
先日,結構な土砂降りの中を
静岡まで行って来たのですが,走行中に窓に当たった雨滴の動き(流れ)が自然と目に留まりました.
フロントウインドウ越しに流れていく雨滴は,当然のように上方に向かって昇っていく訳なのですが,車線変更をしようとサイドミラーを見た際,同じように上方向に昇って行くだけでなく,下方向に沈んで行く雨滴もあって「ふ~ん」と思いました.
そういえば,去年TC1000で雨練をした時に,
運転席側のドアで下斜め方向に流れる雨滴を確認し(↓),
その後,どうしてこういう流れになるんだろう?と
洗車場のシャワーを使って実験してみたら,ミラーの部分で水の流れが変わる事を確認しました(↓).
当時は「ああ,ミラーのせいだったのか~」と思って終わりだったのですが,この日,本当にそうなっているのかな?とクルマの内側から覗いてみたところ(↓),
ミラーよりも高い位置の雨滴は,天井に向かってひたすら昇っていったのですが,ミラー下部 もしくは ミラー上部を抜けてすぐの雨滴は,暫く横方向に進んだ後,下に向かって流れていました.ミラーを通過した後,すぐに下に流れるのではなく,暫くの間は横方向に動いて,ミラーから大分距離が離れたポイントで下方向に進んでいるのが面白いなぁ~と思って見ていました.
当然,助手席側も同じ動きをするんだろうと,反対側を見てみたら(↓),
ミラー上部は同じような流れ方ですが,ミラー下部の方はひたすら横方向に進んでおり,下に落ちていくような素振りがありませんでした.「アレッ? 右と左で流れ方が違うのか・・・?」と思い,なんでだろう?としばし考えた後,左右でミラーの角度を変えている事に思い当たりました(↓).
右側(運転席側)のミラーは,座席から近い事もあって,どちらかというと水平気味の角度で,自車寄りの後方の死角をカバーするような向きにセットしているのですが,左側(助手席側)のミラーは,車線変更時や左折時の巻き込み確認用に自車に近づいてくる物体を早期に発見出来るよう,水平よりも少し上向き・外向きにセットしています.
この微妙なミラーの角度の違いで流れが変わっているんだなぁ~と思いました.私の使っているミラーは,craft squareの「
ツーリング コンペティション ミラー TCA-F」という製品で,ミラーの角度を変えるには本体自体の角度を変えないといけないのですが,一般的なミラーの鏡面だけが角度が変わる方式であれば,こういった左右で流れが異なるといった事象も起きないのでしょうね.1つ勉強になりました.
以上,短いですが,雨滴考察の続きでした.
【おまけ】
ミラー周辺の空気の流れを考える過程で,色々とCFD(Computational Fluid Dynamics)の結果を眺めていたのですが,ボンネット後端(フロントウインドウ直前)の空気の流れの解釈を間違えていた事に最近気づきました.
こんな感じ(↓)で,ボンネットの上部に沿って空気が流れるので,フロントウインドウ直前は上に引き込まれて負圧なんだろうと思っていたのですが,違うらしい.
フロントウインドウ正面に当たった空気が分散して,下方向にも流れ込むため,ここは負圧ではなく正圧になるのだとか(↓).

(TechnoStar:
熱流体解析ソフトウェアとは?より)
イメージ的には,こんな感じですかね?(↓)
なので,ボンネットを浮かして後端からエンジンルーム内の熱気を抜こうとしても,実際には思ったほど抜けないのだとか・・・.室内向けの外気取入れ口がこの辺りにあるのも,ここが正圧になる(空気を押し込める)のが理由だそうで,やっぱり空力ってちゃんと解析しないと,誤った解釈をしてしまうんだなぁ~と改めて思いました.
Posted at 2025/05/23 23:32:32 | |
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セッティング(空力) | 日記