
低気温・高気圧のボーナスステージかと思われた
先日のTC1000でしたが,走行会前日のドリフト走行によって荒れた路面に阻まれ,40秒台には届きませんでした.
とはいえ,41.1秒となかなかのタイムを出せたので
1月に出した40秒台と比較してみようと思います.1月(前回)と今回とではフロントのキャンバー角が1°異なり,それ以外は一緒(タイヤの摩耗差はありますが)なので,今後どちらで行くかの検証にもなります.
という事で,いつもの通りサンプルデータから.
【前回(40.962)】
【今回(41.133)】
今回のタイヤはユーズドなので,新品であった前回との差が0.17秒となると,届かなかったのはタイヤの差(新品効果は0.2秒)かなぁ~?という気もします.じゃあ,0.03秒分縮めた要因は何か?というと,コンディションでしょうね(↓).
前回 ・・・ 気圧:1017.6hPa 気温:6.6℃ 湿度:37% 路温:13.3℃
今回 ・・・ 気圧:1025.9hPa 気温:5.6℃ 湿度:65% 路温:11.6℃
気温はほぼ同等で,気圧が8hPaも高いのでこれが有利な条件となっていそうです.過去実績で見てみると(↓),
8hPa差は0.16秒くらいのゲインがありそうなのですが,湿度が意外と高かったのでそれでゲインが減ったのかもしれません.
では,一番重要なロガーデータ(赤:前回 青:今回).
0.17秒差なのでほとんど変わりませんが,細かく見てみると微妙な違いがあります.
まずトップスピード関連(↓).
1コーナー進入を除き,他は今回(青)の方が伸びています.これは気圧の効果だと思いますが,そうなると1コーナー進入だけ伸びなかったのは不可解ですね.ここはドリフトが行われないセクションなのでブラックマークが少なく(↓),

(真っ直ぐコースアウトしている跡は,多分
私がRE-71RSで付けたヤツです・・・)
グリップしていなかった訳ではないと思うのですが,波形をよーく見ると131km/hを超えた辺りで頭打ちしているような感じなので,何かしら阻害要因があったようです.1つ可能性として有り得るのは,キャンバー角を減らした事でタイヤの接地面積が増えるので,それが抵抗となった可能性でしょうか・・・?
その接地面積が増えた影響として明確に感じたのがブレーキングで,明らかにクルマが止まるようになりました(↓).
一番右端の洗濯板手前等は顕著ですね.今回,ベストを出すのに3周掛かってしまったのですが,その要因はこのブレーキングで,今までと同じ感覚で踏むと止まり過ぎるので,そこを合わせ込むのに3周掛かってしまいました・・・.
ただ,止まる要因は他にもありそうで,その根拠となるのがブレーキのジャダー.
ここ最近,高車速からのブレーキングでジャダーが出ていて,これはローター&パッドを変更しても直らなかったのですが,今回は全くこれがありませんでした.察するに,ジャダーの原因はブレーキではなく,フロントのアッパーアームが割れていたせいだったのかもしれません(↓).
そうなると,このジャダーが出るようになったのは,寒くなった時期なので
昨年11月のTC2000辺りか?(↓)
この頃は自己ベストを連発していた時期なので,確かにアームに掛かる負荷が大きかったかもしれません.
そうなると,自己ベストが出るようになった要因は,
フロントロアーアームのピロボール化なので(↓),
フルピロ化が,アーム割れの引き金になったと考えられそうですね.フルピロ化する前は「1箇所ゴムを残して力を逃がさないと,負担が大きくなってどこか壊れる」とショップで言われていたのですが,その見解は正しかったという事なんでしょう.私はアームの付け根のボディ側が割れると予想していたのですが,まさかアームが割れるとはねぇ・・・.
話を戻して,他に違いが出ている部分としてはボトム部分(↓).
ほぼほぼ一緒でキャンバー角が減った影響はほとんど見られませんが,ヘアピン(真ん中の緑丸)だけその兆候が見れました.ここを拡大してみると(↓),
ヘアピンの進入でブレーキングを合わせ込もうと微妙なコントロールをしている素振りが読み取れます.そして最大舵角となるミッドではタイヤが同じなのでボトムスピードも同じですが,そこから先の立ち上がりで今回(青)の方が明確に遅れています.
その遅れ方にも少し特徴があり,前回(赤)よりも早めにアクセルを開けに行っているにも関わらず,立ち上がりで車速が伸びず,横ばいになっている様子が窺えます.つまり,ここでアンダーステアが出ているという事ですね.
ライン取りを見るとこれが明らかです(↓).
前回(赤)と比べて今回(青)の方が外側に膨らんでいるのが分かります.振返ってみると,一昨年想定外の事態でフロントのキャンバー角を4°→3°30'に減らした後,
対策を施して再び4°に戻した際,最も違いを感じたのがこのヘアピンでした.当時「キャンバーつけるとよく曲がる~」と感じた記憶があるのですが,確かその「曲がる」は立ち上がりだったので,今回の結果と一致しそうです.
この現象は,キャンバー角のメカニズムと一致するので納得出来る話ですね.キャンバー角が減ると高速コーナーで不利になるかと思っていたのですが,今回の結果からすると逆に低速コーナーで不利になっている,という事なんでしょう.
・・・で,結局,今回40秒台に届かなかった原因はなんなんだ?というと,最終コーナーの立ち上がりでした(↓).
実は最終コーナーの進入まで前回のタイムをは0.03秒上回っていて,そのまま行けば40秒台を出す事が出来ました.しかし,最終コーナーの路面がこれだけ荒れていると(↓),
トラクションが掛からず失速してしまい,このせいで約0.15秒を失ってしまったようです・・・.
ホント,路面さえ良ければなぁ~と悔しい日でした.orz
なお,前回(赤)苦しんだ洗濯板を降りた後のアンダーステアですが,今回(青)は全くそれがありませんでした(↓).
SATが弱いせいだと思っていたアンダーステアの原因は,やはりアーム割れのせいだったという事なんでしょうね・・・.
以上,フロントキャンバー角の影響でした.
恐らく今の状態から再びキャンバー角を4°に戻せば,ヘアピンで「よく曲がる~」と感じるのだと思いますが,そこで得られるゲインは僅かですし,TC1000においては有意な差が見られないので,当面の間は3°のままで行こうと思います.
なお,走行終了後の左フロントタイヤの摩耗状況はこんな感じだったので(↓),
キャンバー角が減った分だけショルダー部分の摩耗は進み易くなっているようです.