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OX3832のブログ一覧

2019年11月07日 イイね!

バランスチェック

バランスチェック無事結果の出せたTC1000ですが,この日はクルマの前後バランスのチェックをしてました.

1つは空力.ガーニーフラップを小型化したので,ブレーキング時のリアのスタビリティ変化と,ストレートスピードへの影響を確認したい.

もう1つはブレーキ.前回はリア側に意識を払い過ぎていたので,フロント側の限界点が今一つ掴み切れておらず,色々試してパッドの評価をきちんとしたい.


といったところで,早速ですが,LAP+による比較結果です(青:前回  緑:今回).



①ストレートエンド(1つ目の赤丸)
外気温ブーストがきっちりかかって,車速が2.2km/hアップ.これだけで0.05秒縮むので,やっぱりストレートスピードを侮ってはいけませんね.一方で,未だに130km/h台にのせられない点が少々気になります.EG6を追いかけていた時もストレートの後半で置いて行かれるんですよねぇ・・・.エンジンパワーよりも車体の重量が効いているのか? ドラッグが大きいのか? 何かもう一工夫必要かも.


②1コーナー進入(2つ目の赤丸)
特にブレーキング時のフィーリングで不満はないのですが,このデータを見るとリリースを始めるのが大分早いですね.映像で確認してみると,この辺り.



ちょうどステアリングを切り込み始める辺りですね.ここでリリースしているという事は,「これで減速量が十分だ」と判断している訳で,やっぱりちょっとブレーキの効きが強いのかも.「効きが強いなら~」と少し突っ込み気味にブレーキングを遅らせてみたら,ロックしちゃいましたし・・・.


③1コーナー立ち上がり(3つ目の赤丸)
リリースが早かったせいもあるのだと思いますが,アクセルを入れ始めてから前に進んでいない時間が長いですね.映像で見てみると,



エイペックスは過ぎているので,純粋にフロントタイヤが耐え切れていない感じ.原因の1つとしては内圧で,走行終了後に確認したら想定よりも10kPa低かったので,これが原因かもしれません.朝一の路面温度が低い時に合わせ切れなかったという事なのでしょう.


④1ヘア進入(4つ目の赤丸)
1コーナーの立ち上がりで前に進まない時間が長かったにも関わらず,1ヘアへの進入速度は1.6km/hアップ.やっぱり外気温ブーストの効果は大きいですね.なお,ここまでで0.08秒縮まってます.


⑤1ヘア立ち上がり(5つ目の赤丸)
前回のデータを見直していた時にタイヤを横に使い切っていた事に気づいたので,今回は少し修正.アクセルを入れるのを少し我慢したのですが,これだとちょっと待ち時間が長かったかも.進入のラインを修正して距離を縮めれば良かったですね.


⑥インフィールド進入(6つ目の赤丸)
1ヘアの立ち上がりを我慢した効果に,外気温ブーストが加わって,前回を圧倒する加速力です.これで0.2秒稼ぎ出しているので,今回のタイムアップ出来たのは,これのおかげです.

また,前回は若干ビビりが入ってブレーキングの開始が早かった点に関しては,ガーニーの変更によってバランスが整い,若干アンダー気味になったので,安心して突っ込めるようになりました.

リアのダウンフォース量を体感的に表現してみると,

 大 ・・・ ウイングを立てる + ガーニーフラップ(28mm)
 ↓
 中 ・・・ ウイングを立てる + ガーニーフラップ(14mm)  ←今回がコレ
 ↓
 小 ・・・ ウイングを寝かす + ガーニーフラップ(28mm)

という感じで,「大」だとリアが効き過ぎてフロントの接地が下がり,「小」だとフロントのディフューザーが勝ってリアの接地が下がっていたのが,ちょうど良くバランスが取れたような印象.あとは,高速コースに持ち込んで140km/h以上の領域でドラッグ量をチェックするだけですかね.


⑦洗濯板進入(最後の赤丸)
ここまで,全て最高速が上がっていたのに,このポイントだけ1km/hダウン・・・.2→3速にシフトアップした時点では今回の方が上回っていたので,恐らくここも原因はタイヤの内圧かと(タイヤがヨレてトラクションが抜けている).これで0.05秒失っているので,合わせ切れなかったのが悔やまれます.

ちなみに,タイヤの内圧が低い事に気づいた2本目は,10kPa上げて臨んだのですが,この頃には路面温度も上がっており,今度は目標値を10kPa上回ってしまいました(+20kPaという意味).この状態だと極端にグリップが低下して,曲がらない・止まらないで42秒を切るのがやっとでした.


以上,分析結果でした.

纏めると,TC1000においては空力の前後バランスは取れた感じなので,後はコースを変えて例のバイブレーションが出ないかどうか確認すると共に,ドラッグ(空気抵抗)の大きさを確認したいところです.

一方,ブレーキに関しては,やはり若干フロントのブレーキパッドが効き過ぎ.1コーナーでもロックするシーンがあるので,もう少し効きを弱めた方が良いでしょうね.RACING-N+は以前使っていたパッドと違って,ロックすると白煙も上がらず,ツゥーと滑っていくのでちょっと怖いです(分かり易さという意味では以前のパッドの方が良い).

まぁ,ロックするのはちょっとブレーキングを頑張り過ぎた時なので,自分が感じている限界点を疑わなければ大丈夫なのですが(コントロール出来るのですが),ウェットコンディションだと,かなり怖いかなぁ・・・?という感じです.
(TC2000の雨の洗礼が頭をよぎる・・・)

あと,空力・ブレーキ共に前後バランスのフィーリングは悪くありませんが,ロスしている部分を見ると若干アンダー気味なのですが,これは恐らくタイヤのせい(↓).


(一番摩耗が進む左フロントはスリップサインに達している・・・)

タイヤを替えればフロントのグリップも増すと思うので,その状態であれば,ちょうど良いバランスになるのでは?と思っています.
Posted at 2019/11/09 07:36:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(空力) | 日記
2019年11月06日 イイね!

悔しいので,もう1回!

悔しいので,もう1回!先週のTC1000では,一応,自己ベストを更新したものの,短時間に色々と押し込み過ぎて頭が疲れ切っていた上に,帰ってGPSロガーのデータを見返してみたらインフィールドを攻め切れていないという,何とも消化不良な感じ.

おだてのまつさんに「もっと早く来れば良かったのに・・・」と言われたり,39倶楽部のリザルトを見せつけられたりして,モヤモヤしたので,再びTC1000へ.

フォーミュラの枠のある日なので,平日とはいえピットは取れないだろうと思ったら,門前GPでは,まさかの5位.「さすが平日,人が少ないなぁ~」と思っていたら,その後クルマが増える!増える! 結局,終日,全ての枠で常時8台以上が走るという混み具合.皆さん,考える事は一緒ですね(苦笑).


さて,1本目をA枠で走り終えて,B枠の走行を見ていると,



「おやっ? この86は,もしや・・・」と思ったのも束の間,次に来たのが・・・,



「アレッ? このNC,どっかで見た事があるような・・・」

この特徴的なフロントリップ(?)が見覚えがあるのですが,思い出せないので,後ろから追尾してみました(苦笑).



「うぉっ・・・このNC,やっぱり速い!」

A052を履いている状態なら,何とかなるかなぁ~?と思ったのですが甘かったようです.

「悔しいなぁ~.もう1回!」と思っていたら,インフィールドで白煙を上げているクルマがいたので,そちらに惹かれて追尾開始.



インフィールドでのクルマの動き・白煙が上がる状況を,こんなにじっくり見れるチャンスはないので,夢中になって追いかけてたら,いつの間にか7周も経ってました・・・.まぁ,慣らしが不完全なブレーキパッドをシバくのには,ちょうど良かったという事で(笑).

あ~楽しかった!






























・・・で終わると怒られそうなので,本命のA枠の結果もご報告.



外気温ブーストをきっちり活かして,自己ベストを0.3秒更新!(41.437)

いよいよ41秒台前半に突入.これで,EF8の先輩まであと0.25秒!

ようやく,先輩の背中が薄っすらと見えてきたか!? あと少し・・・.あとちょっと・・・.
ここから先は,チリツモ(塵も積もれば~)でも良いので,拾い集めて0.25秒縮める策を見出さねば!!
2019年11月03日 イイね!

FF専用ブレーキパッド

FF専用ブレーキパッド以前,プロから「(直線でのフルブレーキング時に)リアのブレーキロックが酷い」と指摘を受けていました.

当時は摩耗しているタイヤだったので,単純なグリップ不足だと思っていたのですが,タイヤ交換後もブレーキング時に白煙が上がる状況だったので,リアのダウンフォースを増やして抑えつける対策を行ないました.しかし,EF8の先輩から「変わらず白煙は上がっているよ」と指摘され,対策が不足している(=もっとリアのダウンフォースを増やそう)と思っていました.

ところが,富士の結果からリアのダウンフォースを削る必要性が出てきてしまい,別な方法で対策する必要が出てきました.

一方,時を同じくして,フロントのブレーキパッドにトラブルを抱え,交換が必須となったのですが,これまで使っていたパッドが在庫切れで入手出来ず,メーカー変更を強いられてしまいました.どのメーカーを使おうか?と色々調べてみる過程で,こんな情報が目に止まりました.


(参考:駆動方式別パッドの選び方


これを読み進めるうちに,

「もしかしたら,FF専用ブレーキパッドが対策になるかも!」

と思い,探してみたところ,DIXCELとProjectμに「FF専用リアブレーキパッド」の設定があり,これと組み合わせるフロントのパッドを調べた結果,私が設定した条件にマッチするのはProjectμの方である事が分かりました.

次に,Projectμの中でフロントのパッドを選ぶ中でSTREET SPORTS系とRACING系の選択肢がある事が分かったのですが,サーキットユーザーは使い込むとSTREET SPORTS系→RACING系へ移行するケースが多かった事から,RACING系に絞込み.ついで,RACING系の中で,777と999は温度域が300℃以上だったので落選(冬場だとここまで温度が上がらず,計測1周目からアタック出来ない).残ったN1とN+のどちらかにする事になりました.



両者を比較してみたところ,ローターへの攻撃性以外はN+の方が満遍なく性能が良さそうなので,こちらをチョイス.結果,EF8の新たなブレーキパッドは以下の組合せとなりました.

 フロント ・・・ RACING-N+
 リア   ・・・ RACING-N1 FFR


早速,これを付けてサーキットへ!といきたいところだったのですが,パッドの選定に悩んだ事もあり,納期がギリギリとなってしまった事から,サーキット走行の当日に朝一でショップへ駆け込み・・・.


(右奥に隠れている1台を含めて,なんとEFが4台.ここはいつからサイバー専門店になったんだ・・・笑)


無事交換が終了した後,そのまま環八→外環→常磐道と繋ぐも,3連休のせいか,どこもかしこもヒドイ渋滞(泣).焦る気持ちを抑えつつ,何とか筑波サーキットに辿り着くと,TC2000にいるFD2に手早くGPSロガーをセットし,すぐさまTC1000のピットへ.ピット到着時点で既に午後の走行は始まっており,そこから大急ぎで準備して何とかO枠に間に合いました.


コースインしてまずは入念にパッドに熱入れした後,アタックしてみると,1ヘアで・・・,

「うわぁ~,止まらないー(汗)」

一瞬,「リアのブレーキが効かないって,こんなに止まらないのか?」「失敗したか!?」と思いましたが,どうやらフロントの熱入れがまだ不十分だったらしく,何周かアタックを続けると,ようやく狙い通りに止まるようになり,最後は42.458と,まずまずのタイムが出せました.


続けて2本目・・・に行く前に,ここでウイングの角度を調整.

以前,フロントディフューザーを装着してハードブレーキングを行なうとリアが吹っ飛んだ事があり,その対策としてウイングを1段階立てていたのですが,FF専用ブレーキの真価を確認するためには,吹っ飛んだ時と同じ状況を再現すべきだろうと,ウイングの角度を1段階寝かせました.

この状態で早速アタック開始.リアの抑えつけがなくなった分,フロントに荷重が乗っかり過ぎて,1本目よりはロックしやすくなりました.



動画の中で「キャキャッ,キャキャッ」という音がしているのが聞こえるでしょうか? それがロックしている時です.

ただ,以前のパッドに比べると同じロックでも少し違う感触で,以前のパッドはロックする時は一気にフルロックしてフラットスポットが出来るんじゃないか?と思うくらい焦げ臭くなりましたが,今回のパッドは「ロックはするが,僅かに転がっている」ような感触で,踏力を一定に保つと,この「ロックはするが,僅かに転がっている」状態を維持出来ます.これがRACING-N+が謳う「踏力に応じたリニアな効きと安定したコントロール性」というヤツなのか?と思っていたら,



スパーンと一気にロックして滑っていっちゃいました(苦笑).

「う~ん・・・ちょっとフロントの初期制動が強過ぎ?」
「こりゃ, RACING-N1の方が良かったかぁ~?」

なんて思いつつ周回を重ねていくと,いよいよFF専用リアブレーキパッドが真価を発揮し始めました.

当初は,リアのダウンフォースを削ったので,また吹っ飛んでいくんじゃないかと危惧していたのですが,フロントがロックして前に滑っていっちゃうので,リアが破綻するような気配は一切なく,むしろリアにしっかりと制動がかかった状態で,フロントに更に荷重がかかっている(更に沈み込んでいる)ような印象.

イメージ的には,こんな感じでしょうか.

【FF専用パッド使用前】


【FF専用パッド使用後】


「フロントを軸に,浮いたリアを振り回す」のではなく,「リアを軸に,フロントが更に切り込む」ような感触.まだ周回数が少ないので,何とも表現が難しいのですが,かなり独特のフィーリングです.

最初は,この独特のフィーリングに慣れず,「オーバーステア傾向で乗り辛いなぁ・・・」と思っていましたが,慣れてくると,

「よく曲がる~♪」

と楽しくなり,41秒台を連発!

とにかくコーナーでいとも簡単に向きが変わるので,アクセルが早く踏める! そのくせ,フロントにもしっかりと荷重が掛かっているので,アンダーも出ず,グイグイコーナーで曲がる!

「これは,イケるかも!」と思い,集中力を高めて1周を纏めてみると,



9月のタイムを0.021秒短縮し,自己ベスト更新!(41.740)


9月のタイムと比較してみると(青:前回 緑:今回)



気温差もあり,1ヘア進入・洗濯板進入時の速度が上がっていますが,それよりも1ヘア・インフィールドのボトムスピードが上がっている点に注目です.この結果が「よく曲がり,早くアクセル踏める!」というフィーリングを裏付けていると思われます.

惜しむらくは,まだ私がこのフィーリングに慣れていないというところでしょうか.インフィールドの切り込みでオーバーステアにビビって,早くアクセルを戻してしまい,トップスピードが4km/hも落ちているのが勿体無いですね.


以上,FF専用ブレーキパッドの感触でした.

何とも形容しがたい,独特のフィーリングではありますが,慣れればタイムにも繫がっていますし,総論としては成功ではないでしょうか.現状ではまだ,この新たなEF8を私は乗りこなせていない気がしているので,フロントのロックのし易さを再確認するためにも,再びTC1000を走りたいところです.
2019年11月02日 イイね!

オレさまFD2を追う者達 その②

オレさまFD2を追う者達 その②気温も下がり,いよいよタイムアタックのシーズンインをうかがわせる時期となってきました.

11月入って早々,早速オレさまFD2に挑む面々が筑波サーキットに集結し,ドライバー・マシンのコンディションチェックに励んでいました.

「打倒!オレさまFD2」という同じ目標を掲げる面々だけあって,議論が白熱し,反省会はタイトル画像のように深夜の時間帯まで行なわれ,初めて同席された方が「たったこれだけのコトで,こんなに熱く語り合えるのがスゴイ・・・」と呆気にとられるくらいでした(苦笑).


さて,今回は,オレさまFD2のお弟子さんから「前回のように,またアドバイスして欲しい」と要請を受けたので,私如きがおこがましいですが,GPSロガーを携えてTC2000へ行ってきました.


それでは,まずはお弟子さんの当日ベストからご覧下さい.



残念ながら自己ベストを大分下回る結果となってしまったようですが,車載を見せてもらったところ,かなり速度差があるクルマ達と同じクラスだったようで,トラフィックが酷く,まともにクリアが取れない状況でした(ちなみに,お弟子さんは25台中3番目のタイム).加えて,タイヤ・ブレーキに若干の不安を抱えていた事もあり,それらを含めてプレッシャーのキツイ状況だったのかもしれません.


続けて,以前頂いたお弟子さんのロガーデータと比較してみます(緑:'18/2月 青:今回).



上が車速,下が'18/2月に走行した時からの遅れ(上に行くほど差が開いている)ですが,これを見ると全体的にストレートが遅いですね.例えば,バックストレートだけで0.2秒も失っています.'18/2月(緑)の方は冬なので気温によるパワーの差という可能性もありますが,車載を見ると3→4速へのシフトアップで引っ張り切れていない気がします(=シフトアップが早い).

特に1ヘアの手前などが顕著で,画像で比較するとこんな感じです.

【'18/2月】


【今回】


画角が違うので,ちょっと分かりづらいですが,左上のコース図における座標(赤丸)の位置を見てもらうと多少分かるかと.'18/2月時はS字の1個目の縁石にフロントタイヤがのるくらいの位置でシフトアップしているのに,今回はその縁石が遠めに見える位置でシフトアップしています.画像の通り8km/hも低い状況でシフトアップしているので,そりゃあ,車速が伸びません.トップエンドの最もパワーの出る領域(8000rpm以上の領域)で,200~400rpmは使えていないのではないでしょうか? これはちょっと勿体ないです.


最後に,師匠とも比較してみましょう(緑:師匠 青:弟子).



 師匠 ・・・ 1'06.964
 弟子 ・・・ 1'08.653 (+1.689)


①1コーナー進入(1つ目の赤丸)
弟子(青)の方がボトムが4.2km/hも低いですね(ここだけで0.4秒の遅れ).当人に感触を聞いてみたところ,

 弟子 :速度が遅いとは感じていたけれど,前回,アクセルの我慢が足りないと言われていたので辛抱した.
 私  :速度が遅いと感じるなら,もっとステアリングを切り込めば良いんじゃないですか?
 弟子 :あれ以上は切り込めない.縁石を越えて芝生の上を走ってしまう!

これを聞いてピンときました.多分,ライン取りを間違えていますね(立ち上がり重視のラインが出来ていない).
折角なので,プロがFD2を走らせた時のお手本と比較してみましょう(赤:プロ 青:弟子).



まず,進入ですが,プロ(赤)の方が弟子(青)よりも外側,かなりイン側を空けてアプローチしているのが分かると思います.これはコーナー出口(立ち上がりの左側)の縁石をかすめて,アクセル全開で抜けるために,逆算してこうなっています.

続けて,クルマの向きが変わる点(ラインがカクッと折れている点)ですが,イン側をかなり空けているのが分かると思います.一見するとエイペックス(クリップ)を外して距離的に損しているように思えますが,その"インが空いている"というのがポイントなんです.先程,弟子は「あれ以上は切り込めない.縁石を越えて芝生の上を走ってしまう!」と言っていたかと思いますが,こうやってイン側が空けてアプローチすれば,芝生の上に出ないですよね? つまり,もっとステアリングを切り込めますよね? このステアリングを切り込むスペースを作るために,ワザとインを空けているんです.

そして,立ち上がり.先程より深くイン側にステアリングを切り込む事が出来た事で,クルマの向きを大きく変える事が出来ます.これによって,プロはコーナー出口のイン側の縁石をカットしながら,一直線に立ち上がる事が出来ています.一直線なので舵角(抵抗)が少なく,一直線なので躊躇なくアクセルを全開にでき,一直線なのでタイヤのグリップを全部縦方向に使えるので(RE-71Rが得意とするところなので)加速する,これが立ち上がり重視のラインのメリットだと思います.

なお,これを実現するために注意すべき点は,以下の2つかと.

 1.進入でインに寄せ過ぎない(意識的にイン側を空ける).
 2.インから離れる事で,曲がれるかどうか不安になってもアクセルを緩めない(高い速度を維持する).

余談ですが,これを手っ取り早く実現する方法は,自分が思っているよりもチョット速い速度でコーナーに突っ込む(ブレーキングをワンテンポ遅らせる)事です.オーバースピードで進入する事で,自然とインに付けませんし,アクセルを踏んで突っ込むので,緩める暇なんかないです(笑).

まぁ,当然の事ながら,その分リスキーにはなるので,高度な技術を持っているドライバーならブレーキング時のペダルコントロールで実現した方が良いでしょうね.


②1コーナー~1ヘア
ここは先程述べたシフトアップの影響です.2→3速(2つ目の赤丸)で0.1秒,3→4速(3つ目の赤丸)で0.1秒遅れています.


③1ヘア
進入のブレーキングで,開始(4つ目の赤丸)が早く,終了(5つ目の赤丸)が遅いです.このブレーキングだけで0.4秒遅れています.ここが"突っ込み番長"の異名も持つ師匠と弟子との差なんでしょうね,師匠は1ヘア手前のS字の2個目(右側)の縁石を下りてからブレーキングを行なうのに対し,弟子は縁石にのせる手前からブレーキングを開始している差でしょう.

ただ,最初,弟子が縁石下りてからブレーキングするのは,短い距離で止める自信がないからかな?と思っていたのですが(私もそうだったので),車載を見ると(聞くと),かすかにブレーキがロックしている(ABSが作動している?)ような音がしていました.弟子のFD2のリアのバネレートは20キロと言っていたので,もしかすると,縁石にのせた時に右リアが蹴られているのかもしれません.そうだとすると車体の挙動が不安定になるので,ブレーキングを詰められないのも納得出来ます.一度,減衰を弱めてテストしてみたいところですね.


③ダンロップ(6つ目の赤丸)
ここも師匠との差が明確に出ていますね(0.3秒の遅れ).前走車がいたので集中力が乱されたのだと思いますが,まだ1ヘアを立ち上がって,左側に寄せ切る前にアクセルを離すのは,さすがに早過ぎですね・・・.



ただ,アクセルを離す理由が「クルマを信用し切れない(左→右と車体を振り回すのが怖い)」せいであるならば,それはドライバーの技量のせいではなく,クルマのセッティングが自身の好みに合っていないのかもしれません.どういう時に不安になるのか?を減衰や内圧だけでも良いので,イジって探ってみては如何でしょうか?

加減速のタイミングはともかく,描いているライン取りは,以下のようにプロ(赤)と比べても遜色ないので,このライン取りのまま,如何にスピードを乗せられるか?という問題だと思います.




④80R~2ヘア~バックストレート
ここは師匠(緑)に全く引けを取らないですね.明確なタイム差にはなっていませんが,2ヘアなんかは弟子(青)の方が上手いように見えます.


⑤最終コーナー
ここは,師匠(緑)が最も得意としているコーナーなので遅れるのは止むを得ないですかね.師匠は進入のアクセルOFF(7つ目の赤丸)で無理やり0.2秒稼ぎ出していますし,ボトムをキープする事(最後の赤丸)で更に0.2秒稼ぎ出しています.ただ,このデータの師匠は最後アンダー出して失速しているので,コーナーの出口側で弟子(青)が0.2秒取り戻しています.

ここはクルマを信用し切れないとアクセルは踏めませんので,同じFD2同士,パワーにハンデを背負っている訳でもないので,詰めるのは最後の最後で良いと思います.


以上,纏めると,スタートライン~ダンロップまでの前半区間だけで1.4秒差がついているので,ここを何とかしたいところですね.ドライバー側では加速時のシフトアップ,減速時のライン取りをトレーニングしたいところです.また,クルマ側では,ブレーキング時を含めた全体的なスタビリティ(前後バランス)を確認したいところですね.

ブレーキング時のスタビリティ等は,ドライバーのテクニックでカバー出来る部分ではあるのですが,その分,心理的なプレッシャーも大きくなるので,クルマ側で対策を打って,ドライバーの負担を下げてあげた方が良い気がします.

まずは,自分のクルマを自分が信用出来る状態にする,それが出来たらクルマを自由自在に振り回せるように試してみる,この2点ではないでしょうか? くしくもこの2点は,師匠が日光・筑波で数年かけて取り組んできた部分でもあるので,そういう意味では,師匠の言葉に耳を傾けて,しっかりと背中を追う事が近道なのかもしれません.
Posted at 2019/11/03 14:53:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | 他者・他車分析 | 日記
2019年11月01日 イイね!

伊訳されたロードカー

伊訳されたロードカーAセグメントの予想外の過激さに驚かされましたが,それ以上に徹底したデザインのクルマが会場には存在しました.

それがイタリア語で「ロードカー」を意味する「ストラダーレ」の名が冠されたこのクルマ.



ダラーラ・ストラダーレ.

イタリアの名門レーシングコンストラクターである,ダラーラ・アウトモビリ初の市販モデル.イタリア製の高性能車と言うと,フェラーリ・ランボルギーニ・パガーニといったスーパーカーを思い浮かべますが,このクルマは「パワーにモノを言わせる」方向ではなく,ロータスのような「パワーウェイトレシオ重視」のクルマです.
(とは言っても,パワーは400PS/50kgfmもありますが・・・)

ダラーラが作るクルマなので,軽量(855kg)・高剛性なカーボンボディに目が行きますが,個人的には,最高速(280km/h)時点で820kgという強烈なダウンフォースの方に注目していました(もうちょっとで天井走れるレベル・・・).




では,また細部を見ていきましょう.まずフロントの取り入れ口.



ラジエターの横に仕切られた取り入れ口がありました.ここから取り入れられた空気がどこへ行くかというと・・・,



フェンダーの外側は完全に塞がれているので,エアカーテンのような考え方ではなく,タイヤの内側に流しているようですね.



そこから流れた空気は,タイヤハウスの後ろから抜くのだろうと思いフェンダー後部を見てみますが,ダクトが見えない・・・.



でも,こんな形状しているんだから,タイヤの後ろから抜いているのは間違いないよな・・・と思い,リアタイヤ側から覗いてみると,



「うわっ,ロアアームが見える!」

どうやらタイヤの前後は完全にフェアリングされており,そのタイヤの内側(ダブルウィッシュボーンのアームがある空間)を通しているようですね.これはLMP1等のプロトタイプカーと同じ考え方ですが,市販車で,ここまでやってるクルマってあったかなぁ~?と思いました(TS020のロードカーくらいしか思い浮かばない)

じゃあ,リアタイヤの後方も・・・と思い覗いてみると,



LFAみたいなラジエターは存在しないのでスカスカですね.



そして,センター部には当然の事ながらディフューザーが付いています.ロードカーですし,下面重視でウイングは大人しいんだろうなぁ~と思い,上部に目を向けてみると,



「えっ!? ウイングの角度おかしくない?」

と思い,横から見てみると,



ウイングの迎え角が強烈!

ショー用に大げさにしているのか?と思いましたが,ウイングは固定式なので,どうやらこれが標準のようです. ミッドシップですからリアのスタビリティが欲しいのは理解しますが,それにしても凄い! 見方を変えると,このリアウイングに対してバランスが取れるくらいフロントのダウンフォースを稼いでいるという事でしょうから,さすがはダラーラという感じですね.


以上,注目の1台でした.

色々な制約を背負うEF8で,真似出来る部分は勿論ありませんが,それでも市販車最高峰の空力の考え方みたいな部分を,今回学ぶ事が出来た気がします.
Posted at 2019/11/02 07:40:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記

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何シテル?   11/15 00:43
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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