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OX3832のブログ一覧

2023年03月25日 イイね!

225/45R15 vs 205/50R15

225/45R15 vs 205/50R15知り合いに「(エンジンに関連する単語で)VEって何の略?」と聞かれたのですが,「Value Engineering」しか思い浮かばず,多分違うなーと調べてみたところ「Volumetric Efficiency(体積効率)」の事でした.

「体積効率」というのは,エンジンがどれだけ空気を吸えているか?を比率で表したもので,例えば,排気量が1600ccのエンジンなら1600cc分,空気を吸えていれば体積効率100%となります.NAで100%にするのはかなり大変なのですが,ターボの場合は過給しているので簡単に100%を超えるんだよなー,なんて話を思い出したOXです.

さて,A052との相対評価で期待外れに終わったNANGKANG CR-Sの225/45R15ですが,そもそも再びCR-Sを使う気になったのは,周りのGK5やらZC32Sやらが225/50R15でタイムを出していたためで,何とか彼らに一矢報いるために「再び225幅を使うか!」と思ったのが事の発端です.

「だったら履けよ!」と言われそうですが,これは既にテストして答えが出ていて,「TC1000においては225/50R15⇔205/50R15でタイムは変わらない」という結論に達しています(日光とTC2000なら225の方が速いです).この時の見解としては,205/50R15→225/50R15で外径が20mm大きくなるので「これのせいかなー?」と思い,外径を落とせる45扁平を探していたのですが,国産にはそんなマイナーなサイズの設定はなく,海外製・・・という事でCR-Sが再び登板しました.


恐らく今後225/45R15なんてサイズを使う機会は訪れない気がするので,1年前に使った同じくCR-Sの205/50R15と比較し,結果を纏めておこうと思います.

なお,比較条件はこれまた色々異なるので,以下に列挙しておきます.

【コンディション】
 225/45R15 ・・・ 気圧:101.5kPa 吸気温:20℃
 205/50R15 ・・・ 気圧:101.5kPa 吸気温:19℃

【スプリング】
 225/45R15 ・・・ フロント:HAL springs 12.0キロ リア:HAL springs 12.0キロ
 205/50R15 ・・・ フロント:HYPERCO  14.3キロ リア:HYPERCO  11.6キロ

【フロントタイヤ】
 225/45R15 ・・・ CR-S(外径:583mm 幅:225mm)
 205/50R15 ・・・ CR-S(外径:587mm 幅:214mm)

【リアタイヤ】
 225/45R15 ・・・ A052 195/55R15(外径:595mm 幅:201mm) + RAYS CE28 (6.5J INSET:+45)
 205/50R15 ・・・ A052 195/50R16(外径:602mm 幅:201mm) + ADVAN RZⅡ(7.0J INSET:+48)

コンディションは偶然にもほぼ一緒,路面温度は分かりませんが225の方は曇り空,205の方は8時台という点を踏まえると恐らく同等でしょう.スプリングは結構違いますが,この組合せ同士なら感覚的には似たようなものかな?と思います.リアタイヤの差に関しては結局,冬の間丸々テスト出来なかったので何とも言えません・・・.


続けて,今回サンプルにするデータはコチラ(↓).

【225/45R15:41.514】


【205/50R15:41.533】


タイヤの外径はほぼ一緒,幅を10mm増やすのに2本で7,520円追加で掛かる訳なのですが,それで稼げるのがたったの0.019秒だとするとホント辛いですね・・・(泣).


準備が整ったところで比較に入ります(赤:225/45R15 青:205/50R15).



ホームストレート~1コーナー進入
205(青)の方が0.8km/hほど進入速度が高いですが,他の区間を見ると車速の伸びに差は見えないので,恐らく助走のズレでしょう(無視します).面白いのはブレーキング.幅の太い225(赤)よりも205(青)の方が止める時間が短いですね.やっぱり225(赤)は高反発スプリングのせいでタイヤを潰し切れていないんでしょうか? それともブレーキロックに反応して人間ABSが入っているんでしょうか・・・? ただ,225(赤)はブレーキが緩い分,減速域の旋回速度は上がっているので結果的には0.1秒リードする事にはなっています.

1~2コーナー
完全に互角ですね.笑っちゃうくらい差がないです.厳密には205(青)の方が1コーナーのアクセルONが早かった分,0.01秒速いという状況ですらあります.2コーナーは前後・左右のGとの戦いなので,タイヤ幅が太い事で横Gに強くなったとしても,太い事で抵抗が増えて前には進まなければ結果は一緒という事なんでしょうか・・・?

ヘアピン
ここは太さの勝利ですね.ボトムは225(赤)の方が5km/hも高く,更に0.08秒リードを広げています.

インフィールド
ここは225(赤)の方が「やや突っ込み過ぎでミスっている??」と思いたくなりますが,やっぱり「高反発スプリングは曲がんない」という証左なんじゃないかとも思います(HALの高反発はHYPERCOで+2キロするよりも高反発なんだと重ねて思います).ヘアピンとは一転して225(赤)の方が5km/hもボトムが低いので,これがこの後ジワジワと効いてきます.

バックストレッチ~洗濯板進入
車速の伸び等は両者共に変わりませんが,225(赤)はインフィールドの立ち上がりで遅れたので,全体的に205(青)の方が僅かに車速が高く,どんどん差が縮まっていきます.

最終複合
225(赤)の方が太いはずなのに,205(青)の方が全域上です.これで完全に追いつかれます.最終の複合は定常円旋回みたいなものですが,これでタイヤの幅が活かせないってなんなんでしょうね? タイヤの「太さ」と「抵抗」の損益分岐点みたいなものがこの辺りにあるって事なんでしょうか・・・?


以上,225/45R15 vs 205/50R15でした.

なんだか途中からタイヤよりもスプリングの要因の方が強いような気もしてきたので,フロントのスプリングを替えてもう一度確認してみたいとも思いますが,一先ずはA052の時と同様に「TC1000においては両者に差はない」という結論になりそうです.

差がないのであれば,安い方を使うのが道理だと思いますので,やっぱり225/45R15を使うのは今回で最後かなぁ~?と思いました.
Posted at 2023/03/27 12:24:03 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2023年03月24日 イイね!

A052 vs CR-S(異サイズ編) その①

A052 vs CR-S(異サイズ編) その①私はラップタイムの計測にDigSpiceを使っているのですが,EF8の先輩を始め古くからサーキットを走っている方は「サーキットアタックカウンター」を使われています.古い製品なので壊れて正しく表示されないとか,液晶が見えないとか,トラブルを抱えつつ使っているそうですが,先日,HKSから「CIRCUIT ATTACK COUNTER Cute(CAC Cute)」という新製品が発売されたそうです.計測方法は変わらず磁気式で,CAC Cute本体とiPhoneを連携させてスマホ表示も出来るのだそうです(なので配線不要).ただ本体の電源がボタン電池だそうで10時間しかもたないというのはどうなんだ・・・?と思ったOXです.

さて,ようやくエンジンの出力が安定したので,1月に投入したCR-Sの225/45R15サイズの評価が出来ました.スプリングとタイヤの要因を切り分けるためにフロントタイヤをA052に履き替えて比較も行ったので,纏めておこうとおもいます.

ちなみに,サイズを筆頭に諸々条件が以下のように異なるので,あくまで参考です.

【コンディション】
 CR-S ・・・ 気温:16.8℃ 路面温度:23.1℃ 気圧:1016.8hPa
 A052  ・・・ 気温:18.0℃ 路面温度:24.4℃ 気圧:1015.5hPa

【タイヤサイズ】
 CR-S ・・・ 225/45R15(外径:583mm タイヤ幅:225mm 重量:?.?kg)
 A052  ・・・ 195/50R16(外径:602mm タイヤ幅:201mm 重量:8.4kg)

【ホイールサイズ】
 CR-S ・・・ ADVAN RZⅡ(リム幅:7.5J INSET:+40 重量:約5.0kg)
 A052  ・・・ RAYS CE28N(リム幅:7.0J INSET:+48 重量:約5.0kg)

【タイヤ製造週】
 CR-S ・・・ 22年18週
 A052  ・・・ 21年35週

コンディション的には全てCR-Sの方が有利です.タイヤサイズはCR-Sの方が外径が20mm小さく,幅も24mm太く,おまけに扁平率まで小さいのでかなり有利です.ホイールはどちらも適正リム幅という感じですが,INSETが片側8mmも違うので,CR-Sの方がトレッド面で相当有利です.なお,A052の方は16インチサイズのホイールですが鍛造なので重量はほぼ同等です(CR-Sの方は鋳造).最後タイヤの鮮度はこちらもCR-Sの方が新しく,A052の方はショルダー部分がこんな感じの状態なので(↓),



まだ溝がくっきり見えるCR-Sの方が相当有利だと思います.


早速,比較に入ります.まずは公式のラップタイム.

【CR-S】
  計測1 ・・・ 41.663
  計測2 ・・・ 41.803
  計測3 ・・・ 41.737
 -----------
  平均  ・・・ 41.734

【A052】
  計測1 ・・・ 41.872
  計測2 ・・・ 41.958
  計測3 ・・・ 42.034
 -----------
  平均  ・・・ 41.954

平均値通り,大体0.2秒CR-Sの方が速い感じですが,「太さが2ランク(タイヤ幅で24mm)も違って,たったの0.2秒かよ・・・」っていうのが個人的な感想です.


続けてロガーデータの比較ですが,タイム差があるものを比較してもあまり面白みがないので,ここでは両者共に41.8秒のデータをサンプルとして比較してみます.



赤線がCR-S,青線がA052,黒線がタイム差です.順番に見ていきます.

スタートライン~1コーナー進入
CR-S(赤)の方が車速が2km/h低いですが,これはこのラップの助走をミスっただけでタイヤのせいではありません.1コーナーのブレーキングはCR-S(赤)の方が太い分,詰められるので約6mほど奥でブレーキングを開始しています.

1~2コーナー
A052(青)の方が若干手前からブレーキングしたせいもありますが,ボトムは5km/hくらいA052(青)の方が高いです.確かにCR-SはA052に比べて斜めのグリップがないのですが,タイヤ幅がこれだけ違うのに悲しいですね・・・.1コーナーを抜けた後のコーナリングはほぼ同等.タイム差もついていません(これまた悲しい).

ヘアピン
ここもCR-S(赤)の方が太さを活かしてブレーキングを奥まで我慢出来ます(よく止まる).但し,減速Gは両者共にほとんど変わらないのがこれまた悲しい.そして,前回のブログでも触れたコーナーのミドル部分.ご覧の通りA052(青)の方がボトムも高いですし,立ち上がりのアクセルONも早いです.

インフィールド
インフィールド進入の時点でA052(青)の方が0.17秒リードしており,前半区間はA052(青)の圧勝です.しかし,ここからCR-S(赤)が反撃を開始.技を封じられて「曲がらねぇ~」と思っていたインフィールドですが,こういう領域は力で捻じ伏せて走る方が速いようで,CR-S(赤)の方が車速をさほど落とさなくてもコーナリング出来ています(ボトムが3km/h高い).

バックストレッチ~左高速コーナー
インフィールド立ち上がり後の車速の伸びは,CR-S(赤)とA052(青)でほぼ互角なのですが,ボトムが高い分,CR-S(赤)の方が絶対値が高いので,バックストレッチで2→3速に上げる頃には,前半区間で失った0.17秒の差を取り返しています.

洗濯板~最終複合
洗濯板進入のブレーキングでも,やはりCR-S(赤)の方が遅らせる事が出来ますが,特段これで有利になる事もなく,最終複合で帳尻を合わせているので,ここは両者互角といった感じです.


纏めると,225幅のCR-Sが有利な点はインフィールド(タイヤのグリップで力任せに曲げる領域)だけで,他は195幅のA052と同レベルという事のようです.乗っていた時に感じた通り,



ちゃんと荷重を掛けて曲げる,コーナーのミドル部分では20mm以上細くてもA052の方がグリップで上回っているのは間違いないようです.


以上,A052 vs CR-Sの異サイズ格闘戦でした.

タイヤのグリップで曲げるか? クルマの姿勢を作って曲げるか? ドライバーのスタイルによってタイム差は変わると思いますが,「喰わなくても(安くても)太けりゃ何とかなるかなぁ~?」と思った作戦は,「細くても喰う方(高い方)がやっぱり速い!」という正論の前に敗れました.今回の経験を活かし,次回タイヤがなかった時はサイズを落として探す方向にしようと思います.

ちなみに,CR-Sがここまで勝てなかった要因の1つとして,「タイヤ重量」というのがあるんじゃないかな?と思いました.実物を測っていないので正確な重量は分かりませんが,タイヤ交換で持ち上げた際「CR-Sはホント重いなぁ~」と思います.「これだけ重いとパワー喰われるよなぁ~」と思った瞬間,こもりん.さんが折に触れて「ローパワー車はタイヤの重量で差が出る!」と仰っていたのを思い出した,そんな分析結果でした.
Posted at 2023/03/25 12:11:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2023年03月23日 イイね!

そして,復活へ

そして,復活へ今週に入ってモーターランド三河のコースレコードが8年振りに更新されたそうで,久方振りに公式HPを見に行ったら,6月から休業してコースレイアウトの変更を行うとの事.どう変わるのか分かりませんが,EF8の先輩が帰国したらまた行きたいなぁ~と思うOXでした.

さて,復活の兆しから4日.1週間で仕上げてくれたショップに報いるためにも,早速TC1000に行ってテストして来ました.


直前の予報ではあまり天気が良くなく,曇りと雨の間を行ったり来たりしているような状態でしたが,経験則的に「降り出すのは11時頃だろう」と思ったので,2本はドライで走れると判断して臨みました.行きの高速は雨予報で皆さんの出足が鈍いのか? やけに空いていて,いつもより15分も早く到着してしまいました.

雨予報なので湿度は100%.当然,筑波ではお馴染みの霧が出ていてTC1000のゲートも霞んでいましたが,珍しく早く着いていたAT使いのBB6の隣にクルマを止めると,



なんとご神体の真ん前となりました!
この睨みを利かされる位置が幸運を生むのか? 不幸を呼び込むのか? はたして・・・?(笑)


テキパキと準備を終わらせて隣のBB6に挨拶をすると,「コース,再舗装した?」と聞いてきます.そんな話は聞かないですし,2日前に走った人達のブログでもそんな気配はなかったので,「えっ? してないと思いますよ」と答えると,「そうかぁ~,なんかコースの雰囲気が違うのだけれど」と言うので霧が晴れ始めたコースを覗いてみると,



「あっ! 白線が引き直されてる!!」

コースのイン側とアウト側がくっきり分かるようになりましたね.ピットとコースの合流部分のホワイトラインも延長されているような? 記憶にある限り白線が引き直されたのは,2016年(↓)以来??



いずれにせよ,アウト側の白線がはっきりと見えるようになったのは個人的にかなり嬉しい.これでアタックライン時のクルマの位置取りも容易に分かります.


そんな感じで周囲の知人に声を掛けたり・掛けられたりをやっていると,ゲストで来ていた井尻さんにも声を掛けて頂きました.


(画像は走行会終了時のものです.朝のドラミの時に撮影すれば良かった・・・)

前回のレッカー時にも声を掛けて頂いて,機械的なトラブルではなく,電気系のトラブルであった事をお伝えしました.お気遣い頂き有難う御座いました.<(_ _)>


さて,早速1本目(9:00~).

私が走るクラスは今回は3台しかいないので,車間を空けて念入りにタイヤのウォームアップをします.最近CR-Sのウォームアップの悪さが話題になっていますが,それで私も一度痛い目に遭ったので,路面温度は既に20℃を超えていますが,何度も何度もフロントに荷重を掛けます.1周丸々フロントだけを温めるのに使ったので,これでどうだ?とフルブレーキングを試してみると,



ズザザザ・・・と普通にロック.ホント温まりが悪いですねぇ.この後,更に2周ウォームアップに費やし,とっくにリアは温まってるよ!って感じでした.その後,一応失火が本当に直っているか確認するために9割くらいの力でラップを刻んでみたところ,41.7秒をマーク.失火の気配は一切感じませんでした.フロントタイヤもロックしない事が確認出来たので,もう一度車間を空けて今度は全開でアタック.



結果は 41.514.このタイムなら失火は完全に直ってますね!
その後も4回アタックしてみましたが,フィーリングは変わらず,安定して41.6秒台をマークし,パドックに戻っての再始動でも普通に掛かりました~♪

これでようやくホッと一安心.万が一の事態に備えて現地に来てくれていた工場長にも問題ない旨を伝え,これで11月のTC2000から始まった,5ヵ月に及ぶ失火との戦いにようやく終止符が打たれました(長かった・・・).

原因を突き止めてくれた工場長達に,改めて感謝の意を述べさせて頂きます.


続けて2本目(10:00~).

遂にエンジンが完調になったので,これでようやく他のパーツの評価を正しく出来ます.
まずは,フロントに入れたHALの高反発スプリング



マトモに走れない中でも薄々感じ取っていた事が今回で確信がもてました.やはり私のドライビングには合ってないですね.「HALの高反発はHYPERCOより低反発」という噂でしたが,私は全くそう思いませんでした.「HALの12キロ・高反発は,HYPERCOの14.3キロと同等かそれ以上の反発力」というのが私の見解で,低荷重域ではフロントが突っ張ってしまい,全然ロールしないので姿勢を作れず,進入はひたすらアンダーステアです.その一方でHYPERCOの14キロほど高荷重にも耐えられないので,ブレーキロックもし易いですし,高速コーナーの立ち上がりで車体が外側に流れていきます.感触的にこのスプリングのせいで0.1秒は失っている気がします.

続けて,NANGKANGのCR-S 225/45R15



昨年の春にCR-Sを試した際,「同サイズであればA052の0.2秒落ち」というのが私の評価だったので,幅を205→225(タイヤ幅で214→225mm)にすればA052の205幅相当になるかなぁ~?と期待していたのですが,正直こちらも失敗でした.これは3本目の方で詳しく述べます.


という事で,ラストの3本目(11:00~).

2本目でCR-Sの感触は大体見切れたので,フロントタイヤを使い古しの195/50R16のA052に変更して比較してみました.サイズを筆頭に諸々条件は異なるのですが,全部CR-S側が有利になるような感じです.結果は,タレた225幅のCR-Sとフレッシュな195幅のA052が同等という感じで,コーナーを3つに分けて説明すると,



 コーナーの入口(Entry)  ・・・ CR-Sの方が幅が太い分,ブレーキングでよく止まる
 コーナーの中間(Middle) ・・・ 完全にA052の勝ち(泣)
 コーナーの出口(Exit)   ・・・ A052の方が大径なので,加速がモッサリするだけ(他は変わらない)

今回使ったA052はショルダー部分の溝がないような状態ですので,同じ鮮度だったら225幅のCR-Sを195幅のA052で上回れたのでは・・・?とすら思いました.私の買っているところでは,この両者の価格差はほとんどないですし(※値上げ前時点),これなら例え2ランク細くてもA052を買った方がいいなぁ~と思いました.


以上,遂に復活したエンジンと,3ヵ月遅れでようやく出来たパーツ評価でした.

走行会終了後は,突如オレさまが「モツ定食いたいから,帰りはお前のクルマで帰る!」とワガママを言い出し,LINK ECUのセットアップ用に整えておいた助手席の片付けをさせられる羽目になりました・・・.



サロンでモツ定を食べた後,最寄のセイコーマートにも寄らされ,まだ2時台だというのになぜか激混みの首都高の渋滞にも耐えて,駅まで送ってあげました.ガソリン代を請求してやろうかとも思いましたが,失火が直ったエンジンは「オレさま」という数十キロの追加のウェイトを積んだ状態でも,苦もなく加速してくれるくらい調子が良かったので,今回は大目に見てあげます(笑).
2023年03月19日 イイね!

復活の兆し

復活の兆し北米にいるEF8の先輩と時折やりとりをするのですが,先日はタイトル画像の「NOS」が送られてきました.まさか雪道の鍛錬車にNOS(Nitrous Oxide System:亜酸化窒素噴射システム)でも投入するのか!?と思い聞いてみると,コレ,コカ・コーラのエナジードリングなんだそうです.現在は提携したモンスターエナジーによって販売されているそうですが,モータースポーツ分野ではこのブランドでポートすればいいのになぁ~と思ったOXです(そんな事したら本家本元に怒られるかな??).

さて,「悪化し続ける日々」が続いたので,観念してEF8をショップに預けて長期入院を覚悟していたのですが,ショップのLINK ECUの知見者が集まって3人(4人?)掛かりで徹底的なチェック・対策・テストを行ってくれたようで,なんと! 僅か1週間でEF8が戻ってきました.



預ける際,「最短でも1ヵ月くらいはかかるんだろうなー」と思っていたので,店長から電話が掛かってきた時には素直にびっくりしました(出た瞬間は別の案件の話だと思っていたくらい).全くそのつもりがなかったので慌ててスケジュールを組み直し,ショップに向かって話を聞いたところ,原因は主に以下の2つだったそうです.

  ①接点の半田浮き
  ②燃調の大幅な崩れ


①は,LINK ECUを取付けるのに使っている変換ハーネスにおいてスロットル系の一部に半田浮きが見つかったとの事.これの厄介なのは「浮き」という点で,完全に半田が剥がれてしまったり,割れてしまえば導通チェックで引っ掛かるのですが,「浮き」なので完全に切れている訳でもなく,かといってちゃんと繋がっている訳でもなく・・・といった気まぐれ状態.症状に一貫性や再現性がなかった原因は,どうやらそのせいだったようです.

恐らく,ヘアピンの立ち上がり等で時々起きていた,エンジンが吹け上がらなくなる症状(↓)は,



これが原因ではないか?との見解でした.


②は,①の症状が起きてもエンストしないようにアレやコレやと対策を行った結果,燃調のベースが大幅にズレてしまい,環境変化に対する耐力が落ちていたのではないか?との事.大元の①の問題が解決した事で,これらの対策は不要になった事から再セッティングが行われました.

セッティングし直すに当たり,今回のゴールとして設定されたのが「如何なる状況であっても,純正ECUの値(↓)で必ずアイドリングさせる!」というもの.



今まで使っていなかったLINK ECUの機能を総動員して,セッティングに当たったようなのですが,乗ってみた瞬間に工場長達の執念が伝わってきました(笑).

今まで実現出来なかった低いアイドリング回転数なので,エンジンから凄まじいバイブレーションを感じるのですが(エンジンマウントを固めてるせいもある),どんなに回転数が落ちても,「意地でもエンストはさせない!」と言わんばかりにアレコレソレやと制御が動いて,最後には必ずアイドリング回転数まで戻ってきます.この間,エンジン回転数は目標値の前後を行ったり来たりとハンチングし,音は賑やかだわ,振動は酷いわ,と正直乗ってて怖いのですが(苦笑),確かにエンストはしませんでした.


・・・という事で色々頑張って頂いたのがよく分かったので,早速当日そのまま高地へテストしに行きました.

ショップを出たのが19時過ぎであり,翌日も普通に仕事がある日なので,前回のテストコースを途中で折り返す形に留めて,首都高→中央道→談合坂へと向かいました.



手持ちの時間が少ないので,今まで評価した中では比較的緩い条件(標高:約400m,気圧:975hPa)ですが,始動性も含めてテストした結果,何も問題は起こりませんでした.


ただ,これで安心すると前回の二の舞になるかもしれないので,下道も織り交ぜつつ,ハイカムに入れ続けたり,低回転でコースティングさせたり,敢えて渋滞にハマってみたりと色々条件を変えてイジめてみましたが,何も起こらず・・・.



相変わらずハンチングが賑やかですが,失火も,エンストも,始動不能も全く起きませんでした.それどころか,3000rpm以下はトルクがモリモリの状態で,どこから踏んでも加速しますし,全くの別物という印象です.

高地では吸気温:9℃という冬と同等の条件でもテスト出来たので,これで何も起こらないならローカム領域は完全に問題なしでしょう.残る未確認領域はハイカム領域.さすがにこれは全開で踏み続けられるクローズドコースじゃないと無理なので,サーキット行って確認したいと思います.


以上,復活の兆しでした.

ショップには当日のうちにテスト結果を報告し,翌日,工場長にお礼を伝えた後,その後も夜な夜なテストを繰り返しましたが,今のところ街乗りレベルでは全く問題がありません.暖機途上の領域では若干心もとない挙動をする時もありますが(ハンチングがやっぱり気になる・・・),エンストはしないので一先ず問題なしです.

あとそうそう,例の破損部位はこんな感じ(↓)で手当てしてもらいました.



エンジンマウントの隙間埋めに使う素材だそうなので,耐熱と劣化に対しては問題ないと思われますが,注意しないといけないのは重量が若干増えた点と(笑),裂け目がこれ以上広がらないかどうか?辺りでしょうか.
Posted at 2023/03/23 01:17:00 | コメント(4) | トラックバック(0) | トラブル&修理 | 日記
2023年03月14日 イイね!

チャンプカーの空力

チャンプカーの空力SNSを眺めていたら「ダイシンシルビア」という単語が流れてきて,S15の話かな?と思ったらウマの話でした.知っている人は知っている話なんでしょうが新馬戦の出走は1998年のだそうで,もう四半世紀も前の話なのか・・・と目が遠くなるOXです.

さて,先日「富士モータースポーツミュージアム」の話(前編中編後編)をしたのですが,話の流れの都合で1つ飛ばしたクルマがありました.

それがタイトル画像の「ローラ B2/00」.



"B"の後ろに来る文字は年式を表しているので,最初「アレッ? B2K/00では・・・?」と思ったのですが,2002年のマシンなので正確には「B02/00」ですね.ゼロの表記を省略するのはよくある事ですが,2桁の意味で理解しているのにゼロを省略されると一瞬迷いますね.
(まぁ,時代は既に2020年代ですし,次に同じ事が起きるのは77年後ですからもう経験しないんでしょうけど).


このクルマは,アメリカのオープンホイールレース(所謂フォーミュラ)で使われたもので,アメリカのフォーミュラというと「インディカー」と言いたくなりますが,これは「チャンプカー」の方です.当時のアメリカンフォーミュラはCARTとIRLに分裂していたので,CART側は「インディカー」の名前が使えず,"チャンピオンシップ"の意味合いから「チャンプカー」と名乗っていました.

いつものように外から見て分かる空力部品をジロジロと見ていたのですが,「そういえば,チャンプカーの空力って真面目に調べた事がないなー」と思い,情報を漁ってみると,SAEペーパーが見つかりました.珍しく数値もきっちり載っていたので,ミュージアムの見学の話とは分けて纏めておこうと思います.


私が一番興味があるのは,グランドエフェクト(フロア下)の部分ですが,空気は前から当たるのでフロントウイングの話から入ります.

この論文は,1/4スケールの風洞モデルで試験した結果だそうで,実際のフロントウイングはこんな感じですが(↓),



これを一部簡略化して,こんな感じ(↓)にして試験をしたんだそうです.


(Aerodynamic Effects of Indy Car Componentsより)

まぁ,フロントウイングの影響はフラップの角度が支配的ですから,これでも傾向は分かりますね.


(Aerodynamic Effects of Indy Car Componentsより)

フロントウイングの角度を立てていくと(図の左→右),フロントウイングのダウンフォース(CLw)は増えていきます(当たり前ですね).面白いのはフロントウイングのダウンフォースが増えたからといって,車体全体のダウンフォース(CLtot)は増えない点で,このデータだとフラップの角度を24°以上にしたら,逆に車体全体のダウンフォース(CLtot)は減っています.

これは前方から来た空気をフロントウイングが全部上に跳ね上げてしまい,フロア下に空気が入りにくくなるためだそうです.フォーミュラカーの場合,全体のダウンフォースの半分以上はフロア下で稼いでいますから,アンダーステアを消したいからといって,闇雲にフロントウイングのフラップを立てれば良い訳じゃない事がここから読み取れます.

同じ事は空気抵抗を示すCD値でも言えて(↓),


(Aerodynamic Effects of Indy Car Componentsより)

フロントウイングの空気抵抗(CDw)はフラップの角度をつけていくと,どんどん増えますが,車体全体の空気抵抗(CDtot)は23°付近から大幅に減少し始めるのが分かります.箱車の場合,フロアはフロントバンパー付近から始まりますし,フロントウイングはバンパーの前ではなく,左右に付く事になりますから,フロア下への影響は少なく,これとは違った傾向になるんだと思いますが・・・.


次は一番気になるフロア下の話ですが,ここでは「ボルテックスジェネレーター(意図的に空気の流れを乱す装置)」に着目しているようです.

「ボルテックスジェネレーター」はフロアの前端にあるこの部品で(↓),



この論文では,こんな形で試験したそうです(↓).


(Aerodynamic Effects of Indy Car Componentsより)

この論文で面白いのは,実際に採用されている上のようなグランドエフェクトを重視した形状を「インディタイプ(Indy Underbody)」と呼称し,それよりもスタンダードなフラットボトムな形状を「プレートタイプ(Plate)」と呼称して比較している点です.


(Aerodynamic Effects of Indy Car Componentsより)


この両者のフロア形状の違いに,「ボルテックスジェネレーター」の有無も加えた試験した結果が以下だそうです(↓).


(Aerodynamic Effects of Indy Car Componentsより)

横軸は車高です.車高が上がれば上がるほど(左→右へ行くほど)ダウンフォースが減っているのが分かりますが,「ボルテックスジェネレーター(VG)」のない「プレートタイプ(Plate)」の場合は,車高の変化に対してあまり感度がないのが読み取れます(車高が上がってもダウンフォースは変わらない,低め安定という感じ).これに「ボルテックスジェネレーター(VG)」が付くとダウンフォースの絶対値も上がりますし,車高変化に対して感度を持ってくる事が読み取れます.

より複雑な「インディタイプ(Indy Underbody)」の方は,「ボルテックスジェネレーター(VG)」がない状態でも「プレートタイプ」より高いダウンフォースが発生し,車高の変化に対して感度を持っているのが分かります.これに「ボルテックスジェネレーター(VG)」を付けたら尚の事で,車高が1mm違うとCL値が0.1も変わるという高感度っぷりです! 車高をたった3mm上げただけで,ダウンフォースは約半分になる訳ですから,最近のF1でメルセデスがあれだけ苦戦している理由がよく分かりますね.


もう1つ,空気抵抗(CD値)の方も見てみます.


(Aerodynamic Effects of Indy Car Componentsより)

ダウンフォースが少ない=空気抵抗も少ないので,「ボルテックスジェネレーター(VG)」のない「プレートタイプ(Plate)」は抵抗がほとんどないですね.「インディタイプ(Indy Underbody)」に「ボルテックスジェネレーター(VG)」が付くと,この倍くらいの抵抗になる訳ですが,ダウンフォースがざっくり4倍に増えると考えれば,空力効率としては上がる方向なので,こっちの方が速いという事になるんでしょうね.


以上,「チャンプカーの空力」でした.

私のEF8は車検対応の車高ですし,上で言う「プレートタイプ」の形状なので(↓),



フロア下のダウンフォースなんて発生していないんだろうなぁ~と思っていたのですが,やっぱりなぁ~という事が分かりました.この状態で車高を下げればダウンフォースが発生するのか?とも思っていたのですが,フラットな形状のままではベタベタに落としても変わらないという事が知れたのは良かったです.

フラットな形状のまま多少なりとも稼ぎたいのであれば,「ボルテックスジェネレーター(VG)」の装着が効果的なようで,私のEF8は現状「ストレーキ」しか付いていないので(↓),



ここら辺はもう少し工夫する余地がありそうです.一方で,「プレートタイプ」と「インディタイプ」の違いの中には,複雑な形状云々もありますが,ディフューザーの有無という点もあると思っていて(↓),


(Aerodynamic Effects of Indy Car Componentsより)

私のEF8はディフューザーが付いていないので,ざっくりディフューザーの有無によってダウンフォースがどれくらい変わるのか?を感覚的に把握出来たのも良かったです.


最後に,ミュージアムで実車を見た際に思った事を1つ.
「フロントタイヤ前に付いてるフラップがデケェ!」と思いました(↓).



先程出てきた「ストレーキ」と同サイズくらいあるんじゃないのか?と思ったくらいで,私のEF8に付けている「フェンダーフラップ(↓)」も,



もう少しサイズを拡大した方が良いのかなぁ~?なんて思いました.
Posted at 2023/03/19 12:25:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(空力) | 日記

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