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2025年01月28日 イイね!

本当にヘアピンが原因なのか?

本当にヘアピンが原因なのか?先日のTC1000のロガーデータを振り返った結果,前後キャンバー増しによってコーナー立ち上がり以降の加速区間のタイムが改善している事が確認出来ました.

これで最終コーナーのドライビングミスを除けば,残る問題はブレーキング領域に絞れる事が見えてきて,明らかに問題を抱えているヘアピンの挙動を何とかしないとなーと思っている訳なのですが,そうなると1つ気になる点が.

40秒台が出ない原因は本当にヘアピンなのか・・・?

という事で,いつもの如くロガーデータで検証してみようと思います.まずはサンプルデータから.

【40秒台時(40.980)】


  気圧:1021.8hPa  気温:7.9℃  路面温度:14.3℃

【今回(41.456)】


  気圧:1017.1hPa  気温:9.3℃  路面温度:14.4℃

現在,約0.5秒後れている状況なのですが,コンディション的には前回40秒台を出した時と比べて僅かに劣るものの,0.5秒も差が出る程の違いはないですね.


続けてロガーデータ(緑:40秒台時 青:今回).



上が車速,下がタイム差ですが,これを見ると一目瞭然で,

わーい,やっぱりヘアピンが原因だー.(-_-;)

ヘアピンだけで0.3秒,最終コーナーのドライビングミスで0.2秒失っているようですね.確かに乗っている時は何度やっても41.5秒しか出ず,「もうヘアピン以外で削り代なんてないよー」と思っていたのですが,まさか本当にそうだったとは・・・.


こうなると,最終コーナーのミス(↓)が本当に痛かったですね.



ドリフト走行後で路面のグリップが不安定だったとはいえ,ここをビシッ!と決めていれば「あとはヘアピンを何とかすれば40秒台は出せる!」と確信出来たものを,このデータだと最終コーナーの立ち上がりに,まだ若干問題を抱えているようにも見えるので何とも歯痒いです.


そのヘアピンの問題点としては,



  ・クルマを信用し切れていないため,コーナーに対して思い切って飛び込めていない(左側の赤丸)
  ・ブレーキングの開始以降,姿勢を安定させる方に意識が行き,ブレーキを追い込めていない(真ん中の赤丸)
  ・上記2点からヌルいブレーキングとなり,フロントの荷重不足でタイヤの限界を引き出せていない(右側の赤丸)

といった感じ.全てはリアタイヤの接地性不足が原因なので,リバウンドストロークを稼がないとなーという感じです.


一方,最終コーナーのドライビングミスに関しては,



ボトムの位置がやや手前側に来てしまった事が原因だと分かりますが(右側の赤丸),75km/hを超えた辺りで若干加速の停滞が見られるのが少し気になる・・・.車載を見返してみると(↓),



ちょうど縁石から降りた辺りで加速が鈍っているようなので,着地に失敗したのか? 縁石に載って車体が傾いた時に外輪側のグリップが限界に達したのか? 仮にグリップの限界だとしたらそれは路面が原因なのか?とかモヤモヤが残りますね.あ~,やっぱりドリフト走行後は何が原因なのかワケが分からなくなるからイヤだなぁ~(苦笑).

あとちなみに,洗濯板進入(左側の赤丸)は40秒台時(緑)よりもブレーキングを遅らせられていて今回(青)の方が良かったのですが,気になるのはその手前(左高速コーナー)の加速の鈍り.110km/h付近(↓)で若干加速が停滞しているのですが,



これもドリフト後の路面のせいなのかなぁ~? 何となくフロントの低反発スプリングのせいな気がするのですが,こちらもはっきりしませんね・・・.


最後に,仮に40秒台に届かない原因がリアのリバウンドスロトーク不足だったとして,「それが解消したとしてもタイムが同等だったら,前後のバネレートを2キロ上げた効果が何もないじゃん!」という突っ込みに対しては,



1コーナーのボトムスピードが5km/h近く引き上げられている点に効果は出ているかと.「バネレートを上げれば高速コーナーで速くなる」というのはセオリー通りなので,一応効果が出てるのかなぁ~と思います.ただ,これで稼げるのはせいぜい0.05秒程度で,今回(青)オーバースピード気味に突っ込んだため,立ち上がりでアンダーステアを出して,折角得た0.05秒のゲインも失っている点を踏まえると,実際に得られるゲインはもっと少なく(せいぜい0.03秒くらい?),投資対効果が釣り合わなくて悲しくなってきます・・・(泣).


以上,本当にヘアピンが原因なのか?の分析結果でした.
ま,なにはともあれ,とにかく一刻も早くリバウンドストロークの問題を解消しないとダメですね(全てはそれから).
2025年01月27日 イイね!

前後キャンバー増しの効果確認

前後キャンバー増しの効果確認前後のキャンバー角を増やした状態をテストした先日のTC1000ですが,やはりリアのリバウンドストローク不足を補う程の効果は得られず,ヘアピンの対処で苦しむ結果となりました.

今回,フロントのキャンバー角は3'30→4'00へ増やしたのですが,これはスプリングとナックルアームの干渉を避けるために30分削っていたものを「偏心ピロアッパー」を入れる事で干渉を回避し,元に戻しただけ.



正直,4'00→3'30に減らした時はフロントのグリップ不足は感じなかったのですが,3'30→4'00へ増やした時は「おっ! 曲がる~」という感じでフロントのグリップが増えた印象を受けました.


一方,リアのキャンバー角の方は2'30→3'30へ1度増やしました.これはリバウンドストローク不足から来るインリフト(↓)への対処として,



浮いた内輪側はどうしようもないので放置し,残った外輪側のタイヤの接地面積を増やす事で耐えられる時間を増やそう!という試み(↓).



ようは「滑るもんはしょうがないから,滑った後になんとかしよう!」という作戦ですね.


一応,この作戦の効果はちゃんと出ていて,キャンバー角が2'30だった時はこんな感じで(↓),一度滑り出したら手も足も出ずスピンしていたものが,



キャンバー角を3'30までつけた状態では,多少もちこたえられるようにはなりました(↓).



ただ,カウンターを当てる過程でアクセルを開けて荷重をリアに戻す事も試みても,スピンの自転速度は落ちず,「あ,こりゃ,無理だな」と途中で判断してクルマを止める事になりました.挙動としては多少マシにはなりましたが,根本的な解決には至っていないのでやはりリアのキャンバー増しは付け焼刃に過ぎなかったなぁ~という感じです.


という事で前振りが長くなりましたが,前後キャンバー増しの効果をデータでも振返っておきます.まずは概要.

【ベース(F:3'30 R:2'30)】
  タイム   ・・・ 41.441
  気圧    ・・・ 1010.3hPa
  気温    ・・・ 6.2℃
  路面温度 ・・・ 10.2℃

【キャンバー増し(F:4'00 R:3'30)】
  タイム   ・・・ 41.456
  気圧    ・・・ 1017.1hPa
  気温    ・・・ 9.3℃
  路面温度 ・・・ 14.4℃

タイム的には0.015秒差なので,ほぼ変わってないですね.コンディション的にはキャンバー増しの方が気圧が7hPa高いですが,気温も3.1℃高いので相殺されてイーブンくらいかな.路面としてはキャンバー増しの方がドリフト走行後で確実に悪いです.


続けてロガーデータ(緑:ベース 青:キャンバー増し).



上が車速,下がタイム差です.タイム差の方を見るとブレーキングからコーナーへ進入する領域ではベース(緑)の方が速く(上に行っている),コーナーのエイペックスを過ぎた後,立ち上がって出口に向かう領域ではキャンバー増し(青)の方が速かった(下に行っている)ようです.



これはキャンバー角を増やした時の特性と辻褄が合っていて,一般的にキャンバー角を増やすと,クルマを正面から見た時にタイヤがハの字に近づくので(↓),



タイヤの外側が浮き,内側が路面にめり込む形となります."めり込む"と言っても,実際はタイヤより路面の方が固いのでタイヤ側が負けて変形し,路面と接触する部分は平らになる訳なのですが,いずれにせよ,キャンバー角が少なかった時と比べればタイヤの接地面積は減ります.

このため,ブレーキング領域では止まりづらくなり,制動距離が延びてタイムとしては落ちます.同様に加速領域でもトラクションが減って前に進みづらくなる・・・はずなのですが,こちらはタイヤの接地面積が減った事で同時に走行抵抗も減るため,逆にスピードの伸びが良くなってタイムが縮まったりもします.今回の結果はまさにこの通りで,ブレーキング領域では遅く,加速領域では速かったようですね.


タイム差のグラフに戻ると,1コーナーのブレーキングで遅れた分は2コーナーの加速で取り返し,ヘアピン進入のブレーキングで遅れた分はインフィールドまでの加速区間で取り返し,インフィールドのブレーキングで遅れた分はバックストレッチの加速区間で取り返す,というシーソーゲーム状態となっている訳なのですが,それでも洗濯板進入の時点では0.06秒ほどキャンバー増し(青)の方が速い結果となっていました.

しかし,実際はベース(緑)の方がタイムは良かった訳で,どこでロスしているのかな?と詳しく見てみると,



洗濯板進入のブレーキングを終えて,ステアリングを切り込んでいく部分(左側の赤丸)と,最終コーナーに向かってアクセルを開けていく部分(右側の赤丸)で遅れを取っているようでした.


共にドリフト区間なので路面のグリップが低かった事が直接の原因だった可能性もありますが,ステアリングを切り込んでいく部分(左側の赤丸)の車載を見てみると(↓),



微妙にタイヤのスキール音がしているので「路面が喰わなかったせいかなぁ~?」と思いつつ,洗濯板進入の速度が3.8km/h高かった点から「いやいや,単純にオーバースピードで突っ込んだだけでは?」とも思いつつ,微妙な差なだけに違いも微妙で判断が難しいですね(苦笑).


一方,最終コーナーへ向かう方(右側の赤丸)は,車載を見ると明確にアクセルを戻しているので(↓),



遅れの直接の原因は間違いなくこの操作.結局この後,ゴールまでの区間で0.08秒後れてしまうので,ベース(緑)のタイムを抜けなかったのもこのドライビングミスのせい.そういう意味で痛いミスでしたね・・・.

こういう操作をした原因としては,最終コーナーに向かって切り込んだ際,想定以上にクルマがIN側を向いてしまい,右フロントが最終コーナーの白縁石(↓)に乗り上げそうなラインとなったため,



一瞬アクセルを戻して角度を調整したのだと思いますが,こういう微妙な部分のコントロールが今の仕様だと難しく(スィートスポットが狭い),ドライバー側でロスなく補って走らせないとダメですね.orz


以上,前後キャンバー増しの効果確認でした.

タイムこそ出ていませんが,今回の分析結果からすると前後キャンバー増しはポジティブな結果のようです.実際乗っていて悪い感触はありませんでしたし,リアタイヤの表面温度も揃っていたので,良い方向に進んでいる事は間違いなさそうです.当面の間はこのキャンバー角を維持し,リアのリバウンドストローク対策の方を進めようと思います.
2025年01月26日 イイね!

所詮は付け焼刃

所詮は付け焼刃前後のキャンバー角を変更したので,その効果をテストしにTC1000へ行って来ました.

アタックシーズンの日曜という事で混み走が予想され,平日のファミ走に行けなかった事を悔いていたのですが,この日はRX-8とロードスターがTC2000で開催されるイベントの方に向かうはずなので,意外と空いているかも?と期待しながら筑波サーキットへ向かいました.


日曜の早朝のせいか? 道中は割と空いていて6時半前には到着.門前GPを5位で通過し,早々にピットを確保して準備を進めると,常連の皆さんが続々と集結.



パドックの方も時間が経つ事に台数が増え,さすがに年末の満員御礼フルコースほどではありませんが,そこそこの台数となりました.「まぁ,平均して1枠8~9台くらいかなぁ~?」と予想しつつ,前日にドリフト走行があった事(=路面が悪い)を踏まえて,今日はあまりタイムを気にしないで走ろう~と準備を進めました.


まずは1本目(T2枠/9:15~).

路面温度が7℃という事で,どうせリアタイヤのウォームアップに苦しむだろうと前後バランスはあまり気にせず,とにかくリアタイヤへの熱入れに専念.一応,事前に日向ぼっこ作戦も実行したので(↓),



5周目くらいには右リアも来るかなぁ~?と期待しましたが,そんな事はなく.いつもの通りタイヤを温めるのに8周程度を費やしました(泣).ただ,そんなウォームアップ走行の過程でも,フロントのグリップが着実に増えている事は感じ取れて,「たった30分の違いなのに,キャンバー角ってちゃんと効果が出るんだなぁ~」と思いました.ホント,「偏心ピロアッパー(↓)」様様ですね♪



「この感じなら,そこそこのタイムは出せるかな?」とそこからアタックを開始しますが,41.77,41.72,41.75と1/100秒台くらいの違いしかが出せない・・・.クルマのバランス的には特に不満はなく,グリップ不足も,パワー不足も感じないので,「やはりドリフト走行後の路面だとこんなもんかなぁ~?」と諦めかけましたが,最後の1周はフルクリアが取れそうだったので,3回のアタックで得た感触をフィードバックし,1周を纏めに行ったところ,



41.546 と0.2秒削り取る事が出来ました.走行前には「混み走だったら41.8秒くらい,フルクリアが取れて41.5秒くらいかなぁ~」と思っていたので,ほぼほぼ予想通りのタイム.ただ,走行終了後に内圧を測ったところ,想定値よりも高くなっていたので,これを修正してフロントタイヤが冷えた状態で1発を狙えば,あと0.1秒は削り取れるかな?と思いました.


という事で2本目(A7枠/11:00~).

この日のファミ走の枠は午前のみなので,これが本日のラスト.気温:9℃と1本目の倍近い値になっていましたが,路面温度も14℃と倍になっているので,「ウォームアップに必要な時間は多少縮まりそうだなぁ~」なんて思いつつアタックしてみた5周目(↓),



ヘアピンでスピン! ただ,前回の手も足も出なかったスピンと比べると,リアが滑り出した後でも多少は抗う事が出来るようになり,リアのキャンバー角を1°増やした効果はあったようです.
(もうちょっとでキレイに半周ドリフト出来たんだけどなぁ~,惜しい!)


これで多少ビビリが入ってしまい,翌周の計測では置きに行って 41.572.「イカン! 気合を入れ直さねば!!」と攻め気を取り戻して挑んだ次の周で,



41.456 をマークする事が出来ました.結局,これが当日のベストラップとなった訳なのですが,後から車載を見返してみると酷いドライビングですね・・・.こんなのが当日ベストだなんて恥ずかしいです.orz

その後もアタックは続けましたが,ヘアピンで起こるスピン挙動のせいでブレーキングを追い込めず,何度やっても41.5秒止まり.一度ピットに入ってセット変更を試みますが,それも赤旗に阻まれ,強制終了となりました(泣).


という事で簡単にテスト結果を纏めると,

  ・ピロアッパーの効果は特に感じず(むしろジャッキアップ時のガタが気になる・・・)
  ・フロントのキャンバー増し(30分)は効果アリ(グリップ向上)
  ・リアのキャンバー増し(1度)は,「スライドが始まった後のコントロール性向上」は効果アリ
  ・「ストレートスピードの向上」は効果なし
  ・「リアタイヤのウォームアップ促進」は効果なし

といった感じでした.後日ロガーデータを見返してタイムダウンの要因を分析しますが,とにかくヘアピンを攻め切れないのがストレス.走る前から分かっていた事ではありますが,所詮はキャンバー増しでの対策は付け焼刃ですね.確かに一定の効果は得られているのですが,ヘアピンのスピン挙動だけはどうやっても対処出来ない.やはり素直に「リアのリバウンドストローク対策案」を実行した方が良さそうですね.


以上,「所詮は付け焼刃」な感じのTC1000テストでした.

なお,後片付けが終わった後は,常連の皆さんと一緒に「わぎゅう食堂 くらもち」へ行って昼食.



私は「煮込みハンバーグランチ」を頂きましたが,美味しかったです~♪ 当日お会いした皆様,お疲れ様でした!
2025年01月25日 イイね!

コイルばねっとで遊ぶ

コイルばねっとで遊ぶaki@rsさんから「コイルばねっと」というばね検討ソフトを紹介頂いたので,ちょっと遊んでみようと思います.

こちらのソフトは,兵庫に工場がある「東海バネ工業」という会社が公開しているもので,こちらの会社は完全受注生産方式のバネメーカーだそうです.バネ専業なので航空宇宙を始め,様々な分野向けのバネを製造されているようで,受注生産というスタイルからワンオフものに強そうですね.

では早速,「コイルばねっと」で遊んでみます.まず最初に以下のフォーマット(↓)に入力をするようなので,各項目の意味を確認します.



①横弾性係数
棒を捩じった時のひずみ量(伸びる量)の比率.固い素材であれば値が大きく,柔らかい素材であれば値が小さくなるそうです.本ソフトでは「一般用」と「耐食用」が選べますが,自動車用として一般的に使われているのは「熱間成形ばね材料」と呼ばれるもので,SUP6(シリコン・マンガン鋼),SUP9(マンガン・クロム鋼),SUP11A(マンガン・クロム・ボロン鋼)といった辺りになるとの事.ここではSUP10(クロム・バナジウム鋼)が含まれている「一般用」を選べば良さそうです.

②材料径
バネの直径ですね.

③中心径
「内径 + 材料径」だそうです.内径は図の通りバネの内側の直径なので,ID65=65mmですね.

④自由高さ
所謂ところの「自由長」ですね.

⑤有効巻数
「総巻数 - 座巻数」だそうです.

⑥総巻数
バネの巻かれている数だそうです.厳密に言うと,1回転して同じ位置に戻った時に1巻きとなります.

⑦座巻数
バネの両端の平らになっている部分です.通常は上下合わせて「2巻」ですね.

⑧バネ定数
上記の①~⑦の計算結果がココに示されます.


各項目の意味が分かったところで,お題としてHAL springsの「12キロ(高反発)」の数値を入力してみます.



143.17 [Nm/mm] ≒ 14.6キロ という結果が得られました.バネレート(バネ定数)がカタログスペックに対して3キロ近く違いますが,材料が正確ではないのでしょうがありませんね.


では,今度は同じくHAL springsの「12キロ(中反発)」.



138.43 [Nm/mm] ≒ 14.1キロ という結果が得られました.なるほど,高反発に比べて巻き数が多いため反発力が落ち,確かに「中反発」なようです.ただ,そのままだとバネレートが落ちるため,線径を僅かに太くしてそれを補っているという感じでしょうか.面白いですね.


ならば,同じ銘柄の「14キロ(中反発)」を調べてみましょうか.



166.86 [Nm/mm] ≒ 17キロ となりました.仮に材料が同じであるとして,カタログスペック上は2キロアップのはずなのですが,2.9キロアップという結果になりました.12キロと比べると線径が太くなっており,巻き数が減っています.ここから察するに,レートは基本線径で表現していて,巻き数で帳尻を合わせている感じなのでしょうか?


こうなると「14キロ(高反発)」も確認してみたいところですが,こちらはクルマに付いていて計測出来ないので,HYPERCOの「14.3キロ」を引っぱり出してみます.



188.41 [Nm/mm] ≒ 19.2キロ となりました.スペック上のレートが0.3キロ高いとはいえ,HAL springsの中反発と比べると大幅に高いですね.仮に14キロの高反発が+0.5キロ程度だったとしても 17.5キロ.HYPERCOのバネ定数はそれより更に1.7キロ高い訳ですから「HALの高反発はHYPERCOよりも低反発」という話は信憑性が出てきますね.

ただ,これはあくまでHYPERCOとHALのスプリングが同じ素材だった場合の話ですから,実際はそんな事があるはずないですし,私自身は自分の感覚(HALの高反発はHYPERCOよりも高反発)を信じようと思っています.


さて,色々遊んで理解が進んだので,最後にこの間の「自由長を短くすると高反発になる」という話を調べてみましょう.仮にHAL springsの「14キロ(中反発)」の5インチ版(127mm)が,線径は同じ・有効巻き数が3.5巻だったとすると,



202.61 [Nm/mm] ≒ 20.6キロ となりました.7インチと比べると+3.6キロも上がってますね.
では仮に,ここから7インチと同等のバネ係数まで落とすには,線径をいくつにすれば良いのか?と求めてみると,



材料径:13.05mmとなりました.すなわち,7インチ版に対して材料径が0.75mm細ければ同等という事になるのですが,これくらいなら十分有り得そうですね.


以上,コイルばねっとで遊んでみた結果でした.

今回遊んでみて,「バネレートを上げる時は線径を測定しろ!」と仰る言葉の意味がよく分かりました.ただ,僅かコンマ数mmで結構大きな違いを生む一方,外見からこのコンマ数mmを識別するのは難しく(ノギス使わないと無理),手っ取り早く反発力を判断するには,やはり巻き数なのかなぁ~と思いました.また,その巻き数も意外と正確に測らないとダメで,単純な1巻,2巻・・・といった単位ではなく,2巻+最後の1/4巻,1/8巻といったところまで測らないと結構な差が生まれる事も理解出来ました.

反発力に関しては,まぁそもそも,開発者自ら「バネ業界に"反発"なんて用語はない」と仰っている通り,反発力は外から見て分かる代物でもない訳なのですが,設計者側で線径と巻き数でバランスさせて「自由長は違えどバネレートは同じ」になるようにしてくれているのであれば,自由長の違いを正直あまり気にする必要はないのかもなぁ~と思いました.
2025年01月22日 イイね!

リアのリバウンドストローク対策案

リアのリバウンドストローク対策案フロントスプリングをHAL springsの中反発→低反発に変更した事によって発生したナックルアームとの干渉問題は,キャンバー角を30分起こす形で暫定対策を行ったものの,これだとやはりタイヤのショルダー摩耗が進んでしまいました.

このため,恒久対策としてASLANの「偏心ピロアッパー」を手配し,キャンバー角も無事元の数値に戻ったので,早速TC1000でテスト~と有休を取ろうとしたら,ファミ走の日に会議を入れられてしまい行く事が出来ませんでした・・・.

前回のテスト結果から,リアのグリップをかなり引き上げないとバランスが取れなそうな事が見えてきたので,リアのキャンバー角を1°増やし(↓),



その効果を早く確認したかったのですが,次回に先送りですね(泣).


ちなみに,今回のリアキャンバー増し作戦は,昨年の夏頃からリアタイヤの摩耗状態を見て,「少しキャンバー角を増やした方が良いかな??」と思っていた事がきっかけでもあるのですが,それに加えていくつか追加の効果が期待出来そうというのが選んだ理由でもあります.

1つ目はスライドが始まった後のコントロール性の向上.現状,リアのリバウンドストロークが決定的に足りないため(↓),



ブレーキングで追い込んでいくと左右両輪共に浮いた状態となり,最早ステアリングを切らずともスピンモードに入ってしまう事から(↓),



滑らさないように走らせるのではなく,滑った後でもコントロールして走らせる(=スピン挙動を穏やかにする)意味合いでキャンバー角を増やしてみました.同じ効果を得る方法としてリアタイヤの内圧を下げる方法も思い浮かんだのですが,そちらはウォームアップの妨げになるのと,少しでも「EF9の動き(↓)」に近づけるため,今回はキャンバー増しの方を選択してみました(内圧下げだと腰砕けになって,クルマが前に進まない可能性がある・・・).




2つ目は,昨年夏に調べ物をした時に知った効果(↓)があったので,それを確認してみようかと.



来月TC2000を走る機会がありそうなので,あの長いストレートで検証してみようかなぁ~と思っています.


3つ目は,リアタイヤのウォームアップ促進.こちらは単純に接地面積が減った分だけ面圧が上がるので,「その分だけ温度上昇も早いでしょう~」という安直なアイデア.さすがに7°もついてないので,直進安定性の向上効果まで得られないと思っていますが,はてさて違いは出るのか?


・・・とそんな感じで色々画策して今回はリアのキャンバー増しを施してみた訳なのですが,根本的な問題は「リアのリバウンドストローク不足」なので,所詮は付け焼刃に過ぎません.本質的な対策として最も期待出来るのは2wayダンパーの投入(↓)になると思っているのですが,



かなり高額になるのと,年末に新たなイグニッションコイルの発売を知ってしまったので(↓),



どちらかというと,資金はそちらに回したいなぁ~という気持ちが湧いて,先送りする気満々(笑).


・・・という事で,現状のダンパーのままスプリングで何とか対処出来ないかなぁ~?と考えていたのですが,やはり定番のヘルパースプリング(↓)が頭を過ぎりました.



ただ,今使っている7インチスプリングだとダンパーの調整代は使い切っているため,ヘルパースプリングが入る余地はなく,メインスプリングを短くする(6インチ化)しかありません.

そう思った時に「6インチ化して本当にヘルパーが入るのか・・・?」と疑問に思ったので,スプリングを引っぱり出して並べてみると(↓),


(左が7インチ,右が6インチ+スペーサー+ヘルパースプリング)

6インチ化しても,ほとんどリバウンドストロークは増えないのでは・・・? (-_-;)

使おうと思っているヘルパースプリングがレート:0.2キロとほぼ無視出来る代物なので,同レート(14キロ)で6インチ化した場合,メインスプリングの縮み代(以前行った皮算用から14.8mm)は,7インチと同等と見なして良いはず.そうなると,メインスプリングが短くなった分=1インチ(25.4mm)だけヘルパースプリングが入る事になるのですが,スペーサーの厚みが約9mm,ヘルパースプリングの密着高が11.18mmという情報を踏まえると,一応ヘルパーが入る事は入りますが,ほとんど動かないスペーサー状態になりそうな気が・・・(汗).


そもそも,リバウンドストロークはいくつ必要なんだっけ?と以前画像から導き出したものを引っぱり出して確認してみたところ,



約38mm(≒1.5インチ)でした.やはりメインスプリングを1インチ短くするだけでは不十分,2インチ短くしないとダメそうとなると,

5インチか・・・.(;-ω-) ウーン

HAL springsの14キロ・高反発は,許容ストローク:62mmなので,軸重の小さいリアで使う分には問題なさそう(線径密着しなさそう)ですが,ヘルパーを入れるとはいえ5インチかぁ~.オレさまが5インチを毛嫌いしていたから,ちょっと引っ掛かるんだよなぁ・・・.


そもそも,同レートでスプリングの長さ(自由長)を短くするとどういう違いが出るんだっけ?と調べてみると,



  ・自由長が変わろうが,レートが同じであればスプリングの縮み代は同じ
  ・縮み代が同じなので,コーナリング中のロール量は変わらない
  ・変わるのは乗り心地
  ・自由長を長くすると動きがマイルドになり,短くするとシャープになる
  ・この違いは,スプリングのたわみ量に起因している

  ・自由長の違い=スプリングの巻き数の違いと言える
  ・例えば,ここに巻き数が違う2種類のスプリングがあったとする(長い方が20巻,短い方が10巻)
  ・両者共にレートが10キロだった場合,100kgの荷重を受けると10mm縮む事は変わらない
  ・但し, 長い方のスプリングは,10mm / 20巻き ⇒ 1巻当たり0.5mm縮む
  ・一方,短い方のスプリングは,10mm / 10巻き ⇒ 1巻当たり1.0mm縮む
  ・つまり,自由長が短い方が,1巻き当たりのたわみ量は多くなる

  ・たわみ量が多いと,スプリングの元に戻ろうとする力(反発力)は強くなる
  ・従って,乗り心地の違いは反発力の違いとも言える


なるほど! そういう事なのか.リアのスプリングを7インチ→5インチ化すると,高反発なスプリングが更に高反発になるって事かぁ~.

イイじゃねぇか!(笑) ( ¯꒳¯ )b✧

反発力が上がると,縮み側は街乗りでの突き上げ感は増えて苦になるかもしれませんが,伸び側はリバウンドスピードが上がるのでリアの接地性が上がるはず.ヘルパースプリングによるストローク稼ぎと合わせて狙っている効果がより得られるかもしれませんね.


以上,リアのリバウンドストローク対策案でした.

ヘルパースプリング作戦がダメだった場合,バネレートを下げてリバウンドストロークを増やし,バンプラバーで縮み側を規制して辻褄を合わせる方法を考えないといけないかと思っていたのですが,思いの外5インチ化はメリットが有りそうですね.唯一心配なのは,ヘルパースプリングを入れるとはいえ,5インチスプリングでダンパー長が足りるかどうか(ダンパー側が長過ぎて天井突き当てにならないか?).



7インチ→5インチで-51mmだから多分大丈夫な気がしますけど,もしかしたらバンプラバーをカットする必要は出てくるかもしれませんね.

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