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OX3832のブログ一覧

2025年02月27日 イイね!

BB6のブレーキ事情(ダクト編)

BB6のブレーキ事情(ダクト編)前回,AT使いに言われてBB6のブレーキ強化策を調べてみましたが,問題の原因が熱にあるのならばローターを変えずとも冷やせば良いんじゃない?という事で,ブレーキダクトを引けないのかなぁ~?と思い,こちらも調べてみる事にしました.

「ブレーキダクト」とは,クルマのバンパー下部等から空気を取り入れて,取り込んだ空気をホースでブレーキローターまで導き,ローターに直接空気を当てて冷やす代物です.

その「ブレーキダクト」ですが,私が最初に思いつくのはグループAのEG6ですかね(↓).







正面から空気を取り込めるため,車速が高ければ高い程冷えて良さそうに思えるのですが,このようにバンパーの下部から取り込もうとすると薄型のダクトが必要となり,この"薄型"というのが意外とないんですよね・・・.

ザッと調べてみたところ,Cometecという会社からS2000用としてこういう製品が出ているようで(↓),


(Cometec:COMETEC REAR BRAKE DUCT KITより)

固定方法さえ何とか出来れば,流用は出来るんだろうなぁ~とは思いますが.


そうなると,よくあるバンパーの開口部にこういったダクト(↓)を設けるのがオーソドックスかと思うのですが,


(バトラービルド:ブレーキエアーダクトより)

BB6のバンパーは開口部がなく,ここ(↓)を外すくらいしか方法がなさそうなんですよねぇ・・・.




AT使いはきっとそういうのは嫌がるんだろうなぁ~と思い,もう少し大人し目の方法がないのかなぁ~?とショップに聞いてみたら,「NACAダクト(↓)が良いんじゃない?」と言われました.


(バトラービルド:NACAエアーダクトより)

NACAダクトかぁ~と思い,以前お勉強したNACAダクト⇔エアスクープの違いを引っぱり出してみると,こんな感じ(↓).

  NACAダクト  ・・・ 空気抵抗が小さいが,流入量も少ない
  エアスクープ ・・・ 空気抵抗が大きいが,流入量は多い

  NACAダクト  ・・・ 低速域では機能しない
  エアスクープ ・・・ 低速~高速まで安定して機能する

BB6はミニサーキットが中心なので,低速でも効くエアスクープの方が良いと思いますけど,NACAダクトだとどんなイメージになるのかなぁ~と調べてみたところ,こんな感じでした(↓).




(HTRD:フロントディフューザーブレーキダクト追加より)

ホゥ・・・結構カッコイイですね.これなかなか良いなぁ~と思い,こんな穴を開けられるのかな?とBB6の下面に潜り込んで見てみたところ(↓),



ん~,フラットな面がなくて取付が難しそうだなぁ・・・.これだったらいっそ全部外してアンパネ(↓)を付けちゃった方が良いかもしれませんね!




以上,ダクトを引くついでにアンパネも付けちゃいましょう!という,どっちがメインディッシュだか分からないお話でした(笑).
Posted at 2025/02/28 00:05:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | AT使いのBB6 | 日記
2025年02月26日 イイね!

BB6のブレーキ事情(ローター編)

BB6のブレーキ事情(ローター編)先日一人TC3000をやった後,お昼ご飯を食べている時にAT使いのBB6から「次,何をイジったら良いと思う?」と聞かれたので,「フロントタイヤを245化する事じゃない?」と答えたら,「いやぁ~,それは・・・」と難色を示されたので「ん~,ならブレーキの強化では? 毎回1本走っただけでタッチがフカフカになるんでしょ? そこはやった方が良いんじゃない?」と伝えたところ,「じゃあ,アドバイスよろしく」と丸投げされました(苦笑).


「いや,オーナーじゃないし,BB6のブレーキ事情なんて知らないよ~」と思いつつ,折角頼まれたので下調べをしてみます.


まず,そもそもBB6のブレーキ仕様はどうなっているんだ?と調べてみると,EK9/DC2と同サイズ(直径:282mm)らしい(↓).



「TYPE-R用と同様のスペックなら,そんなに悪くはないのでは?」と思いつつ,車重を比較してみると,

  EK9 ・・・ 1090kg (パワステ・エアコン・ABS・SRSエアバッグ装着車)
  DC2 ・・・ 1080kg (96SPEC・ABS・SRSエアバッグ装着車)
  BB6 ・・・ 1290kg (4AT・2WS・ABS・SRSエアバッグ・サンルーフなし車)

ワァ~オ! 200kgも重い.なるほど,これじゃ厳しいわなぁ~と思い,ショップでAT使いのBB6の仕様を確認してみたところ,既にCL1用のブレーキローター(300mm)を入れているとの事(↓).



アラッ,強化済でも足りてないってコトですか.CL1だと車重は1330kgなので,十分カバー出来ていそうな気がするのですが,まぁ,確かにTYPE-RではなくEURO-Rですし,そもそもBB6の方は4ATでブレーキング時にエンブレの効果が薄く,ブレーキローター&パッドの負担が大きいという事もあるんでしょうね.


となると,これよりも更にサイズが大きなローターとなる訳なのですが,そんなのあるのか?と調べてみると,KB1用(直径:320mm)を流用するのが割と定番らしい(↓).



KB1(レジェンド)ともなると1760kgとさすがの重量級で,如何にサーキットスペックではないと言っても+500kgの車重に耐えられる設計なら十分な能力を持っていそうです.KB1用は17インチホイール対応でAT使いが使っているホイールでも入りそうですし,「これで良いんじゃないのかな?」と思い調べてみると,ローターサイズが上がっているので,当然キャリパーの変更も必要(↓).



このキャリパーが対向4ポッドのアルミ製だそうで,流用している人達の目的はこちらのキャリパーにあるそうです.AT使いのキャリパーは現状何を使っているんだろう?とこれまたショップで確認したら,NA2用のキャリパーだそうで(↓),


(REVSPEED 2019年12月号より)

ああ,例のアレか・・・.という事で,こちらも既に強化済な事が確認出来たのですが,KB1用のキャリパーは2ポッドではなく4ポッドですし,更に強化にはなるでしょうね.


残る問題はホイールとの干渉かな?と調べてみると,17インチ対応とはいえ,やはり4ポッドなのでクリアランスが厳しいらしい.細かい数値を出していらっしゃる方がいたので,そちらのデータを拝借して調べてみると,


(Fancy Craft:ホイールオフセット計算より)

仮にAT使いが使っているホイールがINSET:48だと仮定して,10mmは外に出さないと当たるか? 10mmならスペーサー使って逃げられなくもない気がしますが,BB6はホイールハウスの容積が小さいらしいので(245幅を嫌がるのはこれが理由),どうなんでしょうね・・・?


あ,あとはパッドか.今AT使いが使っているのはFEEL'Sの「RACING」だそうですが(↓),



コレにKB1用の設定はないので,他にサーキットユースのパッドが出ているメーカーがあるのかな~?と調べてみると,Projectμに設定がありました(↓).



「RACING-N1」なら800℃までカバーしていますし,これでダメなら「RACING-N+」もあるので大丈夫でしょう.
(なお,ENDLESS,DIXCEL,ACREはサーキットユースの設定なし,Winmaxはパッドの型はアリのようでした)


以上,BB6にKB1用のブレーキローター&キャリパーを入れてみたら?というお話でした.
ちなみにKB1のブレーキシステムを調べる過程で,こんな文言を見つけたのですが(↓),



図解されたものがなくて詳細が分からないのですが,これって他車種にも流用出来ないのかなぁ~?なんて思いました.
Posted at 2025/02/27 00:10:09 | コメント(3) | トラックバック(0) | AT使いのBB6 | 日記
2025年02月25日 イイね!

CR-Sのv1⇔v2比較

CR-Sのv1⇔v2比較TC3000ネタのラスト.CR-Sのv1⇔v2比較です.

約3年越しの比較となるので足回りその他色々違っていますが,まぁその辺りは大目に見て頂いて,興味半分のネタと思って頂ければと思います.まず,v1⇔v2の違いですが,ざっくり纏めると以下の通り.

  ・v2のコンパウンドは熱耐性が強化され,熱ダレが少なくなっている
  ・v2は「wearing(摩耗)」が向上している
  ・v2は「tread hardness(トレッド面の硬さ)」が向上している

端的に言えば,「v2はハード化している」といった感じでしょうか.


お次はサンプルデータ.

【v1(41.533)】


  気圧:1016.5hPa  気温:13.7℃

【v2(41.800)】


  気圧:1019.4hPa  気温:6.9℃

コンディション的には今回の方が完全に上回っているのに,タイムが・・・(泣).


では,前回と同様フリクションサークルによる比較です(赤:v1 青:v2).



今回の比較はあまり正確性がないので,ざっくりで見ていくと,加速領域(図の下半分)はv2(青)の方が上回っていますが,これはコンディションの差の影響かと.最高速も1.6km/h,v2(青)の方が高くそれを裏付けています.このため,このデータから「v2はトラクション性能が上がっている!」とは言いづらいかなぁ~.


左右の旋回領域(図の左右端)は,v1(赤)の方が高く,v2(青)で性能が低下したかのような印象を与えますが,



乗っていた時の印象としては「フロントはまだまだグリップするんだけど,リアの限界が低いので,これ以上は横Gを掛けられない・・・」という感じでした.なのでタイヤがどうこうというより,3年前に比べてこれだけクルマの限界が下がっているという事なんじゃないか?と思いました.orz


減速領域(図の上半分)に関しては,v2(青)の方が上回っているようです.ここも何かしらの言い訳があるかなぁ~?と思いましたが,斜めのグリップの部分は明確にv2(青)の方が秀でており,これはTC2000の分析結果と一致する傾向なので,ここは素直に受け入れようと思います.ただ,そう考えると,



v1(赤)に比べてv2(青)は「高い速度でコーナーに進入するのが得意」とも言えて,乗っていた時は「TC2000を走った直後で恐怖心が薄れているため,オーバースピード気味にコーナーに飛び込めたんだろう~」と思っていましたが,実はv2の強化された構造が,フロントタイヤの限界を掴み取るのに良い影響を与えていて,「タイヤの手応えがしっかりと掴めた(=安心感があった)ため,オーバースピード気味に飛び込めた」という可能性もありそうだなぁ~と思いました.


なお,熱ダレの部分に関しては,v2でベストタイム(41.8秒)をマークした後,5分近くピットの日陰で止まって,タイヤの温度が下がるのを待ってみたのですが(↓),



路面温度が16℃程度だった割には,ほとんどフィーリングは変わらず(恐らくさほど冷えてない),41.9~42.0秒とほぼ変わらないタイムとなりました.この結果から,v2は熱ダレに対して強くなっているのかもしれませんが,逆に一度熱が入ると抜けにくくもなっていて,1発のタイムは狙いにくいタイヤなのかなぁ~とも思いました.


以上,CR-Sのv1⇔v2比較でした.纏めると,

  ・v1⇔v2で横のグリップは同等
  ・縦のグリップは,v2の方が良い(コンディション差の可能性もアリ)
  ・特に横と縦が合わさった斜めのグリップは明確にv2の方が高い
  ・これはv2でタイヤの剛性が高くなっており,そのおかげで限界を掴み取り易いからかも?
  ・熱ダレに関しては,v1の頃も私は不満はなかったのでさほど違いは感じない
  ・ただ,v2はタイヤが冷えにくい特性はあるかも?
  ・その特性から,連続周回してひたすらアタックを続けるスタイルの方が向いてそう
  ・そういう意味でv2はやはりレースタイヤ.1発のタイムを狙う予選タイヤ的な使い方は向いてないかも?

といった感じでした.TC2000に続き,TC1000でも大きな不満は感じなかったので,CR-Sはv2になってより良いタイヤになった気がします.TC2000の時にも言いましたが「もうこれで十分なんじゃないかな?」という感じです.ウォームアップの部分だけ目を瞑れば,値段を考えてもホント素晴らしいタイヤだと思います.
Posted at 2025/02/26 05:14:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年02月24日 イイね!

A052 vs CR-S(TC2000編)

A052 vs CR-S(TC2000編)ドライビングの反省も終わったので,お次はタイヤのお話.

今回はA052が間に合わなかったので,代わりにCR-Sを履いて走りました.前回CR-Sを使ったのが2023年の2月なので約2年振りとなります.当時もA052が入手出来ず,その代替としてCR-Sを使ったのですが,225/45R15というトリッキーなサイズを使ったものの,失火のトラブルで苦しまされていた時期なので,良し悪しは判断出来ませんでした.

そこから時は流れてCR-Sもv1→v2へと進化し,色々と調べた結果「今の状態だと205/50R15の方が良いだろう」という判断で今回はこちらのサイズを選びました.ちなみに205/50R15の方も2022年の4月に使っています.

長々と回想から入ってしまいましたが,今回はTC2000でのCR-Sの感触を振り返ってみます.なお,久方振りのタイヤ比較なので,今回は以前から一度やってみたかったフリクションサークルを使った分析にトライしてみようと思います.


まずはサンプルデータ.

【A052(1'07.839)】


  気圧:1021.9hPa  気温:14.6℃  路面温度:16.3℃

【CR-S(1'07.672)】


  気圧:1018.9hPa  気温: 6.0℃  路面温度:15.0℃


これらのロガーデータからフリクションサークルを描き,その外周部分を繋いでみるとこんな感じ(↓).
(青:A052 赤:CR-S)



今回,久方振りにCR-Sを履いて走ってみた訳なのですが,A052と比べて特に違和感はありませんでした(内圧が高い時に最終コーナーでアンダーステア強かった事くらい).このため,フリクションサークルもほぼ同じ形になるのかなぁ~?と思っていたのですが,比べてみると意外と違いますね.なお,厳密にはタイヤ以外の要素として,フロントのスプリングが中反発(A052)⇔低反発(CR-S)という点があるのですが,レート・長さは一緒なので今回は同等と見なして分析します.


まず,加速G.



両者共に概ね0.3G出ているので,ほぼ違いはありませんね.エンジン出力・ギヤ比が同じなので当たり前と言えば当たり前の話です.厳密にはCR-S(赤)の方が若干加速力が良い(サークルの下型に行っている)気もしますが,有意と呼べるほどの差ではない気がします.ただ,A052(青)の方が瞬間・瞬間では大きな加速Gを出している部分もあるので,ギャップの吸収力(≒コンパウンドの柔らかさ)という意味では,A052(青)の方が良いのかもしれません.


続けて,左右G.



ここは笑っちゃうくらい同じ旋回Gが出ていますね.多少前後の加減速とオーバーラップしている領域でも両者の絶対値に大きな差は生まれていないので,横のグリップという意味では同等と見なせるんじゃないでしょうか.


最後に,減速G.



ここは大きく異なるので状況別に細かく見てみようと思います.まずはタイヤのグリップを完全に縦に振り分けた時のMAX値(↓).



多少横Gでブレた状況を加えてもMAX値はCR-S(赤)の方が高かったようです.CR-S(赤)で最大減速Gを記録したポイントを調べてみたところ,最終コーナーの進入でした(↓).



車載と照らし合わせてみると,ちょうど4→3速へのシフトダウンが完了した辺りでこの減速Gが出ていたのですが,これは恐らくラフにクラッチを繋いだせいですね(汗).高車速域からのブレーキングで減速Gが高い状況下で,操作が間に合わずクラッチをバン!と繋いでしまい,その際の姿勢変化分が乗っかってMAX値になったのだと思われます・・・.

なので,正しく見るべきはその次に減速Gが大きかったポイントで,1コーナーのブレーキング or 2ヘアのブレーキングだったようです.A052(青)のMAX値は2ヘアのブレーキングだったので,こちらを取り上げて見てみると(↓),



やはり絶対値的にはCR-S(赤)の方が高い=CR-Sの方がブレーキングで良く止まる,と言えそうです.「ブレーキングで良くとまる」というと,以前内圧の勉強をした際に(↓),


(BRIDGESTONE:タイヤの接地面を”見る”技術「ULTIMAT EYE」より)

  ・制動力に関しては,内圧を下げれば下げるほど良くなる
  ・タイヤの前後方向の変形は横方向の変形よりも少なく,接地面積は維持される
  ・故に,前後方向のグリップを稼ぐために内圧を下げる
  ・そもそも,前後方向に掛かる力の方が,横方向の力よりも大きい
  ・従って,コーナリング性能を多少犠牲にしても,前後方向のグリップを稼ぐという選択肢はある


という事を学びました.今回「CR-S v2の温間推奨値は2キロ」という情報を事前に得ていたのでこの値で走ったのですが,A052で走った時はこれよりも高い値に設定していたので,その差が出ている可能性はあります.逆に言うと,内圧を下げてグリップが大幅に増えるのは,やはりブレーキング領域のみで,加速領域もコーナリング領域も大して差はないという,勉強した事の裏付けが今回取れたのかもしれません.


次いで左コーナーの領域(↓).



ここは明らかにCR-S(赤)の方が上回っていますね.減速しつつ抜けていく左コーナーはどこだ?と調べてみたところ1ヘアでした.そこで1ヘアの車速のグラフを確認してみると(↓),



確かに120km/hを下回った領域ではCR-S(赤)の方が減速量が少なく,高い速度のまま1ヘアに進入出来ています.ブレーキングしつつコーナリングもする,両者をオーバーラップさせたような領域ではCR-S(赤)の方が秀でているという事なんでしょう.v1の頃の印象だと,こういった俗に言う「斜めのグリップ」を使う領域はCR-SはA052と比べて明確に落ちる印象があったのですが,今回乗った時は確かにそういった印象は受けませんでしたし,v2で改良された部分なのかもしれませんね.


では今度は右コーナー(↓).



ここも左コーナーと同様にCR-S(赤)の方が上回っていますが,前→右へ移る最後の部分はA052(青)の方が上回っています.左右で特性が違うなんて事はないはずなので,どういう事かなぁ~?と車速のデータを見てみると,



1コーナーと最終コーナーのドライビングミスのせいのようですね・・・.早めに縦で止めてしまって,ブレーキングとコーナリングをオーバーラップさせるような領域が少なかった結果,フリクションサークルのデータに出て来なかったという事なんでしょう.逆に言うと,ここは「ドライバーがタイヤを使い切れていない部分」という事で,「タイヤの性能を考えたら,もっとコーナリングスピードは上げられる(=伸び代)」という事になるんだと思われます.


最後に内圧の違いの話が出たので,1本目の内圧が高かった時(青)と2本目の推奨内圧まで下げた時(赤)の最終コーナーのフリクションサークルを比較してみるとこんな感じでした(↓).



調整したのはフロントの内圧だけなので,正真正銘内圧の差です.ご覧の通り,内圧が高い時(青:約2.4キロ)は加速する事が出来ず,タイヤのグリップは全て真横に使っているのが分かります.一方,内圧を下げた時(赤:約2.0キロ)はそれよりも僅かに下側に行っていて,同じくらい横のグリップを出しつつも,クルマを前に進める余力が出てきているのが読み取れます.やはり内圧を下げて増えるのは,横のグリップではなく,縦のグリップである事を示している結果かと思われます.


以上,A052 vs CR-SのTC2000編でした.纏めると,

  ・A052⇔CR-S(v2)で横のグリップは完全に互角
  ・縦のグリップは,加速領域ではほぼ互角 もしくは 僅かにA052の方が上
  ・減速領域は,明確にCR-Sの方が上
  ・特に減速と旋回をオーバーラップさせた「斜めのグリップ」はCR-Sの方が上
  ・但し,今回A052が斜めのグリップで劣ったのは,内圧の差である可能性は残る
  ・ドライビングミスによって,CR-Sの斜めのグリップを引き出せなかった領域もある
  ・CR-Sの内圧は,0.4キロ違えば明確にグリップの差が出る
  ・内圧を下げる事によって増えたのは,縦のグリップである

という感じでしょうか.「斜めのグリップはCR-Sの方が上」というのはかなり予想外の結果でした.v1の頃はここが足りていない印象だったのですが,v2の構造変更でここが改良されたという事なんですかね? また,内圧を0.4キロ下げてもタイヤの剛性が下がった(荷重を掛けた時に腰砕けになる)感触はなかったので,軽量級のCR-Xで使う場合には,まだまだ剛性に余裕がありそうです.1発のタイム狙いであれば,もう少し温間内圧を下げてみても良いのかもしれません.



今回CR-Sのv2を使ってみて,正直A052より劣る部分は見出せませんでした.この性能でA052の6割程度の値段なんですから,「これで十分でしょ」と思った程です.確かにCR-Sの作動温度域がA052よりも高いため,冬場の低い路面温度ではかなり辛いですが,逆に言えば一度温まってくれさえすればCR-Sの方が安定してドライビングに集中出来るんじゃないかな?とも思いました.低コストの練習用タイヤとして,CR-Sはかなり魅力的なタイヤだと思いました.
Posted at 2025/02/25 00:17:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2025年02月23日 イイね!

TC2000での伸び代を探す

TC2000での伸び代を探す間にイベント見学を挟みましたが,戻ってTC2000の続き.最高速の検証も済んだので,先日のTC2000の振返りを行おうと思います.

クルマ的には前回の走行から色々変わっているので(タイヤすら違いますし),分析の観点も色々あるのですが,次TC2000を走るのはまた9ヵ月後とかになると思うので,今回は主にドライビングの観点で纏めておこうと思います.


ではいつものパターンで,まずはサンプルデータ.

【自己ベスト時(1'07.454)】


  Sec1:27.606  Sec2:27.719  Sec3:12.129  最高速:154.928

【今回(1'07.745)】


  Sec1:27.617  Sec2:27.855  Sec3:12.200  最高速:151.261

Sec1は完全に互角,Sec2で僅かに遅れて,Sec3はほんの少し遅れをとった,という感じですかね.最高速は先述した通り復調傾向ではありますが,まだ足りていません.


続けてコンディション.

  自己ベスト時 ・・・ 気圧:1025.2hPa  気温:12.4℃  路面温度:21.9℃
  今回       ・・・ 気圧:1018.9hPa  気温: 6.0℃  路面温度:15.0℃

気圧は自己ベスト時の方が高いですが,今回の方が気温が6℃も低いので,ほぼ同等か僅かに今回の方が有利?という感じです.


そして,本題のロガーデータです(赤:自己ベスト時 青:今回).

ホームストレートエンド



ホームストレートエンドの最高速(左側の緑丸)はほぼ互角(0.4km/h差).今回も上手く助走を決められたようです.ただ,細かく見ると最高速の帳尻は合ってはいるものの今回(青)の方が若干速度の伸びが鈍いかな?という気もします.速度の上昇が鈍い時は抵抗が増えている(=ステアリングを切っている)のがセオリーなので,その観点で見てみると(↓),



自己ベスト時(赤)に比べて今回(青)の方が若干早く1コーナーにアプローチを始めていたようです.
これを車載で見るとこの辺り(↓).



ちょうど丘を登り始める辺りですかね? 映像で見るとステアリングを全く切ってないように思えますが,左下のフリクションサークルには加速が鈍っているのがはっきり出ています.なんでかなぁ~?と思った時にステアリング操作がワンハンドになっている事に気づきました(↓).



左手はこの先のシフトダウン操作に備えてシフトノブに添えられており,右手1本でステアリングを保持しています.通常2本で支えているものを1本で支えようと思ったら自然と右手は力む訳で,その力みがステアリングを僅かに手前に引いてしまって舵角がついたんだろうなぁ~と思いました.

150km/hの領域ですので腕に力が入ってしまうのは仕方がない事なのですが,そもそも力んでしまう理由の1つとして,ブレーキング時にクルマが安定しないせいもあると思います.その証拠にシフトダウン操作の最中はステアリングを左へ切ってカウンターを当てていました(↓).



乗っていた時はスピンするほどの不安定さは感じませんでしたが,やはりリアのスタビリティが足りていないんでしょうね.クルマの安定性が無意識下で色んなところでドライビングに影響を与えているんだなぁ~と思う事例でした.
(無意識に身体が勝手に動く・・・人間のフィードバック能力って凄いですね)


1コーナー
という事で意図せず1コーナーのIN側に早めに寄っていってしまったのですが,その結果がどうなったか?というとこんな感じ(↓).



今回(青)の方がブレーキングで滅茶苦茶余っていますね(汗).早めにIN側に寄ったせいで強めにブレーキングせざるを得ず,速度をキャリーして1コーナーにアプローチする事が出来ないので,ボトムが低く,アクセルも踏めないという酷いドライビングです(泣).幸いにして立ち上がりのアクセルONのタイミングはズレていなかったのでその後の加速は鈍っていませんが,これだけで0.11秒失っています・・・.


第1ヘアピン



ここは今回(青)の方が速かったです.ボトムを1.3km/h上げられています.特に走らせ方を変えた訳でもないので,なんでかなぁ~?と車載を見てみると(↓),



そうでした! 今回はバンク上段にスロー走行のクルマがいたので,少し進入を抑えたんでした.

(‥ )ン?

という事はアレか? 今までが突っ込み過ぎだったという事か?? もうちょっと手前で引いて,バンクを使ってボトムを上げる走らせ方の方が速いって事なんですかね? コレで今回(青)の方が自己ベスト時(赤)よりも0.07秒速い結果となっているので,怪我の巧妙というか1つ新しいヒントが得られたのかもしれません.

ちなみに,進入がヌルかった事を乗っている時は当然分かっているので,このロスを少しでも挽回するために,FD2をかわした後は,早めにアクセルを開けて「出口で外側に膨らんでも良いから,ボトムを無理やりにでも上げよう~」とドライビングを変えた訳なのですが,その結果,タイヤのグリップを横に使い過ぎて,クルマが前に進んでいませんでした・・・(↓).



車載で見るとこの辺り(↓).



乗っている時はフロントが滑っている感触はなかったので,もしかしたらCR-Sではなく,A052であればこの操作でも耐えられたのかなぁ~?という気もします.


ダンロップ



1ヘアを立ち上がって,クルマを左→右にS字を描くように動かしてダンロップへアプローチする訳なのですが,まだ左へ切っている最中の100km/h付近で今回(青)の方が若干加速が鈍っています.特に何もしていないはずだけど,何だろうなぁ~?と車載を見ていると(↓),



ちょうど2→3速へシフトアップするポイントでした.前回走行した時にここでシフトミスをしていたので,今回はその過ちを繰り返さないように意識してドライビングしていたのですが,逆に意識し過ぎてきっちりレブまで引っ張り切れていなかった・・・という事なんでしょうね.まぁ,ミスをするよりは100倍マシなので今回はこれで"良し"としたいと思います.

一方,ダンロップの進入において,アクセルOFF→ONのタイミングが明らかに早まっていました.車載を見るとこの辺り(↓)からアクセルを開け始めているのですが,



アンダーステアもオーバーステアも感じず,コーナーを抜けた先でオーバーランするような事もなく,ニュートラルステアで非常に良いバランスでした.前回からフロントのスプリングを中反発→低反発に変えているので,こういった切返しのレスポンスは悪くなっているかと思ったのですが,そういった印象は全くありませんでした.もしかしたらCR-Sのハード化がここで良い効果を生んだのかもしれません.


第2ヘアピン



ダンロップの立ち上がりが速かったおかげで,80Rでは全域に渡ってタイムを稼げている訳なのですが,2ヘアの手前でその加速もガクッと鈍っています.何だろうなぁ~?と車載を見返してみると(↓),



ちょうど3→4速へシフトアップする部分でした.う~ん,やはりここの加速の停滞がまだ直ってないという事なのかなぁ・・・? その後,2ヘアのブレーキングとなる訳なのですが,ここはブレーキング中に姿勢が乱れたせいで(↓),



ボトムが下がってしまいました(泣).「ブレーキングの精度が低い!」と言われればそれまでですが,やはりもうちょっとリアのスタビリティが欲しいですね.

なお,このブレーキングが完了した時点で自己ベストを0.07秒上回っていたのですが,ここから先のバックストレートだけで0.2秒引き離されてしまい,これがそのままタイム差となってしまいました.やはりTC2000はここのスピード不足を何とか元に戻さないと勝負権はなさそうですね.


最終コーナー



ここは明確にドライビングミスです.ブレーキを遅らせる事に意識が行き過ぎてしまった結果,4→3速へのシフトダウン操作が窮屈になり,ブレーキペダルを踏んでいる時間が相対的に長くなってしまいました・・・.その結果,アクセルONのタイミングが遅れてボトムを109km/hまで落としてしまったので,完全にミスです(泣).

一応,この後のラップではシフトダウン操作の時間を短くする事を意識して,Sec3で11秒台に戻ったのですが,その感覚を掴むのが遅過ぎましたね.ブレーキングの開始タイミングを遅らせる事に意識がいくと操作に余裕がなくなるので,いっそブレーキを踏まず,手前からアクセルOFFで進入するようにすればもうちょっと余裕が出来るのかなぁ~? あるいはこういうエクステンションを追加して(↓),



ステアリング⇔シフトノブ間の距離を縮めて,相対的に操作時間を短くなるようにすれば,もうちょっとマシになるのかなぁ~?


以上,TC2000での伸び代を探すでした.纏めると以下の通りです.

  ・1コーナーの進入はもう少し外側から進入(但し,そのためにはリアのスタビリティも必要)
  ・1ヘアのブレーキングは突っ込み過ぎのようなので,もう少し引いてバンクを使った方が速いかも?
  ・1ヘアの立ち上がりはタイヤのグリップを過信せず,クルマを前に進める事に意識を割く
  ・ダンロップはOK.今回のアクセルONのタイミングの再現性を高めること
  ・2ヘアもライン取りはOK.但し,もう少しリアのスタビリティが欲しい
  ・バックストレートの伸び不足は引続き要改善
  ・最終コーナーはシフトダウン操作を可能な限り短く!(操作時間がボトムスピードを決める!)

次走るのは9ヵ月後になると思いますが,9ヵ月後の私,これらの反省点をちゃんと直して下さいね!(笑)

プロフィール

「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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プジョー 208 プジョー 208
20年走ってくれたティグラに代わって実家にやってきた新車(なんと21世紀を迎えてから初め ...
オペル ティグラ オペル ティグラ
アンドロストロフィーのティグラの活躍に一目惚れし,母が乗り換えを検討した際に猛プッシュし ...

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