思いました.

「接触抵抗低減」に観点を絞ってみると,新品のヒューズより,それ相応の加工が施されている「マジカルヒューズ」の方が当然良いでしょうし,更に15~30%性能向上していると言われる「ナノカーボン」の方が更に良いのは間違いないでしょうね.

値段に対する費用対効果としては,製品自体の値段が決して安くはないので,オススメ出来るモノだとは全く思いませんが,やれる事をほぼやり切って他にイジるところがないクルマや,そもそもやれる事に制限があってイジれないクルマ(ワンメイク等)にとっては,「他で得られない効果が得られる」として貴重な製品なんじゃないかと個人的には思いました.
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Posted at 2022/07/25 12:31:16

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この記事へのコメント

2022年7月25日 17:22
理論的なのはダメですが……
オカルト系は変えた満足とタイムが落ちなかった事実があれば戦えます(笑)

ヒューズ交換については最近の安っすいヒューズが昔の搭載ヒューズより品質が悪い可能性は考えたほうがいいかもとは思います。
私も念の為コイトのヒューズ使ってます。

canはそれ以前の通信に比べると圧倒的に速いのでたまにコケる位の電位差やノイズそんなに気にする必要あるかな〜と思うところもあります。
canのツイスト線ほどいてしまったり、ノイズか乗ってしまうような外的要因を作ったりOBD2コネクターに怪しいものを差し込まない、位で十分じゃないですかね〜
そういえばマイ86はデータ取るためにOBD2コネクターに怪しいの挿してます(^^;
コメントへの返答
2022年7月25日 19:54
満足と事実,素晴らしい!(笑)

そうですね.新しければ良いかというとコストダウンという悪影響もあるので,品物はキチンと目利きをしないとダメですね.

CAN通信にも通信周期が色々ありますから,車体制御と連携するモノは1個取り損ねるとフリーズという挙動になって現れる可能性はゼロではないと思われます・・・.

ツイスト線をほどくのは100% NGだと思いますが,OBDコネクタに怪しいものを差し込むのもどうなんでしょうね!? ただ,それがデータ取りのためなら,私も怪しくてもやっちゃうかもしれないなぁ~(苦笑).

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