• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

OX3832のブログ一覧

2020年10月25日 イイね!

ZN6 vs EF8 その①

ZN6 vs EF8 その①もてぎネタのラスト.

走行中に86 Racingから煽られた話をしたかと思いますが,そのドライバーから「煽ってないですよー.ソーシャルディスタンスはちゃんと確保しましたよ(笑)」と証拠映像を渡されました.

この時の私のラップは 2'28.224.自己ベストの1.2秒落ちのタイムです.まだまだ攻略途中のラップなので,あちこちでミスしてますが,それを踏まえつつ私のドライビングの問題点を洗い出してみます.

まずは,追い駆けられた時のZN6の車載からどうぞ.




それではセクター毎に見てみます.まずはS1(赤:ZN6 青:EF8).


【第1コーナー】


ホームストレートエンドでの終端速度は,ZN6(赤)が165km/h,EF8(青)が158km/h.排気量差の通りの結果という感じです.ブレーキング開始のポイントはZN6(赤)が135m地点(スタートラインからの距離),私(青)が158m地点と若干奥ですが,これは前に私がいるのでZN6が若干マージンを取っただけでしょうね.なお,ライン的には大差がなく,若干私(青)の方が出口で膨らんでいる感じです.


【第2コーナー】


1~2コーナー間のボトムは,ZN6(赤)が84km/hで310m地点.一方のEF8(青)は同じく84km/hで299m地点.つまり若干,私の方が手前からアクセルを踏み始めているという事ですね.ただ,これはどちらかというと失敗で,完全に向きが変わる前にアクセルを入れてしまったため,タイヤの限界を越えてアンダーを起こしてしまい(スキール音が鳴っている),324m地点まで横滑り状態で加速していません.それでもB16Aが頑張ってくれて,3→4速にシフトアップするポイントまではZN6(青)と互角の加速力を示すのですが,4速にシフトアップ後はさすがに排気量差がしっかりと出てしまい,両者の差は徐々に広がり始めて,最終的にはZN6(赤)の到達速度は161km/h,EF8(青)は156km/hでした.


【第3コーナー】


ここはスローダウンした車両に引っ掛かってしまったため,割愛します.


【第4コーナー】


同じく引っ掛かった後なので,ここも割愛.
ここから加速して,3→4速にシフトアップするポイントでS1が終了.ここまででZN6が0.1秒速いようです.


続けてS2(赤:ZN6 青:EF8).


【第5コーナー】


ここも前のクルマに追いついてしまったので,私(青)は突っ込み切れず,1460m地点でブレーキングを開始.一方のZN6(赤)は1526m地点までブレーキングを遅らせて162km/hまで車速を伸ばしています.手前からブレーキングを開始したなら,その分しっかりとインに寄せれば良いんですが,緩いブレーキングに合わせ切れず,私(青)の方はエイペックスを外しています.アクセルONのタイミングも見誤って二度踏みしてますし,この辺りは我ながら「下手くそだなぁ~」と思いました(外乱に弱い・・・).


【130R】


私(青)の方はアクセルベタ踏みで駆け抜けていきますが,ZN6(赤)の方は途中でアクセルを戻しているようです.本人曰く「リアのスタビリティがない」そうで,踏み抜く事は出来ないとの事.これのおかげで次のSカーブまで全域私(青)の方が速く,終端速度も149km/hで全くの互角でした.


【Sカーブ1個目】


ブレーキングポイントは一緒ですが,そこからのライン取りが異なります.ZN6(赤)はRに沿って切り込んでいきますが,私(青)はコーナーのRを無視して外から回り込む感じ.これはSカーブの2個目に照準を当てていて,2個目をアクセル全開で抜けられるような姿勢を作る事が狙いです.


【Sカーブ2個目】


1個目のアプローチが功を奏して,Sカーブの2個目を私(青)は109km/hで旋回していますが,ZN6(赤)の方はスタビリティのなさから途中でアクセルを戻している事もあり,旋回速度は101km/hに留まっています.このSカーブを抜けたところでS2が終了となるのですが,この地点では私の方が0.1秒リードする形となりました.


更にS3(赤:ZN6 青:EF8).


【V字コーナー】


ボトムスピードはZN6(赤)が70km/hであるのに対し,私(青)の方は77km/hと高いところまでは良いのですが,再加速のためにアクセルONした後,またアンダーを起こして74km/hまで失速しています・・・.どうも今回は2速で回るコーナーが苦手で,ブレーキリリースのタイミング,ステアリングの切込みタイミング,アクセルONのタイミングの見極めが悪く,エイペックスにちゃんと寄せ切れていません.改めて見ても「下手くそだなぁ~」と思い知らされました.

そして,V字コーナーを抜けた後の上り坂では,ボトムスピードの高さを活かして何とか逃げているものの,ヘアピンカーブに向かって右→左へ寄せていく過程でEF8(青)は僅かに失速しています.ZN6(赤)の方も同じライン取りですが,こちらは全く失速していないので,この辺りが排気量の差なんでしょうね.舵角を減らす事が如何に重要か,改めて思い知らされました・・・.


【ヘアピンカーブ】


私(青)の方は3080m地点でブレーキングを開始.一方のZN6(赤)は3086m地点.僅か6mの差なのですが,この6mの区間を加速しているか減速しているかの差は大きく,0.2秒あったZN6(赤)との差がこれでゼロになってしまっています.ただ,私(青)の方は早めにブレーキングを開始した分,ブレーキ自体はあまり強く踏まず,奥までブレーキを残してフロント荷重をキープし,向きが変わった後はアクセル全開で立ち上がる事が出来ています.これによって2速域(~95km/h)ではEF8(青)の方が速く,再び0.1秒リードします.

その後,ダウンヒルストレートでは3速域(~133km/h)はZN6(赤)との差は変わりませんが,4速域(133km/h~)ではZN6(赤)の方が速く,差がジリジリと縮まります.S3はこのダウンヒルストレートの途中で終わりとなるのですが,両者の差は僅か0.03秒と完全にイーブンです.


最後のS4(赤:ZN6 青:EF8).


【90°コーナー】


ブレーキング開始のポイントは私(青)が3835m地点であるに対し,ZN6(赤)は3848m地点と13m奥です.170km/h台の13mなので,この差は大きく,ブレーキングが終了した時点で0.5秒もZN6(赤)にリードされてしまいます.「もっとブレーキ頑張れよ!」って話なのですが,走っている時の感覚からするとこれで限界なんですよねぇ・・・.これ以上ブレーキを頑張るとEF8ではロックするか,オーバーシュートするかのどちらかにしか思えない.ZN6(赤)のドライバーの止める技量の高さを感じさせられました.

その後の立ち上がりは,またアクセルONでアンダーを起こしてますが,それでもZN6(赤)よりは早く踏めているようで,5km/h以上高い速度でセカンドアンダーブリッジを駆け抜け,先程の0.5秒の遅れを取り戻します.


【ビクトリーコーナー】


ビクトリーコーナーへの進入はなるべくボトムスピードを上げた方が良いと思ったので,私(青)の方は4245m地点からアクセルOFF.操舵抵抗を使ってゆるゆると減速しつつ進入して,4342m地点でブレーキングしてアプローチします.対するZN6(赤)は4271m地点までパーシャルで進入.比較的タイトなラインを選んでいます.こういったアプローチの差があるせいで,両者のボトムスピードは大きく異なり,ビクトリーコーナーのエイペックス地点では,EF8(青)が83km/hであるのに対し,ZN6(赤)は72km/hと低いです.ただ,ボトムを捨ててでも早めのアクセルONを選んだZN6(赤)の方がホームストレートの伸びが良く.最終的には0.078秒差でZN6の方が早くゴールラインを横切る事になりました.

一応,言い訳をさせてもらうと,このラップのビクトリーコーナーは3速固定で抜けており,それによる加速の鈍さも影響していたかな?と思います.


以上の比較を動画にしたものが,これ(↓)です(音声はEF8の方を採用).



ZN6の方は目の前でEF8がウロチョロしている分,少しマージンを取っているでしょうが,S3~S4の区間はほぼ互角という感じですね.とすると,最終的なお互いのベストタイムの差(1.6秒)はS1~S2の区間で生じたという事なのでしょうか? 全体的に見ると高車速からのブレーキングのシーンでZN6の方が強く・短く止めて差をつけている事から,3か所あるビッグブレーキングの部分で1.6秒稼がれている可能性が高いです.

私のEF8は今年フロントブレーキの容量を増やしたのですが,それによってブレーキにキツい,このもてぎでもフェードする事なく無事走り切れた(ローターにヒートクラックも起きなかった)ものの,絶対的な制動力という意味ではまだまだ足りていないという事なんですかね? 単純にブレーキを強く踏むだけなら,もう少し出来る余地があるのですが,これ以上はロックする可能性が高く,そのロック領域を細かく使える「ABS」という武器を備えたクルマが相手だと分が悪いという事なのでしょうか・・・?

いずれにせよ,ブレーキングで強く・短く止める練習は今後も必要なのだと実感させられる比較結果でした.
Posted at 2020/10/26 03:07:17 | コメント(1) | トラックバック(0) | XXX vs EF8 | 日記
2020年10月24日 イイね!

当時のクルマはどうだったのか?

当時のクルマはどうだったのか?リアの足回りのセッティングをアレコレ考えつつ,イメージを固めている最中なのですが,もてぎでの走行終了後,想定外の空力テストでリアのダウンフォースを削れる事が分かり,いよいよやるべき事が定まってきたなぁ~と思っていました.

「ならば,一度実物を見ておかねばなるまい」と,走行会終了後にその足でコレクションホールへ.COVID-19の影響で特別展示もなく,売店も飲食物は一切売っていない寂しい状況でしたが,目的はそこではないのでさっさと3Fへ.



はい.目的はグループAのシビックです.

緊急事態宣言下での自粛期間中にグループAに関して色々調べていた訳なのですが,当代随一のFF使いの話を読んで,一体どんなセッティングをしていたのか気になりました.保管されている車両が当時のセッティングそのままという保証は何もありませんが,ホイールハウスやボディとのクリアランスからセッティングの可能範囲を類推する事は出来るので,現物を見ておこうと思いました.


まずはフロント.



キャンバーは2~3°くらいでしょうか.トーはゼロか若干アウトという感じですね.


続けてリア.



展示配置の都合上,よく見えない・・・.

立ったり・座ったりしながらキョロキョロ覗いてみましたが,フロントに対してキャンバーは少な目,トーは少なくともアウトに振っていないように思えます.



位置を変えて後ろから.

この角度から見ると,キャンバーはしっかりついていますね(1.5°くらい?).トーは分からないですが気持ちアウト寄りにも見えます.もっと近寄って正確に確認したいですが,これ以上は近寄れないのでもどかしいですね・・・.

まぁでも,目で見てすぐ分かるくらい,極端なキャンバーがついていたり,露骨にアウトに振っていない事は確認出来ました.これだけでも収穫です.


さて,ついでなので,こちらの車両も見てみます(JTCC アコード).



同じくフロント.



アレッ? トーが大分アウトに振れてる??

「そんなに振るの?」と思ったので,反対側のタイヤも見てみると左右で角度が合わない.「ああ,これは・・・」と思って中を覗いたらステアリングが右に切られていました.┐( ´Д`)┌


仕方ないので,リアに視線を移すと,



ん? リアの方がトレッドが広くないか??

JTCCの規定では,前後タイヤは同サイズだったはずなので,幅の違いはありません.レギュレーション上,トレッドの変更が許可されていたかどうかは記憶にないのですが,ジオメトリーを大幅に変更出来るのにトレッドだけ制約があるのもおかしな話なので,これは意図した設計に思えます.

念のため,スマホでHonda Racing Galleryのサイトを開いて確認してみると,



ああ,やっぱりリアの方がトレッドが広い・・・.

このクラスのマシンでは,FFでもリアをワイドトレッドにするんですね.それだけリアの安定性が欲しいという事なのか?と思い,上から覗いてみると.



微妙にトーインなような・・・.

まぁ,トップ争いをしていた当時のセッティングそのままとは限りませんし,参考程度のつもりでコレクションホールを後にしたのですが,頭の中で少し引っ掛かったので,家に帰ってから1997年型の方のJTCC アコードを調べてみると,こんな記述がありました.

 Honda Racing Gallery:Castrol 無限 ACCORD





つまり,最初フロントのトレッドを1600mmを広げた後(リアに対して+65mm),これではバランスが良くなかったのか? リアのトレッドを1590mmに広げて,両者の差を縮めたという事です.JTCCのアコードともなると車速域が全く異なりますが,それほど派手な空力デバイスが使えなかった点を踏まえると,リアの安定性に結構気を遣っていたというのは少々意外でした.

もっとも,ドライバーの着座位置すら変えてあるようなクルマなので,前後バランスは市販車と全く異なると思いますが,それでも露骨にリアのグリップを減らすような仕様ではないというのは勉強になりました.
Posted at 2020/10/25 11:16:30 | コメント(2) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2020年10月23日 イイね!

ガーニーフラップのドラッグ量

ガーニーフラップのドラッグ量6年振りのドライでの走行となったツインリンクもてぎですが,走行途中でガーニーフラップが外れるトラブルが起きました.

幸いにしてコース上に落とす事もなく,オレンジディスクを出される事もなく,無事回収する事が出来た訳なのですが,これにより期せずして,ガーニーフラップの有無を国際コースで試す事となりました.

私が付けているガーニーフラップはタイトル画像の通り,高さ14mm程度のサイズになるのですが,これでどれだけの違いがあるのか比較してみます.

まずフィーリングですが,正直違いは全く感じませんでした(苦笑).130R等で多少リアが流れ易くなったり,フルブレーキング時にリアのスタビリティが失われたりと心配していたのですが,全くそんな素振りはありませんでした.

じゃあ,違いは何もないのか?というと,公式のリザルトで最高速を見てみれば・・・,

 【ガーニーフラップあり】
   04周目 ・・・ 164.4km/h
   05周目 ・・・ 166.9km/h
   07周目 ・・・ 168.0km/h
 ―――――――――――――――
  平均   ・・・ 166.4km/h

 【ガーニーフラップなし】
   10周目 ・・・ 170.9km/h
   12周目 ・・・ 171.4km/h
   14周目 ・・・ 172.5km/h
   15周目 ・・・ 171.4km/h
   17周目 ・・・ 171.7km/h
   19周目 ・・・ 171.4km/h
 ―――――――――――――――
  平均   ・・・ 171.5km/h

ガーニーフラップなしの方がドライバーが慣れているという事を考慮しても確実に違いはありそうです.ちなみに,ツインリンクもてぎにおける最高速の計測点はS-3の終わり,ダウンヒルストレートの200mブレーキング看板になります.




違いは確実にありそうという事で,ロガーデータを細かく見てみます.

サンプルにしたのは,ガーニーなしが7周目(168.0km/h),ガーニーありは19周目(171.4km/h)です.ガーニーなしの方は14周目に最高速をマークしていますが(172.5km/h),このラップはDC2を追いかけていた時で(↓),



恐らくDC2の1秒遅れくらいの位置にいるため,若干トウ(スリップストリーム)の影響を受けている可能性がある事から除外しました.


次に比較のポイントですが,単純に比較するのであれば,やはりストレートが良いだろうという事で,ダウンヒルストレートで行ってみます.幸いにして比較対象のデータは,ストレート前のヘアピンカーブのライン取り・ブレーキングポイントがほぼ同一であったため,正しく比較が出来そうです(赤:ガーニーなし 青:ガーニーあり).




では,比較結果です(赤:ガーニーなし 青:ガーニーあり).



序盤はほとんど差がないですが,135km/h付近から少しずつ差が開き始め,最終的には6.9km/h,ガーニーなし(赤)の方が速度が高いです.

細かく見てみましょう.

                距離    ガーニーなし  ガーニーあり
 2速加速開始   ・・・ 3180m    62.06km/h    61.07km/h (+0.99km)
 3速シフトアップ ・・・ 3260m    95.22km/h    94.67km/h (+0.55km)
 4速シフトアップ ・・・ 3430m   134.20km/h   132.06km/h (+2.14km)
 ブレーキング   ・・・ 3810m   177.35km/h   170.51km/h (+6.84km) 

2速領域はコーナリング中で不正確なので除外するとして,3速・4速領域でデータを整理すると,

 3速領域 ・・・ (2.14 - 0.55)/(3430 - 3260)= 0.010km/h/m
 4速領域 ・・・ (6.84 - 2.14)/(3810 - 3430)= 0.012km/h/m

これに,3速領域がほぼ平坦(ダウンヒル前),4速領域が下り坂(ダウンヒル中)である点を考慮すると,両者の0.002km/h/m分の差は勾配の影響と考えられ,3速領域の数値の方が正確そうです.


以上を纏めると,私のEF8の場合「14mmのガーニーフラップを付けると,1m当たり0.01km/h遅くなる」という事が分かりました.つまり,100mのストレートであれば1km/h差,250m(TC1000)で2.5km/h差,1500m(FSW)で15km/h差って事ですね.そりゃ,ストレートで15km/hも遅くなったらBB6に勝てない訳だ・・・.


まぁ,実際のドラッグ(空気抵抗)は速度の二乗で効いて来るでしょうから,低速域ではもっと差が小さいでしょうし,反対に高速域では差は大きくなるかもしれませんが,いずれにせよ,無視出来る値ではないですね.

今回は想定外のテストとなりましたが,期せずして貴重なデータを得る事が出来ました.ガーニーフラップなしの状態でも,もてぎの130RやSカーブは安定して駆け抜けられましたし,高車速からのブレーキングでもスタビリティに不満はなかったので,今後はもう少しリアのダウンフォースは削る方向でセッティングを詰めていこうと思います.
Posted at 2020/10/24 02:03:34 | コメント(3) | トラックバック(0) | セッティング(空力) | 日記
2020年10月22日 イイね!

国際コースを全力で走れるか?

国際コースを全力で走れるか?神のお言葉を見て,改めて限界に挑まないと成長がない事を実感させられた後,「自分がサーキットで一番出来てない事は何だろう?」と振り返った結果,「国際コースを全力で走る事」が思い当たりました.

国際コースはアベレージスピードが非常に高いので,純粋に「怖い」と感じてしまいます.この「怖い」と感じる理由も分かっていて,1つ1つの操作に対してクルマの反応が物凄くピーキーなため,ステアリングの切込み速度なんか特に神経使いますし,切り込んだ後もアクセルをガバッとなんか絶対開けられません・・・.

これまで通算6回国際コースを走ってますが(もてぎ・鈴鹿・富士),「今日は全力で走った!」なんて感じた事はなく,そろそろこの苦手意識を払拭する必要がありそうです.


・・・という事で,ツインリンクもてぎの走行会に行って来ました.

最大のテーマは「恐れず全力で走る!」ですが,恐怖心を根性で抑え込んで,無理・無茶・無謀な運転をしても仕方がないので,1つの指標として「タイヤの性能をきちんと使い切る(=コーナーでタイヤを鳴らす)」というのを設けました.なんせ過去6回の国際コースチャレンジでタイヤを鳴らした事は一度もありませんでしたからね・・・(どんだけマージン取ってんだ!).

さて,ツインリンクもてぎのロードコースを走るのは今回で3回目.3年振りの挑戦となりますが,前回はフルウェットだったので.ドライで走るのは6年前まで遡る事になります.

コースを復習するために,3年前のウェットの動画をひたすら再生して見ていたのですが,フルウェットだったのでマージンをたっぷり取っており,今一つ全力で走るポイントが見定められません・・・.なので,他の方の動画を色々見て,トライするポイントを2つに絞りました.




1つは,最初の1~2コーナー.

もてぎの1コーナーと2コーナーはいずれも直角コーナーなのですが,この1コーナーと2コーナーの間は何も操作出来ない"待ち"の時間が長く,最も全力で走れていないと感じるポイントでした.「この"待ち"を何とか出来ないかなぁ~?」と色々調べた結果,1コーナーと2コーナーを合わせて1つのコーナーと見立てて走らせるのが攻略のポイントだと知りました(↓).




もう1つは,最後のヴィクトリーコーナー(12~13~14コーナー).

ここもライン取りが今一つ分からず,どうすると全力で駆け抜けられるのか分からなかったのですが,コチラの車載を見て,ポイントはセカンドアンダーブリッジの下,ココ(↓)の部分にある事に気づきました.



ただ,私の技量では,いずれも動画と同じ走りが出来るとは思えないため,私のEF8の特性に合わせて少しアレンジし,チャレンジしてみる事にしました.


では,早速走行開始!

もてぎにおける自己ベストは,6年前の 2'33.629 ですので,まずはこれをターゲットタイムとします.1周目:2'37.004,2周目:2'35.926と,タイヤとブレーキの感触を確かめつつ徐々にペースを上げていったところ・・・,



うぉっと! 危ねぇ!!

2速までシフトダウンするコーナーにおいて,ブレーキとアクセルのバランスが掴み切れず,オーバーランしかかり,ヒヤリとしました.ブレーキングで突っ込もうとすると止まり切れず,少し余裕をもってブレーキングすると落とし過ぎ.落とし過ぎたのをリカバリーしようとアクセルを入れたらアンダーと,なかなか上手いポイントが掴めませんが,それでもこの周に 2'32.389 の自己ベストを出す事が出来ました.


これで3周連続でアタックしたので,ブレーキを冷やすためにクーリングラップへ.後続車との距離を確認するためにバックミラーに視線をやると,そこにはリアハッチ越しに右へ左へ横切る謎の物体が・・・.

「ん? なんだコレ??」と思い,何度か見返すと何かが外れたらしい.オレンジディスクを出されたら厄介なので,そのままピットへ戻り,リアを覗くと,



ガーニーフラップが取れてる!

どうやら風圧で吹き飛んでしまったようですね.両面テープでの固定ですし,施行からそろそろ1年経つので止むを得ないですな・・・.国際コースですし,本当はリアのダウンフォースがしっかりと欲しかったのですが,仕方がないので完全に引っ剥がして再度コースイン.


最初は130Rでリアのスタビリティが失われないか気になりましたが,特に問題なさそうだったので,再度アタックに入るべくセカンドアンダーブリッジを抜けると,そこには,こちら(↓)のDC2が.



国際コースでしかお会いしない方なのですが,常に上位に食い込む猛者なので,追っかけてみました.



全く着いていけませんな.瞬殺で点にされてしまいました・・・(2'28.536).


そうして前方に意識を集中していたら,いつの間にか背後に目立つクルマが張り付いています.



先週末,岡山で開催された86/BRZレースに参戦していた,こちらの86 Racing(ZN6)が煽ってくるので,必死こいて逃げてみます.



サイドミラーに白い影がチラチラと映っているのが分かると思いますが,相手の方に余裕があるのがミラー越しにもよく分かりました(2'28.224).


「うぬぬ・・・.だったら,どこで差がつくのか見せてもらおうじゃないか!」と,一旦86をパスさせた後,今度は後ろから追いかけてみます.



DC2ほどではありませんが,やっぱり点にされてしまいました・・・(2'27.924).


そんな感じで「まだまだタイヤの性能を引き出せていないのか・・・」と打ちひしがれつつ,ふと気がつけば残り時間もあと僅か.そろそろ最後の纏めに入る時間帯.1周クーリングして準備を整え,最後のアタック.



結果は 2'26.810 で自己ベスト大幅更新となりました.

しかし,GPSロガーが途中で落ちてしまったので,私はこのタイムが分かっておらず,1周を完全に纏め切った手応えがなかったので,そのまま連続でアタックに突入! これが正真正銘最後のアタック.右上のタイム差表示(青い=前のラップより速い)に注目してご覧下さい.



ご覧の通り,途中ダウンヒルストレートまでに前のラップ(2'26.810)から1秒以上タイムを縮めていたのですが,残念ながら90°コーナーで引っ掛かってしまい,25秒台には入れる事が出来ませんでした・・・.


最後の1周がやや消化不良に終わりましたが,自己ベストを7秒近く更新しましたし,全力で走ったので走行終了後はヘトヘトでしたし,指標にしていた「タイヤを鳴らす」もちゃんと出来ましたし,個人的には満足です.また,1~2コーナーも徐々にモノにする事が出来た点(上の動画を1本ずつ見てもらうと走行ラインが徐々に変わっていくのが分かります),ヴィクトリーコーナーの攻略法を習得出来た点は次回の走行にも繋がるんじゃないかと思います.

やはり国際コースを攻略して全力で走るのは大変でしたが,大変だからこそ(難しいからこそ)面白く,「やりがいがあるなぁ~」と強く感じました.機会があれば是非ともまたチャレンジしてみたいと思います.
Posted at 2020/10/23 02:42:32 | コメント(3) | トラックバック(0) | 国際サーキット | 日記
2020年10月12日 イイね!

アンダーカバーとゴルフボール

アンダーカバーとゴルフボール足回りの課題とセッティングの方向性が見えてきたので,その変更に合わせた空力の見直しも必要そうだとアレコレ考えている途中で,こんな記事(↓)を見つけました.

【海外技術情報】アウディ:e-tron Sモデルの革新的な空力コンセプトに迫る(Motor-Fan TECHより)

「e-tronなのでEVかぁ~」と思いつつ,読み始めたらなかなか興味深かったので,細かい部分が気になり,アレコレ調べていたらいつもの状態になっちゃいました(苦笑).という事で久方振りの空力調査です.

まず,e-tronは先述の通りAUDIのEVです.私は最初「その"S Model"という車種名なのかぁ~」とか思っちゃっていたのですが(テスラに洗脳されてますね・・・),AUDIがいつもスポーツモデルに使っている"S"モデルという意味でした.(´ー`A;) アセアセ

EVですから,駆動力面ではどうとでもスポーティに仕上げられるだろうと思いますが,驚きなのはクーペスタイルとはいえ,SUVなのにCd値(空気抵抗係数)が0.26と驚異的な数値を示している点です(ちなみに,CR-XのCd値は0.30).どんな工夫がされているのか? まずは動画を見てみます.




最初に出てきたのは「エアカーテン」.



欧州車お馴染みの技術なので,いつものアレだなぁ~という感じです.


面白かったのが次,「ホイールアーチトリム」.



ホイールアーチにスリットを設けて,そこを通過させる手法です.他で見た事ないなぁ~と思っていたのですが,この記事では「特許取得済み技術」と書かれているのでAUDIオリジナルなのでしょうね.狙いは「ホイールハウス内の破壊的なスワール制御」と書かれていますが,何の事か分からないので動画で確認してみたところ,こういう事(↓)のようです.



タイヤの手前からエアカーテン状に抜け出した空気を,タイヤ後端部に巻き込ませ(スワールさせ),それによってタイヤ部分をガードするかのような気流を作り,フロントバンパー側面を流れてきた空気をキレイに横へ逃がしてやる効果があるようです.

【スリットなし】


【スリットあり】


これにより,抵抗が減る(下段の点線部分参照)のだそうです.面白いですね.


さて,これがSモデル特有のデバイスですが,スタンダードのe-tronにも空力デバイスが色々付いています.



1つ目が「バーチャルミラー」.

【コンベンショナルミラー】


【バーチャルミラー】


これは見ればすぐ分かりますね.バーチャルミラーは鏡の代わりにカメラを使うので,明らかに小型化されているのが分かります.キレイな気流の中にデン!と突出している物体が小型化されるのですから,効果は容易に想像出来ますね.資料を読むと全幅で150mm短縮され,これだけでCd値は0.005改善したとの事です.さすがにカメラへの置換えは素人には難しいでしょうが,目で見てすぐ分かるデバイスですね.


1つ飛ばして次は「可変エアインレット」.

【クローズ状態】


【オープン状態】


フロントグリルに付いているルーバーを開閉する事によって空力効果を得る代物ですね.冷却性能とのトレードオフになるので,どれくらいの間閉めておけるのか分かりませんが,こちらはCd値が0.015改善するそうです.さすがは正面,効果が大きいですね.


ちなみに,私はこういったシャッターを見ると,旧DTMマシンを思い出します.



ストレートでシャッターが閉じると文字が浮かび上がるのが格好良かったですねぇ~.何でもアリだった当時のDTMにおいても,さすがに可変空力デバイスは禁止だったからと「冷却デバイス(ラジエターシャッター)」として申請して使用していた話も面白かったです.

最近はこのシャッターもそんなに珍しいデバイスでもなくなってきましたが,そもそもの起源はドコだったのかなぁ~?と思って調べてみたところ,何と驚き,世界初採用はAE86だったんですね!



AE86カローラ・レビンに採用された世界初の画期的な装備とは?(cliccar)

これは不勉強でした・・・.


さてさて,脱線した話を戻して,最後に途中で飛ばした「アンダーボディ」の話.

「フラットなアンダーボディカバーで覆って・・・」なんて謳い文句は,もはや当たり前過ぎて聞く気も失せてきますが,Cd値を0.017改善とやっぱり効果が大きいようです.「ええ,ええ,そうですよねー」なんて思って映像を見ていると,



「ん!? ちょっと待て」

どこがフラットなんだ? ボコボコじゃねーか!と思いつつ,資料を読んでみると「高電圧バッテリーをボディにボルト留めしているポイントにはゴルフボールのようなディンプル加工が施され,フラットな表面に比べてスムースなエアフロ―を実現します」なんて書いてあります.

確かにこれだけ大きなボルトでボディ(というかシャシー)と留めるのはEVならではなのでしょうが,普通は頭頂部がサラ形状のボルトを使って,何とかフラットにするものです.それをわざわざディンプル加工ですか・・・.


「ディンプル加工」というのは,ゴルフボールの表面のボコボコの事です.元々ゴルフボールはつるつるの表面だったそうですが,傷がついたり,凹んだりしたボールの方がよく飛ぶ事に気づいて今日の形状になったそうです.意味があってあの形状になった事は知っていたのですが,メカニズムまで細かく調べた事がなかったので,詳しい解説がないかなぁ~?と漁ってみたところ,空力解析の結果を見つけました.

パッと知りたい! 人と差がつく乱流と乱流モデル講座(Cradle)
第16回 16.1 ゴルフボールの流れ 解析概要、16.2 ゴルフボールの流れ 解析結果



ディンプル加工があると,ボール後方の渦の発生の仕方に違いがあるようですね.


更に読み進めると・・・,

第17回 17.1 ディンプルの影響



ディンプル加工がある方が気流の剥離が遅く,球の後ろに出来る渦の大きさが小さくなるようです.渦の大きさ≒抵抗ですので,小さな渦を多数作る事によって,大きな渦の発生を低減し,それが最終的に空気抵抗の低減に繋がる・・・というメカニズムのようですね.


空力における「渦流制御」の話は,F1ではよく聞く話ですが,いよいよ市販車でもそういった領域に踏み込み始めたという事なんですかね.さすがにこのレベルになると,素人にはさっぱり分からないと思いますが,何でもかんでも真っ平にすればいい訳じゃない,という考え方はなかなか新鮮でした.
Posted at 2020/10/13 01:19:36 | コメント(3) | トラックバック(0) | セッティング(空力) | 日記

プロフィール

「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2020/10 >>

    1 2 3
45678910
11 121314151617
18192021 22 23 24
25262728293031

リンク・クリップ

[ホンダ シビックタイプR]SPOON ツインブロックキャリパー 
カテゴリ:参考
2025/04/28 00:41:13
練習会のお供に 
カテゴリ:参考
2023/08/05 17:04:28
運動不足? 
カテゴリ:参考
2022/03/08 22:53:47

愛車一覧

ホンダ CR-X ホンダ CR-X
中古で入手し,コツコツ直し続けて20年. 一通りのメンテナンスが終了し,2014年よりサ ...
プジョー 208 プジョー 208
実家でお買い物カーとして活躍していた208が廃車となってしまったため,代替えとして新しく ...
プジョー 208 プジョー 208
20年走ってくれたティグラに代わって実家にやってきた新車(なんと21世紀を迎えてから初め ...
オペル ティグラ オペル ティグラ
アンドロストロフィーのティグラの活躍に一目惚れし,母が乗り換えを検討した際に猛プッシュし ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2004年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2003年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2002年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2001年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation