
日光の走行会帰りに起きたトラブルも
無事直ったので,溜まっている課題を解消しにTC1000へ行って来ました.
今回のテーマは「リアタイヤの内圧」.6月にサーキットアドバイザーでお馴染みの
蘇武喜和さんにEF8に乗って頂いた際,「(クルマを尖らせるために)リアの内圧を上げてみましょう」とアドバイスを頂いたのですが,内圧をイジる前に,まずは足回りの方向性を先に決めておこうと思い,
フロントトーの修正と
リアの減衰設定の見直しを行いました.そしてお次は内圧・・・というところでトラブルが起きてしまい,間隔が少し空いてしまいました.
トラブルはトラブルでしょうがなく,1ヵ月振りのTC1000という事で,まずはベースラインの確認から.
先月の日光でもリアの内圧上げはトライしていたので,まずは温間2.50キロターゲットでスタート.
結果は,T2枠(8:20~)を走って
41.750 とマズマズのタイムが出ました.ここのところの酷暑を10℃も下回る気温:28℃,気圧:1012hPaというコンディションを踏まえれば,まぁ,ほぼ想定通りのタイムかな~という感じです.フロントトーはやはり修正後のOUT 0'20の方が良さそうで,ステアリングを切った分だけ曲がる感じで,操舵抵抗でクルマが前に進まないような感触もありませんでした.
基準が定まったところで,ここからテストを開始.まずは内圧を2.50キロ→2.70キロまで上げてみます.
A5枠(10:20~)でコンディションは気温:+1.5℃,路温:+6℃と悪化した状況でしたが,フィーリング的には2.50キロ時と比べてさほど大きな違いは感じず・・・.若干ステアリングレスポンスが良くなった印象があり,舵を切り足していった時(大舵の時)に,最後の最後でクルマの向きがクルッと変わるようになりました.方向性としては良い感じなものの,タイム的には大きなゲインはなく,41.953 とコンディション相当に0.2秒タイムダウンしました.
内圧的にはまだ足りないようなので,ピットインして更に2.70キロ→2.85キロまで上げてみます.
これで明確にリアが動いてくれるようになりました.1コーナーやヘアピン等は,舵を少し入れただけでクルマが勝手に曲がるようになり,懐かしい感触です(笑).ただ,向きを変えるのは楽になりましたが,まだどこまで滑るのか?が掴み取れず,スライドが止まるまでの待ち時間が少し長い印象.早めにアクセルを開けるとフロントが横に逃げるので,ライントレースの難易度も上がりました.加えて,リアのスライドに起因したフロントタイヤの荷重不足も感じられ,LSDの悲鳴も聞こえますし,「全体的に少し滑り過ぎかなぁ~?」という印象です.また,内圧を上げた事でリアが固くなり過ぎ,洗濯板通過後の着地で跳ねるようにもなりました.こういった各所のロスが増えたせいだと思われますが,タイムも 42.492 と一気に0.5秒も落ちてしまいました・・・.
「さすがに2.85キロはやり過ぎだったかな?」と思ったので,ここで一度,蘇武さんにアドバイスを求めてみます.
現在の状況を伝えると,
・フロントが横に流れるのは,アクセルを開ける量が多過ぎるからかもしれない.
・まだリアタイヤに横方向の力が残っているうちに(↓),フロントで引っ張ろうとしてもフロントが負けてしまう.
・アクセルを開けて,リアタイヤに掛かる力を一気に止めるのではなく,少しずつ開けて徐々に引っ張る感じで・・・.
・アクセルを開けるのが遅くなる分のロスは,進入速度を上げて相殺する感じで.
・最終的にはロガーで比較して,「アクセルの早開け」と「ボトム上げ」のどっちが良いか?という話になると思う.
「なるほど! まだドライバー側でやれる事があったか!!」と思いつつ,「(目安的な意味で)リアの内圧はどこまで上げて良いか?」と質問すると,
・前後差で1.0キロくらいまで.フロントが2.0キロならリアは3.0キロくらい.
・話を聞いていると,リアは少し落とした方が良さそうに感じる.
・0.05キロ・・・いや,0.1キロくらいかな?
ふむふむと思いつつ,会話の過程で「そう言えば,1コーナー・ヘアピン・インフィールドでは向きが変わるようになったのに,最終コーナーだけは相変わらず向きが変わらないな・・・」という事を思い出し,その事を話すと,
・あ~,だったらもっとオーバー方向に振っても良いかもしれない.
・1コーナーのオーバーが酷くなるかもしれないけど,そっちはドライビングで何とか出来る.
・それより,最終コーナーの立ち上がりの取り分の方が大きい.
・最終で曲がらないのは,オーバースピードのせいかもしれない.
・もっと手前でアクセルを抜いてみてはどうか?
・あるいはブレーキを踏んでみるとか.
といったアドバイスを頂きました.他にも「オーバーが出たら更にステアリングを切って止める」といった高等テクニックを教えて頂きましたが,ちょっと私のスキル(というかメンタル)では出来なそうなのでこれは辞退して,内圧を2.85キロ→2.80キロに落としてバランスを見つつ,あとはドライビングで何とかしてみる事にしました.
午後のP2枠(13:20~)という事でコンディションは更に悪化しましたが(気温:+2℃,路温:+8℃,気圧:-1hPa),42.292 とA5枠から0.2秒タイムは回復.スライドのコントロール性も良く,バランス的にはこれくらいが良さそうです.
ただ,相変わらず最終コーナーの入口の向きの変わりが悪いので,こちらはブレーキを併用してみる事に.
3年前に学んだテクニックを思い出して,久し振りに使ってみましたが,当時よりも旋回速度が上がっているので時間が短く,操作が非常に苦しい・・・.それでも苦しい操作を何とかこなしてみたところ,ブレーキを併用した方が確実に向きは変え易かったです.
ドライビングを合わせ込むために,その後も何周かトライしてみましたが,終盤はリアタイヤがオーバーヒート(表面温度が58℃まで上がってました・・・)して,フットブレーキだけでドリフト出来る状態になっちゃいました(苦笑).
そんな感じでリアタイヤの内圧テストは終了.オイシイポイントは見つけられたものの,全体的なフィーリングとタイムを踏まえると,
(―‘`―;) ウーン…
という感じ.「フロントタイヤのグリップが全て」だった今までの状況に比べると,選択肢は広がった(ドライビングの自由度が増えた)感はありますが,「速さ」という意味では退化した印象.「内圧で対処するのは正しい選択じゃない気がするなぁ・・・」と思っていたところに,
「悩んでるみたいなので来てみました」
(・∀・)/
と蘇武さんがわざわざ足を運んでくれました.
早速,「ちょっとリアタイヤをジャッキで浮かせてもらえます?」とリクエストを受けたので,フロアジャッキを引っ張り出してセット.
「リアタイヤのストローク量が気になるんですよねぇ~」と仰るので,タイヤが浮くまでジャッキアップしたところ,「ああ,結構ストロークありますねぇ~」との事.そこから,こんな感じかな?とコーナリング中のリアのリフト量を再現して頂き,
蘇武さん :(外から見ていると)ほとんど3輪状態にならないんですよねぇ.
蘇武さん :リアタイヤの回転が全く止まらない.
蘇武さん :ヘアピン等では多少リアはロックしている感はあるのですが,
蘇武さん :それでも微妙に路面と擦れて,かすかに白煙が上がる程度.
私 :ああ・・・やっぱり全然インリフトしてないんですね.
私 :乗っていても浮いてる感じが全くしないのですよ.
蘇武さん :乗ってる時の感触と実際の状況は一致しているのですね.
蘇武さん :じゃあ,間違いないな.
蘇武さん :バネレートはどうなっているのですか?
私 :フロントが14キロ,リアが12キロです.
私 :但し,リアには0.2キロの遊び防止みたいなヘルパーが入ってます.
蘇武さん :車高は?
私 :前後水平です.
蘇武さん :走行中は若干リア下がりに見えます.
蘇武さん :フロントに余力があるなら,リアの車高を上げても良いかもしれない.
蘇武さん :レーキをもっと付けても良いかも.
私 :ヘルパーも外した方がいいんですかね?
蘇武さん :外さなくてもストロークを縮めて(ヘルパーを潰して)しまえば? その方が簡単ですし.
蘇武さん :あと,フロントのサスペンションがストロークしてない感もあるんですよねぇ.
私 :リアのスプリング長は6インチですが,フロントは7インチなんです.
私 :なので,ストローク量自体はフロントの方があるはずなんですが・・・.
蘇武さん :ボディが捻じれて,サスペンションを潰し切れてないような感じなんですよねぇ.
蘇武さん :すじがねくんみたいなのは入ってます?
私 :
入ってます(↓).
私 :あ! 最近フロントのバネレートが高過ぎなんじゃないか?と思ってます.
私 :205/50R15に対して,14キロは高過ぎなんじゃないかと.
私 :最終コーナーで曲げるのが苦しくて,試しに減衰を抜いてロールさせたら楽になった事があります.
私 :14キロだと,アクセルOFFで潰し切れていないんじゃないか?と.
蘇武さん :あ~,それはあるかもしれませんね.
蘇武さん :フロント12キロ,リア10キロくらいに落としても良いかもしれませんね.
私 :有難う御座います.大分方向性が見えてきました.
私 :最後に,頂いた案を試す順番みたいなのはありますか?
蘇武さん :①リアの車高アップ→②リアのストローク減→③フロントのレートダウンですね.
私 :分かりました.今日は暑くてもう試す気が起きないので(笑),次回試してみます!
以上,内圧テストと今後の方向性でした.
乗っている時に何となく肌で感じていた事を,蘇武さんに外から見てもらい,指摘頂けたのは大変助かりました.どんなに自分で頭の中でイメージを膨らませても,実際にそれを自分の目で見る事は出来ないので,どうしても半信半疑になってしまうのですが,これでスッキリしました.
蘇武さん,毎度の事ながら貴重なアドバイス有難う御座いました!<(_ _)>
対策を施して,次回の走行で確認してみたいと思います.