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OX3832のブログ一覧

2020年04月27日 イイね!

シミュレーターは音響機材と同じ

シミュレーターは音響機材と同じ緊急事態宣言が出された頃,当然のようにサーキット走行も自粛する事になりました.

昔語りで散々書いたように,毎月サーキットを走る事が半分生活の一部になっている状態から,いきなりそれを「ゼロにしろ!」と言われると,頭では理解していても,やっぱり苦しいものです.

そうすると必然的に代わりになるものを探そうとして,行きつく先は・・・(皆さんご想像の通り)シミュレーションの世界となる訳です.

ただ,シミュレーションとは言ってもピンからキリまであって,こんなパッケージ品(↓)に手を出そうもんなら,軽く500万は掛かります.


T3R Simulatorより)

「500万!? いいクルマが1台買えるじゃん!」と思うかもしれませんが,仮にこのシミュレーターの寿命が7年だとしてら年間約70万.多分,隔週でサーキットを走っているような人達からしたら年間70万は,そんなに法外な金額ではないでしょう(計算すると嫌な気持ちになるので,ここではあえて試算しません・・・苦笑).


ただ,「じゃあ,買うのか?」と言われると,「これから先,一生サーキットを走れないなら,それも良いか・・・」とは思いますが,この自粛が永遠に続く訳ではなく,あくまで一時しのぎ.やがては実際のサーキットに戻る事を考えると,出費は出来るだけ抑えたくなります.

そうすると,汎用ゲーム機(PS4等)に目が行く訳ですが,「さて,どれにしようか・・・」と考えていたら,こんなニュース(↓)が流れて来ました.



YouTubeなので誇張されているように思えますが(笑),原文(↓)でも確かにそう言ってました.

F1, Gran Turismo – especially Gran Turismo, Gran Turismo is terrible, it feels nothing like a car, you just slide everywhere. It’s rubbish because of that, that’s why no one does it.

F1(ゲームタイトルのF1 2019の事です)とグランツーリスモ・・・特にグランツーリスモ,グランツーリスモは酷い.クルマとは思えないくらい,どこでもスライドする.そのせいでゴミだ.誰もやらない.


なかなか刺激的な発言ですね(苦笑).ただ,現役バリバリのF1ドライバーが言うんですから事実なのでしょう.
そうすると,「どこがどう違うのかなぁ~?」と気になったので色々調べていたら,こんな(↓)企画を見つけました.



現役のフォーミュラドライバーが,それも日本人選手(松下信治選手)が,コメントしてくれるというので食い入るように見てました.使っているハンドルコントローラ(ハンコン)が,HORIの「Racing Wheel Apex」なので,その点は差し引いて聞かないといけませんが,それでもなかなか興味深いです.

最初は「F1 2019」でF1を走らせていました.今回使ったハンコンが「フォースフィードバック(実車でステアリングを操作した時のような,重さや反動が感じられる機能)」がないせいもあるのでしょうが,「(グリップを)感じられないのが難しい」「(実際は)来そう!(滑る!)というのが分かる」「(実車のブレーキングでは)ロックする前に分かる」と言ったコメントが出て,違和感ありまくりのようですね.総評としては,

「コレ,XXXXですよ」

という事のようです(苦笑).


続けて,F2での走行.



「何だコレ!? 曲がんないじゃん(苦笑)」「超アンダー~」「こんなに曲がらない事はない」と非難轟々.「スピード感は結構似ている」というコメントもありますが,これはF1と比べての話でしょうね.一番興味深かったのが「ブレーキがリアルじゃない」「F2はもっと長く踏まないといけない」という点.これは現役ならではのコメントじゃないでしょうか.


続けて,今度はタイトルを「GT Sport(グランツーリスモ)」に変更.



最初は「エンジンが凄く遅い」せいで高速コーナーでは評価が低かったようですが,低速コーナーに入ると「ブレーキの感じが凄くイイ.凄く良く止まる」「実際のF1もこんな感じ」「ブレーキをドンと踏んでもよく効く」「(実際の)フォーミュラのブレーキに近い」と高評価.「タイヤのスキール音はここまで鳴る?」という問いに対しては「(実際は)聞こえない」という返事でしたが,「(実際は)もっと曲がる」との事で「グリップが高い」とこちらも高評価でした.総評としては,

「あそこ(F1 2019)までの(シビアさ)がない.こっち(GT Sport)の方が近い」

との事で,同じPS4同士の比較(iRacingやrFactorとの比較ではない)だからかもしれませんが,意外と「グランツーリスモ」の評価が高いですね.

やっぱり,現役のF1チャンピオンがフィードバックしている(↓)影響が大きいのでしょうか?



但し,そのグランツーリスモに対しても,「(切ったら切った分だけ曲がるのは)やり過ぎ」「(四輪の挙動の再現度は)まだまだ」との事でした.


ちなみに,話の中で出てきた実際のレーシングチームが使っているシミュレーターですが,調べてみたらこんな感じ(↓)でした.

【マクラーレンのシミュレーター】


【ダラーラのシミュレーター】


さすが,億の単位だと世界が違いますね・・・.

もう一つ,松下信治選手のチームメイトだったLouis Delétraz選手のシミュレータールームも調べてみたら,こんな感じでした(↓).





プロのレーシングドライバーがトレーニングに使うものだと,まだ現実的(?)ですね.
(と言っても,部屋の様子自体が既に現実離れしてますが・・・苦笑)


そうそう,現実離れ思い出しましたが,色々と調べる過程でモノの値段の話になった時に「シミュレーターの部品は音響機材と一緒」「拘りだしたらキリがない」と表現されている方がいて,なるほどなぁ~と思いました.

・・・で,究極的に拘るとどんな感じなのかなー?と思って調べてみたら,こんな方(↓)がいらっしゃいました.



映し方もあると思いますが,当時のF1のモンスターっぷりが見事に再現されています.
更にこちら(↓)がそのメイキング映像ですが,いやはや,凄い機材です.




実車同様にシミュレーションの世界も奥が深く,圧倒されて終わってしまいました・・・.
Posted at 2020/05/08 16:45:38 | コメント(5) | トラックバック(0) | シミュレーター・ゲーム | 日記
2020年04月25日 イイね!

フェンダーフラップの気流チェック

フェンダーフラップの気流チェック4月頭に追加した「フェンダーフラップ」.フロントバンパー側面を流れてきた空気をタイヤに当てないようにする事が狙いのパーツで,自粛が始まる直前に1度だけテストする事が出来ました.

結果は,まぁ微妙な感じで終わりましたが,細かく見ていくと,旋回速度は僅かながら増加した一方,ストレートスピードは若干ダウンしたようです.

空力,特にコーナリング中に効果がある代物だと,他の要因も絡んでくるため,なかなか明確に効果を示す事が難しい訳ですが,何とか可視化出来ないかな?という事で,こんな事を試してみました.



コイン洗車場のスプレー型洗車機を使って,フェンダーフラップに当たる気流を模擬してみました.この水流が車速が何km/hの時に相当するのか分かりませんし,そもそも水と空気とでは粘性も違うと思いますが,まぁ,何も分からないよりはマシという事で見てみます.

上の運転席側の動画のものだと,ちょっと見づらいと思いますので,助手席側を撮影した時のものから絵を切り取ると,こんな感じ(↓)です.



結構な勢いで外側に弾き飛ばしているのが分かりますね.
イメージ的には,以下の図(↓)の上側ようなものを描いていたのですが,それなりに実現出来ているようです.



ただ,バンパーの端部をそのまま延長した形なので,やや角度が急なのかな?とも思いました.急な分だけ外側への弾き飛ばす距離は長いが,すぐに車体側面に戻ってしまうのではないか?と.


そこで,今度は上側から見てみました(↓).





上から見ると,フラップの突き出し量が少ない分,意外と角度は緩やかなようです.上記のF1のイメージと結構近いですね.また,外に弾き飛ばす距離は概ねタイヤ1本分くらいはありそうです.


最後に側面からも見てみました.



側面からだと水の流れが見えにくいですが,注目すべきはフラップの上下端かと.





フラップの上端側は,それほど上に跳ね上げる形にはならないようで,この角度だとタイヤ上面には当たりそうですね.フラップの面積的には上側は少し足りていないのかも.一方,下側は水の重さもあるのでしょうが,結構な量を真下に叩きつけるような形となっています.下が路面な分だけ逃げ場がなく,これが空気溜まりとなって抵抗にならないと良いのですが・・・.


以上,フェンダーフラップの気流チェックでした.

小さな部品ですが,こうやって可視化してみると,ボディ側面の空気の流れに与える影響は意外と大きいようですね.問題はやはり「今回のチェックは実際だと何km/h時に相当するのか?」という点.この流れが200km/hの速度域だと,正直全く意味がないので,もうちょっと低い速度域でこの効果が得られていると良いのですが・・・.
Posted at 2020/05/07 16:13:20 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(空力) | 日記
2020年04月05日 イイね!

夏に向けて課題山積み

夏に向けて課題山積みアタックシーズンも終了し,徐々に気温も上がってきて,今まで寒さで隠れていた問題が色々と顕在化してきました.

最初はブレーキ.

先月の走行会でEF8の先輩を追いかけていた時,途中から1ヘアのブレーキングでグニャ~とした感触が.最初は何が起きたのか分からず,気のせいかと思っていたのですが,2周以上連続でアタックするとフィーリングが悪くなる.「これはフェードしているな・・・」と思い,走行終了後,ショップで点検してもらいましたが異常なし.


「気のせいだったのかなぁ~?」と思いつつ,先日またTC1000を走ったら,弟子のKさん・Tさんを引っ張るために連続周回していると(↓),



再びグニャ~とした感触が・・・.

こりゃダメだなと思い,現在使っているProject μの「RACING-N1」より耐フェード性の高い「RACING-N+」に戻し.



「RACING-N+」は効きが強過ぎてフロント荷重をコントロール出来なかったため,使いづらくて使用を止めたのですが,現在は当時よりもフロントのバネレートが上がっていますし,タイヤも引っ張り気味にして剛性が上がっているため,多少はロックしづらくなったはず….いや,反対にタイヤを潰しづらくなってロックを助長するか? う〜ん.分からん,まずは試してみるしかない.

冬の間使ってきた「RACING-N1」は初期制動力が弱いのでロックせず,かといって止まらない訳でもないので強く踏めばちゃんと止まる.ただ,絶対的に踏む時間が長いのでフェードしやすいのも納得.確かに「RACING-N+」に比べればコントロールの幅は広いものの,今度は初期の制動力が低過ぎて,TC1000の1ヘアはもとより,日光の10コーナーでも制動力不足を感じる場面アリ(プロにも指摘された).何かしらの改善は必要だ思っていたところではありました.

ただ,アベレージ41秒台の世界となると,さすがにノーマル相当のブレーキキャパだと足りない事がコレで分かったので,根本的にローターのサイズアップを考えないとダメですね….


次はタイヤ.

昨年の秋から使い始めたA052ですが,IN/OUT指定で左右入替え可能という事で,当初はRE-71Rよりも長持ちする印象でした.しかし,アタックシーズンの終盤はTC1000(走行時間:20分)で10本も走らせるとショルダーがツルツルになってしまい,RE-71Rと同等の摩耗速度になってきました.「使い始めた頃はこんなに減らなかったのに,最近は何でこんなに酷いんだ?」と思って考えてみたところ,どうやらフロントの車高を10mm上げた辺りから摩耗が進むようになってきた模様.

そこで,Tさんに撮ってもらった写真を使って,昔やったロール角分析を再びやってみました.

【10mm上げる前(1月)】


【10mm上げた後(3月)】


写真の撮影ポイントもタイミングも異なるので,かなり誤差が大きいのですが,両者のロール角を計測してみたところ,10mm上げた後(3月)の方が約1度くらい角度が大きくなっている事が分かりました.1G状態で10mm上げたという事は,荷重が掛かった時に10mm沈み代が増えるという事なので,ロール角が増えるのは当然と言えば当然な話.一応,バネレートが2キロ上がっているのですが,そんなんじゃフロントは全然足りてないようですね….フロントをこれ以上下げるとなると,ダンパーを買い直さないとダメなので,こちらも大掛かりな変更となりそうです.

ちなみに,リアの方は車高が変わらないまま,レートアップしているため,ロール角はちゃんと小さくなっているようで,インリフトもなくなってはいるようです(↓の動画を見てもインフィールドで白煙が上がっていない).




最後にコース攻略.

この間,砂子塾長のTC1000講義を聞いて学んだ事,





まだ上手く消化して取り込めてないですが,私&EF8の組み合わせに置き換えた時に,当てはまる点・当てはまらない点がありそうなので,もっと走り込んで見極めないとなぁ~と思っています.特に直さないといけないのがバックストレッチ明けの高速左コーナー.ここの進入角度を見直さないとスピードの伸びが足りない….


先行き不透明な情勢が続き,サーキット走行どころの話ではないのかもしれませんが,人もクルマも新たな課題に直面しているので,早く気兼ねなく,好きなだけ走り込めるような環境に戻って欲しいと切に願います.
2020年04月03日 イイね!

アップデート 2020 その③

アップデート 2020 その③走行から既に1週間が経過したのに,他人の分析ばかりで自分の分析を何にもやってない事に今頃気付いたので(苦笑),遅ればせながら振返りです.

今回のアップデートは「フェンダーフラップ」.

最初はカナードを追加しようと思っていたのですが,色々調べた結果,なかなか難しいデバイスである事が分かり,まずはデータを取るために,整流型と似た効果が得られるフェンダーフラップをチョイスしてみました.




早速テスト結果を・・・と,その前に.

当日,筑波へ向かう途中,白いEF8に追われました.


(峠でバトルしてるかのような写真に見えますが,気のせいです・・・笑)

GTウイングはついてませんでしたが,競技車両っぽい雰囲気だったので,「今日のファミリー走行で走るのかなぁ~?」と思っていたところ,筑波サーキット手前のコンビニに入って行って,その後,会う事はありませんでした・・・.記憶の片隅で見覚えがあるような気がしないでもないですが,よく思い出せないのでそのままにしておきます(笑).


さて,気を取り直してテスト結果です(青:フラップなし 緑:フラップあり).



今回のフェンダーフラップ追加の目的は,車高10mmアップによって失ったフロントディフューザーのダウンフォースを挽回する事なので,先にボトムスピード(2,4,6,8つ目の赤丸)に着目してみます.

インフィールドは0.5km/hと上がり幅は少ないですが,それ以外は1km/h以上ボトムを上げられる事が確認出来ました.正直,体感ではほとんど違いが分からなかったのですが,これを見るとほんの僅かですが効果はありそうですね(早くアクセルON出来ている).なお,上がり幅の少なかったインフィールド(6つ目の赤丸)に関してもアクセルON後に横滑りしているような速度の停滞が見られますが,ライン取りを確認したところ,コース幅を使い切れていなかったので,単純にドライビングミスですね(精進が足らん!).

コーナー毎に比較すると,それぞれ0.05秒程度のゲインはありそうなのですが,インフィールドでのドライビングミスがそれを台無しにしてしまっていて,タイムの短縮は0.15秒に留まりました.

一方,トップスピード(1,3,5,7つ目の赤丸)の方は,1コーナーとインフィールド進入はそれほど変わらないものの,1ヘアと洗濯板手前は1.3km/h程度落ちています.1コーナーの進入は最終の立ち上がりの良さで帳消し,インフィールド進入は1ヘアの立ち上がりの良さで帳消しにしたと考えると,やはりフラップによって前面投影面積が増えた分,ドラッグ(空気抵抗)は増えているようですね.このドラッグの影響はTC1000クラスだと,コーナー立ち上がりの加速力で何とか挽回出来ていますが,TC2000クラスだと挽回は難しそうですね・・・.

L/D値的に考えると,やや悪化したようなので,コースを変えてもう少しデータ取りが必要そうですね.
う~ん・・・やっぱり空力って難しい.


いずれにせよ,劇的な効果が得られた訳ではないので,「やっぱりダウンフォース型のカナードの追加が必要かなぁ~?」と思っていたところ,オレさまFD2の弟子のKさんが,カナードの有無を試すようだったので,データを取らせてもらいました.




では,比較結果です(青:カナードなし 緑:カナードあり).



各コーナー進入時のトップスピードを見ると,やはりカナードなし(青)の方が速度が伸びています.洗濯板手前だけカナードあり(緑)の方が車速が高いですが,これはインフィールドの立ち上がりの影響だと思うので,ちょっと横に置いておきます.他のコーナーはそうでもないですが,1コーナー進入時の速度差(1.3km/h)だけは0.1秒のタイム悪化に繋がっているので,やはりドラッグの増加は無視出来ませんね・・・.

一方,ボトムスピードですが,こちらは全体的に上がっています.唯一1ヘアだけ大幅に下がっていますが,これはカナードの効果がドライビングに影響を与えているためと思われます.何を言っているのか?というと,



青がカナードなし,赤がカナードありです.カナードあり(赤)の方が1ヘアのイン側に向かって寄って行っているのが分かると思います.細かく見てみるとカナードあり(赤)の方がほんの少しだけブレーキングの開始を遅らせており,ブレーキングしながらステアリングを切込んでいっている状況が生まれたのだと思われます.カナードあり(赤)だと,このブレーキングしながらステアリングを切り込んだ際の挙動変化が大きく,ドライバーが思っている以上にフロントが勝手に切り込んで行ってしまい,結果,立ち上がりのラインが苦しくなってボトムを落とさざるを得なかった・・・というオチなんだと思います.


ではなぜ,カナードがつくとブレーキング時の挙動が大きく変化するのか? それはブレーキング時のフロントの沈み込み(ピッチング)によって,カナードの角度が変化するためです.



ブレーキングによってフロントが沈み込むと(ピッチングが起こると),カナードの角度は立ち上がるため,水平時よりもダウンフォース量が増えます(エアブレーキみたいなもんですね).「ブレーキがよく効く! クルマがよく曲がる!って,良い事だらけじゃないかぁ~!!」と一見思うかもしれませんが,ピッチング量によって(クルマの姿勢によって),ダウンフォース量が敏感に変化する訳ですから,その変化を先読みしてドライバーが操作しないと,狙った通りのラインにのせられないという事です.

例えるなら,「1の操作で1.1,1.05の操作で1.15変わる」と思っているものが,「1の操作で1.1,1.05の操作で1.3変わる」ようなものです(倍以上変化する).ドライバーにとって,自身の操作に対してリニアに変化してくれないのは先の動きを予想しづらく,攻めにくいクルマになると思われます.慣れの問題と言えばそうかもしれませんが,今回のKさんのように数年振りにTC1000を走るようなシチュエーションだと,この動きの変化はハードルが高かったのかもしれませんね・・・.


以上を纏めると,今回のアップデートはTC1000においてはギリギリ成功と言えそうです.ただダウンフォースとドラッグのバランスを考えると得失の差は非常に僅かなので微妙なところです.やはりもっと上を目指すならカナードが必要という事なのでしょう.ただ,カナードのシビアさはKさんのデータから確認する事が出来たので,やはり取付角度等をよく考えないといけませんね.

・・・という事で,現在,EF8の先輩のカナード形状(↓)を分析中です.









最後におまけ.

筑波サーキットの帰りにEF8は20万kmに到達しました!



実はタイムアタック中にコース上で20万kmを迎えるんじゃないかとハラハラしていたのですが(笑),走行終了後,TC1000を出て9kmの地点で20万kmを迎える事が出来ました.現状大きなトラブルは抱えていませんが,さすがに生まれてから30年以上経ってますし,予防メンテナンスをしっかり行って,今後も一緒に走り続けていきたいと思います!
Posted at 2020/04/04 13:09:08 | コメント(1) | トラックバック(0) | アップデート 20XX | 日記
2020年04月02日 イイね!

ATR-K SPORT vs A052

ATR-K SPORT vs A052Sタイヤ扱い」について色々調べてみたものの,結局,ATR-K SPORTがそれに該当するのか分かりませんでした.

分からないんだったら,Sタイヤの定義の中の1つ「レーシングタイヤに近いレース用の性能を持つ」のかどうかで純粋に判断してみよう・・・という事で,A052と比較してみます.

同一条件下ではないので多少正確性は落ちますが,チューニングの度合いは違えど同じ型式(FD2)&同じドライバーでの比較です.

厳密にはATR-K SPORTの方は借り物なので,ドライバーがマージンを取っている可能性はありますが,そこは2年間の師匠にしごかれて腕前が上がっているハズという事にして相殺扱いにします(笑).


まずは,車載から.

【ATR-K SPORT:41.155】


【A052:40.424】


両者の差は0.7秒といったところですね.A052と0.7秒差って言われると,少なくともRE-71Rくらいのグリップはありそうな気がしますが,さて?


続けて,LAP+による比較(青:ATR-K SPORT 緑:A052).



ホームストレートエンド
やっぱり同じエンジンのクルマだけあって,最高速はほぼ一緒(1つ目の赤丸).ATR-K SPORT(青)の時の方が若干突っ込み気味であるため,0.3km/h伸びてますが,この程度であれば同等と考えて良いでしょうね.これで一先ず,エンジンパワーは同等として以降の分析を行います.


1コーナー
まず気になるのは,ATR-K SPORT(青)の方が突っ込み気味なのに,ブレーキングの途中で減速量が弱まっている点(2つ目の赤丸).この時の前後Gを見てみると,



ブレーキングによってマイナス方向(減速方向)に進んでいた前後Gは,A052(緑)の方が-0.6G程度でプラス方向(加速方向)に反転しているのに対し,ATR-K SPORT(青)は-0.9Gまでそのままマイナス方向(減速方向)に進んでいます.

これが何を示しているか?というと,「ATR-K SPORT(青)は縦のグリップ力が強くてブレーキングでよく止まるから,減速の途中でブレーキを緩められる」のではなく,「縦のグリップが足りなくてタイヤが滑り(ロックし),減速量が鈍っているだけで,ブレーキ自体の踏力を弱められない」という事です.ドライバー的には,止まらないのでクルマが勝手に加速し,勝手に加速するからブレーキングの時間が長くせざるを得ず,結果ボトムが落ちている(3つ目の赤丸),という構図のようです.

これで「ATR-K SPORTの縦のグリップはA02より劣る」という事が確認出来ました.


2コーナー
A052(緑)の方が1コーナー出口で早くボトムを高く維持出来た分,2コーナーの旋回速度も高いのですが,さすがに高過ぎてアクセルを少し戻しているようです(4つ目の赤丸).このアクセル戻しの結果,A052(緑)は旋回途中で失速し,1ヘア進入速度(5つ目の赤丸)はATR-K SPORT(青)に負けてしまいます.


1ヘア(7つ目の赤丸)
ここも1コーナーと同様に,途中でブレーキがロックして減速量が落ちている・・・と思いきや,前後Gを見てみると,



ATR-K SPORT(青)の方が途中でプラス方向(加速方向)に反転しています.これが何を示してるか?というと,「タイヤがロックしそうになったので,ドライバーは一度ブレーキを弱めてロックを回避し,その後,再びブレーキを踏み直してクルマを止めようとした」という事です.ブレーキをON→OFF→ONみたいな操作をしているのですから,当然,制動距離は延びる訳で,ATR-K SPORT(青)の方がボトムが7.2km/hも低くなるのは当たり前でしょう(これでATR-K SPORTは0.3秒遅れます).


インフィールド(9つ目の赤丸)
ここは攻略の仕方に違いがあるようです.強く・短く止めて,小さく回るATR-K SPRT(青)に対し,クルマを少しづつロールさせるかのようにブレーキを緩めながら進入し,最大舵角=ボトムとなるようにして,そこからアクセルを開けていくような走らせ方です.タイヤの横グリップがあるが故の走らせ方だと思いますが,きれいなV字を描いていますし,アクセルONのタイミングも早いですし,上手いですねぇ~.


洗濯板(10個目の赤丸)
A052(緑)の方がバックストレッチの加速が良かったのに,最後の最後で車速が伸びず(アクセルを緩めている?),数値的にはATR-K SPORT(青)に負けています.ちょっと勿体ない感じですね.


最終複合(11個目の赤丸)
洗濯板通過後の再加速(アクセルを開けるタイミング)は,やはりA052(緑)の方が早いですねぇ.ATR-K SPORT(青)の方は若干横のグリップが足りないようで,再加速のタイミングが遅いですし,何より最後の最後でアクセルが開けられず,ボトムが64km/hまで落ちています.ブレーキングでもう少しクルマが止まってくれればアクセルを早く開けられるのでしょうが,それは敵わず・・・といったところでしょうか?(これで差は0.4秒に拡大)


最終コーナー立ち上がり(最後の赤丸)
ATR-K SPORT(青)の方は立ち上がりで横方向に踏ん張ってくれず,外に膨らんでしまい(タイヤ1本分コースアウト),それをコースに戻すのにステアリング操作が入った分だけシフトアップ操作が遅れてしまい,95km/h付近で速度が停滞してしまったようです(これで更に0.3秒差が開いて,トータル0.7秒差).


以上,ATR-K SPORTとA052の比較でした.

今回の分析結果を見ると,ATR-K SPORTはA052に比べて縦のグリップが乏しいようですね.A052もRE-71Rに比べると若干縦のグリップが弱いですから,RE-71Rが好みのドライバーからすると,かなり使いにくそうですね.また,この縦のグリップが低い=フロントタイヤを潰し切れない,という構図になる事から,コーナーの立ち上がりでアンダーが出易くなりそうです.この立ち上がりのアンダーを打ち消すために,ブレーキを残す(ブレーキでフロント荷重をキープする)方法が考えられますが,この方法だと,ただでさえ縦方向のグリップが足りないのに,縦を使ったまま横方向にもグリップを使おうとするため,相当ボトムスピードを落とさないと曲がれなくなりそうです.

言うなれば「ATR-K SPORTは縦が弱いタイヤ」とでも言えば良いでしょうか? 決して縦が強くないA052と比較して,そういう評価になるという事は,やっぱりATR-K SPORTは「Sタイヤ扱い」にはならないのかな・・・?と思いました.
Posted at 2020/04/03 00:18:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | 他者・他車分析 | 日記

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