
今月の頭に
リアタイヤ選定のブログを書いたのですが,その際,nori@夢がーぬさんから「(A052は)細かいマイチェンでグリップは若干落ちてライフが伸びている様な気がするんですよね」「ヨレてても前へ進む感じは薄れ,良い意味でカチッとした強さ,ドライバーの荷重操作に比例するタイヤになってる様な・・・」というコメントを頂きました.
「えっ!? A052ってマイチェンしてたの??」と思い,慌てて調べてみたのですが,特にそういった噂は見つからず.
ハイグリップラジアルのサイレント仕様変更というのは古くからあって,私が一番印象に残っているのは「RE-71Rの1stロットと2nd以降のロットでグリップが大幅に違った件」でしょうか.1stロットで使っていたタイヤを作る釜が途中で壊れてしまい,直したんだか,作り直したんだかした釜では同じ品質を実現出来ず,2ndロット以降では性能が変わってしまったと言われています(3rd,4thロットを経て徐々に1stロットの性能に追いついてきたとも言われました).
従って,A052でもそんなサイレント仕様変更が起きていたとしても不思議はないのですが,A052ほどのタイヤのグリップが変わっていたら各所でワーワー騒がれても良さそうなものなのに,そんな情報は全く見つけられなかったため,調査を中断していました.
そんな折,195サイズのA052コレクターであるこもりん.さんから「
A052がちょっと変わってる」という情報を頂きました.「えっ!?」と思い,詳細を伺ってみるとどうやらこんな感じなんだそうです(↓).
【マイチェン前(?)】
【マイチェン後(?)】
見比べてみると分かりますね.確かにサイドウォールのデザインが変わっています.
「noriさんが言っていたのはコレかー!」
・・・と思わず叫んでしまいました(笑).これでA052に何らかの仕様変更がなされた事は間違いないようですが,そんなプレスリリースは出ていたか?と調べてみると,ありましたよ(↓).

(横浜ゴム:
横浜ゴム、米国の過酷なヒルクライムレースに参戦、サステナブル素材を使用したタイヤを初投入より)
2022年5月に上記のようなリリースが出ていました.最初私は「これはパイクスピークだけの話」と理解していたのですが,そうじゃないんじゃないかなー?と思いました.というのも2022年の5月といえば,A052の在庫切れが起きていた時期と一致するんですよね.
当時はタイヤの値上げのタイミングと重なっていたので,そのせいで在庫が切れたんだと思っていたのですが,よくよく考えてみるとメーカー自ら「
当面製造なし」と言っていたんでした.ジムカーナを筆頭にシーズンインしたばかりのこの時期に「製造予定がない」というのは不自然だなぁ~と思っていたのですが,「仕様変更するから製造出来ない(≒製造予定がない)」という裏事情があったんだとすれば,辻褄が合います・・・.
では仮に仕様変更がこのタイミングでなされたとして,何がどう変わったのか?を調べてみると,同じリリースにこう書いてありました(↓).
どうやらサイドウォールの素材を変更したようですね・・・.一応同じ「ブタジエンゴム(Butadiene Rubber:BR)」ではあるようですが,石油由来→バイオマス由来に変わったようです.
石油由来→バイオマス由来に変わると,タイヤの特性的に何がどう変わるのか?更に調べてみたところ,あまりはっきりしたものは見つけられなかったのですが,バイオマス由来のBRは,石油由来のBRに比べて以下のような特徴があるようです.
・柔らかい
・伸縮性がある
・耐熱性が低い
noriさんのコメントと相関をとってみると,
・ヨレてても前へ進む感じは薄れ → ゴムが柔らかいため,変形量が大きい
・ライフが伸びている → 伸縮性があるため,路面のギャップで削られにくい
・グリップは若干落ちた → 耐熱性が低いため,熱ダレが早い
何となく一致しそうですね・・・.
以上,A052のマイチェン(?)の話でした.
Posted at 2023/04/14 02:07:51 | |
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