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OX3832のブログ一覧

2025年03月13日 イイね!

プロの感想 ~蘇武喜和プロの場合 その⑤~

プロの感想 ~蘇武喜和プロの場合 その⑤~24-25のタイムアタックシーズンが終わり,今シーズンは前年に比べて平均0.3秒落ちという惨憺たる結果となりました.

TC2000での結果を見るとクルマの状態はそんなに悪くなさそうなのですが(CR-Sを履いて自己ベストの0.2秒落ちですし),とにかくTC1000でタイムが出ない・・・.その主たる要因は「リアの不安定さ(スピン挙動)」に起因していて,スプリングやら,キャンバーやら,トレッドやら色々変えてみたのですが不十分だったようです.

その証拠に,色々対策したにも関わらず,先月のTC2000ではこんなスピンを喫しました(↓).



ただ,このスピンを経験した事で「コレだけやって直らないのは,足回りの問題ではないのでは・・・?」とも思い始め,そうなると自分の力だけでは謎を解き明かせそうにないので,筑波サーキットのアドバイザーでお馴染み蘇武喜和さんのお力を再び借りる事にしました.



EF8に乗って頂く前に,前回乗って頂いた時から「LSDの仕様を変えた事」「それ以降,スピン挙動に悩まされている事」「スピン挙動はヘアピンで強く出ていて,TC1000だけでなくTC2000でも出ている事」等をお伝えしました.蘇武さんからは「LSDの仕様変更部分の詳細(何を替えて,何を替えてないのか?)」を質問されて記憶を辿っていたのですが,途中で詰まった時に,隣で実際の作業をしてくれたメカニックのSさんが補足してくれました.
(有難う御座います.助かりました!)

その結果,蘇武さんが導き出した答えは「リアのブレーキ(↓)じゃないかな?」という見解.



そこで,「このEF8には社外のプロポーショニングバルブ(Pバルブ)が付いている事(↓)」,



テストしてリアのブレーキがロックしないギリギリのところでセッティングしてある事(↓)」を伝えました.



その結果,蘇武さんからは「じゃあ,途中で1度戻ってくるのでそれを変えてみて下さい」というオーダーを受けました.


その後,EF8に乗り込んで頂く際に少しやりとり.



蘇武さん :(今日走った感触は)どうでした?
私     :やはりリアがロックしているみたいですね・・・.
蘇武さん :さっき見てたんですけど,1コーナーでリアの内側のタイヤがめくれ上がってました.
蘇武さん :そして,後ろから白煙が上がっていました.
蘇武さん :それって,タイヤは接地しているけどロックしている状態なんです.
私     :接地しているけどロックしている・・・??
蘇武さん :接地していてもロックしていなければ,白煙は出ないんですよ.
私     :えっ!? そうなんですか?
蘇武さん :着地する瞬間は勿論少し出るんですけど,あの量はロックしてますね.
私     :確かにヘアピンで少しリアが振られるので,ロックしてるなぁ~とは思っていましたが・・・.
蘇武さん :そうですよね.なので,フロントのブレーキを強められると良いのかな?と.
私     :ABSないので,フロントを強めるのは怖いんですよねぇ・・・.
蘇武さん :はいはい.では,ちょっと走ってみます.
蘇武さん :途中で戻ってくるので,ブレーキバランサーの調整をして下さい.
蘇武さん :あと,1コーナーの入り見てて下さい.多分白煙が上がると思うので.


と言われたので,そこから私は駆け足で1コーナーへ移動.



なるほど,なるほど~と見つつ,途中で戻ってくるとの事だったので,また駆け足で急いでピットへ戻ります.


ところが,その後,何周経っても戻って来ない・・・.



「アレッ? 原因はブレーキじゃなかったのか??」と不安になりつつ,ピットから1コーナーを眺めると,



モクモクと白煙が上がってる.「ん~,どうしたんだろう?」とコース上を見続けるも,クーリングを挟みながら周回が続き,遂には11周目に最速タイムをマーク(↓).




「これ以上は時間切れなので,もう調整は出来ないなぁ~」と思ったところでピットにご帰還.



私     :仰っていた通り,1コーナーで白煙がモクモクと上がっていました.
蘇武さん :そうですよね.
蘇武さん :多分,フロントのブレーキパッドをもう少し強めてあげて良いかもしれません.
私     :あ~,フロントはまだ余裕がありますか?
蘇武さん :ブレーキのタッチが結構カッチリしているんですが,
蘇武さん :カッチリしていてストロークが短い割には,その先でフロントの制動が滑るんです.
蘇武さん :もう少しフロントの制動があれば,タッチが硬くなって止まった時に,その先を踏もうとしなくなる.
蘇武さん :そこ(カッチリした部分)から先でリアのブレーキがロックしていました.



蘇武さん :(ブレーキを)コントロールしている時にグッ!と踏み込む,感触が強い部分.
蘇武さん :そこを使おうとするとリアのロックが激しい.
蘇武さん :(ブレーキを)軽めに入ると,リアが不安定になるほどにはならない.
蘇武さん :ちょっとブレーキを行き始めると,唐突に不安定さが出てくる.
蘇武さん :リアを弱めるというよりは,フロントの制動がそこで抜けている感じがあって,
蘇武さん :それで踏力を入れたくなっちゃうので,フロントを強めてあげると良いと思います.
蘇武さん :なお,フロントのブレーキロックに関しては,まだ余裕があると思います.



蘇武さん :ま,好みもあるんで・・・.
私     :いえ,タイムを削り取ろうとブレーキを詰めた時にスピン挙動が出ているんです.
私     :そこまで詰めようと思っていない時は確かに出ませんでした.
蘇武さん :はいはい,そうですよね.
私     :仰る通り,(ブレーキペダルの)奥の領域が影響しているんだと思います.
蘇武さん :そこで急に不安定さが出ている?
私     :はい.そうです.



蘇武さん :でも思っていたよりは(スピン挙動は)唐突ではなかったですよ.もっと唐突かと思っていました.
私     :あ~,そこは色々と対策をしたので(笑).
蘇武さん :そこら辺は乗り易かったですね.

蘇武さん :LSDも凄く乗り易いと思います.
私     :ちゃんと1コーナーの出口で戻ってくるようになりましたからね(笑).
蘇武さん :はいはい.押される感じがなくなりましたね.

蘇武さん :油温だけ気を遣ってあげれば,相変わらず周回出来るクルマですよ.
私     :有難う御座います~♪


以上,プロの感想でした.

なるほど,根本的な原因はブレーキだったのか・・・.しかもリアではなく,フロントの問題だったとは!
蘇武さん,謎を解き明かして頂き本当に有難う御座いました.<(_ _)>

まだ具体的な解決方法は描けていませんが,対策が出来た暁にはまた乗って下さい!
Posted at 2025/03/14 17:14:28 | コメント(2) | トラックバック(0) | プロの感想 | 日記
2025年03月12日 イイね!

三度目でも面白かった♪

三度目でも面白かった♪先に「クラウン70周年記念展」の話をしてしまいましたが,トヨタ博物館へ行って来たお話です.

会社の若い子達が初めて愛知へ出張するというので,そのお目付け役を仰せつかり,久方振りに名古屋へ行って来ました.打合せは午後からだったので「どうせ行くなら早めに行って,トヨタ博物館でも見学しよう~」と思い,朝6時に出発.新幹線で名古屋を目指しました.



(取った指定席が最後尾だったので,珍しく撮影・・・笑)

残念ながら当日は雨で傘が邪魔だなぁ~と思いつつ,名古屋駅から東山線→リニモと繋いで「芸大通駅」で下車して徒歩で向かいます.



トヨタ博物館を訪れるのはこれで3回目.最初は愛知万博がやっていた2005年,2回目はコロナ禍が始まる直前の2020年,2回目の方は新しく出来た「クルマ文化資料室」お目当てで「トヨタにとってCR-Xと言えば・・・デルソル」なんて経験をしました(笑).


5年前だとまだ記憶が新しいので,駅からはすんなりと到着.「クルマ館」の方の展示は入れ替わってなさそうなので,多分面白いのは「文化館」3Fのリニューアルされた「クルマの図書室」くらいなんだろうなぁ~と外から眺めつつ(↓),



開館を待って(この時点では9:25で営業開始前),守衛さんがOKを出してくれたタイミングで中に入りました.この日は移動時間の兼合いから手持ち時間はMAX 90分しかないので足早で移動し,2Fをグルッと1周.



予想通り展示は変わってないなーと思ったので,そのまま3Fに向かおうと思ったのですが,階段(エスカレーター)の下に見覚えのない空間が.「アレッ? こんなの前あったっけ・・・?」と調べてみたところ,2022年に出来たとの事(=前回の時にはなかった).コチラは「クルマの日本史」に関する空間で国内自動車メーカーの変遷が壁一面に描かれていました(↓).









こんな感じで,資本提携とその解消が書かれていたのですが,果たしてホンダと日産の提携がここに追記される日は来るのでしょうか・・・?(なお,この日,日産の社長交代が報じられていました)


その後,3Fへ上がり(↓),



こちらも特に展示は変わってなさそうだなぁ~と思ったのですが,最後の電気自動車コーナーにTESLAの「RoadSter」が(↓).



これは前回来た時はなかったような・・・?と思いつつ,昨今の情勢を考えれば,これを展示しない訳にもいかないんだろうなぁ~と思いつつ,珍しいクルマである事には変わりはないので,ジロジロと眺めてみます.









ちなみに,タイヤは「ADVAN NEOVA AD07」を履いてました.サイズはフロントが175/55R16,リアが225/45R17でしたが,製造年が「0910」となっているので当時モノなのかな?


さて,これで3Fも終了.先を急ぐぞ~と階段に向かおうと思った時に,ふとこの立て札が目に(↓).



えっ!? コレも前回見落とした??と思い進んでみると,



分かる人には分かる,なんともマニアックな模型が! カモフラージュのカバーを止めているガムテープが剥がれ掛かっている様なんて,世の中で再現を試みる人なんていないでしょうね(苦笑).


勝手に内心で小躍りしながら1つ1つじっくりと見ていると,更にマニアックなものが!(↓)



うぉー,プリプレグのオートクレープの模型!





「あ~,もうコレが見れただけで来た甲斐があった」と満足しちゃいました(笑).


満足感に浸りつつ1Fまで降りて,ミュージアムラウンジで時間を確認すると残り60分(↓).



この時点ではまだクラウン70周年記念展(↓)」も見ていないので,



時間的には結構ギリギリかな?と思いつつ,渡り廊下を歩いて「文化館」に向かいます.



文化館2Fの「クルマ文化資料室」は非常に楽しい空間なので,時間をかけてじっくり見たいところですが,先述の通り余裕がないので5年の年月でアップデートがありそうな部分にだけ注目.1/43のミニカーが年代毎に並べられた展示で,少し増えているのかなぁ~?と思いましたが,



一番新しいの2018年の「LEXUS LC500h」で,あとは「未来へ戻れ!」という内容でした.


その後,3Fに上がってリニューアルされた「クルマの図書館」を見学(↓).



以前はそのまんま図書館という感じの施設でしたが,リニューアル後は近代的なオシャレな感じになってました.カタログコーナーでCR-Xを探していたらデルソルのものしか見当たらなかったので,「やはりトヨタにとってCR-Xと言えば,デルソルなのかー!」と一瞬思いましたが,よく見たらサイバーの方はCR-Vのカタログに交じってました(笑).


一通り見終えて1Fに戻り,ミュージアムショップをグル~っと回って「さて,帰ろう」と思ったところで,最後にふとコレが目に留まりました(↓).



博物館に入る前に見たアレ(↓)を,



スケールダウンして,中をくり抜いてミニカーを展示するという,よくあるパターンの代物なのですが,そこに入っていたクルマが・・・(↓),



やはりトヨタにとって,CR-Xと言えば・・・ デルソル なのかー!と打ちひしがれました(笑).


こうして5年振りの「トヨタ博物館」を楽しんだ後,再びリニモ(↓)に乗って移動.



「八草駅」で愛知環状鉄道に乗り替えて更に移動.



途中Rally Japanのラッピングトレインを眺めつつ,お昼ご飯を食べている時間がないのでコンビニで買ったパンを口に放り込みながら,なんとか集合時間に間に合わせて仕事を済ませました.


仕事が終わった後は名古屋駅に戻り,折角来たんだから何か食べて帰ろうとアチコチの店を眺めたのですが,夕飯時でどれも並ぶ状況だったので,タワーズプラザ13Fへ行って比較的空いている「とり 五鐵(ゴテツ)」に入店.「名古屋コーチン親子丼と鴨南蛮きしめんセット」をオーダー(↓).



ようやくマトモな食事にありつけました(苦笑).そこから帰りの新幹線を予約し,あとは帰るだけ~となったのですが,時間潰しで「美濃味匠 JR名古屋駅店」を覗いてみたら,「ふんわり黄金夢天むす(↓)」が30%OFFとなっていたので,こちらを2つ購入.



家に着いてから夜食として食べましたが,1日の疲れもあってか,なんだかコレが一番美味しかった気がします(笑).


以上,三度目でも面白かった「トヨタ博物館」訪問でした.
Posted at 2025/03/13 16:46:17 | コメント(1) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2025年03月11日 イイね!

クラウン70周年記念展見学

クラウン70周年記念展見学名古屋に行く用事があったので,ついでに足を延ばしてトヨタ博物館で開催されている「クラウン70周年記念展」を見て来ました.

クラウンに特に思い入れがある訳ではないのですが,展示車両の中にピンククラウンがあったので,もう一度マジマジと見てみたいなぁ~と思ったのと,スケールモデルが3台展示されるとの事で,こちらは今回しか見るチャンスはないだろうと思い行って来ました.


今回は移動時間の都合上,あまり余裕がないので開館時間ぴったりに到着.平日の朝一から来る人なんていないんだろう~と思ったら先にお一人いらっしゃって,この日2人目の入館となりました.



入口入ってすぐのところに特別展示「トヨペット マスター(左)」と豪州ラリー仕様の「クラウン RSD型(右)」があったので,まずコチラをパシャリ.後ろの時計を見ると開館から2分の状況ですね(笑).


クルマ館の中を駆け足気味に見終わった後,文化館へ移動して企画展示室へ.







「クラウン」と言われると「オヤジセダン」というイメージが頭にこびりついているので,形状なんて大して変わってないだろう~と思いきや,こうやって一同に並べられると歴代で結構形が変わってきていた事が分かります.当たり前な話ですが,時代相応に進化していたんだなぁ~と思わされました.

それ故に,現行の16代目(↓)がいかにエポックメイキングな形をしているかがよく分かります.



「もはやセダンの時代ではない」という事でこういう形になったのだと思いますが,私はこのデザイン結構好きです.ちなみに,この16代目からは色々なボディ形状の派生車種が生まれているのですが,クラウンでこんな事をしたのは初なんだろう~と思ったら,意外と過去にも色々あったみたいです(↓).



言われてみると「ああ,そういえば!」というものがいくつかあるのですが,1つ勉強になりました.


一通り見終わった後に,今回見たかった1つのスケールモデル展示(↓).



展示を見るまでは1/20くらいのサイズだろう~と思っていたのですが,実物を見ると結構大きい.1/10いやもっと大きいな・・・と思ったら1/5との事でした.



ホビー用ではなく,製品開発用でしょうから,アップで見ると密度感が凄い.







ホイールメッキのキラキラ感も相まって,近接撮影すると実車と見間違えそう.



後に実車を撮影したものと比べるとこんな感じ(↓).





ちなみに,このスケールモデルの注目点は「アームレスト」だったそうなのですが,コンソール側に意識を取られて,そっちは見損ねた・・・(泣).


その後は,クルマ文化資料室を通り(↓),



図書館に立ち寄った後,1Fへ(↓).



コチラではもう1つの目的である「ピンククラウン」.多分最後に見たのは2013年の東京モーターショーかな?(↓)


(第43回 東京モーターショー2013:ギャラリーより)

当時,緑の芝生の上にピンクのクラウンが鎮座している姿を見て「ハデだなぁ~」と言葉が漏れたのを今でも覚えています(苦笑).



当時の勝手な思い込みで,このピンクは「ショッキングピンク」な色合いなんだと思っていたのですが,改めて見てみるともうちょっと深みがありますね.



メタリックでも入っているのかな?と覗き込んでみたのですが,そこまでのキラキラ感もない.



ああ,ちゃんとクルマのカラーなんだなぁ~と改めて見て思いました(当たり前!).



なお,コチラのカラーの正式名称は「モモタロウ」なんだそうです.
元新潟県人なので,「モモタロウ」と言われるとコッチ(↓)を思い出してしまうのですが,


(セイヒョー:もも太郎より)

それよりもっと高級感のある色合いでした(笑).なお,ピンククラウンの「モモタロウ」の元ネタはドラえもんの「どこでもドア」だそうで,「なるほど,そういえばモーターショーの時も"どこでもドア"が展示されていたなぁ~」と思い出しました.


以上,クラウン70周年記念展の見学でした.

Posted at 2025/03/12 12:26:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2025年03月09日 イイね!

アシストスプリング考察

アシストスプリング考察先日,「フロントにヘルパースプリングを入れるなら1Gで線間密着するものを使え!」というのを学びました.

この手法は,接地性を高めるためにハイレート(20キロ)のヘルパースプリングを使って積極的に伸びの力をアシストさせるのが狙いな訳なのですが,1Gちょうどで線間密着をさせる必要があり,なかなかセッティングするのが難しそうです・・・.となると,一先ずはリアと同様にほぼレートがないヘルパースプリングを使って手っ取り早くリバウンドストロークを稼ぐのが良いか?と思い調べてみる事にしました.

まずは,完全に潰す前提でヘルパースプリングを使う場合の注意点を確認すると(↓),


(HYPERCO:ヘルパースプリング と HYPERCO テンダースプリング の違いについてより)

  ヘルパースプリングの密着高 >(アッパーシートの凸部分 + スペーサーの凸部分)

という関係にしないと,アッパーシート⇔スペーサーが接触して異音がするそうです.これはごもっともな話.1キロ以下のヘルパースプリングは密着高が10mm前後でしょうから,ほとんどのヘルパースプリングが接触するでしょうね.


となると,HYPERCOで言うところの「ヘルパースプリング」ではなく「テンダースプリング」を使うべきか?と思っていると,再び「角断面形状」の話が出てきました.


(HYPERCO:HYPERCO TENDER SPRINGより)

やはり完全に潰して使う前提であれば,変形が少なそうな「角断面形状」だよなぁ~.
「角断面形状」でないスプリングは除外するかと思い,調べているとこんな情報を見つけました(↓).


(ENDLESS:バッファーチューブより)

  線間密着による異音の防止,線間密着箇所の保護に効果的なポリウレタン素材のバッファーチューブ.

あ~,なるほど.「丸断面形状」であってもこういったバッファーチューブで覆う事によって線間密着時の対応をしているのか.でも,全部保護しようとすると一体何個このチューブがいるんだ??と思ってしまったので,やはり無難に「角断面形状」を前提に探す事にしました.


さて,実際に探すとなると色んなメーカーのアシストスプリングが引っ掛かるのですが,さすがにこの長さでは反発力の違い云々はない気もするので,どこのメーカー製でも良いのかなぁ~?と思いつつ,一応,角断面スプリングの特性を調べてみたところ,以下のような感じ(↓).

  丸断面と比較した場合,自由長・外径・巻数・密着長が同じであれば,角断面の方がバネ定数が大きい.

このバネ定数の高さを活かして,その分だけ小型化する(外径を小さくする等)のが,「角断面形状」の特徴のようですね.となると,注目すべきは自由長か?と思い,主だったところのアシストスプリングの自由長を調べてみると,こんな感じ(↓).

  HYPERCO ・・・ 88.9mm
  Swift     ・・・ 68.0mm
  MAQs    ・・・ 50.0mm
  ENDLESS ・・・ 60~75mm

現状のフロントダンパーはこんな感じなので(↓),



リアと同様にメインスプリングを7インチ(178mm)→5インチ(127mm)に縮めて,出来た51mmの空間にアシストスプリングを入れる事を想定すると,MAQsのものがサイズ的にぴったりですね.


という事で,MAQsのID65を詳しく見てみると(↓),




(MAQs:ヘルパースプリングより)

密着荷重が53kgなので,1Gで十分密着させられそうですね.
ただ,これで増えるリバウンドストロークは26mm.果たしてこれで足りるのか・・・?


以上,フロント用アシストスプリング考察でした.
2025年03月05日 イイね!

メインよりハイレートなヘルパー

メインよりハイレートなヘルパー先月のTC1000で,リアにヘルパースプリングを再投入し,狙い通りヘアピンでのスピン挙動(リバウンドストローク不足)の対策を出来た訳なのですが,その延長線上でフロントの減衰力を上げてみたところ,低反発スプリングの特性と相まって内輪が浮く(リバウンドストロークが不足している)症状が出ました.

「リアの次はフロントかい・・・」と溜め息が出ましたが,リアの場合と違ってピーキーな動きではないので,ドライビングでアジャストすればまだ何とかなる範疇ではあります.

ただ,片輪が浮くとトラクションの面でマイナスなのは明らかですし,ここのところコーナーの立ち上がりが遅かったり,トップスピードの伸びがイマイチだったりするのもコレが原因なんじゃないか?とも思い始めていて,対策方法が何かないかな~?と考え始めました.

一番手っ取り早いのは,リアと同じくヘルパースプリングを投入する方法なのですが(↓),



リアと違ってフロントはコーナリングのきっかけを作る(リアよりも大きな力が掛かる)部分ですし,何かしらの弊害が出そうだなぁ~と思い調べてみると,ブレーキング時などの高荷重領域(ヘルパースプリングが完全に潰れる領域)では問題ないが,アクセルOFFだけで抜けていくような低荷重領域(ヘルパースプリングが完全に潰れ切らない領域)では,フワフワとした感触となってフィーリングが相当悪いみたいです.

「やっぱりそうだよなぁ~.フロントにヘルパースプリングは有り得ないよなぁ~」と思っていたら,「ヘルパースプリングを20キロのハイレート品にすれば良い」なんて話を目にしました.

( ・◇・) ハ???

「ナニヲイッテルンダ??」としばし思考がフリーズしたのですが,先日のジムカーナ練習会でも見かけたお店だったので,いい加減な話ではなさそう.中身を読む限り,ちゃんとトラクションを得つつフィーリングの悪化も抑えているようなのですが,これらが両立出来る理由として述べられている部分(↓)が今一つ理解出来ない・・・.

  ・14キロのメインスプリングに,20キロのヘルパースプリングを組合せた
  ・この組合せだとヘルパースプリングが縮まる前に,先にメインスプリングが縮まるのでは?と思っていた
  ・だが,計算してみたところ,ヘルパースプリングは1Gで線間密着する事に気づいた
  ・しかも,1Gギリギリのところで線間密着するので,1G以下の領域で素早く伸びてくれる
  ・1G以下→1Gに戻ったら密着するので,縮み側ではヘルパースプリングは影響しない
  ・故に,フィーリング的にはメインスプリングのみだった時と変わらない


ん~.ツインスプリングなんだから2本のスプリングの合成レートでしょ? 確かに両方とも固いスプリングだから縮み代は少ないかもしれないけど,やっぱり柔らかいスプリング(今回だとメインスプリング)の方から先に縮まるのでは・・・?


(HYPERCO:ヘルパースプリング/テンダースプリング の必要性①より)

(-ω-;) ウーン

と唸っていたのですが,唸っているだけでは答えは出ないので更に調べてみると,別のところでこんな文言を見つけました(↓).

  ・ハイレートアシストスプリングなら,1G以上ではメインスプリングレートに影響を与えない
  ・アシストスプリングは絶妙の設定となっており,加重がかかってる時の不安定さは一切ない
  ・スプリングレートという考え方ではなく,1輪加重の何キロでアシストスプリングが密着するかで設計している
  ・この設計が絶妙のバネレート特性を実現している
  ・自動車向けのスプリングメーカーでは対応出来ない設計理論/構造となっている
  ・人工衛星向けのスプリングメーカーと何ヶ月も協議し,シュミレーションを重ねて完成した
  ・ツインスプリングの合成レートだけで判断出来ない
  ・単純に繋げるだけでは固有振動によってお互いの力を打ち消し合い,望んだ効果は得られない


ん~,よく分からないけど,特殊な材料でも使ってるってコトなのかなぁ~? だったら真似出来ないし,専門家にやってもらわないと数値が決められないし,スルーするか・・・と閉じようとした時に,ツインスプリングの絵が再び目に入って(↓),


(HYPERCO:ヘルパースプリング/テンダースプリング の必要性①より)

Σ(゚Д゚) アッ!

もしかして,このハイレートヘルパースプリングのポイントはヘルパースプリングの自由長にあるのかも?

ならば,試算してみるか~という事で,古いデータを引っぱり出して,私のEF8のフロント軸重は644kgだとすると,片輪では,

  644 / 2 = 322 [kg]

フロントのレバー比を1.5と仮定すると,

  322 × 1.5 = 483 [kg]

例えば,メインスプリングが14キロ,ヘルパースプリングが0.2キロ(自由長:101mm,密着高:11mm),両スプリング間に挟まるスペーサーの厚みが9mmだとすると,

  メイン   ・・・ 483 / 14 ≒ 35 [mm]
  ヘルパー ・・・ 483 / 0.2 = 2415 [mm] ⇒ 101mmを超えているので線間密着し,11 [mm]

つまり,ダンパーとしての縮み代は以下となります.

  35 + 9 + 11 = 55mm

これは1G状態では55mm車高が下がり,ヘルパースプリングは完全に潰れている(=スペーサー状態となっている)事を示している訳で,ここからクルマが浮いて1G→0Gとなった場合,メインスプリングの縮み代分(35mm)にヘルパースプリングの自由長分(101mm)が加わるので,

  35 + 101 =136mm

という,とんでもなく長いリバウンドストロークになります.ただ実際のダンパーはこんなに長いストロークは確保出来ないので,ヘルパースプリングにプリロードが掛けて,強制的に長さを短くして入れる事になります.

という事は,現実のダンパーに入る長さまでヘルパースプリングの長さを短くし,ちょうど1Gの荷重で線径密着が起こるようなレートを設定すれば,1G状態ではスペーサー化しているが,1G→0Gとなった時には反力が発生して素早く伸びる,リバウンドストロークとステアリングレスポンスを両立したヘルパースプリングを生み出せる事になります.


試しに計算してみましょうか.今使っているAragostaの「TYPE-S」のフロントは以下のような設計となっています(↓).



メインスプリングの自由長を5インチ(127mm)とすると以下となり,

  176 - 127 = 49 [mm]

入れられる最長のヘルパースプリングは49mmである事が分かります.仮にこのヘルパースプリングの密着高が11mmだとして,これを1G状態でぴったり潰すためには,

  483 / (49 - 11)= 12.7 [kgf/mm]

というハイレートなヘルパースプリングが必要になる事が分かります.なお,バネレートが12キロともなると,スプリングの線径を太くする必要があり,その厚みで密着高が倍になると仮定すれば,

  483 / (49 - 22)= 17.8 [kgf/mm]

となり,なるほど「メインスプリングよりもハイレートなヘルパースプリング」という話はこういう事だったのですね.


そういえば,近年,HAL springsに70mmのショートスプリングがラインナップされていたのですが(↓),



密着荷重が書いてありますし,これはそういう用途用のスプリングなんですかね?
(密着荷重:500kgf,許容ストローク:25mmの20キロがラインナップにある・・・)

ただ,密着前提で使おうとした場合は,スプリングは角断面形状(↓)じゃないとマズイ気もしますけど,


(HYPERCO:HYPERCO TENDER SPRINGより)

HALのショートスプリングはそうなってないっぽいし,違うのかなぁ~? 先述の「ESAアシストスプリング」の方を見ると「拘りの丸材」なんて書かれているので,丸断面でも問題ないのかなぁ~?


以上,メインスプリングよりもハイレートなヘルパースプリングはアリなのか?というお話でした.

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