
間に
イベント見学を挟みましたが,戻ってTC2000の続き.
最高速の検証も済んだので,先日のTC2000の振返りを行おうと思います.
クルマ的には前回の走行から色々変わっているので(タイヤすら違いますし),分析の観点も色々あるのですが,次TC2000を走るのはまた9ヵ月後とかになると思うので,今回は主にドライビングの観点で纏めておこうと思います.
ではいつものパターンで,まずはサンプルデータ.
【自己ベスト時(1'07.454)】
Sec1:27.606 Sec2:27.719 Sec3:12.129 最高速:154.928
【今回(1'07.745)】
Sec1:27.617 Sec2:27.855 Sec3:12.200 最高速:151.261
Sec1は完全に互角,Sec2で僅かに遅れて,Sec3はほんの少し遅れをとった,という感じですかね.最高速は先述した通り復調傾向ではありますが,まだ足りていません.
続けてコンディション.
自己ベスト時 ・・・ 気圧:1025.2hPa 気温:12.4℃ 路面温度:21.9℃
今回 ・・・ 気圧:1018.9hPa 気温: 6.0℃ 路面温度:15.0℃
気圧は自己ベスト時の方が高いですが,今回の方が気温が6℃も低いので,ほぼ同等か僅かに今回の方が有利?という感じです.
そして,本題のロガーデータです(赤:自己ベスト時 青:今回).
ホームストレートエンド
ホームストレートエンドの最高速(左側の緑丸)はほぼ互角(0.4km/h差).今回も上手く助走を決められたようです.ただ,細かく見ると最高速の帳尻は合ってはいるものの今回(青)の方が若干速度の伸びが鈍いかな?という気もします.速度の上昇が鈍い時は抵抗が増えている(=ステアリングを切っている)のがセオリーなので,その観点で見てみると(↓),
自己ベスト時(赤)に比べて今回(青)の方が若干早く1コーナーにアプローチを始めていたようです.
これを車載で見るとこの辺り(↓).
ちょうど丘を登り始める辺りですかね? 映像で見るとステアリングを全く切ってないように思えますが,左下のフリクションサークルには加速が鈍っているのがはっきり出ています.なんでかなぁ~?と思った時にステアリング操作がワンハンドになっている事に気づきました(↓).
左手はこの先のシフトダウン操作に備えてシフトノブに添えられており,右手1本でステアリングを保持しています.通常2本で支えているものを1本で支えようと思ったら自然と右手は力む訳で,その力みがステアリングを僅かに手前に引いてしまって舵角がついたんだろうなぁ~と思いました.
150km/hの領域ですので腕に力が入ってしまうのは仕方がない事なのですが,そもそも力んでしまう理由の1つとして,ブレーキング時にクルマが安定しないせいもあると思います.その証拠にシフトダウン操作の最中はステアリングを左へ切ってカウンターを当てていました(↓).
乗っていた時はスピンするほどの不安定さは感じませんでしたが,やはりリアのスタビリティが足りていないんでしょうね.クルマの安定性が無意識下で色んなところでドライビングに影響を与えているんだなぁ~と思う事例でした.
(無意識に身体が勝手に動く・・・人間のフィードバック能力って凄いですね)
1コーナー
という事で意図せず1コーナーのIN側に早めに寄っていってしまったのですが,その結果がどうなったか?というとこんな感じ(↓).
今回(青)の方がブレーキングで滅茶苦茶余っていますね(汗).早めにIN側に寄ったせいで強めにブレーキングせざるを得ず,速度をキャリーして1コーナーにアプローチする事が出来ないので,ボトムが低く,アクセルも踏めないという酷いドライビングです(泣).幸いにして立ち上がりのアクセルONのタイミングはズレていなかったのでその後の加速は鈍っていませんが,これだけで0.11秒失っています・・・.
第1ヘアピン
ここは今回(青)の方が速かったです.ボトムを1.3km/h上げられています.特に走らせ方を変えた訳でもないので,なんでかなぁ~?と車載を見てみると(↓),
そうでした! 今回はバンク上段にスロー走行のクルマがいたので,少し進入を抑えたんでした.
(‥ )ン?
という事はアレか? 今までが突っ込み過ぎだったという事か?? もうちょっと手前で引いて,バンクを使ってボトムを上げる走らせ方の方が速いって事なんですかね? コレで今回(青)の方が自己ベスト時(赤)よりも0.07秒速い結果となっているので,怪我の巧妙というか1つ新しいヒントが得られたのかもしれません.
ちなみに,進入がヌルかった事を乗っている時は当然分かっているので,このロスを少しでも挽回するために,FD2をかわした後は,早めにアクセルを開けて「出口で外側に膨らんでも良いから,ボトムを無理やりにでも上げよう~」とドライビングを変えた訳なのですが,その結果,タイヤのグリップを横に使い過ぎて,クルマが前に進んでいませんでした・・・(↓).
車載で見るとこの辺り(↓).
乗っている時はフロントが滑っている感触はなかったので,もしかしたらCR-Sではなく,A052であればこの操作でも耐えられたのかなぁ~?という気もします.
ダンロップ
1ヘアを立ち上がって,クルマを左→右にS字を描くように動かしてダンロップへアプローチする訳なのですが,まだ左へ切っている最中の100km/h付近で今回(青)の方が若干加速が鈍っています.特に何もしていないはずだけど,何だろうなぁ~?と車載を見ていると(↓),
ちょうど2→3速へシフトアップするポイントでした.前回走行した時にここでシフトミスをしていたので,今回はその過ちを繰り返さないように意識してドライビングしていたのですが,逆に意識し過ぎてきっちりレブまで引っ張り切れていなかった・・・という事なんでしょうね.まぁ,ミスをするよりは100倍マシなので今回はこれで"良し"としたいと思います.
一方,ダンロップの進入において,アクセルOFF→ONのタイミングが明らかに早まっていました.車載を見るとこの辺り(↓)からアクセルを開け始めているのですが,
アンダーステアもオーバーステアも感じず,コーナーを抜けた先でオーバーランするような事もなく,ニュートラルステアで非常に良いバランスでした.前回からフロントのスプリングを中反発→低反発に変えているので,こういった切返しのレスポンスは悪くなっているかと思ったのですが,そういった印象は全くありませんでした.もしかしたらCR-Sのハード化がここで良い効果を生んだのかもしれません.
第2ヘアピン
ダンロップの立ち上がりが速かったおかげで,80Rでは全域に渡ってタイムを稼げている訳なのですが,2ヘアの手前でその加速もガクッと鈍っています.何だろうなぁ~?と車載を見返してみると(↓),
ちょうど3→4速へシフトアップする部分でした.う~ん,やはりここの加速の停滞がまだ直ってないという事なのかなぁ・・・? その後,2ヘアのブレーキングとなる訳なのですが,ここはブレーキング中に姿勢が乱れたせいで(↓),
ボトムが下がってしまいました(泣).「ブレーキングの精度が低い!」と言われればそれまでですが,やはりもうちょっとリアのスタビリティが欲しいですね.
なお,このブレーキングが完了した時点で自己ベストを0.07秒上回っていたのですが,ここから先のバックストレートだけで0.2秒引き離されてしまい,これがそのままタイム差となってしまいました.やはりTC2000はここのスピード不足を何とか元に戻さないと勝負権はなさそうですね.
最終コーナー
ここは明確にドライビングミスです.ブレーキを遅らせる事に意識が行き過ぎてしまった結果,4→3速へのシフトダウン操作が窮屈になり,ブレーキペダルを踏んでいる時間が相対的に長くなってしまいました・・・.その結果,アクセルONのタイミングが遅れてボトムを109km/hまで落としてしまったので,完全にミスです(泣).
一応,この後のラップではシフトダウン操作の時間を短くする事を意識して,Sec3で11秒台に戻ったのですが,その感覚を掴むのが遅過ぎましたね.ブレーキングの開始タイミングを遅らせる事に意識がいくと操作に余裕がなくなるので,いっそブレーキを踏まず,手前からアクセルOFFで進入するようにすればもうちょっと余裕が出来るのかなぁ~? あるいはこういうエクステンションを追加して(↓),
ステアリング⇔シフトノブ間の距離を縮めて,相対的に操作時間を短くなるようにすれば,もうちょっとマシになるのかなぁ~?
以上,TC2000での伸び代を探すでした.纏めると以下の通りです.
・1コーナーの進入はもう少し外側から進入(但し,そのためにはリアのスタビリティも必要)
・1ヘアのブレーキングは突っ込み過ぎのようなので,もう少し引いてバンクを使った方が速いかも?
・1ヘアの立ち上がりはタイヤのグリップを過信せず,クルマを前に進める事に意識を割く
・ダンロップはOK.今回のアクセルONのタイミングの再現性を高めること
・2ヘアもライン取りはOK.但し,もう少しリアのスタビリティが欲しい
・バックストレートの伸び不足は引続き要改善
・最終コーナーはシフトダウン操作を可能な限り短く!(操作時間がボトムスピードを決める!)
次走るのは9ヵ月後になると思いますが,9ヵ月後の私,これらの反省点をちゃんと直して下さいね!(笑)