前回のブログでは,先日見学してきた「日産ヘリテージコレクション」の所謂ところのノーマルカーに関して触れましたが,今回は本番となるレーシングカーの第1弾です.
とにかく台数が多くて写真の整理が追いつかず,どういう風に纏めようか悩んだのですが,まずは純粋に見たかったクルマから触れていこうと思います.
最初は1999年の「プリメーラGT」.
本当は,JTCC参戦車両であるここら辺のクルマ(↓)が見たかったのですが,

(1996年 ザナヴィ・サニー)

(1996年 ユニシアジェックス・カミノ)

(1997年 プリメーラ・カミノ)
これらは常設展示の車両ではないので,1998~1999年のBTCC(British Touring Car Championship)メイクスチャンピオンカーである「プリメーラGT」のみとなりました(↓).
市販車の面影が残っているツーリングカーとしては最強格の1台なので,この「プリメーラGT」も一度見てみたいと以前から思っていたのですが,今回見学してみて,残念ながらこのクルマで本当に見るべきなのは,外観ではなく中身だったんだなぁ~と思いました.リバースヘッド化(エンジンの搭載向きを前後逆にして,前方:吸気,後方:排気にしたもの)され,ドライサンプでローマウント化されたSR20DEとか是非とも見てみたいですが(↓),

(RacingOn No.305より)
早々ボンネットオープン!の機会なんてないので,さすがに普通の見学でそれは無理ですね・・・.外観上から学べる点としては最も特徴的であるフロントスポイラー(↓).
こちらのスポイラーは左右の端がくり抜かれた形状をしているのが特徴的です(↓).
この裏面,アンダーパネルの部分にはアップスイープが施されているそうで(↓),そこでダウンフォースを稼ぐ設計となっているそうです.この時代はボディ前面から取り込んだ空気をラジエターを通した後,フロントバンパーの横から抜くのが一般的ですが,そういった考え方とは異なるのが興味深い点です.
正面から見ると両端のくり抜かれた部分から直接フロントタイヤに気流が当たるため,ドラッグが増えそうな気もするのですが,それよりもダウンフォースを優先したという事なんでしょうね.
また,これも実車では見えなかったのですが,このフロントスポイラーの後方にはジェラルミン製のアンダーガードが装着されているのだそうで(↓),

(RacingOn No.305より)
このアンダーガードの装着理由は「空力性能向上のため」と説明されているそうなのですが,ボディよりも低いロアーアームに直接付けている辺り,そうは思えないですね・・・(エンジンのマウント位置が低過ぎて,縁石等で本当に当たるからガードしているんじゃないのか?と思いたくなります).
その他気になった点としてはライト周りのシーリング(↓).
国内のツーリングカーでよく見るヤツですが,向こうでもやるんですね.
最後に,これは家に帰って調べてから知ったのですが,
このクルマのホイールはRAYS製の19インチなんだそうで,その中に収められているブレーキローターのサイズは,なんと378mm! 車重975kg,エンジン出力が300PSのクルマをレーシングスピードで走らせるのに,これだけのローターサイズが必要なんだなぁ~と思いました(同等の馬力で車重が1430kgもあるのに,ローター径が350mmしかないFL5でブレーキトラブルが起こるのも納得).ちなみに,リアでもローター径は280mmあるそうです.
以上,Heritage CollectionのプリメーラGT編でした.

Posted at 2025/04/25 19:50:00 | |
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